『別府競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月7日

 別府競輪場で開催されている開設71周年記念「オランダ王国友好杯」は、6月7日に3日目が行われた。激戦の連続だった準決勝は、村上博幸、郡司浩平、大槻寛徳が快勝。S班の松浦悠士や、新鋭・山口拳矢も優出を果たした。いよいよシリーズも大詰め、8日の最終日には12レースで決勝の号砲が鳴らされる。また、9レースでは「レインボーカップA級ファイナル」が一発勝負で争われる。
 本場では開催中の毎日、正門入口にて先着300名様にプレゼントを配布しています。8日の最終日は、「別府記念出場予定選手似顔絵タオル」です。ご来場の際は、マスクの着用や手指の消毒、お客様同士のソーシャルディスタンスの確保等、感染症拡大防止対策にご協力をお願い致します。

<10R>

村上博幸選手
村上博幸選手

中本匠栄選手
中本匠栄選手
 赤板の1センターでハナに立った岩谷拓磨を、2コーナーで新山響平が押さえて主導権。単騎の阿部大樹は打鐘から追い上げて、3番手の岩谷の外で併走する。8番手になった宮本隼輔は4コーナーから反撃に出て、浅井康太もその外を最終バックから仕掛ける。しかし、3番手を死守した岩谷が合わせてまくり出し、2センターからは中本匠栄が岩谷の内を踏んで直線へ。守澤太志は中本をけん制してから踏み込んだが、守澤の内を突っ込んできた村上博幸(写真)が直線鋭く伸びて1着でゴールした。
 「浅井とは十年以上の連係実績なので、位置的には悪くなったけど仕掛けてくれるし、気持ちに余裕はありました。(浅井は)斜めに走りながらまくりに行く感じになったので、行き切れないと判断して3コーナー手前くらいからコースを探した。レースに余裕はあるけど、今回はそんなに良い状態で入った感じはなかったので、3連勝はできすぎかなっていうのがあります」
 岩谷に勢いをもらった中本匠栄(写真)が2着に突っ込んだ。
 「番組が出た時の岩谷君の先行の気持ちはうれしかったけど、2車なので位置取りに脚を使う作戦でした。しっかり走ってくれたので岩谷君のお陰です。後ろから来た時だけ被らないようにとは言っていたので、仕掛けてくれてコースが空きました。昨日(二次予選)は判断ミスがあったけど、脚は大丈夫だと思います」
 中本にけん制してから踏んだ守澤太志は3着でゴール。
 「すんなり新山が前に出たので決まるかなと思ったんですけど、ちょっと中途半端に踏んだみたいで掛かり切らなかったみたいですね。岩谷君がずっと飛ばせない位置を走っていたので、後ろが見えないし難しかったです。今日(準決勝)は思ったより伸びなかったけど、修正できる範囲だと思います」

<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手

北津留翼選手
北津留翼選手
 後ろ攻めの北津留翼は赤板の1コーナーで南潤を押さえて、そのまま先行勝負に出る。郡司浩平(写真)がすんなり4番手を確保して打鐘を迎えると、7番手にいた久保田泰弘は内に切り込んで諸橋愛と接触し、2センターで諸橋が落車。最終ホームで和田圭が久保田をすくって郡司の後ろを奪取したが、2コーナーからまくった郡司には続けず、単独で北津留をまくり切った郡司がそのまま力強く押し切って無傷で優出を果たした。
 「久保田君の動きだけが嫌で、見ながらいきました。流れに付いていって仕掛けられたとは思います。踏み出しの感じというより、道中にすごい余裕がありますね。まくりの感触も踏み切れているし、悪くないです。決勝に上がれたので、優勝だけを目指して頑張ります」
 打鐘手前から逃げた北津留翼(写真)は、郡司にこそ先着を許したが2着に粘った。
 「誰か来るかなと思ったんですけど、来なかったので仕方ない感じでゴールに向かって踏みました(笑)。半信半疑で踏んでいって、いっぱい、いっぱいでしたね。ラインのお陰ですけど、2着に残れているので悪くないと思います」
 北津留マークの園田匠が3着に続いた。
 「(北津留)翼が先行した時に付いた中で、今日(準決勝)が一番強かったです。(自分は)やっと決勝に乗れたなという感じ。調子は全く問題ないです」

<12R>

大槻寛徳選手
大槻寛徳選手

山口拳矢選手
山口拳矢選手
 山本伸一が切った上を赤板の1センターで山口拳矢が押さえて主導権を握る。7番手で打鐘を聞いた松浦悠士は2センターから反撃に出るが、山口も合わせるように踏み上げて最終回へ。松浦は3番手の外で一旦、止まって、タイミングを伺ってから2センターで再び踏み出したが、山口から車間を空けていた番手の大槻寛徳(写真)が直線鋭く抜け出して決勝進出を決めた。
 「結構、長い距離だったし、不得意な押さえ先行だったけど、しっかり駆けてくれたので(山口)拳矢様様です。2コーナーくらいで松浦が来るかと思ったけど、自分も余裕はあったので松浦を止めるなり、その番手をどかすなり、考えていました。初日、2日目と感覚が悪かったので、力まないようにそこだけ意識して走ったら、楽だったし修正できたと思います」
 先行策で松浦を完封した山口拳矢(写真)が2着。即席ラインワンツーが決まった。
 「今まで先行した中で一番良いペースだったと思います。松浦さんが仕掛けようとして膨れたところで、ちょうど見えたので良いところで駆けられました。ペースに入れた後は、大槻さんを信頼して。後ろの状況は全く分からなかったです。決勝もチャレンジャーとして頑張ります。脚の感じは良いので、しっかり疲れを取りたいです」
 仕掛けるタイミングが山口と合ってしまった松浦悠士だが、なんとか3着でゴールした。
 「情けないですね…。(山口)拳矢が切ったところを切って、カマシ待ちって思っていたけど、松坂(洋平)さんが駆けるかどうかで迷ってしまって、自分で流れを殺してしまいました。(仕掛けたところは)拳矢と踏み出しが合ってしまって、行けるところまでと思ったんですけど、思ったより出なかったです。決勝では切るところは切って、行くとことは行くっていうのをしっかりやらないとなって思います」

<最終日9R レインボーカップA級ファイナル>

藤井侑吾選手
藤井侑吾選手

 最終日の9レースでは、上位3名がS級へ特進する「レインボーカップA級ファイナル」が行われる。強力なメンバーがそろったが、得点最上位は藤井侑吾(写真)。前回の大垣FIでは完全Vを飾っている。
 「大垣で優勝できたので、ここに向けて弾みは付けられたかなと思います。久しぶりの9車立てで、僕以外はみんなS級経験者なので、なんとか頑張りたいですね。理想は先行で勝ちたいですけど、みんな動けるので流れを見て走ります」
 佐々木龍は今期11場所中、V4回と準V5回。近況は決勝2着が続いている。
 「勝ちきれてないですね…。でもお世話になっている先輩が番手から優勝してくれているし、状態は悪くないと思うので。久々の9車で、しかも自分は単騎なので見極めが難しいですけど、チャンスはあると思うのでしっかりハナを利かせて頑張ります」
 9人の中で来期もA級予定なのは、山本巨樹ただ一人。このチャンスを生かせるか。
 「レインボーカップは、チャレンジの時も、ちょっと前のA級の時も走っています。チャレンジの時は優勝しました。(来期の)S級が決まってないことがどうこうっていうより、とにかく1着を取りたいです。最近は準決勝で飛んでいることもあるけど、脚的には問題ないと思っています。何度も連係ある北川(大五郎)君の後ろで頑張ります」