『別府競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:5月29日
別府競輪開設60周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」がいよいよ始まった。晴天にも恵まれた今日は1Rから自力型が活躍し、特選でも鈴木謙太郎、吉本卓仁らが続々と確定板入り。明日の優秀「いで湯賞」は9名中6名が自力型という異色の組み合わせでの3分戦となった。
場内では60周年を記念して大分高校書道部による「書道ガールズパフォーマンス!」を開催。3R発売中には緒方浩一氏、吉岡稔真氏によるトークショーも行なわれます。先着ファンサービスとして先着1000名様には開催記念オリジナルタオルをプレゼント。明日もぜひ別府競輪場へご来場ください。
<1R>
一ノ瀬匠選手
オープニングレースは
一ノ瀬匠(写真)
が打鐘先行。バック追い風にも乗って、末良く逃げ切った。
「昨日から周りにも言われてたし、九州の流れを作れましたね。バックが追いで出るときもスッと出たし、良い感じでかかってた。3月の小倉からA級時代のフレームに換えたら、けっこう良くなってきました」
番手絶好だった
三木健治
だが追撃及ばず。
「一ノ瀬くんが落ち着いてたね。前回(松山F1)の初日は交してワンツーだったから、今回も抜けると思ったら、あのときよりも全然強かった」
<2R>
逃げる高瀬卓ラインの3番手を確保した西村豊がバックからまくるが、上手く番手に追い上げる形になった
山崎将幸
が直線鋭く抜け出した。
「今日はバックが軽かったので、俺が先行しても残るかななんて思ってた。高瀬さんがもっと早く来てくれればカマシも考えてたけど、遅かったので中団で粘るしかなかった。西村さんに合わされたけど、山本(晋平)さんが遅れてたので入れば決まるなと。今日はラッキーでしたね。今回はちゃんと練習をしてきたし、感じが良いと思ってました」
まくった
西村豊
が2着に粘る。
「今日は先手ラインの後ろを取って、そこから様子を見る作戦でした。駆けるのは高瀬さんだろうけど、誰かがまくってくると思って早めに行ったけど、最後はバタバタでしたね。そこはダメだけど、勝ち上がれたのでヨシとします」
<3R>
鈴木裕の番手で櫻井丈と木村健司が競り。前受けの川野正芳が鈴木を出させず主導権を握ると、立て直した鈴木がまくり返す。そのまくりに上手く追い上げる形になった
村上卓茂
が粘る鈴木を鋭く捕らえた。
「鈴木くんをドカしたつもりが外にいたのでかぶっちゃうと思ったけどね。それでも無理やり出て行ってくれたので良かった。僕は脚がたっぷり余ってました。ほんとは出し切ってやったぞってレースがしたいけど、結果も出したい。とりあえず勝ち上がれて良かったです」
2着に敗れた
鈴木裕
だが力強いレースを見せた。
「もっと早く押さえるべきでしたね。結果的にずっと外併走でした。無理やり行ったけど、脚は悪くない。明日も頑張ります」
<4R>
打鐘で田中俊充、三橋政弘が落車。これですんなりの先行態勢に入った杉山剛の番手から
大野悟郎
が鋭く伸びた。
「今日は展開だけです。9番(田中)が落ちたのは分かったし、あとはまくってくるだろう1人を止めればと思って車間を切ってました。今日は展開なので、感じどうこうは分からないけど、来る前の練習の感じは良かった。状態は怪我明けでは一番良いです」
逃げて2着の
杉山剛
も満足げな表情を見せる。
「後ろに悟郎もいるし、変に粘られるより斬ったところをすかさずカマす作戦でした。まさかあんな風になるとは思わなかったけど、田中さんも落車してるし、菊池(崇訓)さんが切り替えるのも見えた。落ち着いて自分のペースでと思ったら、逆にかからなかったですね」
<5R>
前受けの上野真吾は
馬場勇
