『被災地支援競輪佐世保競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:12月7日
 佐世保競輪場で平成28年熊本地震被災地支援・開設66周年記念「九十九島賞争奪戦(G3)」が、12月8日に熱戦の火ぶたを切って落とす。地元記念3連覇がかかる井上昌己をはじめ、このあとにグランプリ(GP)を控えている稲垣裕之、中川誠一郎、さらに神山雄一郎、107期の新山響平と精鋭が激突する4日間は見逃せない。好天に恵まれた7日の前検日は、参加選手の多くがバンクで汗を流して入念に調整を行った。
 本場では開催中の毎日、先着200人に日替わりお菓子をプレゼント。未確定車券抽選会、ケータリングカーの出店、佐世保競輪情報協会による予想会、「スピーチーズ」によるライブなどが行われます。また、8日の初日には「無料振舞い(先着200人)」、「2017年選手会長崎支部の選手カレンダー」の引換券を先着50人にプレゼントなども予定されています。佐世保競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
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 9月富山の共同通信社杯から勝ち星に見放されている中井太祐だが、F1で予選をしっかりとクリア。状態面でも上昇カーブを描いている。
 「(2場所前の)別府は体調があんまり良くなかったんですけど、次の玉野はべつに大丈夫でした。(佐世保は)結構あるけど、久しぶりですね、悪いイメージはありません。だんだん良くなっている感じだし、1レースの1番車っていうのはうれしい。それでの緊張はないです」
 伊藤勝太は前回の前橋F1を981着。最終日は追い込みで勝ち星を挙げているが、初日、2日目と大敗を重ねた。
 「前回はセッティングをいじって失敗した。それでもその開催中になんとかキッカケをつかみたかった。最終日はただ展開が良かっただけです。今回は(セッティングを)元に戻すんじゃなくて、また違う感じにした」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 ここ2場所で4勝をマーク。近況、固め打ちの清水裕友(写真)は、自信を持ってスタイルを貫いている。
 「(前回の)武雄が終わったあとは、いつも通りですね。そんな追い込んだ練習もしていないし、変わったことはしてない。疲れもないと思います。佐世保はA級ですけど、優勝もしたことある。落ち着いて走りたいですね。(準決での)9着があったりするんですけど、脚の状態はいいのかなって。あとはレースが小さくならないように、積極的に仕掛けたい」
 今期の競走得点が97点台といまひとつの猪俣康一が、悩めるフレーム選択を打ち明ける。
 「自転車がなくて…。全部使い切ってしまって、それで新しいヤツが良くなくて。今回も新車なんですよ。直前にこの自転車が来たんで、これがしっくりくるようになればいいんですけど。自分ではいろいろやっているつもりです」

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不破将登選手
不破将登選手
 今年はそれまで1度の優勝しかなかった不破将登(写真)だが、11月の富山を皮切りに3場所連続の完全優勝。A級特進を遂げて、今シリーズがS級カムバックの初場所を迎える。
 「S級ですか?4、5年ぶりくらいですね。一時期はチャレンジが見えるくらいにまでいってしまった。それでも腐らずにやってきたのが良かった。流れもいいし、自分の体調もいい。どこまでやれるのか楽しみです。(A級では)まくりばっかりだったけど、チャンスがあれば長い距離をいきたい」
 近況、コンスタントに1着を取っている土屋壮登だが、日変わりでのコンディションに不安を打ち明ける。
 「腰次第っていう感じでもあるんです。朝起きるたびに状態が違うんで。それでも最近はいい傾向にあります。取鳥(雄吾)君に先行されてやられたっていうイメージがあるんで、今回はどうにかしたいです」

