『武雄競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月20日
 武雄競輪開設64周年記念「大楠賞争奪戦」は4月20日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は打鐘から仕掛けた金子貴志が小松崎大地を強引に叩いて先行。これに乗った荒井崇博が最終バックからの番手まくりで後続の追撃を振り切り、4年ぶり3回目の地元記念制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると田中晴基が飛び出し、田中―内藤秀久の南関勢が前受け。1番車を利して金子貴志が3番手に入り、荒井崇博―合志正臣が追走。牛山貴広―小倉竜二、小松崎大地―伏見俊昭で周回を重ねる。
 8番手の小松崎は赤板手前から上昇を開始。牛山は福島コンビに切り替えず、2コーナーで小松崎が田中を押さえて出ると今度はすかさず金子が仕掛けて打鐘。突っ張った小松崎も踏むが、金子が力でねじ伏せて最終ホームで主導権を奪取。金子に荒井―合志と続く。叩かれた小松崎が後退すると、今度は田中が反撃。牛山は8番手に置かれて小倉が最後方。
 田中がまくりで前団に襲い掛かると、逃げる金子の番手から荒井が合わせてまくり発進。最終バックから、ようやく牛山もまくり上げる。田中を合わせ切った荒井の後ろで、合志と田中が併走。3車併走の外を回った牛山は不発。小倉が内藤後位に切り替え、伏見はインを進出して直線へ。
 田中、内藤との間を小倉が強襲するが、番手まくりの荒井がそのまま後続を振り切り地元記念制覇。田中とからみながらも合志が続くが、小倉が鋭く追い込み2着。合志は3着。


荒井崇博選手
荒井崇博選手
 荒井崇博(写真)の地元にかける執念が実った。誰が勝ってもおかしくない混戦メンバーとなった決勝戦。地元エースの自覚と金子貴志の心意気が勝利をもたらした。
 「今回は周りのおかげですね。初日と準決は(菅原)晃が頑張ってくれたし、優秀戦はダービー王の村上(義弘)さん、決勝はグランプリ王者の金子さんですから。こんなに光栄なことはないですね」
 即席タッグを組んだGPチャンプの金子が強引に小松崎大地を叩いて主導権を握る絶好の流れ。バックからこん身の番手まくりで激戦を制した。
 「全く予想していない展開だった。金子さんはダッシュがあるので、そこだけ集中していました。これで獲らないと逆に怒られますからね。感謝の気持ちしかない。地元記念の優勝は3回目で今回は特にうれしい。また特別競輪でも戦えるように頑張ります」
 ここ数年は低空飛行が続いていた荒井。この優勝をきっかけに、後半戦へ勢いをさらに加速させる。

 牛山貴広と即席タッグを組んだ小倉竜二は最終バック9番手となったが、直線で中を割って2着に強襲した。
 「牛山君はもうワンテンポ早く仕掛けていれば、まくれていたかもしれませんね。落ち着いて最後は踏めました。直線に入ってアタマまでは厳しいと思った」

 荒井に続いた合志正臣は3着まで。初日に落車負傷したが、気力で最終日まで乗り切った。
 「金子さんはすごいですね。半端じゃないダッシュでした。内を締めて回って、8番(田中晴基)が僕のヨコで止まれば良かったんですけどね。ちょっと気付くのが遅れましたが、当たってスピードは殺せたと思います」

 地元に任された金子貴志は男気あふれる先行策でスタンドを沸かせた。
 「中途半端にまくりにいっても失敗するし、小松崎(大地)君や田中(晴基)君と力勝負をしようと思ってました。牛山(貴広)君が小松崎君のラインを追わなかったので、仕掛けが少し早くなりましたね。小松崎君がかかり切ると厳しいので、出た時点でそこをめがけて思い切り踏みました」

 小松崎大地は金子に叩かれて万事休す。持ち味を発揮できずに敗れた。
 「牛山さんが自分達のラインを追ってこなかったのが痛かったですね。それでも突っ張り切らないとダメ。甘かったです」

 後方からまくった牛山貴広は不発に終わった。
 「金子さんに行く雰囲気があったので、小松崎さんのラインを追わなかった。展開待ちになってしまったけど、チャンスはありましたね。ちょっと見てしまって仕掛けが遅くなったし、重く感じました」

ゴール
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