『開設60周年記念武雄競輪(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:4月18日


 武雄競輪開設60周年記念「大楠賞争奪戦」は2日目を迎えた。優秀競走「飛龍賞」をメインに、二次予選A,Bで争われた。また、第11レースには96回生によるルーキーチャンピオンレース「若鷲賞」が行われ、深谷知広が逃げ切り優勝を飾りました。
  本場ではたくさんのイベントが予定されております。まずは開催を通して、先着1000名様にラッキーカードを配布、抽選で100名に武雄記念オリジナルクオカードがプレゼントされます。また、場内ではレース展望予想会&予想車券プレゼント、ローラースピードチャレンジが。さらに、明日19日は選手会佐賀支部によるトークショーが行われます。こちらもどうぞお楽しみに。

<5R>
西徹選手
西徹選手
   西徹(写真)が7番手からまくりを決め快勝。ラインの志知成司、これに付けた高田健一で上位を独占した。
  「高田さんは3番手に付いていてくれるって言ってたんで安心してました。踏み出した感じは良かったし、行けると思った。ラインで決まったのが何よりですね」
  志知成司は「今節のラッキーボーイかな?」と、ご機嫌な様子。「抜いてやると思い切り踏んだけど、西が強かったね。高田君も切り替えずに3番手に付いていてくれたしね。あの1車が大きいんだよね」


<6R>
山口貴弘選手
山口貴弘選手
   6レースは笹倉慎也の番手が競りとなり、ジャンで落車のアクシデントが発生した。間一髪これを避けた山口貴弘(写真)が4番手キープからまくって1着を手にした。
  「ビックリしましたね。もう少し自分の方に来たらコケてましたね。中団に入れたけど、まくり追い込みよりは早めに出た方がいいかなと。踏み出した感じは良かったし、今回は脚は良いですね。記念の準決勝は(1月の)和歌山以来。あのときは繰り上がってCだったんで、準決Aは初めてです」
  山崎岳志が山口をマークして2着に入る。
  「ジャンで山口が行きそうな感じになったから、自分も踏み込もうとしたときに落車。避けて戻ったときに山口にハウスしてしまって。あれで脚が売り切れてしまった」
  笹倉慎也は懸命に逃げたが6着に沈んだ。
  「落車があったけど、自分のペースで駆けられたし、掛かりも良かった。山口さんに4番手に入られては。落車がなければもっと行けたかもしれない。悔しいですね」


<7R>
三槻智清選手
三槻智清選手
   中村雅仁が押さえて主導権を奪う。カマしてきた和田健太郎が番手に追い上げる展開となったが三槻智清(写真)が死守し、3コーナーから番手まくりを放って1着を手にした。
  「中村も早めに駆けてたし、谷田(泰平)さんが飛んでくると思ったんで番手から出ました。全然周りが見えていなかったし、余裕がなかったですね」
  藤田剣次が外を張ると、市野茂が内をうまく突いて追い込み2着に。
  「前が詰まっていたし、(谷田は)外を行った方が良かったと思うけど、内に行ってしまったんでね。最後はうまくコースが空いたんで。恵まれました」
  中村雅仁は「和田君を出させたら、谷田さんにも行かれて7番手になってしまうからね。三槻さんに出られたけど、藤田さんが持って行ってくれたんで、諦めず最後まで踏みました。悔しいけど、内容のあるレースができたんで。力がなかったということで」と、致し方なしといった様子だった。


<8R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
   松岡貴久(写真)が圧巻のまくりで快勝した。レースは三ツ石康洋が果敢に先行。前がもつれたあおりを物ともせずに力でねじ伏せた。
  「(藤木に)ちょこちょこ当てられてたんで、絶対に負けたくないと思って気合が入りました。でも、セッティングが合ってなくて少し車の出が悪かったですね。調子は良いけど、車と体がかみ合ってないですね」
  2着には橋本強が入る。小橋正義に割り込まれたものの、三ツ石の4番手から差し脚を伸ばしてきた。
  「内をしっかり締めてなかったから、(小橋に)下りられてしまい4番手になってしまった。2着に入れたけど、三ツ石さんが頑張ってくれているのにこれではダメ。まだまだ甘いですね」


<9R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   9レースは浅井康太(写真)が格上の走りで快勝した。矢口啓一郎が内すくって先頭に立ち、更に山田英明が押さえた。山田が流すとすかさずホームからカマして主導権をにぎり、最後は追走する星島太を振り切った。
  「もつれたところもあったけど、ある程度思った通りの展開になった。出切ってからペースに持ち込めたし、バックで誰も来てなかったんで流して3コーナーから踏み直しました。風があってキツかったけどうまくいきましたね」
  星島太は流れ込んで2着に入線する。
  「恵まれましたね。(山田と)競りになってキツかったけど凌げたんで。あとは最後に抜きに行ったけど全然ダメだったね。(浅井は)バックで後ろを見ながらペースで踏んでたし、踏み直しが強烈だった」
  山田英明は敗れたものの、6着で準決C回り。地元記念の決勝へ首の皮一枚つながった。
  「一旦押さえて、後ろから来たラインの3番手が理想だったけど。浅井さんが来たから行かれたらおしまいだから、飛び付く感じでいったんだけどダメでしたね」


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   小嶋敬二(写真)が持ち前のパワーで圧倒した。レースはチャレンジャーの中村敏之輔が先行したところを、7番手からひとまくり。
  「中村君が誘導を使って駆けていたし、丸山君も合わせて出てきたんでどうなるかと思ったけど行けましたね。勝ててよかった」
  有坂直樹が番手から追い込んで2着に入る。
  「中村が頑張ってくれたね。誘導を使ってうまく駆けてたし落ち着いてたよ」
  中村敏之輔は5着で明日は準決C回りに。
  「今日は逃げるだけだったし、全く緊張はなかったですよ。誘導が残ってくれてたのが大きかったですね」


