『別府競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:6月6日

 別府競輪開設71周年記念「オランダ王国友好杯」は、6月6日が2日目。二次予選の7個レースで準決勝進出が争われた。初日特選を制した郡司浩平や、一次予選で1着の村上博幸と山口拳矢は連勝で勝ち上がりに成功。S班の松浦悠士と守澤太志も人気に応えて白星を挙げた。7日のシリーズ3日目は、決勝へコマを進める9名が決まる。
 本場では開催中の毎日、正門入口にて先着300名様にプレゼントを配布します。7日は、地獄蒸しプリンです。ご来場の際は、マスクの着用や手指の消毒、お客様同士のソーシャルディスタンスの確保等、感染症拡大防止対策にご協力をお願い致します。

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村上博幸選手
村上博幸選手
 赤板の1センターでハナに立った岩谷拓磨を打鐘で桐山敬太郎が押さえる。そこを2センターで山本伸一が叩いて主導権。小川真太郎は近畿コンビを追ってすかさず反撃に出たが、山本に合わされて最終2センターで後退する。後方では小岩大介、渡邉豪大、藤原浩がからんで落車し、ゴール手前でも阿竹智史が桐山敬太郎の後輪と接触して落車。最終1センターで阿竹を飛ばしていた村上博幸(写真)に絶好の展開が向いて、最後は村上がきっちり山本を交わした。
 「(山本)伸一が上手く判断してくれました。自分はバックからが難しい感じになりましたね。誰がまくってくるかっていうところと、前で(小川)真太郎が締めてきたら伸一に付いていけなくなるので、それも見ながらでした。冷静でしたけど、考えることが多いレースでしたね」
 村上にさばかれた阿竹の外を最終2コーナーからまくった岩谷拓磨が3着に入った。
 「すかさず来るラインがあるなら、無理やり踏むんじゃなくて出すっていう作戦でした。そこで踏み合っても意味がないし、下げて立て直そうと。落車があったり、阿竹さんのあおりもあったけど、最後まで踏み切れたと思います。ただ、連日まくりなんで内容がダメですね。記念の準決勝は2回目。内容のあるレースをしたい」


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北津留翼選手
北津留翼選手
 後ろ攻めから動いた松本貴治は中団の北津留翼(写真)にフタをしてから、赤板の2コーナーで杉森輝大を叩いて先行態勢に入る。4番手の杉森は最終2コーナーから仕掛けて前団に迫るが、岩津裕介のけん制で2センターで失速。その外をまくった北津留もあおりを受けたが、直線鋭く伸びて白星を挙げた。
「初手は中団が欲しくて、取れたので落ち着いて仕掛けました。ジャン過ぎでカマしたかったんですけど、自分の甘さが出てしまった。(最終)2コーナーで杉森さんが踏んだので、3コーナーからになりました。あおりもあってタイヤが飛んだんですけど、届いて良かったです」
 杉森を止めて直線追い込んだ岩津裕介が2着に入った。
 「連日、恵まれていますね。あおりを作って決まったかなと思ったんですけど、スピードが止まらなかったので(北津留)翼が強かったです。体は大丈夫なんですけど、今回が久し振りの実戦なので感覚がイマイチですね」


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諸橋愛選手
諸橋愛選手
 赤板の1コーナーでハナに立った稲垣裕之を新山響平が2コーナーで押さえて主導権。4番手は東日本ラインを追った才迫開と稲垣で併走になるが、稲垣が4番手を確保して、才迫が5番手に降りて最終回へ入る。しかし、グングンと加速していく新山に対して、その後も別線は反撃することができず、絶好の展開で4コーナーを回った諸橋愛(写真)が新山を交わしてゴールした。
 「あまり体調が良いとも思えないけど、これで離れたら完全にデキが悪いし、ここにいれないなっていう気持ちだったので、1着が取れたのは良い薬になります。今日(2日目)、どれだけ新山の踏み出しに付いていけるかだったので、そういう展開にはならなかったけど良かったです。今は恵まれたら勝ち上がれるかなっていう状態です」
 別線を完封してラインを上位独占に導いた新山響平が2着。
 「ラインで決まったのがなによりです。前に出てからは踏みっぱなしで、最終的に抜かれたけど悪い状態ではないです。バンクが軽いので長い距離でも仕掛けやすいですね。疲れはあるし、背中のハリもあるんですけど、踏んでいる感じは悪くないので」


