『別府競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:5月21日
 別府競輪開設62周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は5月21日に最終日を迎えた。注目の決勝戦を制したのは岡田征陽だった。逃げる菅原晃の番手から抜け出した大塚健一郎が小野俊之と接触して失速。岡田は岩本のまくりに上手くスイッチすると、外を一気に突き抜けた。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると萩原孝之がスタートを取り、岩本俊介を迎え入れる。以下は浅井康太、菅原晃―大塚健一郎―小野俊之、佐藤友和、岡田征陽―後閑信一で周回が進む。
 レースは早めに動き出す。青板バックで岡田が上昇を開始すると、菅原が岡田ライン追う。岡田は赤板で誘導を切ってペースを一気にスローダウン。打鐘で菅原が一度先頭に立つが、佐藤が3コーナーで菅原を叩き前へ出る。菅原は後方の様子を見ながら直線で佐藤を叩き返して一気にスパート。佐藤は大分トリオの後位へ。大分勢を追走した浅井は2コーナーから、8番手の岩本も浅井との差を詰めるように仕掛ける。浅井が大塚の横に迫ったところで最終4コーナー。菅原後位の大塚が直線で踏み込むが、中を割りに来た小野を締め込むと小野が落車し、大塚も車体故障で勝機を逸す。最終3コーナーまで脚を溜め、外へとコースを取った岡田が直線の踏み合いを制し優勝。岡田後位から内へコースを取った後閑が2着。まくった浅井が3着に残った。

岡田征陽選手
岡田征陽選手
 昨年後半から急成長を遂げ、ダービー決勝では悔しい思いを味わった岡田征陽が嬉しい記念初優勝。
「時間がかかったけど、いいタイミングですね」。いつもどおりの晴れやかな笑顔で、優勝の喜びを話す。
 レースは後ろ攻めから。 「自分は先に斬ってから。1回スローに落として、ダッシュ勝負だと思ってたので」。
 青板バックから動いて、赤板で誘導員を下ろすと作戦どおりペースを落とす。最終的に地元トリオが主導権を握り、岡田は6、7番手でバックを通過。そこから岩本俊介のまくりに乗ると、最後の直線に向かった。
「前でSSの2人がからんでて、あそこは見ちゃったけど、(岩本)俊君に切り替えていけてよかった。そこは上手く立ち回れましたね。思い切り突っ込んだだけで、勝ったかどうかは分からなかった」。
 次は高松宮記念杯。 「勝負だと思ってたし、いい弾みがつけられました」。 悲願の地元GP出場へ向け、岡田がここから再加速する。

 後閑信一は惜しくも2着。
「内を見てたら落車があったので、それで流れを止めてしまった。しょうがないけど、あれが実力ですね。征陽がよく頑張ってくれました。もう少し伸びるような気がするんで、また練習してきます」

 浅井康太は中団で佐藤友和とからんだのが痛かった。
「今日は一発しか狙ってなかったけど、あそこがキツかったですね。(落車で)音がしてビクッとなったけど、どっちにしろ3着だったと思う」

 4角絶好の番手回り。しかし大塚健一郎の悲願は目前のところでスルリとその手からこぼれ落ちた。
「晃が頑張ってくれました。駆けた瞬間にイケルと思ったけどね。ゴールを一番最初に駆け抜けた人の優勝。僕は駆け抜けられなかったので」

 小野俊之は「ファンには申し訳なかったけど」と話すと、こう続ける。
「セッティングをいじって久しぶりのアタリが出た。外を踏んでもいいくらいだったけど、セオリーどおり中を行った。からまなければ突き抜けてましたね。今までにない感じだったし、このセッティングなら宮杯も楽しみ」

 逃げた菅原晃は「自分の仕事はきっちりできました。力は出し切った」とレースを振り返った。


ゴール
↑ページTOPへ