『武雄競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月16日
 武雄競輪開設63周年記念「大楠賞争奪戦」は4月16日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は小埜正義が打鐘からハイペースで先行。井上昌己が最終バック手前から番手まくりを敢行したが、このラインを追っていた藤木裕が直線で鮮やかに突き抜け、当所記念連覇を達成した。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると深谷知広がゆっくりとスタートを出て前で構える。坂上忠克が深谷に続き、以下の隊列は藤木裕-南修二、小埜正義-井上昌己-小倉竜二、後方に池田勇人-浦川尊明が待機して周回を重ねる。
 赤板手前から上昇を始めた池田が2コーナーで誘導を交わすが、すかさず小埜がその上を押さえて出る。打鐘で小埜が先行態勢を取り、井上-小倉。池田が4番手に引くが、3コーナーから踏んだ藤木が追い上げて中団を奪取。藤木に南が続いて最終回。小埜がそのままペースを上げて逃げる。
 8番手に置かれた深谷は6番手まで押し上げて池田と併走するが、最終2コーナーではまだ仕掛けず。逃げる小埜との車間を空けた井上はバック線を目がけて番手まくりを打つ。井上-小倉に藤木ラインが続き、深谷は3コーナーを過ぎてようやく反撃。井上が先頭で直線を迎える。
 井上ラインに乗った藤木が中のコースを鋭く伸びて、押し切り図る井上を捕らえて武雄記念連覇。藤木の外をまくり追い込みで強襲した深谷が2着に届き、井上は3着。


藤木裕選手
藤木裕選手
 波乱続きの今開催を締めくくったのは藤木裕(写真)だった。細切れの決勝戦は的確な読みとフットワークで4番手を確保。番手まくりの井上昌己を渾身の追い込み勝負で一気に捕らえた。
 「初手でいい位置を取れたし、小埜さんは思い切っていくだろうと思ってましたから。4番手をしっかり取れたので、あとは2コーナーで自分が仕掛けるかどうか。井上さんが車間を切っていたし、この位置なら待ってもいいかなと。冷静に走れたと思います。優勝できて本当に嬉しい」
 強豪相手に見事な走りで大会を連覇。記念初優勝の昨年からこの1年間で飛躍的な成長を遂げた。次走は福井の共同通信社杯。藤木の快進撃は止まらない。
 「記念連覇は簡単にできるものじゃないですからね。しかも今回のメンバーで達成できたのは自信になります。これからも目の前の一戦一戦をしっかり戦っていくだけ。また1から練習し直して、共同もしっかり頑張ります」

 人気の深谷知広は後方からのまくり追い込みで大外を強襲。上がり10秒9の豪脚で迫ったが、2着までが精いっぱいだった。
 「前受けして、いけるところから仕掛けようと思っていました。ホームでそのまま踏んでいければ良かったけど、調子が良くなくていけなかったです」

 九州勢の最後の砦となった井上昌己は絶好展開から番手まくりを敢行したが、最後の直線で力尽きた。
 「小埜君が前で頑張ってくれました。流さずに踏んでタレてきていたので、前に踏ませてもらいました。4コーナーでは藤木といい勝負だと思ったんですけどね。俺が強ければ問題なく勝てていたし、力不足です」

 他地区の選手2人に前を託された小埜正義だが、打鐘から迷いなく主導権を奪った。
 「2人に任せてもらった以上は最初から先行と決めていました。力は出し切りました。次に乗ったときは、いい勝負ができるように頑張ります」

 池田勇人は勝負どころで立ち遅れてしまい、見せ場なく敗れた。
 「小埜君と先行争いしても厳しいし、4番手をしっかり取れれば良かったんですけどね。踏み遅れてしまった。あそこが全てですね」

ゴール
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