『 東日本大震災被災地支援競輪・別府競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:4月29日


 本日29日から大分県・別府競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・別府競輪開設61周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」(GIII)の初日が開催されました。別府は雲ひとつない、きれいな青空。気温も上がって、まさに競輪日和となりました。メインの特選レースは、鈴木謙太郎、松岡貴久、深谷知広という次代を担う新鋭がそれぞれ1着で勝ち上がりました。明日のメインレース、優秀「いで湯賞」での激突は必見です。
 なお、明日(30日)の本場イベントは、「別府競輪の何でも祈願」と題して「こども小潮太鼓(コチョウタイコ)」による太鼓演奏が行われます。また7レース発売中にはスピーチーズがミニライブで盛り上げます。初日に引き続きファンサービスも盛りだくさんの別府競輪場で、明日もお楽しみ下さい。
29日のトークショーに登場した大塚健一郎選手
29日のトークショーに登場した大塚健一郎選手


<1R>
松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
   オープニングレースは松岡篤哉(写真)が逃げ切ってライン上位独占を果たす。
「中団並走していることまでは気付いていなかったです。最近は練習の感触はずっと良いんですけど、レースで力を出し切れずに終わっていたので。今回はフレームもギアも変えていたので、感触はまだ。最後は踏み直せたけど、ちょっと重かったですしね。初日は(成績が)良いんですよね(笑)」
 松岡を追走した伊藤健詞は交わせず2着、松岡の強さを絶賛。
「4コーナーから伸びていったし、踏み直されて抜けんと思った…。初の連係だったけど、強いね」。通りかかった松岡の師匠・山口富生に「(松岡は)初日は強いんや」と言われ、「いや、今回あいつはやりますよ!」。
 中団を取るも捲り不発で大塚玲は5着、ギリギリで一次予選突破。
「周回中から重かったし、4番手を取り切って、脚が一杯になってしまいましたね。それに前もバックからすごいかかっていました。とりあえずは(一予突破は)良かったけど、重かったです」


<2R>
光岡義洋選手
光岡義洋選手
   光岡義洋(写真)が松崎貴久の先行を利して1年ぶりの1着。
「いやぁ1着なんて、本当に久しぶりですよ(笑)。いつ以来だろう、岸和田記念以来だと思うから1年ぶりくらい? (松崎が)ジャンでいって中団かと思って構えていたら、自分で残るように踏んでいったから、これは先行だと。2車なのに勇気をもっていってくれたし、3コーナーでもスピードがあったので僕も久々の1着だから必死に踏みました」
 3番手奪取から2着には荒木伸哉が入線する。
「もう少し松崎さんが遅めに切ってくれたら、カマそうと思っていたんですけどね。自分のラインが一番長かったから、最低でも3番手にいないとと思いました。片岡君もいたし、前のペースもあがりきっていなくて重かったけど、その割に最後まで踏めたし、調子は前回より良さそうです」
 先行した松崎貴久が3着に粘る。
「中団を取り合うなら一回きって、あとは自分のペースかなと。それから中団か粘るかと思っていたから、こんな先行する展開を考えていなかったです。しんどいです。今日はとりあえず耐えた感じです」
 片岡迪之は9着大敗。
「ホームでいけないのが現状ですね…。ホームでいけば良かったんですけど、踏んだ時に松崎さんも一緒に踏んだから合ってしまって…」


