『開設57周年記念佐世保競輪(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月16日



 佐世保競輪開設57周年記念「九十九島賞争奪戦」は勝ち上がり戦も大詰めを迎える三日目となった。今日は準決勝A、B、C合わせて4個レースでファイナル9つの椅子をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。未勝利ながら地元の井上昌己も決勝へ進出。明日は悲願の地元記念Vを狙う。
  明日は先着600名様に1等1万円分の商品券が当たる抽選券を配布、場内ステージでは3レース、9レース終了後に「笑い飯」によるお笑いステージショーも行われます。明日も佐世保競輪場へご来場ください。



<8R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   8レースは1着選手のみが決勝へ進める準決勝C。吉田敏洋、志村太賀の二分戦となったこのレースは、押さえた志村がペースを緩めたところを吉田敏洋(写真)が一気にカマし、そのまま押し切った。
  「緩んだら行こうと思ってたし、あそこはペースがだいぶ緩んでた。狙いどおりに走れて、狙いどおりの1着が取れて良かった。もう一時期みたいなことはないし、体は動いてますね」
  周回中から鈴木誠に競られていた竹田和幸だが踏み出し良く吉田後位を守り切り2着に流れ込んだ。
  「バック、2センターでは抜ける感じがあったし、思いっきり抜いてやろうと思ってたけど抜けなかったですね。やっぱり(吉田は)強い。鈴木さんが横にいたけど、前に踏むことだけに集中してた。2着でも良かったです」
  3着には離れながらも自らまくり上げるように三番手に追い付いた金田健一郎が食い込んだ。
  「あー疲れた。タイミングがタイミングだし遅れるよね。志村に合わされたらどうしようと思ってたけど、行けたから。まずは責任が果たせて良かった」
  単騎で動向が注目された鈴木誠は吉田後位を狙う作戦に出たが「力不足ですね」。番手奪取は叶わなかった。
  吉田の反撃に屈した志村太賀は、「ダメだ…。ホームでもう少し踏んでれば良かったかな」とガックリ。


<9R>
井上昌己選手
井上昌己選手

小野俊之選手
小野俊之選手
   準決勝Bの9レースは人気の九州勢が上位を独占。中団を工藤政志にフタされ、バックでは兵藤一也のまくりでまくるコースが空かない苦しい展開を何とかしのいだ井上昌己(写真)は「危なかったですね」と安堵の表情でレースを振り返る。
  「自分のタイミングではないとはいえ、ギリギリ。綱渡りの決勝進出ですね。来る前に腰をやったからか、力が伝わってないし切れがない。自在に戦って詰めが甘く1着がないけど、ギリギリ戦える状態だと思います」
  勝ったのは小野俊之(写真)。連日の鬱憤を晴らすかのような会心の伸びに、レース後は笑顔が絶えない。
  「今回は新車だけど、セッティングを合わせたかったから追加を受けたし、今日セッティングが出た。昌己のまくりを交わせたし、感じは良かったですね。久々に普通に走れたし、ホッとした」
  3着には阪本正和がきっちり食い下がった。
  「あわよくば(三番手からでも)と思ったけどね。まずは付いて行かんとってだけ思ってました。もっと点数を上げて番手を回れるようにならないとね。迷惑をかけず、3人で決まって良かった」
  兵藤一也はまくり上げたが井上に合わされ4着入線。しかし、ホームの動きが落車を招いたとして失格となってしまう。
  「ああなったら仕方ないかなと思ってまくったけど。(失格は)しょうがないですね」


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
古田義明選手
古田義明選手
   10レースは佐藤友和(写真)が中団から切れ味鋭いまくりで逃げる九州勢を飲み込んだ。
  「(石橋慎太郎は)ホームで俺が行くと思ったんじゃないですか? 中団に入ってからも慎太郎が来てなかったから落ち着いて駆けられました。ほんとはコーナーに入る前に出切っておきたかったけど、出るまでに時間がかかりましたね。その辺の誤差を修正しないといけないけど、調子自体は良いです。あと1日、疲れが出なければ戦えると思う」
  中団を取られた石橋がズルズルと後退し、坂上樹大が切り替えるも古田義明(写真)は絶体絶命の八、九番手。しかし、内を踏んだ石橋が2センターで落車し、コースがポッカリ空くとそこを迷わず突っ込んだ。
  「もう無理だと思ってたけど、落車でパッとコースが空いた。記念は初の決勝進出だし、もうお腹一杯です(笑)。流れは良いし、あそこから2着に行けたので状態も言うことないです」
  「最後は無我夢中」と言いながらも豊田知之がコース取り巧みに3着に強襲した。
  「合志(正臣)がだいぶ仕事してたし、内に行きたかったけど待ちました。落車があったし、訳が分からず、どのコースを踏んだのか。ただ前回よりは感じが全然良いし、明日も3着までに入れれば何も言うことはないです」
  佐藤マークの山崎充央は惜しくも4着で決勝進出を逃した。
  「3コーナーで外に差しちゃった。あれが全て。まっすぐ付いて行ってれば分からなかったね。それだけ経験不足ってことでしょう。もったいない」
  逃げた安東宏高も経験不足を悔やんだ。
  「前に意識が行き過ぎて、友和が中団に降りてるのが分からなかった。チャンスはあったんですけどね。その辺が経験ですかね」


<11R>
紫原政文選手
紫原政文選手
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   11レースは川島勝―菅原晃で二段駆けの体勢を取った九州勢を平原康多が分断。それでも紫原政文(写真)の動きだけは違った。まくると同時に平原も川島後位から飛び出すのを見ると、三番手の富澤洋祐をキメて最後は内を鋭く伸びた。
  「なんか流れが向いてますね。まくらんと(決勝進出が)ないと思って行ったら、ちょうど平原も行ったので三番手をキメた。最後も狙った訳じゃないけど、外は行けなかったし踏んだら(内が)空いたのですかさず行きました」
  今年は不振に喘いでいた石丸寛之(写真)だが、ゴチャ付いたところをまくり上げて久々の決勝進出。「先に決勝を決めていた豊田さんの(S級S班の)赤いパンツに引き寄せられた」と満面の笑みで汗を拭う。
  「めちゃめちゃ嬉しい。何より点数(上がるの)がね。九州勢は上昇が遅かったので、突っ張られるぞと思ってた。何度も行くタイミングはあったけど、紫原さんも行こうとしてたからね。紫原さんが内に行かなかったらワンツーだったけど、やっぱり(今日から上げた)3.77だとすごくいいですね」
  2センターで紫原に内をすくわれた山田敦也だが、何とか立て直して3着に粘る。
  「打鐘から踏み合いになってるし、まさか平原さんがあんなに持って行くとは思わなかった。三番手には富澤さんがいると思ってたから、紫原さんに来られたときは少し焦りましたね。でも平原さんに頑張ってもらったからには3着までには入らないと、と思ってました」
  石丸のまくりに続いた岩見潤だが、届かず4着に敗れる。
  「石丸の一発に賭けたけどね。平原は何で3コーナー外に行ってんだと思った。もう少し石丸の仕掛けが早ければね」
  平原に分断された菅原晃は「警戒してなかった」と呆然。言葉少なに検車場を引き揚げた。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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