『別府競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:11月30日

 別府競輪開設69周年記念「オランダ王国友好杯」が11月30日に開幕した。一次予選では島川将貴、松井宏佑ら若手機動型が活躍。大塚健一郎は松川高大のまくりを交わして1着で二次予選Aに勝ち上がった。メーンの特選は不破将登をまくった岩本俊介のうえをバックから原田研太朗がまくって快勝。2日目は二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝進出が争われる。
 2日目の12月1日はアキラ100%によるお笑い芸人ステージが。大道芸人ヒロトによるパフォーマンスやアマーニのベリーダンスショー、選手トークショーなどイベント盛りだくさん。2日目もぜひ別府競輪場へご来場ください。

<1R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 切った野口正則を打鐘前に叩いた島川将貴(写真)は4コーナーから仕掛けてきた小林泰正を出させず逃げ切り。中四国ラインで確定板を独占した。
 「(小林には)前回(京王閣FI準決勝で)やられてるんで。切るときにペースが上がってたんでしんどかった。後ろのおかげですね。もうちょっとかかれば良かったけど、ホームのかかりが悪かったですね。競走も久々だったんで、風がないけど重く感じた」
 番手の筒井敦史も最終2コーナーに2センターと再三のブロックで島川を援護した。
 「あそこ飛ばさんと、(自分の)コースもなくなるから、しっかりコースを作った。キツかったですね。余裕はないけど、島川が強かったから。(島川は)ジャンまでに、だいぶ脚使ってますよ。あれを逃げ切るんだから、島川独特のパワー地脚ですね」


<2R>

香川雄介選手
香川雄介選手
 木村弘のカマシを受けて打鐘過ぎ2センターで3番手を確保した久米康平だったがバックまくりは中村敏之輔に合わされ不発に。直線で久米、中村の中を割った香川雄介(写真)が直線鋭く突き抜けた。
 「タイミングがね。これは合わされるだろうなと思いました。3コーナーの上りにかかるところだったんで、もうちょっと待ってからでも良かったかなと思う。久米の出が良くなくて、内に行こうか迷ったけど、あんまり早く内に行ってもだしね。僕は1着取れたけど、しょうがない。赤板で久米のダッシュに口が空いたし、修正しないといけないですね」
 後ろ攻めから切って、再び8番手になってしまった簗田一輝はホーム過ぎから巻き返したが、なかなか車が出ない。それでも粘り強く外を踏むと、何とか2着に届いた。
 「全然出なくて…。バックで2番(市橋司優人)をキメてもう1回と思って、内も考えたけど6番(木村)もタレてきてたので。ずっとナイター続きだったんで、朝に合わせるのが難しかった。8番手から動いて8番手でヤバいと思ったし、キツかったですね」


<3R>

濱口健二選手
濱口健二選手
 津村洸次郎が先行態勢に入ると、3番手をキメにいく動きから下げて阿部大樹が4番手を確保。人気の松坂洋平は6番手になってしまう。松坂の巻き返しに合わせて阿部が2センターからまくると、これに合わせて津村ライン3番手から踏み込んだ濱口健二(写真)が鋭く突き抜けた。
 「買ってくれる人がおって良かった(笑)。語呂合わせでしか(買え)ないでしょうけどね。今期2勝目、去年は1年間S級で1勝もできてない。(補充参戦の10月)久留米から調子崩してガックリなってるところやったんでね。良かったです」
 バックまくりの松坂洋平は大外で耐えて何とか2着に食い込んだ。
 「阿部が先にイン切りに来たら突っ張る作戦だったんですけどね。最終ホームでは(阿部が)締め込みながら引いて来たから。(まくりも)ちょっとモコモコしちゃいましたね」


<4R>

 前受けの皿屋豊を、坂本貴史、新納大輝の順で押さえ、引いた皿屋は7番手。しかし、打鐘手前から巻き返した皿屋は、2センターで新納を叩き切って加速。最終ホーム過ぎに坂本が反撃に出るも水谷良和の横までで、最後までペース良く駆けた皿屋が押し切って好スタートを切った。
 「初手は中団が良かったんですけど早めに引いたら順番が来るかなと。坂本君を後方に置きたかったし理想的な展開になってくれた。今日は思った以上に踏めましたね。一日踏むと明日以降は楽になってくれるので。師匠(舛井幹雄)と同じ開催の時は必ず結果が良いんですよね(笑)。バンクは軽くて走り易かった」
 水谷良和が皿屋豊にしっかりと続き中部で連独占を決めた。
 「最初に誘導を追うので脚を使ってしまって。最後も(皿屋を)押す形になって、それがなければ抜けていたと思う。ただ皿屋君は強かったですね。ワンツーが決まったのは良かった」


