『開設57周年記念佐世保競輪(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:2月15日



 佐世保競輪開設57周年記念「九十九島賞争奪戦」は今日で二日目を迎えた。今日は11レースの「佐世保バーガー賞」をメーンに、二次予選A、B合わせて6個レースで準決勝への勝ち上がりをかけた激しい攻防が展開された。「佐世保バーガー賞」は佐藤友和が豪快な走りで圧勝。明日は準決勝4個レースで決勝進出をかけた最後の戦いが繰り広げられる。
  また、明日は佐世保競輪マスコット・トップくんのハンドタオルプレゼントや場内ステージでは「オール阪神・巨人」のお笑いステージが3レースと、9レース終了後に予定されています。明日も佐世保競輪場へご来場ください。



<5R>
川島勝選手
川島勝選手
   二次予選Bは5レースから。このレースは地元の川島勝(写真)が魅せた。前受けから新井剛央の番手に飛び付き、さらにはまくってきた工藤政志の番手をドカして直線一気。長崎勢のシリーズ初勝利を飾った。
  「作戦は色々考えてたけど、後ろもカマして来そうだし、どうせなら前にと思った。結果的に前々に踏んだのが良かったですね。欲を言うなら自力で勝ちたかった。重たく感じないし、合宿の成果が出てると思います」
  絶好のまくり展開を勝ち切れなかった工藤政志はガックリ肩を落とす。
  「まさかと思ったけどね。あれで2着なんだもんなあ…、ダメですね。一杯ではなかったけど、踏み直す余裕がなかった。このメンバーなら(準決勝)Aに乗っとかないとダメなんだけど…」


<6R>
富澤洋祐選手
富澤洋祐選手
   6レースは逃げる中川慶一の番手で宇根秀俊が粘る。最終ホームから中川が一気に踏み上げると、ギアのかかった宇根が遅れて富澤洋祐(写真)が単独の番手回り。「何とか残したかったけど」と中川を気遣うが、ゴール前鋭く伸びた脚は好調そのものだった。
  「宇根君が粘ってくるのは分かってたし、あとは中川君の駆けやすいようにと思ってた。単独になってからも余裕があって車間も切ってたけど、長谷さんが良い勢いで来てたので。佐世保は久しぶりだけど、走りやすいと思ってたし、感じも悪くない。準決Aはデカイし、明日は石橋(慎太郎)と一緒にしてもらえれば最高ですね」
  三番手で立て直した宇根後位から長谷俊昭が2着に食い込んだ。
  「宇根が外を踏んだら、僕は中を割るつもりだったけど、宇根が大きく外に膨れたからアレッと思った。それでコースが空いたし、感じは悪くないです」
  絶好の位置を確保した宇根秀俊だが最後は外にスライスし、「トロくさいわ。もったいない」。逃げた中川慶一も「弱かった」と惜しくも勝ち上がりを逸した。


<7R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
   7レースは打鐘過ぎから逃げる小川勇介をホーム過ぎから早々とまくり上げた柴崎俊光(写真)がひと飲み。「昨日のほうが軽かったけど、展開が向きましたね。相手が小川君だから打鐘までフタされて焦ったけど、そのあとは落ち着いてと気持ちを切り替えた。明日は積極的に駆けたいですね」と笑顔でレースを振り返る。
  勝ったのは古田義明。番手絶好の展開をきっちりとモノにした。
  「最初は大丈夫かな?って感じだったけど、徐々にかかって行った。けっこう練習して来た疲れが抜けたのか、今日は軽かったです。柴崎君とは初めて連係してワンツーだし、流れが来てますね」


<8R>
豊田知之選手
豊田知之選手
   8レースからは二次予選Aとなる。このレースは逃げる松田優一と、まくる石丸寛之の激突が見どころだったが、最終ホームから辻力が松田後位に切り込む。これで隊列が短くなるとバックから石丸が一気にまくり、最後は番手の豊田知之(写真)が抜け出した。
  「これがS級S班になってから初勝利。長かったですね。石丸君の感じはまだまだだけど、今くらいのほうが僕には丁度良い。辻君が中団で止まったらキツかったけど、番手まで行ってくれてラッキーだった。関東勢がしっかりしてたから、あんなにきれいに決まるとは思わなかったね」
  2着には石丸ライン三番手から神開将暢が鋭く伸びた。
  「とにかく石丸君のおかげ。2センターで豊田さんがハウスしてたのを見てビビッて外に逃げすぎた。余裕はあったし、あれがなければアタマまで行けそうな感覚はあったね」
  まくった石丸寛之も3着で久々の準決勝A進出。
  「あんな展開は何カ月もなかったけど、自分で何とかしようという気持ちが呼び込んだんだと思う。すんなり中団だと思ってたら(内から辻に来られて)アッと思ったけど、ハコまで行くようなスピードだったし脚を溜めるしかないと。最近悪すぎたから、まだ余裕がないですね」
  4着で準決勝Bに回った村本大輔は「もっとスンナリなら面白かったけど、石丸さんのまくり頃になってしまったね。ちょっと対応できなかった」と、まさかの展開を悔やんだ。