<3R>
大竹慎吾選手
大竹慎吾選手
   地元勢の先陣をきって大竹慎吾(写真)が捲りで1着。
「僕がやると、あとから走る後輩達も気合いが入りますからね(笑)。最後は3コーナーの一番タイミングがあうところだったけど、あそこでいかんといけんと思っていきました。来ていたけど、なんとか態勢を立て直して。あとは後ろからどれくらい来るのかなと思って必死でした。無我夢中。まだセッティングの微調整は必要ですね。こんな状況で開催してくれてありがたいですし、普通ならファンの顔が見えるのに、今日は集中して見れなかったです」
 ベテラン・佐々木昭彦が大竹追走の2着に。
「ちょっとホームで離れかけてしまいました。そこから付いていく分には楽でした。詰まってしまっていたし、(大竹が)よくいってくれました。良かったです。ファンの声援もあったし、明日も一走入魂です!」
 高城信雄はカマすも6着に敗れ、一予突破ならず肩を落とす。
「自分のレースは出来たんですけどね。悔しいです。後半失速してしまいました。レース勘? いや、それは選手生活を何年もやっているので、言い訳にはならないですよ。最後はもう少し自分でもっていってから前に踏めば良かったのかな。自分の形になったのに、難しいですね…」
 叩かれた中村雅仁は9着敗退。
「反応が遅かったです。もう少し早ければ…。高城(信雄)さんも流していて引くに引けなくなってしまいました。力不足としか言えないです」


<4R>
高木竜司選手
高木竜司選手
   モガキあいを島田竜二が捲り、高木竜司(写真)がゴール前差し切る。
「きついっすよ、あんな展開(笑)。ずっと2人でもがきあいでしょ…。それに一回出きってから止めて、もう一回踏み直したから、自分も余裕はなかったですよ。とにかく、きつかったです。島田さんは強いのを知っていたし、調子も良かったので、2人(熊本ワンツー)で決まって良かったです」
 モガキあいを捲った島田竜二が2着。
「(高木との並びが)逆なら1着だったね。もしかしたら(金山栄治と山田義彦の)どちらかが中団を取るんじゃないかとも思っていたんですよ。でも山田もそういう選手じゃないと聞いて。それに金山も男でしたね。それにしたって、あの展開はきつい、きつすぎる(笑)」
 先行争いを演じた山田義彦(8着)
「先行にこだわりがあるし、うまくモガキあいにならない先行が出来ればと思っていたんですけど、無理でしたね。そうなったらそうなったで行けるところまで行こうと。でも相手(金山栄治)が強かったです。どうしても叩ききってなんとかしたかったんですけど、車番通りってことですかね」


<5R>
上原龍選手
上原龍選手
   豪快な捲りで仕留めた上原龍(写真)が1着。
「同じタイプの選手がいたので、自分の作戦と同じことをやってくると思ったから、嫌がるかなと思っていたら、僕にとってはイヤな展開になってしまいましたね。そこは反省しています。詰まるくらいなら下がって構えてから一発狙って。体の調子は良いので、風も強いけど気にならなかったです。1着取れてホッとしましたね。明日もスピードを活かしたレースをしたいです」
 2着同着の有馬雄二
「近藤(幸徳)さんの一発を狙っていました。でも単騎だからぴったりは付かずに、近藤さんが後手を踏むようなら切り替えていこうと。今日は近藤さんのおかげですよ。辰己(豊)さんも流れで付いてくれたし、最後はいけるところまでいこうと思って踏みました」
 同じく2着同着の山口貴弘
「番手捲りだからきつかったですよ。仕掛けもちょうどあってしまいましたし。でも(上原は)スピードが違いましたね。前回のここのFIは成績が悪かったけど、今回は大丈夫。九州勢はけっこうみんな勝ち上がっていましたしね」
 先行した近藤幸徳(9着)。
「顔見せで、(有馬が)付いてくれるような感じだったし、こんな年寄りでも付いてくれるのかと思って。前も取ってくれたし、ジャンでは行くつもりでした」


<6R>
山田英明選手
山田英明選手
   カマした山田英明(写真)が後続の追撃を凌ぎ1着。
「前がすごい緩んだので、思いきっていきました。中途半端なレースだけはしたくなかったので。それにあれなら5着以内には残れるなと(笑)。練習みたいに踏めましたね。ダービーも共同も上がれなかったから、練習だけは人一倍してきました。(2カ月ぶりの実戦も)2月には決勝で2着に入っていたし、小倉でも2勝して自信にもなっていました。長いスパンでやってきたから、休んでも疲れが取れているのか、レース勘も心配でしたけど、ここで結果が出れば、自分のやってきたことが合っていたということですしね。今の勝ち上がりになってから準決勝はいったことがないので、明日も思い切っていきたいです」
 小岩大介は交わせず2着。
「抜けなかった…。力一杯抜きに行ったんですけどね…」


