『佐世保競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月6日

 佐世保競輪場で開催されている開設69周年記念「九十九島賞争奪戦(GIII)」は、12月6日に2日目が行われた。二次予選のA、Bで勝ち上がりが争われ、最終の12レースでは3連単で17万円を超える高配当が飛び出した。7日の3日目には決勝進出をかけて、準決の3個レースで熱戦が繰り広げられる。
 本場では開催中の毎日、100人様に先着プレゼント、また、2020年全国競輪選手カレンダーを先着100人様にプレゼント。未確定車券抽選会、写真家の中倉壮志朗氏の写真展、“グルメカーがやってくる!”などが行われます。また、7日の3日目には「福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手とEXILE/EXILE THE SECONDの黒木啓司さん」のスペシャルトークショー、選手会長崎支部チャリティーオークション、フォーシーズンズステージショーなども予定されています。佐世保競輪場では、様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<6R>

高木翔選手
高木翔選手
 高橋和也が切った上を小森貴大が出て主導権。近畿勢に単騎の友定祐己が続いて高橋は中団、高木翔(写真)は7番手に置かれる。このまま最終ホーム目がけて小森がペースを上げて、高橋は2コーナー手前からまくるも不発。前団の隊列が凝縮されたところを高木がまくり追い込みで突き抜けた。
 「(周回中は)小森さんが中団だったし、あの並びなら7番手になるかなって思ってた。そこからは(仕掛けて)行っても(高橋)和也さんに合わされるんでどうしようかと。ただ和也さんが早めに行くのはわかってたんで。自分は初日よりも全然いいですね。(佐藤)朋也さんと決まってよかった」
 高木マークから外を踏んだ佐藤朋也が、4分の1輪まで詰めて2着。
 「誘導も上がってたし、和也も押さえて脚を使ったんじゃないですか。普通ならあれで(まくり切って)行っちゃいますからね。自分の感じは全然悪くない。それよりも(高木)翔が全部やってくれた」


<7R>

戸田康平選手
戸田康平選手
 押さえて先行態勢を取った小嶋敬二に、赤板2コーナーから志佐明が襲い掛かる。小嶋は突っ張り、両者での踏み合い。戸田康平(写真)はタイミングを逃すことなく打鐘の4コーナーから踏み込む。最終ホームで志佐が叩き切るも、スピードの違いで戸田がのみ込み、濱田浩司を微差しのいで逃げ切った。
 「出切ってからはいっぱいでしたけど、うまく見ながら回して回していけた。こういうダッシュ勝負の方が、自分には向いていますね。最近のなかではいい方です」
 ハンドル投げも及ばず2着の濱田浩司が、戸田との四国ワンツーを振り返る。
 「(戸田を)抜けなかったですね、踏み直されてしまった。戸田君のスピードが良くて離れそうだった。状態よりも気持ちが入ってなくてダメですね。これをキッカケにしたい」


<8R>

伊藤大志選手
伊藤大志選手
 赤板の2コーナー手前では誘われるように入ってインに詰まった藤根俊貴だったが、7番手まで引き切って打鐘の2センターから巻き返す。合わせて踏み上げる廣田敦士をねじ伏せた藤根に、伊藤大志(写真)、保科千春が追走。4番手に切り替えた中澤央治と山口貴弘が重なり、勝負は北日本3車に絞られる。番手の伊藤が、計ったように藤根を差し切った。
 「(藤根は)組み立てがまだ甘いかなと思うけど、よくあそこで仕掛けたと思う。自分は踏み出しが少し危なかったけど、ここさえしのげばと思って頑張った。そこで少し脚にきましたね。ウエートトレーニングをずっとしていたので、(体が)重い感じがします」
 近況はビッグレースで苦しんでいた藤根俊貴が、2着に粘り込んで笑みを浮かべる。
 「あそこで仕掛けないと自分のスタイルじゃない。(ラインが)3車だったので、(踏む距離が)長くても仕掛けようと思っていた。初日の5倍はキツかった。でも、積極策でいけたので、準決につながると思う。シューズのサンを換えたけど、効果はまだわからないですね」


