『被災地支援競輪佐世保競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月9日
 佐世保競輪場で開催されている平成28年熊本地震被災地支援・開設66周年記念「九十九島賞争奪戦(G3)」は、12月9日に2日目が行われた。メーンの優秀「佐世保バーガー賞」では、郡司浩平を利した石井秀治が追い込んで1着。準決へと弾みをつけた。10日の3日目には決勝進出をかけて、準決の3個レースで火花が散らされる。
 本場では開催中の毎日、先着200人に日替わりお菓子をプレゼント。未確定車券抽選会、ケータリングカーの出店、佐世保競輪情報協会による予想会、「スピーチーズ」によるライブなどが行われます。また、10日の3日目にはモノマネ芸人「ホリ」、「ほたるゲンジ」のお笑いステージ、「選手会長崎支部」によるチャリティーオークションなども予定されています。佐世保競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<6R>
池田憲昭選手
池田憲昭選手
 池田勇人をけん制してから打鐘の3コーナーで飛び出した清水裕友が、迷いなくグングンと加速して逃げる。8番手の池田勇は最終ホームからの巻き返し。逃げる清水の番手で間合いを計っていた池田憲昭(写真)は、池田勇のまくりをイエローライン付近まで大きくブロック。大立ち回りを演じて白星をつかんだ。
 「清水君も吹かしすぎかなっていうくらい、吹かしてましたから。もうちょっとペースで駆けてたら決まるかなっていうのはあった。もうホームで全開みたいな感じだったんでヤバいかなと。どっちにしても止めようと思ってた。そうしないと児玉(慎一郎)さんにもチャンスがないんで。あんだけ(内を)空ければ、武井(大介)さんも来るとは思ってた。今日は前と後ろのおかげです」
 まくりを打った池田勇マークの武井大介は、コースを探しながら直線の入り口で池田憲の内を選択して2着に伸びた。
 「もうちょっとジャンで緩めば(池田勇が)行くって言ってたけど、緩まなかった。それでも池田(勇)はジャンの4コーナーから行ってくれた。(池田憲の)ブロックがキツかったし、4コーナーで池田(憲)と池田(勇)の間を狙ってた。でも、池田(憲)がもう一回振ったんで、最内に行った。伸びなかったですね」
 池田勇、武井を追いかける形で3着に入った山田庸平は、地元の佐藤幸治を気遣いながら反省の弁。
 「(佐藤)幸治さんを連れていけなかったのが…。池田(勇)さんより先に仕掛けないと。地元で自力がある幸治さんが付いているんで外を踏んでっていう気持ちが強かったんですけど、思わずいつものクセで…」

<7R>
中井太祐選手
中井太祐選手
 近藤隆司の先行。4番手を手に入れた中井太祐(写真)は、最終1センターからまくりを打つ。近藤に合わされながらも、一歩、また一歩とじわじわと迫った中井が連勝で予選を勝ち上がった。
 「気持ちが入っていた。連勝で準決に勝ち上がれたのは初めてだし大きいですね。重さもあったけど、とにかく小埜(正義)さんのブロックがキツくて。なんとか乗り越えられてよかったです」
 近藤の番手から差し脚を伸ばした小埜正義は、2着にも悔しさを滲ませながら汗をぬぐう。
 「(中井のまくりは)1回止まったと思ったんですけどね。イエローラインの外を踏まれたら厳しいですよね。相手が強かった。気分は俺が浅井(康太)で近藤が深谷(知広)のつもりで走っていたし、止められると思ったんですけどね。全然でした」
 6番手にポジショニングした服部克久は、最終バック過ぎに内に潜り込んで坂上忠克を弾いて3着。
 「外を踏まないといけないと思ったんですけどね。内が空くだろうと思って見てしまいました」

<8R>
篠原龍馬選手
篠原龍馬選手
 柴崎淳の上昇に合わせて動いた新山響平は、赤板の2コーナーで藤井昭吾の番手に入るが篠原龍馬の追い上げに結局下げて6番手。先行態勢を取る藤井の後ろにはまった篠原は、最終ホームから敢然と踏み込んで風を切って駆ける。ソツなく追走した西岡拓朗は、柴崎のまくりを阻んで追い込み勝負。新山の強襲も抑えて金星を挙げた。
 「篠原さんは(藤井を)もっと使ってもいいと思ったけど、すぐに行ってくれた。いままでもお世話になっているし、篠原さんが本当に頑張ってくれた。(柴崎を)止めた勢いで前に踏んだんですけど、篠原さんも残ったしうれしいですね」
 6番手からのまくり追い込みになった新山響平は、直線で外を伸びるも2着まで。厳しい表情で振り返る。
 「(周回中)考えてなかった並びだったのもあるし、ゴチャゴチャになってどうしていいかわからなくなってしまった。柴崎さんを突っ張り気味に出させて、中団からカマそうと思ってたんですけど…。番手にはまってからも、篠原さんが来て…。打鐘のところで1回出れば良かったです」
 打鐘手前での追い上げ、最終ホームでの絶妙な仕掛けと、瞬時の判断が光った篠原龍馬(写真)が、3着にも満足げに汗をぬぐう。
 「タイミングが合った感じです。もう新山に行かれたら、自分が行くところはないですから。前々に踏んだ結果です。ゴチャついても落ち着いてできた。内容も良かった」