<7R>
橋本強選手
橋本強選手
   山形一気マークの橋本強(写真)が直線で抜け出すも、山形が予選落ちで表情は冴えない。
「徳島の山形君の先行で恵まれましたね。赤板過ぎからすごい勢いで叩いていってくれましたから。強かったです。でも、最後は垂れないかなと思っていたら…。後ろからもすごい勢いで来ていたし。(山形と決められず)へぼいです。申し訳ないですね」
 明田春喜が内を付いて2着に入る。
「練習はできていましたしね。森田ももう一度、踏んでいくのかと思っていましたけど、最後は、入っていきました。(森田も)練習では強いんだから、ビビらなくても良いのに」
 中団奪取から4着の坂木田雄介
「山形君の調子が良ければ、あのまま前で決まる展開になっていたでしょうしね。競輪はエンジンが脚だけど、気持ちもありますから。走らないと分からない。今日は気持ちが全然入っていない、みっともないカマシになってしまって、これはどこかに降りないとマズいと思ったら、森田君の前が空いていたので中団に入りました」
 期待された山形一気だが、先行するも直線で大きく失速し6着で一予敗退。
「久しぶりでペース配分が全然分かりませんでした。風は気にならなかったけど、焦りもあったし、ペースがぐちゃぐちゃ。もっと流しても良かったのかな。とにかく力不足でした。明日からまた頑張ります」
 森田康嗣は中団に入られ不発、9着に終わる。
「最終ホームはびびってしまいましたね。(坂木田に)すんなりと入られてしまいました…」


<8R>
伊勢崎彰大選手
伊勢崎彰大選手
   捲った石橋慎太郎を捕えた伊勢崎彰大(写真)が決めポーズ。
「慎太郎は予選を走るような選手じゃないからね。恵まれました。とにかく離れないようにだけ注意していたし、慎太郎も落ち着いて仕掛けていったね。すごい人気だったから、ドキドキしましたよ(笑)。最後、慎太郎は垂れたのかな? どうしたんだろう。(自分の調子は)悪くないと思うし、今回は前泊して温泉に入りましたからね(笑)。明日も頑張りますよ」。石橋に向かって「走る前に緊張しすぎ(笑)!今日のお前の敵は『緊張』だけだったな」。
 2着の石橋慎太郎
「今の脚ではこれが限界。きつかったです…。ジャンの2センターでいつもならいけるのに、びびってしまいましたよ。でも中団狙いで変な競走になるのだけは止めようと思っていました。堅く行ってしまった。前回より良いし、出し切る手前までいって手応えはありました。それにしても緊張した~(笑)」
 3番手絶好にみえた坂口晃輔は仕掛けを逸して8着。
「後ろからまだ来ていないのは分かっていたのに、前と車間をあけていたのに…なんでだろう。入りきらずに、えらかった…」


<9R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   鈴木謙太郎(写真)がカマして1着。これで別府記念5連勝。
「レースも久々だったんですけど、1着で良かったです。今日は先行する気はなかったんですよ。流れの中で北津留の4番手に行こうと思っていて。そうしたら北津留が出切って流したので、付いていった勢いでいきました。バック追い風なのも良かったですね。バンクが重かったから、ギアも77から71に下げていきました。それで最後抜かれなかったのかも。前回は踏みながらのカマシでしたけど、今回は回しながら踏めました。71でも座ったままで行けましたしね」
 鈴木マークの斉藤正剛が2着。
「(鈴木に向かって)それが若さ! 謙太郎がどこまで戻っているか分からなかったからドキドキしていたんですよ。そうしたら春一番の時が嘘のような動きでしょ。戻っているなら、戻っているって言ってよ~(笑)」
 北津留翼を追走の園田匠が外に持ち出して3着に入る。
「並走になった時に、佐野(梅一)さんのところに切り替えようかと思ったんですけど、翼が頑張っていたし、翼がどかしたらチャンスになるなと思って、ずっと待っていました」
 3番手に入った北津留翼だったが、最後は5着に終わる。
「6(池田勇人)に突っ張られて、脚を使いすぎましたね。地脚があれば良いんでしょうけど…。ああなるときついッス。モガキ合いになるのもきついけど、あそこは譲れない。(並走になった時も)どかせる技術は僕にはないし…でも体調は良いと思いますよ」
 4着の佐野梅一
「ずっと外並走だからきつかったです…」
 9着に終わった池田勇人
「翼も謙太郎も積極的。自分が動かない手も考えたけど、佐野さんも含めてダッシュある相手が多かったし、それは危険だなと。でもこのメンバーですんなり先行できる展開が思い浮かびませんでした。」


