『佐世保競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月19日

 佐世保競輪開設70周年記念「九十九島賞争奪戦」は3日目。準決勝3個レースで決勝進出が争われた。準決勝は初日特選スタートの吉田拓矢、新山響平に山崎賢人が快勝。山崎は初日から無傷の3連勝で地元記念初優出を決めた。迎える決勝戦は前記の3名に村上義弘にラインができての細切れ戦。なお最終日9RにはS級特進をかけて「レインボーカップA級ファイナル」が行われる。
 最終日も全国版、長崎支部版の2021年競輪選手カレンダーやオリジナルマスクを配布。WEBキャンペーンや来場者プレゼント、Youtube特別放送など総額700万円の大感謝祭も行われています。本場へご来場の方は検温やマスク着用など新型コロナウイルス感染症拡大防止対策にご協力をお願いします。

<10R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手

神山拓弥選手
神山拓弥選手
 松川高大の上昇を前受けの稲毛健太が突っ張ると、そこを吉田拓矢(写真)が叩いて打鐘前から主導権。吉田の動きに合わせて再度踏んだ松川が中団に収まる。吉田のペースの前に松川の巻き返しは3番手まで。神山拓弥の追撃を振り切った吉田が決勝進出一番乗りを決めた。
 「ちょっとセッティングを競輪祭の時のに戻して不安要素はなかったので先行して逃げようと思ってた。(稲毛が突っ張ったので)1回待って行ったら松川さんも来てくれたので、あとは自分のペースで行けました。先行すると決めてたので、結果逃げられて良かった。カミタク(神山拓)さんといつも連係して相性がいいんでうれしいですね。後半バタついたけど、逃げ切れてるので昨日(二次予選)よりは全然いいと思う」
 2着の神山拓弥(写真)は7月宇都宮以来となる決勝進出を手放しで喜んだ。
 「(吉田が)強かったし、思い切ってくれた。突っ張りを見てて、ジャンで行ってくれたから。風が強くてジャン先行したらキツいなと思ったけど、あいつがダメなら俺もダメだと思ってた。俺も余裕があったので、いつ来ても止められるなっていうのはあった。今期2回目の決勝だ。やっと乗れた。しかも記念の決勝で、獲っちゃうかも。ちょっと来てるね。サンタさんが来るかもしんない」
 吉田ライン3番手を回った須永優太が野田源一との3着争いを制して記念初優出を決めた。
 「記念の決勝は初めて。ドキドキしてたけど、すごくうれしかった。ラインのおかげで、連れてってもらった感じ。感覚的には日に日に良くなってる感じはある。連日、(吉田に)お世話になって、いい競走してくれたんでありがたいですね。チャンスは今回あると思ったので、明日(決勝戦)もチャンスあれば頑張りたいと思う」

<11R>

新山響平選手
新山響平選手

村上義弘選手
村上義弘選手
 不破将登の内をすくった新山響平(写真)が打鐘前2コーナーで前に出るが、そこをすかさず元砂勇雪が叩いて主導権を握る。3番手で立て直した新山は1センターまくりで鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「先行態勢に入ったけど、元砂さんのダッシュが良くて、モガき合うと後ろ2つのラインのまくり頃になってしまうので3番手で立て直した。周りは見えてましたね。脚にも余裕があったので、車間が詰まったところを一気に踏ませてもらいました。村上さんが持ってくるのを予想して進路を取ってまくり切れたのは良かったけど、後ろが付きづらい形になってそこは反省しています。脚の感じはいいですね。まくりでも出し切れてるし、いいと思う。積極的な気持ちではいるので、明日(決勝戦)も動けると思う」
 新山にまくられてしまった村上義弘(写真)だが、番手の和田圭をさばくと内に切り込んできた不破将登の動きにもしっかり対応して2着に食い込んだ。
 「勇雪が先行で勝負するという強い意志も後ろから感じました。新山君が(打鐘前に)内に行ったときどうなるかな、無理かなと思ったけど、勇雪がすごく気持ちの入ったレースだった。勇雪が気持ち入れて頑張ってくれたんで何とか自分も精いっぱいファンのみなさんの期待に応えられるようにと思った。和田君もヨコが強いし、内はしっかり見えてたので何とかできて良かった」
 不破マークから外に回した山口泰生は中を割ってくる柏野智典との3着争いを8分の1輪差で制した。
 「不破が頑張ってくれました。ジャンからハイスピードになったので、自分はためるだけためてコース狙ってと思ってた。不破が内に行ったんで和田と併走になったけど、ノーブレーキで弾くように前に踏んだ。今回はあまり調子が良くないんで、ああいう形になったら強気に攻めようと思ってました」

