『武雄競輪開設65周年記念レポート』 最終日編

配信日:6月2日
 武雄競輪場を舞台に繰り広げられている開設65周年記念「大楠賞争奪戦(G3)」は6月2日に最終日を迎え、サバイバルレースを勝ち抜いた9名による決勝戦が行われた。レースは平原康多が荒井崇博、深谷知広を合わせ切って逃げるなか、自力に転じた金子貴志がバックまくり。最後は浅井康太が追い込み、今年2度目の記念Vを達成した。
決勝戦 レース経過
 号砲で金子貴志が飛び出すと、周回は深谷知広―金子―浅井康太、荒井崇博―小倉竜二、平原康多―稲村成浩、和田真久留―岡部芳幸の並び。
 赤板ホーム手前から和田が上昇を開始。前受けの深谷が合わせて踏む素振りを見せると、和田は1コーナーで誘導員を下ろす。ハナに立った和田がペースを緩めると、打鐘過ぎに平原が前に出る。そこをすかさず荒井も叩きに行くが、平原が出させない。前がやり合うところを4コーナーから深谷が仕掛けたが、コーナーで外に膨れて不発。今度は番手の金子が2コーナーから自力に転じる。さすがの平原もこれまでは合わせ切れず、後ろを離した中部コンビで優勝争いになる。粘る金子をとらえた浅井が2月四日市に続く、今年2度目の記念制覇。関東3番手で立て直した荒井が和田のまくりに合わせて持ち出すと、荒井後位から鋭く中を割った小倉が稲村、和田と横一線の争いを制して3着に食い込んだ。


浅井康太選手
浅井康太選手
 松阪記念は腰痛で2日目に当日欠場。全プロ記念も見送り、手負いの状態で挑んだ浅井康太(写真)。高松宮記念杯を見据えて強行出場した今回ばかりは厳しいと誰もが思ったが、蓋を開けてみれば見事優勝。さすがの本人も「恵まれました。まぐれです」と驚きを隠せない。
 「今回は万全の状態ではなかったし、ラインのおかげ。二次予選は自力を出したけど、昨日(準決勝)も番手回りだったし、ラインのおかげで決勝に乗れた感じなので。キツいレースになるとは思ってたけど、深谷はいつ行くか分からないし、打鐘からキツかった。最後、金子さんを抜けたのは大きいですね」
 次は高松宮記念杯。今の置かれた状況から強気なことは言えないが、SS班としての責務は全うする覚悟だ。
 「今はとにかく腰をもうちょっと治さないといけないし、もっと自力の脚をしっかり付けないと。マークの番組のときはそれはそれでいいけど、僕はマーク屋ではないので。自力でもしっかり勝ち上がれるように」

 深谷の頑張りを受けて金子貴志は自力に転じたが、最後は交わされ惜しくも準V。
 「深谷が良い感じで踏んで行ったんで3人で決まったかと思ったんですけどね。平原は強い。あれは普通合わせられないですよ。深谷があれだけ行ってくれたんで、僕も行ける所までと思ったけど最後脚は一杯でした。浅井は余裕がありそうだった。調子良くないと言ってたのにね(笑)」

 3着争いは横一線。目標の荒井崇博は突っ張られたが、小倉竜二が直線鋭く伸びて微差で表彰台入り。
 「(荒井が)合わされたね。でもよく行ってくれましたよ。僕はそこから1着までは厳しいと思ったけど、何とか3までと思って必死だった」

 その荒井崇博は「若手に見せ場は作れたかな」と満足げ。
 「不意打ちのカマシかイン粘りと思ってたけど、深谷が前を取った時点でカマシしかないと。平原を潰したけど、脚はもう限界だった」

 深谷知広は思い切ってカマしたが力及ばす。
 「このメンバーだと後ろ攻めは厳しいので、前を取って勢いをもらってからの方がいいと。荒井さんが切ってくれると思ったんで、出切ったらそれ目掛けて行こうと思ってたけど…。それでもタイミングがあったんで出切れると思ったけど、平原さんが強かった。ラインから優勝者が出てワンツーだったので、3着には入りたかったけど最低限のことはできたと思います」

 さすがの平原康多も金子までは合わせ切れず。
 「打鐘で緩んだし、あそこまで流してたら駆けますよ。僕だって先行を考えてない訳ではないので。深谷を合わせ切って和田君が来るかと思ったら金子さんだった。あそこまでは無理です」

 和田真久留は打鐘での判断ミスが致命傷に。
 「打鐘でミスりました。切らせるのを遅らせようと思って流してたら(平原に)行かれてしまった。あれがなかったらあそこから踏んで、深谷さんが来たのに合わせようと。後ろ攻めだったので、その作戦しかなかった」

ゴール
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