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 3年ぶりのホーム記念。佐藤幸治は、阪本正和とのセットで一次予選のスタートを切る。
 「去年はA級だったし、(記念は)走れなかった。地元は声援が熱いし、それに応えられるようにしたい。ここのあっ旋が出てからは、やっぱりこの記念に向けてやってきた。それなりに調子もやっと良くなってきたし、ようやくいい感じになった。バンクもわかっている」
 3場所前の京王閣記念では789着で、最終日を走ることがかなわなかった筒井裕哉だが、その後は玉野、四日市とF1シリーズ連続で優出。
 「(初日は)藤井(昭吾)君のハコ。玉野は一気に3回優勝した時のフレームに戻した。修理に出しているヤツが間に合わなくて。そのあとの四日市は修理したフレームで走って悪くなかった。今回もそれを使います」

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 9月富山の共同通信社杯では決勝進出を果たし、続く寬仁親王牌ではG1初出場。西村光太が大舞台での経験を生かし、さらなるレベルアップを誓う。
 「前回から意外と日にちがありました。練習はいつも通り。調子自体は悪くないです。今年は競輪選手としての経験値が上がった。来年ですね。まだ、自分のピークだと思っていないし、30代は勝ちにこだわっていきたい」
 平沼由充は前回の西武園F1が397着。原因がはっきりしているだけに、今シリーズでの巻き返しも可能だろう。
 「前回の西武園はオーバーワーク。疲れが原因で調整を失敗した。今回はそれをふまえた上でやってきました。(S級)1班の点数はもうダメかもしれないけど、ここで大ヒットを飛ばせば。でも気負わずに走ります」

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山田庸平選手
山田庸平選手
 直近3場所の9走で4着以下はわずかに1度だけと、安定している山田庸平(写真)。3場所前の武雄では新山響平をまくりで仕留めて優勝。同時に短期登録の外国人選手も破っている。
 「昔だと先行、カマシまくりでやってたけど。それじゃ勝てない。自力、自在にやって、位置を取って何回も踏めるように脚質が変わった。最低でも3回は踏めるようにと思っている。ヨコも好きだし、自分がやりたいレースですね」
 石丸寛之は自力への回帰を感じながら、先を見据える。
 「(人の後ろを)いろいろ経験させてもらって、同じバック本数の人には付いてっていうのを考えるようになった。もう一回自力で勝負したいっていう気持ちが出てきたんで、自力を磨き直していきます」

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 近況一息の成績が続く片寄雄己は、一次予選では同県の後輩、菅原裕太の番手から活路を見出す。
 「ここまで(日にちが)空いていたんで、練習もしてケアもした。練習内容をチョコチョコ変えたりもした。来年に向けてウエートトレーニングをメーンにしたりした。まだ自力を捨てたわけじゃないけど、番手も番手で難しい。そこら辺をしっかりできるようにしていきたい」
 伊藤裕貴とのセットに坂上忠克はニッコリも、再度メンバーを見渡して気を引き締める。
 「(伊藤)裕貴と一緒で良かったです。でも、メンバーは結構、キツいですね。裕貴は勢いもあるし、しっかり付いていきます。前回の感じが悪くなかった。それからそんなに上積みはないけど、良くなっていると思う」

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 森山智徳は2場所前の和歌山F1で無傷の優出も決勝で落車の憂き目。それが尾を引いてたのか、前回の別府F1では2度のシンガリ惨敗を喫した。
 「怪我が擦過傷と打撲です。もう前回よりは確実に良くなっている。だいぶ練習して戻したんで、(初日は)行けるところしっかり。後ろは地元だし、貢献できるように出し切りたい」
 森山同様に長島大介も2場所前に落車のアクシデント。状態面が気になるところだ。
 「(落車の怪我は)擦過傷と軽い打撲だけだった。そのあとに地区プロもあったし、もう体は問題ない。前回の準決は展開ですね、それが読めなかったんで仕方ない。ダービー(出場権の)賞金もあるんで、上積みしたい」

