『別府競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:5月23日


 いよいよ今日から別府競輪開設59周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」が始まった。初日の今日は逃げ切りでS級初勝利を飾った小原将通に始まり、地元勢が見せ場を作った。明日のメーン「いで湯賞」には小野俊之、大塚健一郎ら九州勢からは5名が勝ち上がり。さらに二次予選で準決勝進出をかけたサバイバルレースを繰り広げる。
  明日もラッキーチャンス!抽選会や井上茂徳氏による注目レース予想会、大道芸パフォーマーMr.BUNBUNによるドキドキパフォーマンスが引き続き開催されます。さらにサンバフレンズ=アレルイアのサンバカーニバルなどイベントが盛りだくさん。明日もぜひ別府競輪場へご来場ください。


<1R>
  1レースは隊列に何ら動きがないまま最終ホームを迎えると、正攻法の三上佳孝が先行策。そのまま四角を過ぎると、番手絶好の勝俣浩一が直線で抜け出した。 「作戦は前受けから組み立てて、引いてカマシでも、粘ってでもと全部三上君に任せていました。だけど少し展開が違いましたね。ああなれば三上君も先行するしかない。だけど、落ち着いて思い切り走ってくれた。僕も付いていて楽だったし、ギアを上げて良かった」   松田治之はまくり気味に追い込んで2着を確保。それでも、「葛西(雄太郎)君が先行すると思っていたし、展開が予定外だった。三上も全く脚を使っていないわけだし、あれはまくれない。良く2着まで届いたと思うよ」


<2R>
原田隆選手
原田隆選手
   2レースは前受けから引いて立て直した原田隆(写真)が渾身のまくりで1着に。窓場加乃敏と小西誠也を引き連れてラインで確定板を独占した。  「安東(英博)君が前を取りたいだろうから、自分が前で受けました。自分としてはさっと引けたし、その後も良いタイミングで仕掛けられました。小田(博敏)さんが安東君のまくりに離れ気味だったし、それがかえって良い目標になりました」  地元の先陣を切った安東英博は、二角まくりで見せ場を作ったが、直線で力尽きた。  「伊藤(之人)君と原田さんのどちらが逃げても、番手勝負と決めていました。伊藤君の内が少しでも空けば迷わずしゃくろうと思ったけど、うまくいきませんでしたね。そのあと緩んでいたから二角から仕掛けたけど、最後はもうきつかった。地元だし、絶対に勝ち上がりたかった」


<3R>
 3レースは小原将通がペース先行で別線を圧倒。末脚良く、後続をそのまま振り切って九州三者で連独占を決めた。
 「今日は先行すると決めていました。出切ってからもうまく流せたし、踏むところでガンと踏めた。それに最後はタレないように徐々にペースを上げていきました。ここに向けて身体を作ってきたし、結果に出てうれしい。しかもラインで決まったし、これがS級初勝利だからなおさらです」
 北島祐二(3着)は、「気が付いたら渡会(啓介)君がヨコにいたのでとっさにブロックした。あれで止まったけど、内も気になったし、もし誰かがその上を仕掛けてきていたら危なかったね」。


<4R>
 4レースは小谷田公則の先行を利した杉山悠也が、直線で追い込み北日本両者でワンツー決着となった。
 「小谷田さんが全力で逃げてくれた以上、絶対に残したかった。車間を空けるだけ空けたし、内から誰かが来たのも分かったけど冷静に対応できた。結果的に二人で決まったわけだし、十分でしょう」
 その小谷田公則は「自分たちに人気が集まっていたのが分かったし、今日は気合が入っていました。無事に決まってよかった」とニンマリ。


<5R>
 5レースは二木茂則が先行すると、森川剛がひとまくり。すると二木マークの晴山裕之が、森川と菊池通晃の中を割って1着をさらった。
 「このところ追走で一杯って競走が多かったけど、今日は走っていて全然きつくなかった。森川(剛)のまくりを止めることだけに集中していたけど、それでもあれだけ伸びるんだから。今回、セッティングをいじったおかげかな」
 森川剛は山崎岳志の内をすくって中団を確保すると、そのまま一気にスパートして二木をまくり切った。結果は3着となったが、「いつもならば躊躇してしまうところだけど、今日は間髪を入れずに一気に仕掛けられました。積極的に動こうという強気な気持ちがレースに出ましたね」と表情は明るい。


<6R>
飯田辰哉選手
飯田辰哉選手
   6レースからは選抜戦。レースは関根幸夫が主導権をにぎると、マークの飯田辰哉(写真)が展開を利して1着に。
 「さすが関根さんですよ。やっぱりキャリアが違いますね。2車なのに迷うことなく先行してくれた。何とか残すのが僕の仕事だけど、2車だったのがきつかった」
 その関根幸夫は「このメンバーなら逃げるのは中村(敏之輔)君でしょう。彼が流したり後手を踏むようならば叩いて行けるところまで行こうと決めていました」と、してやったりの表情だ。
 地元小岩大介は中団確保に失敗すると、すかさずまくりを放ったが車は思うように進まず着外に。それでもギリギリ7着に入線し、辛うじて二次予選へと駒を進めた。
 「普段なら終わっていた展開でしたね。だけど気持ちも入っていたし、思い切ってまくっていきました。だけど、車の出がイマイチだったしきつかったですね。どうにか二次予選につながったので良かった」



<7R>
須賀和彦選手
須賀和彦選手
   7レースは須賀和彦(写真)が打鐘先行に打って出ると、そのまま別線をシャットアウト。「相性が良い」と話す当所で結果を出した。
 「今日はバンクが凄く重かったし、いつもなら踏まずに叩かれている展開だったけど、7着でも良いって気持ちで全力で踏んだのが良かったかな。中団がもつれて展開が向いたし、余裕を持って駆けられました」
 1着には北村貴幸が。須賀マークから直線で追い込んで1着をゲットした。
 「最近、展開が向かなかったけど、勝てるときってこんなものなんですね。久々の1着で本当に嬉しい」
 湊聖二は中団キープからまくるも車は進まず着外に。 
 「須賀君をあれだけ楽に駆けさせてしまっては駄目ですね。中団から仕掛けたけど、自分のタイミングでは無かったし、須賀君にうまく踏まれたから、最後まで太刀打ちできなかった。完敗です」


<8R>
吉永好宏選手
吉永好宏選手
   8レースは中部ラインが先行しないと見るや機敏に切り替えた吉永好宏(写真)が四番手からまくり追い込み。約2カ月ぶりの勝ち星でシリーズの好スタートを切った。
  「四番手を取れたときに、あとはどこから仕掛けるかって感じだった。松山くんがまくって来たので、かぶったら終わりだし、金沢くんもタレてきてたので踏みました。会田さんが金沢くんをかばってなかったら抜けてなかったですね。1着を取っていかないと何のために練習してるのかわからない。勝てて良かったです」
  2着の会田正一は「もう少しうまく走れればいいんだけどね」としながらも、「前より練習はやるようになったから」と状態上向きをアピールした。
  目標にした大野悟郎が立ち遅れるピンチを鋭い伸びでしのいだ大竹慎吾が3着に食い込んだ。
  「ヒヤヒヤというより、僕が踏めるコースはどこかなっていうのに集中してました。来る前に菅原(晃)と一緒に練習して、レースとシンクロしてる感じでいいなと思ってた。その感じが同じくらいでレースに出てるのでよかった」


<9R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   9レースは北津留翼のカマシ先行に乗った大塚健一郎がまくってきた海老根恵太をブロックすると、最後は鋭い伸びで1着をゲット。「翼がかかってたし、今日は良かったですね」と、まずは逃げた北津留を称えると、自身の調子は「来た以上は言い訳できないし、やるだけ」とひと言。明日の「いで湯賞」へ向け気合を入れ直していた。
  逃げて2着と軽快な動きを見せた北津留翼(写真)の表情は明るい。
  「今日は前から二番目の位置を取って、斬って、斬ってしたところを行く作戦でした。5月小倉FIから乗り方や体の使い方を変えて、今回はサドルの位置を上げてみた。良い結果が出ましたね」
  大薗宏は九州三番手の選択がピタリ的中した。
  「分かりやすい展開になったし、大塚くんがいい仕事をしてくれたのが良かった。最後は鼻が利いたってところですね」


<10R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   10レースは前検日に体調不安を口にしていた坂本亮馬(写真)がバックまくりから、最後は市田佳寿浩の内をすくって直線抜け出した。
  「外から出切れてないので良くはないですね。あんなレースも頭に入れてたけど、今日は展開が良かった。でも、まぐれですね。去年は6勝しかしてないのに、最近は勝率がいいですね」
  渡辺晴智はまくり不発に終わった平原康多の番手から上手く坂本にスイッチして2着を確保した。
  「みんながからんでるのが見えたので内に入っただけ。見応えのあるいいレースだったと思いますよ。調子は問題ないし、悪くないと思います」
  ホームで荻原尚人にすくわれた酒井耕介だったが、しぶとい走りで3着に食い込んだ。
  「5番(荻原)の動きがね。しゃくられたのは予想外でした。でも最後は地脚が出たね。ゴール前まで脚が残ってたし、脚は仕上がってます」
  まくり不発の平原康多は「気持ちで負けた。脚も全部がかみ合ってなかったからあんな展開になってしまった」とレースを振り返った。


<11R>
山口幸二選手
山口幸二選手
   11レースは井上昌己のまくりに乗った小野俊之が山口幸二の内をすくって抜け出す。300勝目前に迫ったが、立て直した山口に差し返されて節目の勝ち星は明日以降にお預けに。
  「(自分は内にコースを選んだが)昌己は絶対に3着までに来ると分かってました。でも、交わされたのにはビックリした。幸二さんも強いけど、俺も弱い…」
  小野の300勝に待ったをかけたのは最強支部長の山口幸二(写真)。一度は小野に浮かされたが、鋭い伸びで見事な逆転劇を演じた。
  「内から来るのは岡部(芳幸)と思ってたし、強引には来ないだろうと思ってた。逆転したのは僕もビックリですね。すくわれて2着キープかなと思ってたら、岡部に当たるタイミングがよくてキュンと出た。ちょっと重い感じがするし、調子は8割くらいかな」
  外を伸びて3着に食い込んだ井上昌己だが、囲まれた記者を前にしきりに首をひねる。
  「出が悪いし、重たい。ちょっとイマイチですね。全体的に落ちてる感じです。いつもは出足がよくて、粘れないとかなんですけどね。でも外を踏んで3着までに来れたので、よしとします」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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