<9R>
坂上樹大選手
坂上樹大選手
   9レースはスタートけん制が長引くと岩見潤が誘導員を追う。後ろ攻めの福田知也が打鐘から一気にフカすと、すんなり四番手を確保した坂上樹大(写真)がまくりを決め、連勝で準決Aへ。
  「押さえて来るのが遅めだったら粘ろうかと思ったけど、福田君がサーッと行ったんで。今日は島田さんが付いてくれてなかったら、キツかったかも。今日はエラかった、何にしてもキツい」
  もっとキツかったのは岩見潤だ。誘導員に追い付きかけるのに脚を使い、もう抜く脚は残ってなかった。
  「どうせ前を取らされるなら早めだと思って追いかけたけど、追い付いて一杯ですよ。坂上がタレてくれるのを期待したけど、抜けなくても準優Aだしね。昨日より今日のほうが(展開的には)楽だったけど、独走くらいエラかった」
  中部ラインを選んだ島田竜二は、「関東勢からと思ったけど、付いて行くのがキツそうだったので前にいるラインに続いた。ツイてましたね」。とっさの判断がピタリ的中した。


<10R>
山崎充央選手
山崎充央選手
   10レースは逃げる安東宏高を最終ホームから平原康多が力でねじ伏せる。この動きにピタリと続いた山崎充央(写真)がゴール寸前で鋭い切れを発揮。見事に平原を捕らえた。
  「ホームはキツかったけど、バックからは余裕がありました。平原みたいに惰性を殺さず仕掛けてくれれば付いていけるけど、昨日の松田(優一)みたいにドンと駆けられるとつらい。あれに付いていければもうワンランク上がれるんだけどね。平原とは初めての連係だったし、抜いたから練習仲間もビックリしてるんじゃないかな? でも勝負は明日だから、頑張りますよ」
  2着に敗れた平原康多は連日苦しい展開を強いられている。
  「3発もらったので、出切って一杯になった。安東君が踏み上げてるところだったし、タイミングも良くなかったから、もう少し見極めないとダメですね。すごい絶好調ってわけではないけど、疲れが抜ければ良くなると思う」
  最終2センターで山口幸二、金成和幸に米澤大輔が落車。3着には逃げた安東宏高が粘り込んだ。
  「駆け方が悪かったのかな? かかってなかったですね。カマされたら必ず出られてるから、そこが課題です。S級S班のスピードを真横で見れて、勉強になりました」


<11R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   11レースは逃げる菅原晃を最終ホームから豪快に佐藤友和(写真)がカマす。小野俊之のブロックをかいくぐり、一度は菅原後位に入ったが、「休んでも持ち味が出せない」と、そこからまくり上げて後続を振り切った。
  「まず井上さんが来たときは焦ったけど、そうなのかなって感じでした。九州勢を分断しても井上さんに出られたら意味がないし、今日はカマさないと自分の着がないと思ってました。状態は良いんじゃないですか」
  昨日に続き、またしても自力型を追い掛ける展開になった菅原晃が2着に入り2車単、3連単ともに高配当となる。
  「脚を使わなかったけど、佐藤君は強いですね。あんなに早く来るとは思わなかったけど、結果的にはラッキーでした。連日積極的に動けてるし、今日も自分の仕事はできた。感じは良いです」
  佐藤のダッシュに山田敦也が離れたが、中団で脚を溜めた石橋慎太郎が最後は自慢の回転力で3着に食い込んだ。
  「あれは自分(がハコで)も付いて行けなかったでしょう。バックで行こうと思ったけど、内に差してしまってバックを踏んだ。それでも3コーナー入り口からは良いスピードで行けましたね。この二日間、結果は申し分ない。出来すぎです」
  人気を集めた井上昌己は予想外に早かった佐藤の巻き返しの前に7着に敗れた。
  「友和の巻き返しが予想外に早かったし、1コーナーで小野さんが降りて来たときにバックを踏んだのが全てでした」
  佐藤の踏み出しに離れた山田敦也は「恥ずかしいレースをしました。すいません」と肩を落とす。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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