『開設57周年記念佐世保競輪(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:2月13日



 明日からいよいよ佐世保競輪場開設57周年記念「九十九島賞争奪戦」が開幕する。前検日の今日から晴天に恵まれ、決戦を控える99選手が車体、身体検査を無事終了した。佐藤友和、平原康多らS級S班5名が出場する今シリーズだが、最大の注目は何といっても先の競輪祭を制した地元・井上昌己。明日から始まる凱旋レースでどんな活躍を見せてくれるのか、今年最初のGI覇者の走りに注目したい。ぜひ佐世保競輪場で臨場感溢れるレースをお楽しみください。




<2R>
 2レースの滝山実は目下予選を4連勝中。昨年秋のケガから立ち直りを見せているが、「結果はたまたまで、思うようなレースはできてないですね。良くなってきたと思ったら、立川記念の落車でフレームを壊すし…」と本人の表情は浮かない。


<3R>
 3レースの川島勝は最近の成績こそ良くないが、地元記念では別人の動きを見せるか。
 「この時期はぜん息みたいになるので、体調は良くないですね。でも直前に沖縄で合宿して、どんどん良くなってると思ったし、だいぶ戻ってきた。ここは地元なんで頑張ります」
 藤野孝彦はこれが二度目の記念参戦。前回の松山FIから間隔も十分で「空いてたし練習はまじめにやってきた」と胸を張る。
 「今回から新車に換えました。感じも悪くないと思います」


<4R>
小岩大介選手
小岩大介選手
   4レースはS級復帰後も好走を続ける地元の江口晃正が人気を集めそう。
 「S級に戻ってからは、上手いことコースも突っ込めてるし、伸びてると思います。引き続き調子は良いですよ。今回は長崎の参加メンバー全員で直前に沖縄で合宿を組んできた。いつも気負って失敗してるので、今回は気負わずにちゃんと勝ち上がりたいですね」
 昇級後2場所目でいきなり決勝進出した小岩大介(写真)も二度目の記念参戦に腕を撫す。
 「ちょっとセッティングを変えてたけど、ヨコの動きに対応できなかったので今回から戻します。今回は競っても大丈夫だと思う。調子は良いと思うし、準決勝進出を目指して頑張りたい」


<5R>
 5レースの牛山貴広は前回の花月園FIでS級初勝利を挙げて、意気揚々と佐世保入り。これで早くも記念は三度目の参戦となる。
 「(初勝利は)ホッとしました。まだA級のクセが残ってて、走り方も分かってないけど、だんだん良くなってると思います。直前は別府で4泊の新人合宿とかあったけど、帰ってからは地元で武田(豊樹)さんたちと練習をやってきました」


<6R>
 6レースからは選抜戦がスタートする。ここは10場所で7勝と勝ち星を伸ばしている本田博に注目。前検日から好調宣言も飛び出した。
 「去年の10月くらいからバランスが良くなってきて、調子はかなり良くなってきましたね。それまでは乗った感じもぎこちなかったけど、最近は良い感じで乗れてる。冬場は好きだし、佐世保の成績もけっこう良いと思う。久しぶりの記念なんで頑張りたいね」
 対する自力型は岡本と福田の若手二人。岡本大嗣は「年末の立川FIでギアを上げたけど、まだ慣れてないですね。まともに先行したのは前回小倉FIの最終日くらいだけど、感じは良かったです。まだギアを踏み切れてないけど、調子は悪くないと思います」。最近は徹底先行の福田知也は、「特別意識してないけど、最近は逃げさせてくれるんですよね。感じはまだまだだけど、佐世保は先行有利だと聞いたので頑張ります」と主導権取りに意欲を燃やす。


<7R>
小川勇介選手
小川勇介選手
   7レースは90期№1と№2が激突する。年頭の和歌山記念の落車から今回が復帰戦となる小川勇介(写真)だが、体調に不安はなさそうだ。
 「落車で左の股関節を痛めて、2日くらい和歌山で入院。その後もしばらく動けなくって、練習は1週間くらいしかできてない。でもなぜか練習の調子は良かったんですよね。佐世保は2回目かな? デビュー直後だったし、バンクのイメージどころか来る道も忘れてました(苦笑)」
 阿竹智史は12月奈良FI、1月別府FIと決勝で落車が続いている。
 「落車は大丈夫です。前回千葉FIの初日は体調より仕掛けを失敗しただけで、残り2走は良かった。調子は良いし、自分のタイミングで仕掛けられたら良い着は取れてますね。小川君と当たるのは初めてだけど、同期と走るのはあまり好きじゃないですね」


