『開設57周年記念佐世保競輪(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:2月14日



 今日から佐世保競輪開設57周年記念「九十九島賞争奪戦」が開幕した。1レースからシリーズ生き残りをかけた激しい勝ち上がり戦が繰り広げられ、メーンの特選3個レースは吉田敏洋、石橋慎太郎に紫原政文が快勝。地元のエース・井上昌己ら九州勢5名が、明日11レースの「佐世保バーガー賞」へ勝ち進んだ。
 明日(15日)は先着600名に抽選で佐世保バーガーが当たるラッキーくじを配布。場内ステージでは井上茂徳さんによる予想会などイベントが多数用意されています。明日も佐世保競輪場へご来場ください。



<1R>
榊原洋選手
榊原洋選手
   オープニングの1レースは榊原洋(写真)が自慢の切れで制す。逃げる菅田壱道ラインの四番手を確保すると、最後は内を鋭く突いた。
 「(内が)空いたのは見えたけど、入ったときに空いてたかどうか分からなかったから、ほんとギリギリでしたね。脚には余裕があったし、前回の二日目にアンダーパンツを脱いでから急に良くなりました」


<2R>
 2レースは酒井大樹の番手で絶好態勢になった関戸努がゴール前で楽に抜け出した。
 「滝山(実)君が粘りそうだったけど、内は重かったみたいですね。とにかく酒井君が行く気満々でありがたかった。バンクが重いので良い感じはしないけど、脚の方は引き続き良い状態で来てると思います」


<3R>
 3レースは中団の中川慶一が最終ホームから主導権を握る。隊列が短くなったところを道中七番手で脚を溜めた松田孝志がまくり上げるが、小笠原弘高のブロックで不発。最後は空いた中バンクを突いた宇根秀俊が鋭く抜け出し混戦を制した。
 「前を取って引くのも面倒くさいし、松田さんには後ろ攻めで行けるところから目一杯お願いしますと言ってました。松田さんが止められて、もうあそこしかなかった。危なかったけど、上手く突っ込めました」


<4R>
 4レースは圧倒的な人気を集めた九州勢が先行した上を南大輔が一気にカマす。これで隊列が短くなったところを豪快にまくり上げた新井剛央が安坂洋一の追撃を振り切って快勝した。
 「今日は展開が良かったですね。2場所前の前橋FIで茂木(和臣)さんや台(和紀)さんにセッティングを見てもらって、ギアも3.85に上げた。重くないし、それから感じが良いですね」
 地元の江口晃正は苦しい展開を何とかしのいで3着で二次予選進出を決めた。
 「小岩(大介)君は何でもできるので信頼してました。苦しい展開だったけど、気持ちに余裕はあったので。あとは疲れが取れればもっと良くなると思います」


<5R>
 5レースは逃げる牛山貴広の番手から豊田一馬が抜け出す。牛山が5着で勝ち上がりを逸し、「もう少し残したかったけど、余裕がなかったのかな」と勝利を素直には喜べないが、「付いてて楽だから良いと思う」と自身の調子には手ごたえを感じていた。
 高比良豪のカマシは不発だったが、牛山ライン四番手で脚を溜めた中畑正彦は三好陽一後位の石田洋秀をドカすと最後は外を伸びて3着に。
 「練習仲間が競走でいなくて、直前に4日間休めたのが良い休養になったね。最初は内しかないなと思ってたら外が空いた。調整できてるし、嬉しいね。でも、明日はさすがに厳しいかな」


<6R>
福田知也選手
福田知也選手
   6レースから選抜戦だったが、いきなり波乱のスタートとなる。その立役者となったのが福田知也(写真)。今シリーズ初の逃げ切り勝ちで3連単20万円超の高配当を叩き出した。
 「たまたまですよ。最近は立川とか重いところを走ってたから、重さも寒さも感じなかった。逃げ切れてるから、最後まで踏めてると思うけど、この結果は自分でもビックリです。明日は特選メンバーと当たるし、チャレンジャーの気持ちで臨みます」
 2着にはバック八番手から大外を強襲した辻力が入線した。
 「ここは本当に相性が良いんですよ。でも、あのレースはもう一回やれと言われてもできませんね。後方だったけど、ずっと脚を溜められたし、(記念で)初めての選抜だから気合も入ってました」


<7R>
竹田和幸選手
竹田和幸選手
   7レースは竹田和幸(写真)が脅威の脚力を披露した。スタートけん制が長引き、しびれを切らせて竹田が誘導に追い付いたのは青板周回。それでも休むことなく最終ホームから主導権を握ると、2着に逃げ粘った。
 「追い付いたときにけっこう息が上がってたので、もう無理だと思いました。七番手になりそうだったけど、流すだろうからそこを叩いてみたけど、結果はたまたまです。4日分のスタミナの内、3日分を使いましたね。残り3日間は1日分の体力で頑張らないと(笑)」
 勝った金田健一郎は竹田の頑張りに申し訳なさそう。
 「全部、竹田にやってもらいました。僕は付いて行くだけで面目ない。竹田がだいぶ脚を使ってたから抜けただけですよ」
 2車で先行する中近ラインを追いかけた小川勇介だったが、最後は力尽きた。
 「追い付いて、すぐに斬りに行ったからキツかった。明日はギアを上げてみます」