<12R>

山崎賢人選手
山崎賢人選手

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 前受けから7番手に下げた山崎賢人(写真)は3番手の小川真太郎、5番手の三谷竜生にそれぞれ車間を空けられ、なかなか動けない。ホーム手前からの仕掛けに合わせて2コーナーから小川に先まくりされたが、追いつきざまに小川をゴール前でとらえた。
 「誰も行かないなら前からって話でした。もうちょっと早く引ければ、また違ったのかなと思うけど、そこだけ失敗しました。三谷さんがずっと外を見てたので、ちょっと行きにくくはあったけど、行かないといけなかった。(後ろの地元2人を連れ込めず)そこが良くないですね。先輩方には申し訳ないです。自分の感じはいいので、決勝は頑張らないといけないです」
 小川真太郎(写真)は2コーナーからの先まくりで山崎をヒヤリとさせた。
 「今日(準決勝)は出し切ってやろうって集中してやれたので良かった。みんな(スタートで山崎に)前取らせる気持ちがあったんで、前のレースの新山(響平)と同じようになるかなと思った。合わせて出るつもりだったけど、あそこなら自分も持つと思って行きました。本当は1周ぐらい行きたかったけど、自分もけっこう空けてたので行くのが遅くなりました。脚はいいと思います」
 赤板過ぎに切った谷口遼平だったが、そこから別線の動きはなく腹をくくって主導権。乗った笠松信幸が3着で決勝進出を決めた。
 「GIIIの決勝は(今年8月の)函館以来ですね。初手の位置取りが微妙だったので引きましたけど、後ろから落ち着いて駆けてくれた谷口のおかげ。落ち着いて走ってくれたと思う。スピードが違いましたね。来るのはわかってたけど、スピードがすごかった。せっかく行ってもらったし、そこを追いかけて3着入った感じ。今日(準決勝)が一番良かったかな。すごく軽かったので」

<最終日・9R レインボーカップA級ファイナル>

橋本智昭選手
橋本智昭選手
 最終日9Rには「レインボーカップA級ファイナル」が行われる。来期もA級なのは3人。その3人が竹山陵太の後ろにズラッと並んだ。番手を回るのは橋本智昭(写真)。7月から降級したA級では5回優勝している。
 「竹山が前でやるって言うんで任せます。いつもは僕が前だけど、今回は。期間も空いてなかったので、状態は変わらず。雪でバンクは乗れなかったけど、街道で調整して来ました。もちろん3着までに入りたいけど、それは結果なんでね。番手でやれることをやって。一発勝負は得意ではないけど、やることをやりたい」
 宮城勢は3人いるが、橋本、三浦雄大の間に佐藤一伸が入り3番手を回ることとなった。
 「(三浦に)譲ってもらった形なんで。チャンスはあるけど、責任がある場所だと思う。最後はこの並びで良かったって結果になるようにしたい。ここまではいつもと変わらず練習して来た。(状態は)変わらずと思う。一発勝負は着った(いい着を取った)記憶がないけど、自分のデキることをやって頑張りたい」
 7月は大宮、取手で6連勝し、S級特進にリーチをかけていた隅田洋介だったが、練習中の落車で5か月近い欠場。今期は競走本数が足りず、来々期はA級となりそうなだけに、今回は勝負駆けだ。
 「街道練習中の落車で右背中側のろっ骨を7本、11か所骨折に肺気胸。今月はけっこうがっつりやったけど、練習はあまりできてないですね。心肺機能とかはキツいかもしれないけどレースは3分だし、休んでてもウエイトはガンガンやってたのでダッシュはいいと思う。本番に強いんで大丈夫でしょう。走れるのを楽しみにして来た。(S級特進を)決めたほうが格好いいんで頑張ります」
 単騎とはいえ最内の1番車。九州勢からはただ一人の参戦となった瓜生崇智も意地を見せたい。
 「とりえは上手く立ち回る競走なので。先手をどこが獲るかは大体予想がつくんで、そこを頭に入れながら。しっかりここに向けて仕上げて来たのでバッチリ。来期はS級なので優勝するつもりで来た。地元地区代表としてA級戦の集大成として臨みたい」