<9R>
長島大介選手
長島大介選手
 打鐘からペースを握った伊藤裕貴が別線の動向を確認しながら徐々にペースアップ。番手で盤石に見えた吉田敏洋に、8番手まくりの長島大介(写真)が襲い掛かる。車間を大きく空けてけん制する吉田をスピードの違いで乗り越えた長島が芦澤辰弘まで引き込んで準決進出を決めた。
 「自分でも久々にスピード出たなって。2場所前の落車の影響はまったくないし、脚は仕上がっていると思います。相性がいい芦澤さんと決められてよかった」
 「なんとか凌げてよかった」と、検車場へと引き揚げて来た芦澤辰弘がホッと一息つく。
 「作戦はすべて任せていたので。悪いなりにも勝負どころでしっかり続けた」
 3着の吉田敏洋は、中部の後輩の頑張りをたたえながら言葉少なに振り返る。
 「素直な風じゃないから走りづらかったけど、伊藤君が頑張ってくれたおかげですね」

<10R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 細切れのなか、長尾拳太、荻原尚人の順で切って、最後に踏み込んだ窓場千加頼が打鐘の3コーナーから主導権を奪って先行策。7番手の中川誠一郎(写真)は、反撃のタイミングを逸して万事休すかに思われた。が、あきらめず態勢を立て直して、最終2センターからコースを縫って鮮やかに突き抜けた。
 「ちょっと重くて…。いつもだったら窓場君の(ラインの)後ろに切り替えて行けるけど。なんか見てしまいました。ピリッとしないですね。ラインに迷惑を掛けてしまいました。(最終)ホームで仕掛けたかったけど、窓場君も全開で行っている感じだった。最後は荒井(崇博)さんが待ってくれたのも助かりました。自分だけコースを探してってなって、感じが悪いと言うか、後味が悪い。疲れは取ったつもりだけど(体が)反応しない」
 3番手からまくった荻原は不発も、内藤宣彦が直線堅実な伸びを見せて2着に入った。
 「もう荻原の頑張りですね。今日は窓場が掛かってたし、自分はキツかった。(荻原がまくりに)行ってちょっと待った。そしたら猪俣(康一)に来られてヤバいと思ったけど、自分にまだ余力がありました。猪俣になめるように来られたらまずかった」
 逃げた窓場の番手で後続ににらみをきかせた三谷将太は、直線で中川、内藤に交わされての3着。
 「(窓場が)よく掛かってた。2車だったから、あれが3車なら…。でも、やれることはやりました」

<11R>
鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 小松崎大地の動きに素早く反応した取鳥雄吾が、赤板で出て小松崎を突っ張る。7番手からの出直しとなった小松崎が、打鐘から巻き返すも主導権は取鳥が死守。両者の踏み合いで願ってもない流れが訪れた鈴木庸之(写真)が、まくりでライン上位独占を果たした。
 「踏み合ってくれたらいいなって、(走る前に)話してたらその通りになった。打鐘でごっつぁんって感じでした(笑)。腰を痛めてから良くなかったけど、最近の中では一番いいですね。取鳥を追いかける感じで仕掛けられたし、神山(雄一郎)さんに抜かれないように必死で踏みました」
 鈴木に1輪差まで詰め寄ったものの、神山雄一郎は2着のゴール。鈴木に脱帽する。
 「(鈴木は)タレるどころかドンドン掛かっていく感じだった。本当に強かった。すばらしい、すばらしいね。あのままあと半周は行けるくらい強かったよ」
 近況一息の戦績が続いていた幸田光博だけに、記念シリーズの準決進出には目を細める。
 「もうバックでいっぱいだったけど、なんとか前の2人に続けて良かった。ラインのおかげですね」

<12R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 地元の井上昌己が中団を確保して、郡司浩平が千葉コンビを連れて快調なペースで駆ける。最終ホームを一本棒の7番手で通過した稲垣裕之は、1センターからロングまくり。井上も合わせて出ると、2人をギリギリまで引きつけた石井秀治(写真)が、郡司の番手から早めに踏み込んで抜け出した。
 「稲垣さんと(井上)昌己を見て、昌己はアンコにしたけど稲垣さんが来た。ちょっと待ったんですけど、内からも来てたんで悪いけど踏ませてもらった。(和田)健太郎を連れ込めていけたし、(調子は)悪くないです。ただ、今日は郡司君です」
 「入られちゃったのは明らかなミス」と、最終2センターで香川雄介にすくわれた和田健太郎。直線で盛り返して2着に伸びたが、反省交じりにこう続ける。
 「(石井)秀治さんが思った以上にあと掛かりで、締めながらいくのがキツかった。あとは香川さんがどっちに行くかだけ見ていた。郡司が形を作ってくれて、秀治さんが頑張ってくれました」
 最終1センターからまくり上げた稲垣裕之は、井上を乗り越え前団に迫ったが石井に合わされて3着がいっぱい。
 「赤板で(誘導との)車間を切って、早い展開にもっていこうと思った。そこから(突っ張って)駆けてもいい距離になったんで、ちょっと迷いました。郡司君が目いっぱい駆けて、なかなか巻き返しにくいピッチだった。(まくり切れる)自信はあったんですけど、香川さんが最内に行ったのが見えて…」
 4番手からまくった井上昌己だが、1車しか進まず8着に苦笑い。再度、稲垣とのタッグになった準決に気持ちを切り替える。
 「赤板で(稲垣に)突っ張られ気味になったし、自分は結構キツかったです。1周チョコチョコ踏んでた感じだし、(まくっても)自転車が出なかった」
↑ページTOPへ