<8R>
坂上樹大選手
坂上樹大選手
   8レースは坂上樹大(写真)が本領発揮。中団から内に斬り込み安東ライン三番手を奪うと、直線で一気に突き抜けた。
 「狙って三番手って訳ではないですよ。引いて中団まくりが理想だったけど、そうならなかったので。早く届いたので今日から自転車を換えたんだけど、勝てたし感じも良かったです」
 2着に敗れた阪本正和だが、まずは勝ち上がりを決めてホッとした表情。
 「後ろが坂上君だってことに3コーナーで気付いてから焦ってしまってタイミングが取れなかった。前は交わせたし、安東君も3着に残れて良かった。昨日からずっと緊張してたので、ホッとしてます」
 逃げた安東宏高は「坂上さんは必ず何かしてくるだろうと思ってました。バンクが重いというより、脚がないからかかってない。今日は本当にラインのおかげ。それが全てです」と西本龍まで加わって長くなったラインに感謝しきり。


<9R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   9レース特選は吉田敏洋(写真)が逃げる佐藤友和を力強くまくり切り、シリーズの好スタートを切った。
 「本当は松田(優一)君が出たところをすかさず行って、友和を七番手に置くつもりだったんだけどラッキーでした。関東がバラバラになってたし、変に追い上げられるとタイミングが狂うのでホームから行った。(山口)幸二さんは被って付いて来れなかったみたいだけど、僕もそこまで余裕があるわけではないので。でも友和をまくれたし、悪くないですね」
 逃げた佐藤友和は一車でまくって来た吉田に続いて2着に。
 「松田は僕をナメてますよね。吉田さんのラインが3人で来たら粘ることも考えたけど、1人だったので。踏み切れてるので感じはまずまず。明日は作戦を立てて色々試してみます」
 3着の山田敦也だが、まずは北日本2人で準優出を決めたことを喜んだ。
 「山口さんも付いてきてたら切り替えもあるだろうけど、今日はしょうがないですよ。僕はラインがなきゃ勝てないわけだから。友和さんを入れて2人で2、3着なら良いと思ってた。差せれば最高だけど、レースは見えてるし冷静に対処できたと思います」


<10R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   10レースは石橋慎太郎(写真)が最終ホームから一気にカマす。村本大輔が離れてしまい、単騎で後続を離すと、追いかける菅原晃以下を完封して押し切った。
 「今日は自分で強いと思いましたね。ベストのタイミングで、ベストのレースができた。後ろが村本さんだったし、気合が入ってなければあの走りはできてないですよ。状態は悪くないですね」
 逃げる石橋を懸命に追いかけた菅原晃がそのまま2着に。
 「オーロラを見ようと思ったときだったけど、軽く行かれましたね。脚が戻らず、もう一杯でした。これで明日から楽になるんじゃないですか」
 菅原を3着に残すはずが、振り切られた小野俊之は苦笑い。
 「晃は追いかけてるから変な感じで踏み上がって行って、抜きに行ったら出らんかった。ちょっと脚が物足りんけど、前回からだいぶ良くなってる思う」
 一方、石橋に離れた村本大輔はバツが悪い。
 「前を取るのは予定外だったけど、慎太郎に突っ張らせて中団を取らせるまでは良かった。慎太郎はまくりだと思ったし、ちょっと平原を警戒しすぎたね」
 七番手から4着に突っ込んだ平原康多は、「斬りに行って突っ張られたのが予想外で、前を見っきりになってしまった。タイミングもズレましたね。最後はよくあそこまで突っ込めたと思うけど」と予想外のレースで確定板を逃したが、脚色は光っていた。


<11R>
紫原政文選手
紫原政文選手
     最終11レースには井上昌己が登場。終始中団キープからバックまくりに出るが、最後は絶好調男・紫原政文(写真)の切れの前に屈した。九州の選手に「KY(空気が読めない)だ」と冷やかされると、紫原も「抜けんでもいいけど、チャンスがあればね」と苦笑い。
  「今日は恵まれました。付いていくのも余裕があったし、持って来られても大丈夫だと思ってた。2着で上出来だと思ってたけど、1着ならなお良しです。でも、今日はたまたまでしょう」
  差された井上昌己だが、最大の目標は優勝。「踏み出しは問題ないけど、スピードの乗りがイマイチ。自転車との一体感が欲しいけど、疲れが取れれば」と明日以降はきっちり修正してきそう。
  3着の合志正臣も満足げ。
  「三番手でも口が空いたりしなくなったけど、(脚は)もう少しですね。4コーナーから交わしに行く脚が来てないので。でも前は流れの良い2人だし、逆らったらいかんなと思ってましたよ」
  七番手から青板で動いて行った岡山コンビだが、志村太賀に出させてもらえず「何がしたかったんだろう」と口をそろえた。志村太賀は「後ろがモツれてくれたほうが良いと思った」と話すが、最後は井上のまくりに屈し9着大敗を喫した。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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