<10R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
   中団外並走から捲って1着の松岡貴久(写真)と注目デザインの愛車
「地脚なんで外並走でも問題なかったですよ。フレームは出脚がちょっと重かったですね。レース展開でちょっと思い切り踏める感じにはならなかったけど、感じは悪くなかったです。危なっかしい展開でしたけど、菅原(晃)さんと決まって、ホッとしました。ただ岩津さんには悪いことしてしまいましたね。調子は普通ですが、流れが良いですね」。新車デザインについては「チェック柄というオーダーだったんですけどね。お洒落ってことにしといて下さい」
 菅原晃は松岡に詰め寄るも2着惜敗。
「付いていくのは楽でしたけど、(松岡が)強かったですね。最後は交わしたと思ったんですけど…。それに、あれは交わさないといけなかったです。ちょっとセッティングを見直そうと思います」
 3着は藤木裕の先行から山口富生が入線。
「3着は先行した藤木のおかげ。僕の調子はこんなもんですかね、悪くないです。藤木はもう少し強弱があればもっと良くなりますよ。今はペースに入ったら、ずっとそのままだから。このクラスではその辺も必要ですからね。でも、今日はバーバリー(松岡の新車デザインを見て)だけには負けたくなかったですよ(笑)!」
 九州3番手追走も岩津裕介は連係離れて6着に敗れる。
「3番手で、ホームまでで何回もいったりきたりして。前は自分のペースで行けるけど、しんどかったですね」


<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
   ホームからスパートした深谷知広(写真)が押し切り1着。
「最終ホームでは一瞬だけ休もうと思ったんですけど、木暮さんが来る前にと思って踏んでいきました。待ってかぶるよりかはいいかなと。あとはいけるところまで、という感じで。踏み出しも悪くなかったです。体は良いと思うんですけど、きつかったですよ。明日もしっかり頑張ります」
 小野俊之は深谷マークで2着。開口一番、深谷に向かって「お前、強いな!」。
「一瞬休むかと思ったけど、すかさずいってくれましたしね。でもあれで(ギアが)79だろ…。出来は悪くないですが、最後は抜けんかったから、久々に『チクショー』と思ったし、詰まらなかったのが悔しかったですよ。深谷は強いですわ」
 深谷に捲られたものの、松坂洋平が3着に粘る。
「今日は後ろから、先行することだけ。(中団以降の)展開は分からなかったですよ。出し切った感じで、最後は吸い込まれる感じになりました。感じは良いと思います」
 松坂を交わせず4着の白戸淳太郎。こちらは松坂に向かって「あなた、強いね!」。
「最後に木暮が捲ってきたのが分かったから、牽制したんですけど、ヨコではなくて踏みながらいけば良かったですね。それでも(松坂を)抜けると思ったんですよ。そうしたら、抜けないどころか差が詰まらなくて追走一杯。レース勘なのかなぁ…」
 離れてライン上位独占出来なかった安東宏高(5着)。
「一瞬、待ってしまった僕の判断ミスでした」
 木暮安由は見せ場なく9着。
「周回中に後ろ見ながら牽制していろいろ考えていたんですけど、それで一杯になったのかも。気持ちを切り替えて、明日頑張ります」

↑ページTOPへ


COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved