『武雄競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月21日
 武雄競輪場で行われている開設62周年記念「大楠賞争奪戦」もいよいよ佳境、3日目を迎えた。あいにくの雨のバンクコンディションとなった準決3個レースでは、激しいスピードバトルが展開された。SS班の伏見俊昭、浅井康太はそれぞれ5、4着で準決で敗退、SS班不在の決勝となった。また、地元のエース荒井崇博は、初日から負けなしの3連勝で決勝進出を決め、3度目の地元記念制覇に臨む。
 明日の22日に最終日を迎える62周年記念。激戦を勝ち上がった9選手によるファイナルバトルは見逃せない。「大楠賞」の栄冠は、誰の手に。決勝での手に汗握る熱戦に期待したい。
 最終日も選手会イベントをはじめラッキーカード抽選会など、様々なファンサービスや、「神奈月」による爆笑ものまねライブ、ご当地グルメ市などのもりだくさんのイベントが武雄競輪場で行われる予定です。ファンの皆様のご来場を心からお待ちしています。ぜひ本場へ足をお運び下さい。
<9R>
尾崎剛選手
尾崎剛選手
井上昌己選手
井上昌己選手
 山田庸平に押さえられた松谷秀幸は、中団から打鐘の3角で果敢に巻き返し主導権を奪い返す。伏見俊昭―内藤宣彦まで出切ったが、最終ホームから勢いをつけてまくった神山拓弥のスピードがいい。
 「伏見さんの横を通過できたし、それで先着もできた。前の自分だったら(番手で)粘るしかなかったし、タテの脚で勝負ができているのはいいですね。もう伏見さんと1、2着かと思ったら、直線が長かった…」
 レース内容では一番の神山だったが、惜しくも4着。神山を追った尾崎剛(写真)が、当日に変更した4.42の大ギアで渾身の追い込み。3着で初の記念優出を決めた。
 「結構、伏見さんのけん制がきつかったけど、そこを堪えてなんとか乗り越えられた。今日はレースが流れてくれたし、ギアのおかげもあると思います。記念で初めての決勝に乗れたんで、練習仲間のみんなに感謝したい。決勝に乗ってこれで状態が悪いって言ったら怒られちゃう。神山君もいいポイントで行ってくれた。もうせっかくだから決勝でも3着までに入って競輪祭の出場権利を取りたいですね」
 井上昌己(写真)は山田が松谷に叩かれると、俊敏に4番手にスイッチ。最後は外に進路を取って前日の2次予選同様、楽に突き抜けた。
 「コースを探したら、内は危ない香りがしたんで、外を踏んだ。初日の失敗もあったんで、今日はシビアにいった。体のバランスが良くなったし、やっと戻ってきた感じがします。ものすごく余裕があったし、かなりいい調子です」
 伏見後位で脚を溜めていた内藤宣彦が、神山と尾崎の中を鋭く追い込み2着。
 「前の2人が頑張ってくれました。自分は脚を使わないで、最後の直線まで来られたのが大きい。展開に恵まれた気がします」

<10R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
関貴之選手
関貴之選手
 打鐘で出て主導権を握った小川祐司―筒井敦史の3番手をすんなり手に入れた岡田征陽(写真)が、松川高大と藤木裕の併走をしり目に絶好のまくりごろ。タイミング良く最終バック手前から踏み上げてまくり快勝。
 「今日はいい展開だった。強い2人(松川、藤木)が後ろでやり合っていたみたいだし、それで恵まれました。感じとしては今日が一番ですね。自転車のセッティングを少し変えて、いい感じになりました」
 岡田を懸命にマークした関貴之(写真)は、岡田と同乗した1月立川記念準決に続く2度目の記念優出。気持ちよさそうに汗をぬぐい、笑顔で振り返る。
 「もう自分はいっぱい、いっぱいでした。岡田さんが仕掛けるタイミングに集中していたけど、岡田さんの踏み出しはやっぱり強烈でした。そこをなんとか凌げたし岡田さんを差そうと思ったら、逆に踏み直されてしまった」
 6番手で藤木と併走した松川高大は、外に浮いて仕掛けることができずに終了。
 「藤木さんをけん制してから、前に出て小川さんが来るのを待とうと思っていたら。小川さんが来るのが、自分の思っている以上に早かった。それでああいう形になってしまった。脚は残っていただけに残念です…」
 外の松川を弾いた藤木裕はまくりで前団を猛追するが2着まで。
 「初日、2日目と2日間は1周半くらい駆けていたから、今日はあの展開で脚は余っていました。(松川が)先に仕掛けると思って、それを見てしまった。久々に別線をあてにしたようなレースになって、そこが反省です」

<11R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
牛山貴広選手
牛山貴広選手
 「吉本(卓仁)さんが来たのはわからなくて、気づいたのが遅かった。慌てて踏んだんですけど…」とは、竹内雄作。吉本のカマシを合わせ切れずに無念の8着敗退。
 吉本が鮮やかなカマシを決めて、荒井崇博(写真)にとっては絶好の流れ。直線で力強く抜け出し初日から無傷の3連勝。地元記念完全優勝に王手をかけた。
 「自分にもう少し余裕があって(加倉)正義さんくらいの動きができれば、吉本君とワンツーが決まっていたかもしれないですね。脚には余裕があっても、そういう意味で余裕はなかった。決勝はずっと一緒に練習をしてきて、毎日顔を合わせる(井上)昌己と乗れたんで悔いはないですよ」
 荒井にけん制されながらも、じわじわとまくり上げた牛山貴広(写真)が2着でゴール。反省交じりにレースを振り返る。
 「積極的な走りができていない。今日も最終バックを取ったわけではないし。調子が本当に良ければ、最終1コーナーで仕掛けて行けたと思います。そこら辺がまだまだ本調子ではないということでしょう。行けるタイミングはあったので…」
 3着で決勝に進んだ宗景祐樹は、気合を入れ直す。
 「どこの戦いでも一緒です。ミスのないように走りたい。そのレースの展開の中で一番いい着を取れるようにしたい。踏み出しの練習をしてきて、やっと離れる心配がなくなった。感触としては悪くはないけど、普通です」
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