を突っ張ろうとするが、結局高田真幸のインで粘る形に。そこを今村清二がカマすが、中団で立て直した馬場がまくりを決めた。
「中団から先行しようと思ったけど、上野くんに番手で粘られて焦った。今日は全てにおいて中途半端でしたね。まくったけど、来たのが高田さんと分からずに合わせる形になってしまった。合志(正臣)さんに落車した自転車に乗るなと言われて、今回から園田(鉄兵)くんから借りたフレームで来たけど、ちょっと脚に来ますね」
内に詰まって不発に終わった上野後位から
金川光浩
が3着に食い込んだ。
「内がゴチャゴチャして、自分のコースが見つかった。S級の点数もあるし、これでちょっと繋がりましたね。この3着は大きいです」
<6R>
足達重満選手
立石拓也がホーム過ぎから鮮やかなまくりを決めると、番手の
足達重満(写真)
がゴール寸前ようやく捕らえた。
「昭彦さんは点数に関係なく前を任せてくれる。いつも気合を入れて走ってます。今日は立石さんが強かったですね。3コーナーまでは余裕だったけど、4コーナーでアッと思った。踏み直しがキツかったです」
2着の
立石拓也
もラインで上位独占の結果に笑顔を見せる。
「離れたところを追い上げた西岡(正一)くんを目標に行けたし、見えてましたね。平塚記念のあとの小田原がめちゃくちゃキツかったり、前回の岐阜も落車を避けて一杯だったり。でも今回は地元地区の記念だから仕上げないとと思ってました。初日をクリアしたし、ラインで決まったのが一番。初日にしては良かったと思うし、明日はもっと良くなると思う」
3着の
佐々木昭彦
も「強い、やっぱり。平塚記念(決勝)3着の脚やった」と笑顔で立石を称えた。
<7R>
米澤大輔選手
才迫勇馬
の強さが際立ったレースだった。後ろ攻めから主導権を握ると、天田裕輝のカマシをきっちり合わせて松崎貴久のまくりもシャットアウト。そのまま力強く押し切った。
「天田さんに気付くのがワンテンポ遅れて、ヤバいと思ったけど合わせられた。緊張もしてたし良かったです。今日はちょっと重かったけど、だんだん良くなるはず。明日も頑張ります」
番手の
米澤大輔(写真)
は才迫の強さに舌を巻いた。
「ほんと強いわ。最後までフォームが壊れん。あれはもう1周行っても抜けんね。あんな子がいつもおったら楽やのにね(笑)。2番(天田)に行かれるかと思ったけど、ケツを上げて行ってたし、最後僕がとどめを差そうと思ったら逆に口が空いた。でも、それがなくても抜けんかったね」
才迫と天田が主導権争いになって、絶好のまくり頃に見えた
松崎貴久
だが、6着まで。
「2番が出切ってくれればチャンスはあったけどね。今日は別府らしくない風だから。僕らが才迫くんを警戒しすぎてるから、かえって彼のレースになっちゃいますよね」
<8R>
守谷陽介選手
松本一成が先行し、安東宏高が中団をキープ。これで7番手に置かれた
守谷陽介(写真)
だったが、豪快なまくりで4回転の威力を発揮した。
「初優勝も別府だし、やっぱりゲンの良いバンクですね。安東くんが中団にこだわってたので、僕は関係なく行ってやると思ってました。キツかったけど、1着いけて良かった。やっぱり4回転は合ってますね」
守谷後位に飛び付いた安東を高橋雅之がさばくと、空いたコースを
篠田宗克
が鋭く伸びた。
「今日は松本くんのペースになるなと思ってた。彼はすんなり駆けると強いからチャンスはあるな、高橋くんがさばいてくれれば恵まれるなと思ってました。自分で思ったよりも伸びてますね」
3着になった
高橋雅之
は悔しさを隠せない。
「2着が良かったですね。車間を切って脚を使ったけど、仕事がしたかった。守谷さんはバックの直線で来たし、止められなかったですね」
<9R>
濱田浩司選手
桐山敬太郎が一度斬ったところを坂本貴史、川村晃司で激しい主導権争いに。この混戦を見逃さなかった
濱田浩司(写真)
が目の覚めるようなまくりを決めた。