<12R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手
   優秀競走の「飛龍賞」は市田佳寿浩(写真)が勝利した。レースは荒井崇博が押さえたところを、永井清史がすかさず叩いて先行。この3番手に位置した市田が落ち着いて直線で追い込んだ。
  「永井が良いレースをしてくれるのはもちろん知っているし、実際その通りのレースをしてくれたんでね。ゴチャつけばまくりも考えてたけど、そんな必要は全くなかった。4回転にして俊敏に動けてはいるけど、明日は3.86に下げようかな」
  荒井崇博が外を鋭くのびて2着に入る。
  「前を斬って3番手あたりを取る作戦だったけど、海老根さんが来てたし、予想通りの展開にはならなかったね。後ろには合志(正臣)さんもいるし、外めを踏みました」
  永井清史は末脚を発揮し、3着に粘りこんだ。
  「今日は後ろ攻めから押さえて、全部突っ張るつもりでいました。坂本(亮馬)君が来てたのが見えたんで、合わせれば7着くらいには残れると思ってたけど、意外とタレなかったですね。今日は急に暖かくなったから体が動いてますね」



ルーキーチャンピオン(11R) レース経過
 スタートでやや牽制があったが、深谷知広が受けて立つ構えで誘導員を追う。西村光太―森啓が続き中部ラインを形成。長島大介―守澤太志の東コンビが中団で、小川祐司―山下一輝―岡崎智哉―宮腰圭祐の瀬戸内プラス近畿勢が後攻めで周回が進む。
  赤板前の四角から小川が上昇を開始すると、深谷も誘導から車を外して警戒するが、小川が踏み込み誘導を交わすと、深谷は中団まで車を下げた。小川はまだペースを上げずに後続の動きを牽制しながら打鐘を迎えるが、中団で外の長島をドカした深谷が、打鐘過ぎの2センターからスパート。西村は長島と併走になって深谷を追い切れない。深谷が一人でカマす形になると、岡崎が切り替えて深谷を追い掛ける。バックで深谷に追い付いた岡崎に対し、長島がまくり上げて深谷のヨコに並びかけるが、深谷に合わされて不発。岡崎は離れ気味になりながらも深谷に食い下がるが、バック手前から自らまくった西村がゴール前で深谷に迫り、中部両者の優勝争いに。西村の強襲を僅差深谷が堪えて押し切った。

深谷知広選手
深谷知広選手

 先月、練習中の落車により左足捻挫と親指を骨折。実力では断トツの深谷知広だが、今回ばかりは本人も含め、周囲も不安を抱いた。しかし、蓋を開けてみればやはりスーパールーキーだった。強烈な踏み出しで一気に主導権を奪うと同期を翻弄。最後は西村光太を振り切ってゴールした。
  「怪我自体は大丈夫だったけど、指定練習で走ってみて変な感じがありました。だから自信はあまりなかったけど、先輩達に『自信を持っていけ』と言われたんで。押さえてきたのが小川さんだったから、7番手まで引くと厳しいからあの位置(中団5番手)は譲れなかった。出切ってからはすぐには誰も来ないと思ったし、ペースで駆けました。バックで誰か来たのが分かったんで踏み直しました。直線でも来たのが分かったけど、最後は余裕がなかったですね」
  競輪学校の卒業記念レースでは番手の西村光太に優勝を譲ったが、同じ先行勝負で今回は堂々と逃げ切ってみせた。
  「卒記は西村さんに持って行かれたんで、そのときの借りを返せましたね。これまで過去のルーキーチャンプの決まり手は、まくりか追い込みがほとんどだったんで、自分が『逃げ』の決まり手を付けたいと思っていました。最悪、まくりでもいいかなと思ったけど、逃げ切りで勝ててよかったです。これからは先輩達に追い付けるように頑張ります」

 在校№1で卒記チャンプの西村光太は今回は惜しくも準Vに終わる。
  「深谷が外を退かして出ていったし、長島(大介)も締め込んできたから付いていけなかった。とりあえず番手まで追い上げなきゃと思ったけど、深谷のスピードがグングンと上がっていったんでキツかった。追い付いたから結果オーライかもしれないけど、内容が良くないですね」

 岡崎智哉はうまく深谷に飛び付いたものの、最後まで追い切れず3着に。
  「ダッシュだけは自信があったし、予想してた感じになったけど、小川さんが流してたんで切り替えるのがキツかったですね。飛び付けたのはよかったけど、そこから深谷が強烈に踏み直してくるなと思ったら体が動かなかった」

 長島大介は「深谷にしっかり付け切ってれば」と悔しがる。「3番手からまくって出たけど、結局は着拾いのレースになってしまった。デビューしてからあんなに強い人と戦ったことがなかったんで。自分もこれから力を付けて、また頑張ります」

 小川祐司は「流しすぎました」と敗因を説明する。「深谷が単独で来たからしめしめと思ったけど、合わせられる感じではなかった。ハコに飛び付き含めた感じで踏んだけど、全くダメでしたね。後ろを見過ぎました」

 宮腰圭祐は岡崎に離れ9着大敗。力のなさを痛感した。
  「ダッシュ力がないのと、迷いながら踏んでたんで…。深谷なり、岡崎に付いて行ければ面白かったんですけどね。脚力不足でした」

ルーキーチャンピオンゴール


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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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