<8R>
阪本正和選手
阪本正和選手
   8レースには地元の阪本正和(写真)が登場。今年に入り成績は下降線だが、地元記念にかける思いは誰よりも強い。
 「一番最悪の流れで来てしまいましたね。いつもどおりの練習で来たけど、一時期よりは調子は上がってるし、ここで踏ん張って今後につなげたい。地元の成績は悪くないし、あとは運が向けば。4日間気持ちが続くようにひとつでも上のレースを走りたいね」
 動向が不気味な坂上樹大だが、今年初戦の落車から成績はひと息。
 「落車の影響はないし、調子も上がってきてると思う。問題は体より自転車ですね。落車からちょっとおかしいので、走ってみてダメなら明日届くもう1台を使うかも。まあ大丈夫だと思うんですけどね」


<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   9レースからはシリーズの優勝争いをリードする特選メンバーが登場する。競輪祭から2週間以上の間隔で参戦となる佐藤友和(写真)だが、直前のバタバタで満足な練習時間は取れなかった様子。
 「競輪学校の訓練や表彰式、地元で健康診断もあったから、実質4日くらいしか乗れてないですね。何とも言えないけど、競輪祭は状態が良かったので。風邪で練習できてなかった和歌山記念よりは良いと思いますよ」
 対抗意識を燃やすのは松田優一だ。年頭の和歌山記念最終日にも佐藤と対戦し、逃げて先着している。
 「和歌山は自分のレースができたし、後ろの人がしっかりしてて走りやすかった。前回から3週間くらい空いたから、違反訓練もあったけどいつもどおりにやって来れました。明日も何とか佐藤さんに抵抗したい」
 前回豊橋FI決勝で落車失格している吉田敏洋はバツが悪そう。
 「ハウスしてうっかり落車ですからね。今回は何度も言われるだろうと覚悟して来ました。体は大丈夫だけど、心の傷が大きいですね。来月は地元記念もあるし、それに向けて調子も上がってきてます」


<10R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   10レースの平原康多は佐世保との相性抜群。「SSなんで希望して来ました」と笑顔で検車場に現れた。
 「競輪祭は決勝に乗れなかったけど、自分なりに納得の走りはできたと思う。直前はいつもどおりにやってきたけど、調子は維持できてると思います。佐世保は走りやすいので好きですね。今回も良い成績を残して、気持ち良く帰りたいです」
 競輪祭でさっそく優出と兵藤一也(写真)はGPレーサーとしての風格が出てきた。
 「決勝に乗っても着があれ(7着)じゃあね。もう少し頑張らないと。競輪祭の次の日から自転車を持ってハワイに12日間行ってきました。その間休んだのは3日だけ、感じも良いですよ」
 関東SSコンビを迎え撃つのは成長著しい菅原晃だ。
 「調子は正直イマイチだけど、レースは良いですね。練習は昨日1日追い込んでやったくらいだし、疲れが取れてればやれると思う。後ろがしっかりしてるし頑張りたいですね」
 村本大輔は豊橋記念で渡辺晴智の優勝を受け、次は俺だとばかりに気合十分。
 「晴智さんが久々の記念優勝をしたし、その流れにしっかり乗りたいですね。競輪祭からも練習、休養とバランスよくできた。明日も相手は意識せず、(石橋)慎太郎の良いところを引き出せるようにアシストしたい」


<11R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   最終11レースには今シリーズの主役・井上昌己(写真)が競輪王の肩書きを引っ提げての地元凱旋。多くの記者が取り囲むが、「まだ緊張してないし、気楽に」とリラックスムードで本番を迎える。
 「4~9日まで沖縄で街道中心に合宿してきました。バンクは昨日入ったけど、重かったです。今年は年頭から成績が良いので、この勢いを地元で止めないようにしないとね。感じは明日乗ってみてになるけど、悪くないと思います」
 井上に負けず劣らずで好成績を残しているのは紫原政文。今年は早くも7勝をマークしている。
 「何だか知らんけど、すごいですね。自分でもビックリしてます。調子は問題ないし、この成績で悪いとは言えんでしょう。流れを壊さんように練習は普通にやってきました」
 状態に不安を残すのは石丸と佐々木。石丸寛之は「年末、年始と途中欠場したのが悪かったのかな? 悪い流れのまま帰るより負け戦でも勝って帰るべきだったかも。練習の感じは悪くないし、足りないのはバンクでのバイク誘導くらい。来月は地元記念も控えてるし、そろそろ1着が欲しい」。花月園記念の落車から約3カ月ぶりの実戦となる佐々木龍也も「腰椎、胸椎をやってと右肩も脱臼。何とも言えない。全然です。でも今年の初戦だし、何とか」と、ともに流れを変えるのに必死だ。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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