『別府競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:5月30日


 別府競輪開設60周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は2日目。今日は2次予選A、Bの6個レースに、優秀「いで湯賞」で準決勝進出を争った。「いで湯賞」は鈴木謙太郎が突っ張り先行で逃げ切り。周囲も「強い…」とこぼす圧倒的な強さでシリーズ制覇へ一直線だ。
 明日は緒方浩一氏の予想会を4R発売中に、緒方浩一氏と吉岡稔真氏によるスピードチャンネル公開中継を8R~最終Rまでの間で予定しています。ラッキーカード抽選会や場内食堂を利用すれば豪華賞品が当たる抽選会も引き続き開催。明日も別府競輪場へご来場ください。


<5R>
梶山裕次郎選手
梶山裕次郎選手
   一ノ瀬匠が赤板から誘導員を外して先行。山崎将幸の巻き返しは不発に終わったが、格上佐藤朋也が2角手前から豪快にまくって準決勝Aに進出した。
 「1車切り替えられたし、山崎くんは整わないとこを無理やり行った。踏み出しで出てなかったので様子を見て、仕掛けたのは1コーナーか1センターですね。前が遠く感じたし、3コーナーで2番(梶山)のヨコだったからマズイと思った。でも出切ってから追い風で流れたので良かったです」
 佐藤の番手に飛び付き、2着で準決勝Bに進んだ梶山裕次郎(写真)は安堵の表情を浮かべる。
 「一ノ瀬のおかげ。久々の準決勝だし、嬉しいですね。一ノ瀬のかかりだったら、そう簡単に行かれないぞと思ってました。佐藤さんにはまくられたけど、自分も踏めてたので飛び付けました」


<6R>
大竹慎吾選手
大竹慎吾選手
   杉山剛が中団から鈴木裕を出させずに主導権を奪う。すんなり中団の松崎貴久がバックからまくると、合わせて大竹慎吾が番手まくり。2人でモガき合いになったところを、松崎後位の上田国広が大外を鋭く伸びた。
 「あの展開で7番(鈴木)を出させたらヤバイなと思ったけど、すんなり中団が取れて僕らには絶好の展開になりましたね。2センターで内に行くか迷ったけど、松崎さんはギアがかかってるので外を踏んだ。思ったより伸びたし、松崎さんが早めに仕掛けてくれたおかげでチャンスがあった。恵まれました」
 地元の意地を見せた大竹慎吾(写真)は2着で準決勝進出を決めた。
 「杉山くんがよく頑張ってくれた。あのパターンだと出て行くしかなかったし、タイミングをずらさず行けたと思う。迷ってたらやられてたでしょうね。今日はギアを変えたので踏み応えがありました」
 松崎貴久は予想外だった番手まくりに遭い3着まで。
 「ああなると厳しいですね。大竹さんのブロックだけ気をつけてと思ってたから、あれは予想してなかった。また明日頑張ります」


<7R>
安東宏高選手
安東宏高選手
   馬場勇が打鐘から一気に主導権を奪うが、ライン3番手の大野悟郎が内に降りると村上卓茂ら3名が落車するアクシデント。冷静に車間を切った安東宏高(写真)が番手から抜け出し準決勝A行きを決めた。
 「大野さんが失格だし、素直には喜べないですね。今日は馬場くんを残して、なおかつ大野さんとワンツー。絶対にアタマは取ろうと思ってました。馬場くんの気持ちは嬉しかったし、彼が3着に残ってくれたのでまだ明日もありますね」
 力を出し切った馬場勇は引き揚げるなり、その場で倒れこんだ。
 「緊張しましたね。大野さんが失格になったので満点とは言えないけど、自分の仕事はできたと思う。あとは安東くんに頑張ってもらいます(笑)」
 落車を避けた日比野敏行が4番手から2着に強襲した。
 「6番(小泉俊也)が斜めになってたし、コケると思いました。4番手に付け直すのもキツかったですね。前はタレてたけど番手は自力の選手だし、行ったら餌食になると思って直線勝負にした」