<5R>

 松岡健介は前受けから、上昇してきた坂本健太郎を突っ張るも、日当泰之に叩かれ、滝本泰行には内をすくわれて打鐘では5番手になる。徐々ペースを上げる日当を、3番手から滝本が最終ホームで叩きに行くが合わさて後退。松岡は主導権争いの決着がついた1センターから鋭くまくる。逃げる日当を3コーナーで捕らえると最後は坂上樹大が差し切った。
 「レースがきつかったし、松岡君が強かった。抜けるとは思っていない中で、抜けているので、悪くないと思う。ウィナーズカップの権利もあるので、取れるときに1着は取っておきたいですからね」
 松岡健介は坂上に差されたが、ワンツーを決めて納得の表情。
 「スタートで出遅れたけど、結果的に前を取れたのが良かった。みんな後ろからが嫌だったみたいだし。突っ張ったら坂本君も嫌だろうなと思って突っ張った。前取れたのが一番良かった。展開も向いたと思うし、状態も悪くないと思う」


<6R>

神田紘輔選手
神田紘輔選手
 先に切った田中晴基を叩いた竹内雄作は打鐘過ぎからハイピッチで飛ばす。車間を詰めた勢いで2コーナーからまくる宿口陽一に合わせてバックから田中がまくると、これを張りながら神田紘輔(写真)が抜け出した。
 「展開も竹内の展開。後ろから先行の予定が(田中)晴基さんが先に切ってくれていい流れになった。ジャン過ぎはハイピッチでしたね。初めて(竹内の)ハコに付いたし、強い先行のイメージがあった。それでもこれ持つんかな?って感じだった。いい勉強になりました。(田中が)途中で休んで、もう1回来たんで、それを止めるか止めないか。もうちょっとバッチリ止めたかったですね。僕の調子はいいです」
 神田のけん制を耐えた田中晴基が2着に食い込んだ。
 「雄作のペースが強かったです。でもバックぐらいでちょっとタレてきた。だから行っちゃった感じ。脚的にはまくりに行きたくない感じでした。神田に振られたときには5(着)に入りたいなだったけど、そしたら2になったんで。乗り方を意識しながら、競輪祭の失敗を生かせたのかなと思う」


<7R>

 後攻めの松岡篤哉が赤板で上昇するも、櫻井正孝に突っ張られる。そこを林慶次郎が一気に叩いて打鐘から先行。ライン3車で出切ると、林は最終ホーム手前からペースを上げる。一本棒でバックを通過するが、3コーナー過ぎに中団からまくり出た櫻井が、粘る林をゴール前で捕えた。
 「外から追い上げるのはキツいかなと思い脚を使っても突っ張る形で踏んだ。林君が間髪入れず来たので自分としては休めなかった。ホームから凄いカカリで口が空きそうになりましたね。仕掛ける所はあれで正解だったと思う」
 林慶次郎が打鐘先行で2着に粘り、機動力を存分にアピール。
 「バンクは風がなくて車が流れてくれた。今日はホームからオーバーペースにもならず冷静に踏めました。3コーナーからは根性でしたね。後ろを見た時にまだ来ていなかったし、二次予選Aに上がれるかなって。(二次予選Aは)経験したかったし上がれて良かった」


<8R>

 佐藤康紀が当日欠場し8車立てのレース。山賀雅仁が切った上を古川貴之が叩いて打鐘を通過するが、6番手から稲毛健太がすかさず反撃。古川がこれに合わせて踏み上げると、稲毛は中団で一度休み最終ホームから再びまくり返す。逃げる古川を2コーナー手前で捕らえた稲毛は後続を千切ってゴールした。
 「思いの外、古川さんも結構良くて、入ろうとは思っていなかったけど、空いていたので、入っちゃう感じになった。後ろをはめた感じになってしまいましたね。やっぱり予選は緊張しますね。疲れは問題ないし、良い状態をキープできている」
 南関勢を追っていた新山将史は2コーナーからまくり2着に。
 「サラ脚だったのが大きいですね。今回のフレームは何度かしか乗っていないやつでほぼ新車みたいな感じなので、乗り慣れていない。体の状態は悪くないですね」


