『別府競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:5月22日


 明日から別府競輪開設59周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」が開幕する。井上昌己、平原康多を始めS級S班9名が参戦するハイレベルなシリーズ。地元勢からも小野俊之、大塚健一郎が悲願の優勝を狙って出場する。明日から始まる熱い走りに注目したい。
 本場では場内イベントも多数予定されています。開催中は毎日、5000円分のはずれ車券で豪華賞品が当たるラッキーチャンス!抽選会や、先着1000名様に抽選でクオカードが当たるスピードくじをプレゼント。井上茂徳氏による注目レース予想会もスポーク広場(12時20分頃から)にて毎日開催されます。明日は井上茂徳氏、山口健治氏による九州VSフラワーライン対談やMr.BUNBUNによる大道芸パフォーマンス、イシス&ジャスミンジェナによるベリーダンスショーも予定されています。明日から始まる別府記念をぜひ本場でお楽しみください。


<1R>
葛西雄太郎選手
葛西雄太郎選手
   オープニングレースからは葛西雄太郎(写真)をピックアップ。このところ配分過多ではあるが、ここは同県・菊池仁志が付くだけに、実力を発揮したいところ。
 「前回のびわこを終えてから、やるべき練習はしてきたつもり。今は点数的にも尻に火がついている状態だし、しっかり頑張ります。それに明日は1レースの1番車だし、1着を取らなければ駄目でしょう」


<2R>
   2レースには地元勢の先陣を切り安東英博が登場する。
 「気合を入れすぎると空回りしてしまうし、あえていつも通りの練習をしてきました。明日は番手を含めて何でもやるつもり。3着までに入らなければ意味がないし、総力戦で戦います」
 別線の機動型両者からもひとこと。伊藤之人が「今回は3・86のギアにしてみます。この先を見据えて、色々試したい」と話せば、原田隆は「今は調子を落としているけど、久々の記念だし復調するきっかけが欲しい」と、それぞれ意気込む。


<3R>
小原将通選手
小原将通選手
   3レースの小原将通(写真)は今期が初のS級戦。地元開催に向けて、しっかりと身体を作ってきたようだ。
 「前回の小倉を終えてから、程よく間隔も空いたし、今回に向けて万全に仕上げてきたつもりです。最初はちょっと疲れが残っていたけど、開催直前にはそれなりに仕上がったなと感じています。地元でみっともない競走はできないし、絶対に頑張ります」


<4R>
   4レースの杉山悠也は好目標を得て思わずニンマリ。
  「小谷田(公則)さんと一緒で嬉しい。今回は自分で何かをする覚悟があっただけに、恵まれましたね。連係は何回もあるし、全てを任せますよ。最近は展開が向かないことが多いけど、決して状態が悪いわけではないんです。明日は展開をしっかりとものにしたい」
  廣田樹里はS級昇格後、苦戦続き。全く浮上の兆しが見えてこない今の現状に、ただただ苦笑うしかない。
  「自分はヨコもできないし、逃げてレースを作るしかないんです。今は体調は良いのに、練習でも実戦でも全く力が入らない。そこが歯がゆいですね。それでも、ここは地元地区の記念だしどうにか見せ場は作りたい」


<5R>
   5レースの山崎岳志は「前回のびわこを終えてからは身体のケアーもしてきたし、普段と変わらない練習ができた。別府はいつも呼んでもらっているし、今回も期待に応えたい。明日は、二木(茂則)君がどんな動きをするかが不気味です」と、二木の動向に目を光らせる。
 その二木茂則は「もう自力だけでは限界を感じているし、勝つためには何でもやろうと思っているんです。ただ、明日はラインもしっかりしているし、どうするかはまだ迷っています」と何やら思わせぶりなコメント。


<6R>
小岩大介選手
小岩大介選手
    6レースからは選抜戦。小岩大介(写真)は番組を見るなり「あっ!選抜だ。良かった~」と顔をほころばせる。
  「前回の全プロが無ければ、予選スタートだったでしょうね。この流れを大事にしないと。練習は普段通りしてきました。全プロを終えてから4日しかなかったし、今さらバタバタしても仕方がないでしょう。地元でみんなが見ているし、期待に応えたい」
  中村敏之輔は今シリーズ随一のバック数を誇っている。明日は誰よりも先行意欲はおう盛だ。
  「自分はいつもの競走をするだけだし、変に小細工しても仕方が無いですから。それに、いつもお世話になっている杉浦(康一)さんが後ろに付くのだから尚更です」
  関根幸夫は急きょ追加を受けてやってきた。
  「前回、武雄の最中に追加を受けました。ほとんど日程も空いていなし、移動だけでクタクタですよ(苦笑)。だけど走る以上はそうも言ってはいられないし、飯田(辰哉)君と相談してしっかり頑張ります」


<7R>
   7レースの須賀和彦は4月小田原Sから、およそ一ヵ月ぶりの実戦となる。
 「風邪を引いてしまい一本欠場しました。今は何とも無いし、ここを見据えて練習もしっかりできました。ここを走るのは4回目ですけど、いつも勝ち上がっているイメージがあるから走りやすいですね」
 坂上忠克は「吉村君次第でしょう」と前を任せる吉村和之に期待を寄せる。
 「彼とは何回も連係しているんだけど、あまり二人で決まった印象が無いんですよね。だけど強いことは知っているし、今回こそ二人で決めたい」
 湊聖二は「最近、けっこう配分が続いていて疲れが残っています。今日ゆっくり休んで、レースにどれだけ対応できるかが大事ですね。とにかく明日一走してみないと状態はわからない」とやや不安を感じさせるコメント。


<8R>
大野悟郎選手
大野悟郎選手
   去年同様、8レースに出走する大分コンビ。ここ2場所ピリッとしない大野悟郎(写真)だが、「何とか頑張ります」と気合を入れて地元記念に臨む。
  「2場所前の防府の初日から体調が急激に悪くなって、終わってから検査したら副鼻腔炎。前場所の松山では腸炎で力が入らなかった。腸炎は注射して良くなったし、もう体は大丈夫。去年の選抜は大竹(慎吾)さんとワン、スリーだったので、それを再現できるように頑張ります」
  松山桂輔は半年にわたる長期欠場から復帰して、これが7場所目。4月大垣S、5月は青森Sで決勝進出するなど着実に調子を戻している。
  「脚は変わってないけど、動けるようになってきましたね。記念は復帰してから初、たぶん1年ぶりぐらいだし良いところを見せたいですね」


<9R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
   タイトなスケジュールで疲労を隠せない大塚健一郎(写真)だが、今回は年に一度の地元記念。体調を気力でカバーする。
 「全プロから中4日、その前も中3日、中3日なんで正直疲れはありますね。でも、与えられた配分だし、しっかり走りたい。地元の気持ちで頑張りたいし、あとは自分に勝てるか。それだけですね」
 海老根恵太は無傷で記念初優勝を飾った思い出の地で活躍を狙う。
 「全プロのケイリンで3走したし、疲れは残ってましたね。直前は軽めの練習。全プロくらいの調子なら戦えると思うし、調子は変わってないと思う。別府は毎年のように呼ばれてたし、イメージも良いです」
 軽めの調整で参戦の石丸寛之も「別府は相性が良いですよ」と話す。
 「全プロは35歳でスプリントを頑張りすぎたからキツかったですよ(苦笑)。でも予選のハロンでは4位のタイムが出たのは嬉しかったですね。終わってからあまりにキツかったのでロードレーサーで軽めにやったけど、昨日、一昨日くらいから軽くなってきました」
 疲れを口にする特選メンバーを尻目に「体は楽」と話すのは新田康仁だ。
 「全プロまでは調整なしでやってたから、その分終わってからはゆっくり休みました。別府にも昨日から入ってたので体は楽ですね。海老根は全プロでも調子が良さそうだったし、信頼してます」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
   平原康多(写真)は3年前の別府記念で記念初優勝。全プロは「花粉症から風邪気味だった」と大きな着に終わったが、もう体調の不安はないようだ。
 「こっちは花粉が全然飛んでないですね。昨日も練習をやって体調は問題なかったし、あとはそれをレースで出せるか。気持ちの問題ですね。全プロのときよりは良いと思います」
 市田佳寿浩はそろそろ記念でのヒットが欲しいところだ。
 「全プロ(チームスプリントに参戦)はいつもと違う自転車で、いつもにないスピードが出たから、その分疲れが出ましたね。ここまで2日練習したけど、まずは走ってみてですね」
 合志正臣は2月西王座で横突起を骨折。復帰したSSシリーズのあとに今度は肉離れとツキに見放されている。
 「SSシリーズが終わってから芝生の上でダッシュ練習をしてたら肉離れ。今は痛みがないけど、負荷をかけた練習ができてないですね。ゼロからのダッシュは不安だけど、レースみたいに流れの中でのダッシュなら大丈夫だと思う。来月はあっせんが止まるから、そこで体を作り直す予定。とりあえず地元地区のここをしっかり走りたい」


<11R>
小野俊之選手
小野俊之選手
   8年ぶりの地元記念優勝、そして通算300勝とダブルで期待がかかる小野俊之(写真)。誰よりも気合の入るシリーズへ向け、前検日から鼻息が荒い。
 「300勝は今回中にやりますよ。4連勝? そのつもりでいます。このあとはGIが続くし、結果は出てないけどセッティングに当たりは出た。全く不安はないですね。やりますよ、今回は」
 一方、状態に不安を残すのは井上昌己だ。別府記念は昨年、一昨年と連覇。今年も活躍が期待される一人だが…。
 「直前は超軽めの練習でしたね。ちょっと腰を痛めたのもあったので。疲れは慢性的な感じだし、地元の共同通信社杯が終わってからピリッとしない。とりあえずは明日走ってみてですね」
 山口幸二も「中4日の疲れはないけど、最近は小嶋(敬二)と一緒のレースが多くて、ギアを上げたり下げたりしてたらしっくり来なくなった。練習でも良いときの感じではないね」と状態は未知数。井上同様に明日の走りに注目したい。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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