<8R>
米澤大輔選手
米澤大輔選手
   前受けの守谷陽介が打鐘から川村晃司を突っ張って先行。2着に粘る力強い走りを見せた。
 「ナメられてたから突っ張りました。上手く駆けられたし、中団も併走になって作戦どおり。ダッシュには自信があったし、来たら突っ張ってやると思ってた。来る前に増成(富夫)さんと150キロ乗った成果が出ました」
 連日、前を任せる選手が先行する絶好の展開。今日は米澤大輔(写真)が計ったように差し切った。
 「計ってないですよ。いつもは恵まれないからね。こんなことあまりないけど、モノにできてるのは大きい。守谷くんは車番が8番車なだけ。やっぱり強いですよ」
 外併走で不発に終わった川村後位からまくりを打った朝日勇が3着に食い込んだ。
 「川村くんはホームで1番(岡村潤)のヨコまでしか行けなかったし、1番に持ってこられてたので悪いけど行かせてもらいました。でもタイミングも取らずに行ったから苦しい。もう一杯ですよ」


<9R>
平沼由充選手
平沼由充選手
   前受けの坂本貴史に突っ張られた才迫勇馬だが、佐々木健司が離れて番手にすっぽり。バックからまくると、必死で粘る坂本を飲み込み連勝で準決勝へ。チャレンジ戦から続いている別府の連勝記録を5に伸ばした。
 「坂本くんは引くと思ったけど、ヤル気でしたね。番手に入れてもらえたし、合わされたけど出られて良かった。今日は全然感じが良かったですね」
 4番手以降はゴチャ付いたが、佐々木後位からバックで自力に転じた平沼由充(写真)が2着に入線した。
 「行けるところまで追い上げようと思ったけど、3コーナーで入るところがなかった。スピードは悪くなかったので、そのまま行きました。前がタレてたから伸びてるように見えただけですよ。やっぱり2分戦はすんなりした展開にはならないですね」
 3着になった池田良だが、「昨日は感覚と脚がマッチしてなかった。今日のほうが感覚は良かったですね」と状態上向きを口にした。


<10R>
藤野義高選手
藤野義高選手
   逃げる桐山敬太郎に西谷岳文がホームから襲い掛かる。飲み込んだ西谷が1着かに、後方からコースを突いた藤野義高(写真)が前団をゴボウ抜き。ゴール後はガッツポーズで喜びを表現した。
 「嬉しかったです。成績は悪いけど、1カ月前から何か調子が良いんです。コースは良く見えてたし、あそこを突っ込もうと思ってた。けっこう空いてたので、今日の中割りは楽だったですね」
 西谷岳文は惜しくも2着に敗れた。
 「桐山くんが早めに出たけど、とりあえず1センターまでに立石(拓也)さんの横まで行かないとと思ってました。練習の疲れが残ってるし、連日申し訳ない走りばかりですね」
 桐山の逃げに乗った山田幸司が横一線の3着争いを制した。
 「西谷くんが大外を来たので、当たれず追いかける形になって苦しかった。3着ですか? 良かった」


<11R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   「いで湯賞」は前受けから突っ張り先行の鈴木謙太郎(写真)が快勝。対戦した同型が「強い…」とこぼす圧巻のパフォーマンスで、記念初優勝へ一直線に突き進む。
 「今日は突っ張ることしか作戦を考えてなかった。人気になってたけど、引いてまくり不発になるくらいなら、上手くいけばワンツースリーもあると思ってたし。出てからはペースで駆けられたし、逃げ切れて良かったです。1センターから踏んだ感じだったけど、今日はたまたま上手くいっただけです」
 2着の村本大輔は「抜いとかないと…」と悔やむ。
 「何もすることはなかったね。鈴木くんはバックの追い風で1回踏んでみたいと言ってた。抜けなかったけど、ワンツースリーは最高。マイペースで落ち着いて駆けてたし強いね。昨日の感覚は良かったし、明日は決勝に乗れるように頑張りたい」
 最終バックを通過した順番がそのまま着順となった。4番手の倉野隆太郎だが、鈴木の前に為す術がなかった。
 「誘ってると思って内から先行しようと思ったけど、甘かった…。甘かったし、相手が強かったです」
 吉本卓仁は「鈴木が掛かってた?」の問いに、「俺も掛かってました」と苦笑い。明日は準決勝Bから優出を狙うこととなった。
 「突っ張らんだろうと思ってたけど、目が合ってヤバイと思った。今回はほんとに鈴木くんが強いですね。そんなに強いんなら、宮杯を走ってもらいたいくらいですよ」

↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved