『別府競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
配信日:5月26日
別府競輪開設59周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は5月26日に最終日を迎えた。平原康多、山口幸二のSS勢に、九州からは北津留翼が激突した決勝戦を制したのは市田佳寿浩だった。07年の度重なる負傷からの鮮やかな復活劇を詰め掛けた多くのファンが祝福した。
決勝戦 レース経過
小倉竜二がスタートを取り、市田佳寿浩を迎え入れて両者が前受けに。以下、松尾淳-山口幸二、北津留翼-原司、平原康多-鈴木謙太郎-飯田辰哉と並び隊列が整った。
レースが動き出したのは赤板手前から。平原がゆっくり上昇すると、前団を押さえ込み、そのまま打鐘を迎えた。誘導が退避し平原が前に出ると、松尾-山口が内をすくい先頭に立ったため、平原が三番手に、下げた市田が六番手となった。松尾は後位を気にしながら先行するタイミングを計っていると、すかさず平原が松尾を叩き、1センターで出切った。ところが、平原マークの鈴木が連結を外し、番手に松尾がはまるなど、平原後位はややもつれ気味に。すると市田が中団から渾身のまくりを放ち、もがく平原を四角で捕らえて1着をさらい、久々の記念Vに酔いしれた。2着には小倉、3着にはまくり気味に追い込んだ北津留がそれぞれ入線する。
市田佳寿浩選手
「まさか今日とは思わなかった」。この言葉を
市田佳寿浩
は何度も繰り返した。鎖骨骨折に、ヒザの棚障害手術。度重なるケガを克服した市田のひとまずの目標は記念の優出だった。準決勝、鮮やかなまくりで目標をクリアすると、決勝でも2コーナー六番手から目の覚めるような一撃を見せた。
「やっぱりオグ(小倉)の存在が心強かった。平原は昨日の感じでは完調じゃなさそうだったし、僕は昨日の感じで来てると思ってた。平原は前に行かせても、北津留を後ろに置いてオグの言うとおりにやってみるかと思ってた。下手に脚を使わずレースを進めて、あとは行けって感じだったけど、タイミングもドンピシャだったね。信じて行った甲斐があった」
3場所前からはギアを3.64に上げた。「スピードが生きてきた」と復調の手ごたえはつかんでいた。「光が見えて嬉しい」。完全復活の村上義弘に続き、近畿地区の欠かせない戦力がここで鮮やかな復活を遂げた。
「僕は絶対に負けないと思ってきたし、まだ上を目指せる自分がいる。村上さんの(川崎記念)4連勝で、またスイッチが入ったし、これでイケそうな気がします」
2着の
小倉竜二
は完全復活した市田のスピードに舌を巻いた。
「初手は前から二番目が良かったけど、車番的にキツかった。スタート取るので脚を使ったけど、市田さんはかかっとったね。バイクみたいで抜ける感じじゃなかった」
後手を踏まされた
北津留翼
は市田のまくりに続いて3着に入るのが精一杯だった。
「打鐘の3コーナーで行けばよかったですね。僕を誘ってるのかな?と思ったのが失敗。迷わず行けばよかった」
打鐘で松尾淳に内をすくわれた
平原康多
だが、三番手に入らず再度ホームから仕掛けた。
「松尾さんに内から来られたのは意外でしたね。あれでパニックになった。駆ける気はあったけど、思惑どおりにはいかなかったですね。しょうがない」
松尾マークの
山口幸二
は5着の終わる。
「良い経験だと思って、松尾には自在に走らせた。あそこ(2コーナー)でスッと飛びつければ良かったし、僕が平原に切り替えとけば…。でも、どっちにしても市田の優勝でしょう」
記念初優出で平原の番手という好位置が巡ってきた
鈴木謙太郎
だったが、平原との呼吸が合わなかった。
「平原さんは三番手に入るのかな?と思ってたら、そのまま行ってしまった。あとは付いていくしかないって感じでした。次は平原さんの前で頑張ります」
↑ページTOPへ
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.