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山口拳矢選手
山口拳矢選手
 前受けの山口拳矢(写真)を松坂洋平、久木原洋の順で押さえて、スローペースのまま打鐘を迎える。下げた山口は久保田泰弘にフタをされた状態になり、南関勢をすくって前へ踏もうとするが、松坂もそれに反応して2センターから仕掛ける。松坂が久木原を最終ホームで叩いて、後方に置かれた山口は絶体絶命の展開も、立て直した2コーナーから一気にまくり出してゴール直前で松坂をとらえた。
「スタートはごちゃついてたので、前を取りました。結果的にもっと早く引くべきでしたね。まあ、あれだけ外を踏まされて届いたので脚は悪くないです。組み立てが反省ですね」
 上手い立ち回りで主導権を握った松坂洋平が2着に入った。
 「反応はできているし、体は良いと思います。今日(2日目)は白戸(淳太郎)さんが後ろだったので安心して駆けられました。今回からフレームを換えたんですけど寸法は同じなので、中20日あったし、しっかり練習した成果だと思います」


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守澤太志選手
守澤太志選手
 後ろ攻めの望月一成が、赤板の1センターで上田尭弥を叩いて先行態勢に入る。7番手になった上田は最終2コーナー手前から反撃開始も、中団の山田久徳が先まくりに出て、外々を踏まされる展開に。守澤太志(写真)はジワジワと前団に迫る山田を3コーナーと2センターでブロックして、直線鋭く抜け出した。
 「(望月は)作戦の段階から強気だったので心強かったです。山田君は中団、中団なので、ほぼ(上田と)二分戦でしたけど、ちょっと僕が下手くそでしたね。山田君を一発で止められたら良かったんですけど。最後は後ろの和田圭も僕が躊躇して踏んでいく感じだったので、その分キツかったと思います」
 守澤にけん制されながらも、まくった山田久徳が2着に入った。
 「中団は譲れないと思っていたので、スタートで脚を使ったかいがありました。でも、まくりのタイミングはワンテンポ遅かったですね。守澤さんの横までは踏んでいったけど、2回もって来られたので厳しかったです。脚はそれほど悪くないと思います」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 後ろ攻めの林大悟より先に、中団の宮本隼輔が郡司浩平(写真)を押さえる。そこを打鐘で林が叩いて主導権。7番手の郡司は2センターから早めに巻き返すと、最終2コーナーで林をとらえて先頭に立ち、そのまま力強く後続を振り切って連勝で準決勝へコマを進めた。
 「変に中団か後ろを取って警戒されるより、前からいこうと思いました。詰まったタイミングでいけたかなと思います。距離的には初日より今日(2日目)の方が長いけど、反応できているので。本当は初日に長い距離を踏んだほうが後々脚は楽なんですけどね。調子は問題ないと思います」
 最終2コーナー手前で大槻寛徳の後ろに俊敏にスイッチした宮本隼輔は、直線鋭く追い込んで2着でゴールした。
 「柏野(智典)さんの作戦通りでした。相性もいいので二人で勝ち上がれて良かったです。最近では一番良いかなとは思いますね。脚の感じも上がってきています」


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松浦悠士選
松浦悠士選手
 北日本勢を追った朝倉智仁は、松浦悠士(写真)をけん制しながら赤板の2コーナーで根本哲吏を押さえて先行勝負に出る。5番手の松浦は反撃のタイミングを計ると、最終ホームから一気にスパート。前団を豪快に飲み込んで白星を挙げた。
 「(初手は)南君が前を取るなら2番目が良いなと思っていたので、理想の並びになりました。ホームから仕掛けて、バックが取れる仕掛けがしたいと思っていたので考えていた通り。広島の全プロが10としたら7、8くらいですかね。悪くはないっていう感じです。出脚がもうちょっとスッといけたら良かったんですけど、ちょっとモコモコしてたかなと思います」
 松浦目標の園田匠が2着に続いた。
 「松浦は絶対仕掛けてくれるので、僕は付いていくだけでした。南が来ているのも分かったし、後ろで菅原(晃)さんが内を締めてくれているのも分かったので、僕が踏まないと菅原さんのコースもないと思って踏みました。3人で決まってホッとしてます」
 菅原晃が3着に入って地元勢からただ一人、準決勝進出を果たした。
 「松浦が気を使って仕掛けてくれたので、ありがたかったです(笑)。南は外を来ていたけど、まくれる感じじゃなかったので前を見て、内だけは来れないように締めていました。前回(昨年)は準決勝に上がれて満足してしまっている部分があったので、今回はしっかり頑張ります」