「今回から新車だけど、練習の感じがすごく悪くてどうしようかと思ってた。でも前々検日にセッティングをイジったら良くなって、今日も4回転が軽くてスッと出るし、踏み応えもあった。展開が向いてくれたのもあるけど、ここ最近ならあそこで行けてない。いつもより車も出てた気がします」
番手の
横田努
は「直感」と話す濱田マークがピタリと的中した。
「濱田くんはアップ中のローラーでもブレてなかったし、これならイケルと思ってました。踏み出しはエッと思ったけど、余裕そうだったし、もっと踏んだらもっと行ってるくらいの感じでしたよ。僕も悪くないけど、ギアが足りない。上げるかどうか考えます」
混戦をしのいだ
村本大輔
がコース取り巧みに3着に食い込んだ。
「イセ(伊勢崎)に申し訳ないレースをした。桐山は1番(川村)を行かせてまくる展開だと思ったら、すかさず前々に踏んで行った。調子が良さそうだね。最後は無我夢中。8番(濱田)のスピードが良くて外も考えたけど、感覚的に内だと思った。最近、初日の着は良いので、2日目、3日目が勝負ですね」
<10R>
吉本卓仁選手
岡村潤が斬った上を
吉本卓仁(写真)
が一気に主導権を奪うと、番手の坂本健太郎は大きく車間を空けて吉本を援護。吉本は末の粘りも良く、ゴール前で鋭く詰め寄る坂本を振り切った。
「坂本さんとの連係は何度もあるけど、逃げ切ったのもワンツーも初めて。ライン2車だし、坂本さんは仕事しづらいだろうから、きっと抜かれるだろうと思ってました。前回の久留米で緊張してるから、今回は楽でした。逃げ切れたし、今日の感じなら大丈夫です」
一方、吉本を抜き損ねた
坂本健太郎
はバツが悪い。
「2車でも行ってくれてますからね。詰めるタイミングで行ったら、卓仁が沈んじゃうと思ったけど、最後1回振ったのが余計でしたね。あれで更に口が空いてしまった…」
3着には中団確保した岡村の番手から最後は内を伸びた
佐々木龍也
が入線した。
「前も後ろも信頼できて、今日は安心してレースができた。坂本くんがあんなに車間を空けてるし、あーっと思ったけどね。1走では分からないけど、調子はまずまず。今日の3着を生かして、今シリーズは頑張りたい」
まくり不発に終わった
岡村潤
だが、「行くなら2コーナーだったけど動けなかった。でも形は作ったので」と、2次予選へ向けて気持ちを入れ直す。
<11R>
松岡孔明選手
優勝候補の
鈴木謙太郎
が打鐘過ぎに豪快なカマシを決める。後ろの佐々木健司が離れ、松岡孔明に入られたが、これを全く寄せ付けず、そのまま押し切った。
「緊張しました。今日はローラーに乗ってる感じが良かったので、出し切れればと思ったけど出し切りすぎちゃいましたね。明日からが心配です(苦笑)。後ろを見たら松岡さんが来てたし、行かれたらダメだと思って合わせた。苦しかったです」
上手く鈴木を追った
松岡孔明(写真)
だったが、強い鈴木の前に2着が精一杯だった。
「出切った鈴木くんが流してたから、一気に行こうとしたら合わされたので慌てて番手に入り直した。休んで立て直したけど、あれは抜けないですね。今日はホームでの判断が良かったと思う。レースはイマイチだったけど、体は動いてますね」
鈴木、松岡を追った
倉野隆太郎
は富永益生の追撃を僅かにしのいで3着に入った。
「けっこう踏んでたのに、行かれてしまった。鈴木くんのスピードがすごかったです。みんなスピードがありますね。松岡さんがまくったので、ここだと思ったら入り直したんで詰まってしまった。打鐘までキツい組み立てをして、そこから追いかけられてるし悪くない。でも今度はしっかり先行したいですね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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