<9R>

柿澤大貴選手
柿澤大貴選手
 瀬戸栄作の上昇に合わせて動いた山田久徳が番手で粘りかけるが、結局引いて瀬戸に中本匠栄、園田匠まで出切る。瀬戸が最終ホーム手前から腹を固めてペース上げて後続は一本棒。4番手の山田、6番手の小松崎大地は仕掛けず、柿澤大貴(写真)が8番手から2コーナー手前でまくりを打つ。番手の中本がけん制するもそれを乗り越えた柿澤が、予選連勝で準決に進んだ。
 「(8番手だったんで)もう開き直りっていう感じで(仕掛けて)行きました。(6番手に)小松崎さんがいたんで(最終)ホームくらいから行ってくれれば、(小松崎ラインに)付いていってと思ったんですけど。行かなかったんで、行くしかないと。そしたら意外と出ました」
 岡光良が2着に入って関東ワンツー。中団から追い込んだ山田久徳は、反省の振り返り。
 「(九州ラインの番手で)粘るつもりはなかった。(中団を)取り切っていっぱいだった。もうひとつ脚が溜まってなかったけど、結果的に(最終)バックくらいですかね。8番(柿澤)が来た時に行けたかなと。僕の脚がなかった」


<10R>

和田健太郎選手
和田健太郎選手
 赤板の1コーナーで藤田勝也が押さえて出ると、前受けの太田竜馬は3番手に下げて山中秀将と併走になる。藤田がスローペースに落として先行態勢を取り打鐘を通過。単騎の濱口高彰が追い上げて3番手に入ると、今度は太田と山中は4番手の併走。最終ホーム手前で太田が1車押し上げて、山中は1センターからまくりを打つ。番手から出る澤田義和を持ち前のスピードでとらえた山中が1着。
 「太田君には悪かったけど、ある程度フタをして勝負しようと。ただ、そうすると後ろの和田(健太郎)さんが小倉(竜二)さんとからむことになるので、和田さんの方がリスクはあったと思う。自分自身は併走から脚を使ってまくれているので、良くなっていると思います」
 直線で差を詰めた和田健太郎(写真)だったが、わずかに交わせず2着で千葉ワンツー。
 「藤田君が切ってくれて、あの展開は山中君にとっては得意なパターンですから。山中君が強かったですね。思いっきり踏み直された。自分は付いていけてるので微調整すれば問題ないと思う」


<11R>

荒井崇博選手
荒井崇博選手
 迷いなく先行策に出た上田尭弥に荒井崇博、蓮井祐輝。4番手で大きく車間を空けた野原雅也が、吉田拓矢を後方に置いて隊列は一本棒。詰める勢いで一気にまくる野原に合わせて、最終バック手前から荒井崇博(写真)が番手まくりで勝ち切った。
 「(上田が)最終ホームでは出られないように駆けると言っていたけど、その通り頑張ってくれた。野原君が仕掛けて来たのを見た時にはスピードが違っていて、しまったと思い、ヨコでもタテでもない半端な動きをしてしまった。なんとか合わせ切ったと思ったのに、次はゴール前で(吉田が来た)音が聞こえてマジかと思った」
 荒井、野原の上をまくった吉田拓矢が、2着に強襲した。
 「自分の気持ちが弱かった。2カ所、仕掛ける場所があったけど、野原さんのデキがいいのもあってちゅうちょしてしまった。脚は軽くて初日よりいい状態だけど、組み立てですね。せっかく北日本の2人が付いてくれたのに申し訳ないことをしてしまった」


<12R>

高橋陽介選手
高橋陽介選手
 蒔田英彦が主導権を握り、車間を空けた3番手の山本直が5番手の古性優作を警戒して打鐘を通過する。ペースを見極めた古性がカマして先頭に立つ。高橋陽介(写真)は古性ライン3番手の小川勇介をさばいて、蒔田が井上昌己を追いかける。しかしながら、自力に転じた上原龍もまくりで前団に迫り混戦。井上は上原を止められず、上原に切り替えた高橋が追い込んで波乱の1着。
 「(古性が仕掛けて来た時に井上)昌己さんがピッタリすぎて、小川君のところが空いてたんで(さばいて)ああなった。そこまではいいんですけど、駆けてるのが古性君だからこのまま(前で)決まると思った。そしたら上原君が来て、蒔田君もかぶっちゃったんで踏ませてもらった。自分は体が良く動いている」
 最終1センターで外に浮いた小川勇介だったが、しぶとくリカバリー。高橋後位に入って2着に流れ込んだ。
 「あそこからが持ち味。あきらめずにと思ったし、(高橋が行かなかったら)自分でも行ける感じがあった。とにかくゴールまではと」
 「あんなに沈むとは…。(最終)ホームの段階では(ラインで)ワンツースリーだと思った」と、古性優作は6着で薄氷を踏む思いの準決進出にショックを隠せない。
 「踏み上がっていかなかったし、全体的に良くないのかな。村上(義弘)さんに相談してみて、上積みを探していきたい」