<9R>

布居寛幸選手
布居寛幸選手
 吉本卓仁、小酒大勇の順で動いたところを打鐘過ぎ3コーナーから畑段嵐士が切ったが、そこから別線の動きはない。腹をくくった畑段が最終1コーナーから踏み上げると、後続をけん制しながら番手の布居寛幸(写真)が抜け出した。
 「逃げるのだけナシやったけど、まさか、まさか。(畑段が切って誰かが)来ると思ったし、来るための形。それが来ないなあ、で。僕は(点数的に)デカい。まさか、まさかのですね。そのまま流れ込みと思ったら、最後思ったより出たから良かった」
 逃がされる形になった畑段嵐士だったが2着に逃げ粘った。
 「来たら出させようかなと思ってた。でも来てないので踏まんでいいなと。僕は5(着)まででいいと思ってたので」


<10R>

 うまく村上直久の上昇に乗った松川高大は打鐘前に切って清水剛志の先行を受ける。車間を詰めた勢いで2コーナーからまくると、続いた大塚健一郎がゴール前で逆転した。
 「まだ(選手を)やめられないですね。松川は後がかりでだいたい抜けないんですけど、早めに行ってくれたんで。落車が続いて自転車が今回持ってきている一本しかないんですけど、練習の感じと違和感があったんで少しイジります。今日(初日)は展開も良くて全ては周りのおかげですね」
 バック8番手に置かれた天田裕輝だったが、大外を回すと2着に強襲した。
 「ちょっと想定していた展開と違いましたね。もっとパンパンと展開が動いてくれれば仕掛けられたんですけど。調子自体は徐々に良くなっているのでもう少しですね」


<11R>

佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 前受けした松井宏佑の番手は佐々木雄一と山中貴雄で競り。松井は6番手まで車を下げると、後続の競りを気にすることなく打鐘過ぎに一気にカマして出る。最終ホームで豪快に前団を叩き切ると、そのまま押し切った。
 「後ろが競りだったけど、自分は自分のレースをするだけなので。でもワンツーで良かったです。ジャンで月森(亮輔)さんが車間を空けていたけど、先に仕掛ければいいだけなので。出切れて良かった。疲れは少しあるけど、出切ってから流れるポイントとかもあったので、悪くはない。できるだけ連勝は続けたいですね」
 打鐘過ぎに山中に締め込まれた佐々木雄一(写真)だったが、3番手に付け直すと最後は松井をとらえんばかりの伸びを見せた。
 「結果的には外競りの方が良かったですね。山中君を張ったところで松井君が踏んでくれれば競り勝てたけど、タイミングが合わず、バックを踏んだ。スピードも良かったので、追い上げられなかった。余裕はあったので、もうちょっとで(松井を)抜けそうでしたね。何とかワンツーにできたし、車券に貢献できて良かったです」


<12R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 不破将登の逃げをまくった岩本俊介後位に浅井康太が飛び付くと、岩本の仕掛けに乗った単騎の原田研太朗(写真)がバックまくり。鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「(最終)2コーナーで山田(英明)さんが(合わせて出て)来たんで、あそこがしんどかったですね。(浅井を締めた渡邉)一成さんが内にいるのが見えたんで、横まで行って考えようと思った。状態も変わらずですね。同期の松浦(悠士)がGIを獲ってうれしいけど、負けたくない。GI明けでモチベーションが下がりそうなところを上げてくれました」
 原田のまくりに俊敏にスイッチした山田英明が2着に続いた。
 「単騎でやりづらかったですね。でも車番が良かったので、そこは恵まれた。スイッチしてハラケン(原田)がフワッとなるかなと思ったら、そこから伸びたので、僕も追いかけまくりになった。(フレームは)1走で何とも言えないけど、こういう動きをしてくれるんだと思った。あとは4日間、フレームと合わせながら、しっかり戦っていきたい」
 まくった原田のスピードが違った浅井康太だったが、岩本の番手に飛び付き渡邉を飛ばすなどまずまずの動きを見せた。
 「(原田を)持って行けたら良かったけど、岩本が立ちこぎしてたので、タイミングが難しかった。(状態は)もうちょっと。積み上げがあるように修正します」