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新山響平選手
新山響平選手
 新山響平(写真)は前回の競輪祭でG1ファイナルを経験。シンガリに敗れて苦汁をなめたが、大いにその存在をアピールした。
 「(競輪祭の決勝は)反省しかない。先行力を見せたかったのに、もう最初の位置取りからダメでした。決勝は走れたのは幸せだったけど、内容面では悔いしかない。その失敗を成功につなげないと。練習もやったし、疲れも大丈夫だと思います」
 窓場千加頼は前回の岐阜F1で4月以来の決勝進出。キッカケをつかむと潜在能力は高いだけに侮れない。
 「(2場所前の)京王閣まではイマイチ自転車とかトレーニングとかが合わない感じだった。それがやっと岐阜でバチっと来たかなって思う。競輪学校の違反訓練も1週間前くらいにあったけど、力勝負できる相手なんでしっかり頑張りたい」

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近藤隆司選手
近藤隆司選手
 近藤隆司(写真)は前回の競輪祭を7136着。2月の全日本選抜に次いで2度目のG1ファイナルの舞台でしのぎを削った。
 「その前のF1では予選で飛んだんですけど、前回はラインにも助けられて決勝に乗れた。2月に初めて(G1の決勝に)乗れて、もう一回乗りたいって思っていたんで夢のようでした。(10月の)千葉記念からずっと調子がいいっていうのを言っていたんで、それが形になってよかったです。ただ、G1の準決、決勝はスピードがひと桁違うなって感じた。それを経験して、またどんな練習をしなきゃいけないかっていうのもわかった」
 競輪祭の準決同様に近藤に任されたのは郡司浩平。今年は記念VにG1表彰台と飛躍の年となった。
 「競輪祭は落車の影響が少しあったけど、今年最後のG1だったんでそこにピークをもっていけた。それで終わったあとは、気持ちの面でも体の面でもかなり疲れがあった。そこから上げていくのはしんどいけど、最低限の戦える状態にはしてきた」
 池田勇人は前回の武雄F1を優勝して、弾みをつけて今シリーズに臨む。
 「徐々にですね、手応えもあります。G1戦線で戦っている人たちと最近は戦ってないので、そこら辺です。そこで戦えるようになれば、また違ってくると思う」

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中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 前回の競輪祭では未勝利も内容の濃い走りが光っていた中川誠一郎(写真)は、初のGPへ気持ちを高める。
 「久々にバックもいっぱい取ったし、競輪祭は疲れがありました。そのあとは休憩して、疲れを取った。GPへ弾みがつくレースができればいいですね」
 自力多用で成績もアップしている荒井崇博だが、信頼を寄せる中川には迷いなく委任。
 「俺はもう(中川)誠一郎の後ろ。ちょっと(前回の)小松島はボーっとしているところもあったかもしれない。(初日は)なんとか勝ち上がらせてもらって、それから考えます」
 残念ながらグランプリ出場をかけた賞金争いには敗れた吉田敏洋だが、この経験を来年へとつなげたい。
 「とてもじゃないけど、来年頑張ろうっていう気にはまだなれない。ちょっとゆっくりしました。それでも今年最後の最後までいい経験をさせてもらった。いい意味でこの経験を前向きの姿勢でとらえたい。後ろを向いてもしょうがないんで」

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井上昌己選手
井上昌己選手
 稲垣裕之は単騎の競輪祭決勝ではまくりを放ち3着。平原康多、武田豊樹の関東コンビに屈したものの奮闘した。
 「今年はG1を獲って、GPっていうのを目標にしていた。計画通りに来られたかなと思います。前半は怪我をして休んだんで、上積みがあった。ここをしっかり走って。自転車もそうですし、レース勘も間隔が空きすぎると良くないんで。最高の状態でGPを走るために、やれることをやります」
 「稲垣さんに行けるんですか」と、地元記念3連覇に向けて好スタートを切りたい井上昌己(写真)は、同期の稲垣とのタッグ。
 「稲垣さんには付いたことが2、3回あると思います。自分も練習の感じが上がってきているし、あとはタイミングですね。大丈夫って思わないとやってられないですよ(笑)」
 前回の岐阜F1で小埜正義は644着。準決ではアクシデントもあって、完調とは言えない様子だ。
 「これじゃあ、体と車輪がいくつあっても足りない。準決で望月(裕一郎)さんに突っ込まれて、首と腰が…。そのあとは自転車に乗ってないです」
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