『東日本大震災被災地支援競輪 佐世保競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月24日
 本日(24日)、長崎県・佐世保競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設61周年記念「九十九島賞争奪戦奪戦」(GIII)の3日目が開催されました。激戦の3日目は、地元勢の活躍が目立つ1日となりました。準決勝戦はそれぞれ桐山敬太郎選手、坂上忠克選手、井上昌己選手が1着を飾りました。最終日の決勝戦、今年最後の記念覇者は誰になるのか、熱戦にご期待下さい。また3日目の9レースに行われたレインボーカップチャレンジファイナルは高知の小原周祐選手が1着、2着に中井勇介選手、3着は三登誉哲選手で入線し、この3選手がA級2班に特別昇班を決めました。今後の活躍にも期待したいところですね。
 最終日もイベント・ファンサービス、盛りだくさんです。まずは「あべこうじお笑いショー」が2R・7R後に行われます。R1グランプリ2010の優勝者が巻き起こす爆笑ステージにご期待下さい。また場内先着1000名様、前売り先着300名様にペットボトルお茶をプレゼントします。クリスマスならではのイベントもあります。「トップくんサンタからのクリスマスプレゼント」と題して、12時頃と15時頃に場内のどこかにトップくんサンタが登場します。お子様と女性にはステキなプレゼントが!ぜひ探してみて下さい。最終日も確定車券抽選会(後半3R発売中)、スタンプチャリー、朝10時からの早朝予想会に、14時からは手作り大鍋豚汁の無料ふるまい(先着300名様)、5R終了後にはローラーこぎ大会もあります。クリスマス決戦の佐世保競輪、ぜひ本場で競輪をお楽しみ下さい。
小原周祐選手が優勝
小原周祐選手が優勝
レインボーCゴール
レインボーCゴール
<1R>
藤野光吉選手
藤野光吉選手
 一ノ瀬匠が主導権を握ると、マーク藤野光吉(写真)が差し切って1着。3日目は佐賀勢のワンツーでスタート。
「(一ノ瀬が)強かったですね。今日は肥後(公允)もいるから、向こうが動いてくるようなら引いて、一歩折り合ってもいいと思っていたんですけどね。いいかかりでしたよ。後ろを見ないでも良かったくらいでした」
 前走の大敗を払拭する逃走劇を見せた一ノ瀬匠(2着)。
「肥後(公允)さんが相手だったけど、ジャン前から肥後さんはずっと後ろを見ていましたよね。行けないなと思ったから、何回も追い出しをかけたんですけど、3回目でようやくいけました。あとは内に閉じ込めて、ペースで行きました。残り1周から捲りは来ると思っていたけど、合せられましたね。風が強かったから不安はあったけど、重くはなかったですよ。前回(969着)に比べたら、良いですね(笑)」

<2R>
宮本憲選手
宮本憲選手
 逃げた宮本憲(写真)が大谷靖茂の反撃も振り切って快勝。
「今日は細切れだから、まずは良い位置を取ろうと思っていました。そのあとは、とりあえず後手を踏まないようにだけ。先行はペースで行けましたよ。(大谷の)気配もずっと感じていましたが、自分の感じも良かったです。良い補充になりました」
 捲りで巻き返した大谷靖茂だが2着。
「今日は先行の組み立てだったんですけどね。前受けから、切った上をいこうと思っていたのに、開いていたので迷ってしまって。中途半端になってしまいました。上を行きたかったのに、宮本(憲)さんも強かったです」

<3R>
原司選手
原司選手
 五日市誠が落車(失格)のアクシデントの中、秋山貴宏が主導権を握り、番手の原司(写真)が1着。
「そんなに撮ったら、電池のムダだよ!」と言いながらも笑顔。「秋山のおかげ。中団からの組み立てで、一番先行したいのは俺らのラインだからね。切ったところを叩く、作戦通りにいきました。今日は1レースで佐賀がワンツーだったから、やたら緊張していましたよ(笑)。加藤寛治の捲りも、秋山が自分で合わせてくれた。秋山は体がデカイだけじゃなかったね(笑)。初めての連係だっんですけど、これで相性は100%(笑)」
 ここまで大敗が続いていた秋山貴宏だが、2着に粘り佐賀ワンツーを決める。
「アクシデントはありましたけど、自分には良い展開になりましたね。誰が落車したか分からなかったので、全員確認して、五日市(誠)君だと分かりました。落ち着いてましたね。でも今日はライン4車だし、後ろは大先輩ですからね、重かったです(笑)。サラ脚だったから、逃げ切りたかったですけどね」

<4R>
阪本正和選手
阪本正和選手
 山口貴弘の先行を利した地元の阪本正和(写真)が久々の勝ち星。ちょうどバックヤードツアーも行われており、ファンから拍手の出迎えを受ける。
「いつものレースをしてくれれば良いという感じでしたが、本当に良い先行をしてくれました。先行争いになるのかなとも思っていたんですけど、うまく駆けてくれましたしね。1着は1年半ぶりなんですよ。初日2日に比べて、今日は感じも軽いと思っていました。おかげさまです、本当に嬉しいですね」
 九州3番手の井手健が2着で長崎ワンツー。
「山口(貴弘)サマサマですよ。くせ者が多かったから、内だけはしっかり締めていました。ずっと締めていたので脚が一杯でしたよ。(ワンツーは)良かったですね」
 自在戦の宇根秀俊が3着。
「今日も前々で。安部(貴之)君の番手もあいていたけど、小西(誠也)君が回ったし、先行ならその3番手に飛びついても良いかなと思ってました。そうはなりませんでしたけどね。地元勢の後ろに付いて、誰かが捲ってきたら阪本(正和)さんが牽制するから、コースは開くと思っていました。単騎で3着なら上出来です」

<5R>
神開将暢選手
神開将暢選手
 突っ張った吉松直人の3番手追走から神開将暢(写真)が鋭伸び。連勝を決めるとともに、3日目は1Rから九州勢の5連勝。
「後ろに地元の(松尾)大樹もいるから、大樹も3着までに引き込めるように早めに踏んだんですよ。入ったかなと思ったのに、阿部(康雄)さんが来ましたね。自分は余裕があったので、あとはそこだけでした。もう少し行くのが早くても良かったのかな」
 吉松マークの豊田知之(2着)は「吉松(直人)がいってくれたから決めたかったけど、神開(将暢)に先に踏まれたら厳しかったです」
 直線伸びた阿部康雄が3着に入線。
「(吉松直人の)突っ張りは想定外でしたね。引いてくれるかなと思っていたのに、いってしまいましたから。山田(義彦)もいつもに比べれば反応が遅かったですね。でも、そこは展開もあるから仕方ないです。自分は今日みたいにジワジワとペースが上がっていった方が走りやすいんです。(3着は)綱渡りですけどね」

<6R>
友定祐己選手
友定祐己選手
 ここから特選、2着までが最終日の特別優秀に進出できる。6レースは捲りを打った篠原龍馬を追走した友定祐己(写真)が捲りで抜け出して1着。
「構えてもエエと思ったけど、龍ちゃん(篠原龍馬)がいってくれたね。一緒の仕掛けになるようなら、稲吉(悠大)のところに降りようと思っていたけど、龍ちゃんのおかげです。でも捲って、4コーナーからがきつかったですよ。流れて踏んでいった感じでもなかったし、風もありましたからね」
 佐川翔吾マークの池上孝之が2着入線。
「佐川(翔吾)君が頑張ってくれたおかげ。いつも頑張ってくれますからね。その頑張りに応えようと思っていました。篠原(龍馬)君は牽制できたけど、友定(祐己)君には行かれてしまいました。状態は順調に上がってきているとは思います」

<7R>
野田源一選手
野田源一選手
 野田源一(写真)が7番手から豪快に捲る。一気にライン3車が出切り、一番人気の決着。
「ラインでワンツースリーが決まって良かったです。前受けからで、突っ張ろうと思っていたんですけどね。ああなったら、志智(俊夫)さんの動きを見て、志智さんも脚を使っているはずだから、すぐには出られないと思って捲っていきました。良かったです」
 野田マークの小岩大介が2着。
「(野田が)強かったですね。踏み出しや付いていくのは良かったけど、突っ張ると思っていたのでジャンでバック踏んだ時に内に差していて、野田(源一)さんもバックを踏んでいるからそのまま下がる感じになって、そこから踏まれたので、あそこがきつかったです。最後は一杯。サドルの調整で前に出し過ぎたのもありますね」
 九州3番手の足達重満が3着。
「ジャンでバック9番手でしたけど、流れに沿った仕掛けだったので付いていくには余裕がありましたよ。(野田は)仕掛けるところで仕掛けてくれますからね。最後は1人抜きたかったけど、強かったです。また明日頑張ります」

<8R>
高比良豪選手
高比良豪選手
 渡会宏和が1着入線も失格。2着入線の高比良豪(写真)が繰り上がり1着で3連単は54万円越えの波乱決着となった。
「今日は落車もあったので、運でしかないですよ。あそこの位置からでは8番手になってしまうのは分かっていましたからね。誰かがカマすと思ったし、先行選手が上に上がったのが良かったですね。あれで内にいってしまおうと思いました」
 主導権を握った小林信晴(5着)だったが、渡会が失格に終わり俯く。
「いつも通りに前受けから。高比良(豪)が上がってきたから、1番(山田英明)が来ると思ったし、それなら一度叩いて、いかせようと思っていたんですけどね。出てからはペースで駆けていきましたよ。でも(渡会が)失格では…」

<9R>
小原周祐選手
小原周祐選手
中井勇介選手
中井勇介選手
三登誉哲選手
三登誉哲選手
 3着までがA級2班に昇班するレインボーカップチャレンジファイナル。佐々木吉徳が突っ張り先行する意外な展開になるも、脚を溜めて一発に賭けた高知の小原周祐(写真)が捲りで優勝を果たした。
「作戦はいろいろ考えたんですけど、これといったのが決まらなかったので、流れに任せる感じで走りました。7番(佐々木)が突っ張ったことで緩んだので、仕掛け所だなと思っていましたよ。出切れるなと思ったし、落ち着いて入れましたね。来年に向けて勢いも付くので、また頑張りたいです!」
 2着は直線詰めた中井勇介(写真)。嬉しい特別昇班を決めた。
「単騎は経験がなかったし、何も考えずに、本能のままに走りました。イチかバチかでしたけど、結果は2着。(特別昇班が)決められたのは良かったです、大きいですよ。(1・2班戦は)チャレンジとは別の世界だし、結果はすぐ出せなくても積み重ねで着実に頑張っていきたいです」
 人気の一角だった三登誉哲(写真)は3着。予想外の展開にはなったが、特別昇班は決めた。
「積極的に泉(利和)君が駆けてくれるので、付いていくしかないと思っていました。突っ張りはびっくりしましたが、その後に中山(敬太郎)君とやり合いになったので、いかないといけないと思っていました。(昇班は)3度目の挑戦だったので決まって良かったです。(1・2班戦は)いつも通り先行で頑張ります」
 突っ張り先行に出た佐々木吉徳(5着)は「内容は良かったと思うし、まだこれで終わりではないですから。標識線で来なかったので突っ張るしかないと思いました。逃げ切りたかったですけどね。このギアももっと踏めるようにならないといけないし、また頑張ります」
 主導権を握れなかった泉利和(7着同着)は「中団からいく作戦。抑えに来たら、そこをカマそうと。来なかったら一気にカマそうと思ったのに、一番悪いタイミングでいってしまいましたね。ちょっと自分の中でも、単騎だから前に出させてくれるという気持ちでいってしまって。取りこぼしが多いですね…。来期(A2)は同じ失敗しないように頑張りたいです」
 中山敬太郎(6着)は「8番(泉利和)の後ろを狙っていました。でも一歩遅れてしまって、あれで脚に来てしまいました。また、頑張ります」

<10R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 正念場の準決勝戦。上野真吾が主導権を握り、番手絶好となった桐山敬太郎(写真)が抜け出した。後輩の頑張りを感慨深げに振り返る。
「フタをしてからいったらかからないし、一気にと。あとは上野(真吾)君に任せていました。気持ちが伝わりましたね。いってくれて、本当に嬉しいです。今まで先行してきて、いいことがありましたね。次に走る時はワンツーを決めたいと思います。今日は上野君のおかげです」
 上野真吾(5着)は「任せてもらいましたからね。でも、自分はいつも通りの変わらない仕掛けをしただけですよ。昨日も良いレースは出来ていたし、今日はもっとホームで流せれば良かったですね。苦しかったけど、出し切れました」
 縦横無尽の走りを見せた菊地圭尚が2着。
「バンクが重たくて、流れに乗れただけですよ。前受けからでしたが、ヤバイと思って気持ちも切り替えていきました。自分にもラインがあるので勝負できれば良かったんですけど、藤木も上野もやる気満々で、反応が遅れてしまいました。これでは7番手になってしまうと思ったので、高城(信雄)さんのところで一発を狙いました。何が何だか分からない感じでしたね」
 直線で伸びた市田佳寿浩が3着入線。
「納得の並びだったので、結果を残さないといけないと思っていた。それが勝負ですから。(高城)信雄は菊地(圭尚)との兼ね合いがあって、浮かされるから、勝負はそこだけ。自分が納得できるように走っていくだけです」。最終レース終了後、メンバーを確認し「明日は単騎で優勝を狙います」

<11R>
坂上忠克選手
坂上忠克選手
篠原忍選手
篠原忍選手
 レース展開が激しく動く中、最終的にホームからカマして先行は中部2車。番手から坂上忠克(写真)が2日目に続く連勝を決めた。勝利選手インタビューへ向けて髪型をセット。
「最高のクリスマスプレゼントですね!一気に来ると思ったし、今日は余裕がありました。最後は篠原(忍)が垂れるかなと思ったんですけど、強いですね。記念決勝は久しぶりで、いつ以来かも覚えていないですよ。最高です!」。篠原忍が近づいて「俺のおかげですよね?」と言うと坂上も「(篠原は)かかっていたけど、俺も強かった!調子も良いですね」
 その篠原忍(写真)(2着)は「たまたまですよ。今開催は展開が良いですね。でも今日は稲川(翔)君がいくと思ったし、全部見えていました。記念の決勝はこれが初めて。無欲の3日間ですね。明日も無欲で頑張ります」
 3着入線は稲川翔だが失格により内藤秀久が繰り上がりで優出を決めた。
「(鈴木)裕のおかげですよ。裕が全部展開を回したわけですからね。山の練習で疲れがあったけど、昨日もしっかりケアしてもう取れました。今日もイナショウ(稲川翔)を抜ける感触もありましたからね。日に日に上がっています。記念決勝は初めてです」
 鈴木裕(7着)は「ホームでいけば良かったですね。待ってしまいました。初日、2日目のレースが出てしまいました」と反省。

<12R>
井上昌己選手
井上昌己選手
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 最終レースは地元勢が魅せた。坂本亮馬が混戦を断つ捲りを放ち、追走の井上昌己(写真)が差し切って地元記念優出を決める。
「良い具合の展開になりましたね。(伊原の動きは)ちょっとびっくりしましたけど。あれで(坂本)亮馬が内にいったら、自分でいかないとと思っていましたから。でもラインで決まって良かったです。やっぱり亮馬はレースが分かっているね。昨日は重かったけど、今日は良かった。亮馬がまたやってくれるだろうし、頑張ります!」
 捲りで上位独占を決めた2着の坂本亮馬(写真)は「展開には恵まれましたね。いってくれなかったら、きつかったですよ。今日は気持ちで乗り越えました。競輪は気持ちが大事ですからね。でもレースは見えていましたよ。(ラインで上位独占は)良かったです」
 九州勢を追走した梶應弘樹が3着。
「ものすごくかかっていたね。(坂本)亮馬は一旦避けてからよく我慢していってくれた。あそこで少し口があいてしまった。でも、前2人が強いからね。ラインで決まったのはエエこと」
 好ダッシュでカマした石橋慎太郎だったが、5着に終わる。
「11レースの篠原(忍)さんのレースをしようと思っていました。あれはアリだし、(坂本)亮馬に一回脚を使わせて、カマせばと思っていました。流したところはいけたんですけどね。戻ってきてはいるけど、まだまだ脚が無いです。でもこういうレースを続けていけば、脚も戻ってくると思います」
 伊原克彦(7着)は初手の位置取りを悔やむ。
「前を取りたかったんですけどね。そこが今日の敗因です。石橋(慎太郎)君がすぐ来ているのも、番手が離れ気味なのも分かっていたんですけど…(村上)博幸さんに任せきりになってしまったし、僕のスタートダッシュ不足でした」
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