『別府競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:6月8日

 別府競輪場を舞台に開催された開設71周年記念「オランダ王国友好杯」は、6月8日に最終日を迎えた。S班の3名や、新鋭・山口拳矢が勝ち上がった決勝戦は、まくった郡司浩平をゴール手前で鋭く差し切った守澤太志がVを達成。16年6月久留米以来、2度目の記念優勝を果たした。また、9レースで行われた「レインボーカップA級ファイナル」は、最終バックから番手まくりに出た伊東翔貴が1着。小林令と北川大五郎も確定板を果たし、S級2班へ特進を決めた。

決勝戦 レース経過

 やや見合ったスタートから九州勢が前受けを選択。北津留翼-園田匠-中本匠栄、松浦悠士-大槻寛徳、山口拳矢-村上博幸、郡司浩平-守澤太志で折り合って周回を重ねる。
 青板2センターから郡司が上昇を開始。合せて動く松浦を制して赤板過ぎに前団を押さえると、山口がその上をすかさず叩いて1センターで主導権を握る。3番手に郡司が入り、5番手となった松浦は一旦車間を切った後、詰めて打鐘3コーナーから一気の反撃に出る。松浦の動きを確認した山口もダッシュ良く踏み上げていって応戦。最終ホームでは松浦と山口が並ぶが、山口は激しく抵抗して松浦を出させない。松浦が苦しくなった2コーナーで満を持てして郡司がまくる。郡司は3コーナーで山口を飲み込んで先頭に。後方で構えていた北津留も追って仕掛けて上がってくるが、郡司、守澤は捕らえられないまま直線へ。粘る郡司をゴール寸前で交わした守澤がV。3着には北津留に乗った園田が入った。

守澤太志選手
守澤太志選手

 昨年、一気にブレイクして、今年は真っ赤なレーサーパンツで戦う守澤太志(写真)。S班としての責任感やプレッシャーの中でも堅実に決勝の舞台に上がり続けた結果、16年6月久留米以来、5年ぶりの記念優勝を果たした。
 「何年も記念で優勝できてなかったですし、前回はマグレみたいな感じだったので、今回S班として優勝できてうれしいです。前回の優勝の時に新田(祐大)君にアドバイスをもらって、しっかりやっていこうっていう話をして、もう一回優勝するのに5年もかかりましたけど、成長できているのかなと思います」
 初日特選から3日間、番手の仕事をきっちりこなして勝ち上がった決勝戦。前団のモガき合いを豪快にまくった郡司浩平の後ろから、直線鋭く伸びて差し切った。
 「松浦(悠士)君があのタイミングでカマしてくるとは思わなかったけど、そのお陰で(山口拳矢と)モガき合ってくれました。(郡司の番手を)単独で回れたので余裕はありました。でもすごいスピードだったので、抜けるかどうかは踏み出すまで分からなかったです。最近は決勝には乗れているけど、決勝の成績が悪かったので、ここで結果を出せて良かったです」
 久留米で優勝した頃はアドバイスをもらう立場だったが、今では守澤にアドバイスを求めてたくさんの選手が寄ってくる。
 「S班になってから、急にたくさんの選手にいろいろ聞かれるようになりました(笑)。それで自分も成長できていますね。今年の目標はどんな形でも良いので、とりあえずもう一回グランプリに出ること。(次走の高松宮記念杯も)厳しいですけど、まずはしっかり決勝に乗れるように頑張ります」
 年末の大舞台に戻るために、今後も結果にこだわっていく。

 最終2コーナー手前から冷静に前団を飲み込んだ郡司浩平が2着。
 「モガき合いになったので、展開的には良かったですね。山口君もダッシュがあるし、松浦君を合わせていたので、下がってきてかぶる前に仕掛けました。最後は抜かれてしまいましたけど、直線勝負はできているので悪くはなかったかなと思います。今回で別府に良いイメージは付いたし、収穫もありました。次は宮杯なのでしっかり準備してまた頑張ります」

 園田匠は、郡司を追うように仕掛けた北津留翼に勢いをもらって3着に突っ込んだ。
 「松浦が踏んだ時に、ホームで(北津留)翼が前と口が空いてしまったのが大きいですね。その後は良い感じで踏んでいってくれたし、自分はずっと余裕がありました。2年連続で別府記念は3着で、ここは地元だと思っているので悔しさはあります。ただ九州勢も盛り上がってきたし、宮杯も頑張りたいですね」

 打鐘の2センターから仕掛けた松浦悠士は、山口を叩き切れず9着に敗れた。
 「力負けです。(山口)拳矢が意外と流さなかったですね。理想的な展開で出切ったと思ったんですけど強かったです」





レインボーカップA級ファイナル

 8番手から動いた木村弘は、中団の藤井侑吾にフタをしてから赤板の1センターで北川大五郎を押さえて主導権を握る。後方になった藤井は2コーナーからすかさず反撃に出るが、打鐘の2センターで北日本コンビの後ろにいた小林令にけん制されて失速。最終2コーナーからは佐々木龍が力尽きた藤井の外を通って仕掛けるも、伊東翔貴(写真)がバックから番手まくりを放ち、そのまま力強く後続を振り切って一発勝負を制した。
伊東翔貴選手
伊東翔貴選手

 「(初手は木村と)藤井君の後ろからが良いなと話していました。出させて中団でも良かったんですけど、(木村)弘もスイッチが入っちゃいましたね。ラインじゃないけど、後ろで(小林)令が仕事をしてくれているのも分かりました。もうちょっと自分が上手かったら、4コーナーまで引き付けることができたんですけど、あそこまで弘が行ってくれたら僕も優勝して返さないとと思って、踏ませてもらいました。弘に感謝して、その感謝をS級の先輩方に返して、北日本を盛り上げていきたいです」
 北日本コンビに乗った小林令が2着に入った。
 「木村さんがハイペースで踏んでいたし、後ろから仕掛けてきたら(伊東が)番手まくりだろうなと思って、ラインではないけど藤井さんをブロックしました。あれで脚を使ったけど、自分の位置を確保するためだったので。(これで一年間、S級が決定し)いろいろチャレンジできるので、思い切って自分のレースをしたいです」
 赤板の1センターで北日本コンビと小林を出して4番手を確保した北川大五郎が3着でゴール。
 「車番が外枠だったので、初手は前か後ろかなとは思っていました。後ろから攻めても2人とも(山本巨樹と)キツくなるし、前を取って緩んだところを行けたら良かったんですけど、緩まなかったですね。木村君が先行一本な感じだったし、中団に入ってからも掛かっていったので。それでも無理やりいかないと先輩(山本)にチャンスがないので、そこは反省です」



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