『別府競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月26日
 別府競輪開設64周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は佳境の3日目を迎えた。準決勝3個レースは連勝で勝ち上がった金子貴志や、松岡健介が敗れるなど激戦の連続。地元勢からは小野俊之、菅原晃が決勝戦に勝ち上がり、後閑信一、菊地圭尚らと頂上決戦を繰り広げる。
 最終日も吉岡稔真氏、山口幸二氏のトークショーやスピーチーズのスペシャルライブを開催。そしていよいよシリーズの優勝者が決まります。注目の決勝戦はぜひ別府競輪場でお楽しみください。
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後閑信一選手
後閑信一選手
山下渡選手
山下渡選手
 決勝進出一番乗りを決めたのは後閑信一(写真)だ。打鐘から屋良朝春が主導権を握ると、バックから番手まくり。嬉しい今年初優出を決めた。
 「屋良のおかげです。やるときはやる男ですね。(1月立川記念の落車で)かみ合わない時期もあったけど、だいぶ体もイメージどおりになってきた。(初日に)先行して逃げ切れたのもあるし、股関節周りもよくなってきた。今年は決勝に乗れてなかったので、明日も頑張ります」
 続いた山下渡(写真)は前の2人に感謝しきり。
 「さまさまですね。屋良、後閑さんのおかげです。屋良はかかってました。強いっすね。僕は付いて行っただけ。2人にはお世話になりっきりで、どうやって返したらいいのか(笑)」
 及川裕奨は関東勢との車間をなかなか詰められなかったが、竹内智彦の追撃を振り切り3着に入線。初参戦の別府で、嬉しい記念初優出を飾った。
 「このメンバーで2車だったので、なるべくいい位置を取って一発カマすかまくるかでした。強い選手を相手にいつもの車間じゃダメですね。記念の決勝は初めてです」
 松岡健介は7番手不発に終わった。
 「(内をすくって3番手になったとき)あのまま行けばよかったですね。駆ける気はあったけど、打鐘から屋良君とやり合ってもと思った。宮杯もあるんで、最終日はギアを4.42に上げてみます。レースで使うのは初めて」

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木暮安由選手
木暮安由選手
小倉竜二選手
小倉竜二選手
 山田義彦が主導権を握ると、中団は内に金子貴志、外に石井秀治で併走に。バックから石井が仕掛けると、合わせて木暮安由(写真)も番手まくり。山田の頑張りに結果で応えた。
 「山田君のおかげですね。打鐘の2センターで全開だったし、スイッチが入ってるなと思った。後ろの状況は分かってたし、これで共倒れじゃ申し訳ない。来たら出なきゃと思ってました。前回(3年前)の別府記念では途中欠場してるので、今回は決勝に乗れてよかったです」
 任せた金子が内に詰まるピンチの展開も、コースが空くや外を鋭く伸びた小倉竜二(写真)が2着に食い込んだ。
 「バンクレコード(のスピード)を体感したかったけどね。しょうがない。(前に)中村(浩士)さん、宗景さんがいるし、内は危ないなと思った。僕はずっと脚を溜めて、コースを突いただけ。最後は内でガシャンっていってたんで、ハンドルを投げるタイミングが狂った。状態は日に日によくなってきてるし、決勝に乗れてよかった」
 金子ライン3番手から先に外へ持ち出した立花成泰が3着に。
 「とにかく我慢、我慢と思ってました。僕に突っ込む脚があれば小倉さんを待つけどね。外を(石井が)まくって行った時点で6番(棟方次郎)に付いていった。外を踏んで膨れて終わるならしょうがないと思いました。決勝に乗れてよかった。恵まれてるなあ」
 金子貴志は内で力を出し切れないまま終わってしまった。
 「(7番手まで)引ける感じじゃなかった。あのまま併走してれば(石井が)行ってくれるかなと思ったけどね。外も飛ばないですよね。しょうがないです」
 木暮後位を回った宗景祐樹は「石井を飛ばしとけばコースがありましたね。モノにできなかった」とレースを振り返った。

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菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
小野俊之選手
小野俊之選手
 前々に攻めた菊地圭尚(写真)がレースを掌握。打鐘過ぎ8番手から内をすくうと、スルスルと3番手まで番手を上げる。2コーナー過ぎからまくって出ると、そのまま押し切った。
 「前(山形一気)も菅原さんのカマシ待ち。揺さぶらないと菅原さんも仕掛けないだろうし、内をすくえば(菅原が)行くかなと思ったら、ごっそり空いたんで行けるところまで。前々に行こうといつも思ってるし、これを切らさずやっていきたいですね」
 菅原の仕掛けに乗って内藤宣彦の内に切り込んだ小野俊之(写真)が2着で準決勝を突破した。
 「圭尚を抜ける感じじゃなかったし、後ろを連れて来てもダメだから、あとは晃が3着までに入れるか見ながら。内藤さんを(外の菅原と)アンコにして晃頑張れみたいな感じでした。明日が勝負。その(優勝)ために来たんでね。決勝に一番いい状態でいけるようにセッティングを考えます」
 菊地に内をすくわれた菅原晃だが、すかさず1センターからまくり発進。内藤とからむ苦しい展開もしのいで決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「内をすくわれたのは誤算だったんで、ちょっと焦った。でも、とりあえず仕掛けないとと思って行きました。いまいちレースができてないですね。明日、もう1日頑張ります」
 安東宏高は「動きは全部見えてました。あとは力不足で」。惜しくも4着で3連続の地元記念優出を逃した。
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