『別府競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:5月27日
 別府競輪開設64周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は5月27日、4日間の熱戦に幕を下ろした。優勝は後閑信一。初日の逃げ切りで手ごたえをつかむと、菅原晃、及川裕奨らとの3分戦をまくりで制して今年初優出で初優勝。次走の高松宮記念杯へ弾みをつけた。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると後閑信一がいち早く飛び出してスタートを取った。初手は後閑―木暮安由―山下渡、菅原―小野俊之―小倉竜二、及川裕奨―菊地圭尚―立花成泰の順で並ぶ。
 周回が進み、菅原が車間を空けて後ろを警戒すると、及川が赤板ホームから一気にカマして先頭に躍り出た。菅原も合わせて前に踏み込んだが、後閑にブロックされて車を下げていく。その後閑はさらに立花を退かして3番手を確保した。先頭の及川がペースを緩めたところで打鐘が入る。すると、すかさず菅原がカマして巻き返しに出る。小野は呼吸が合わず連係が崩れた。単独となった菅原がそのまま最終主導権を握って、後ろには北日本勢が入る展開に。菅原が懸命に逃げるなか、後閑信一が2角からスパート。スピードの違いを見せてバックで前団をまくり去った。一方、小野は外併走をこらえバック過ぎから内を突くも伸びは今ひとつ。後ろの小倉は外を選択して伸びていく。最後は小倉が直線で鋭く迫ったが、後閑がそのまま押し切って優勝。11年10月の京王閣以来、2年7カ月ぶりの記念Vを遂げた。小倉は2着となり、及川を捨て前に踏んだ菊地が3着に入る。


後閑信一選手
後閑信一選手
 悩めるボスが完全復活へ狼煙をあげた。初日特選で松岡健介らを相手に逃げ切り。「ずっとモヤモヤしてたのでよかった」と会心の勝利を手放しに喜んだ。迎えた決勝戦でも攻める気持ちは変わらなかった。「及川が行くと思ったんで、前だったら全部突っ張って位置を取って、後ろなら斬って来なければ駆ける。木暮にも世話になってるし、先行基本で考えてた」。レースは及川、菅原と次々に先頭が入れ替わる目まぐるしい展開になったが、後閑信一(写真)は落ち着いていた。打鐘で立花成泰をすくって好位置を確保すると、「圭尚も(及川を)かばってたので」。単騎で先頭に立った菅原が緩めたところを見逃さず2コーナーからまくり発進。後続の追撃を振り切った。
 「木暮がいいところを取ってくれたからね。前回(全プロの2日目)からギアを4.23に落としたのもあって余裕が出た。今年は安定感を増して走ろうと思ったら、初っ端(立川記念)にこけて、SSなのに不甲斐ないレースが続いてた。やっと体はフラットの状態に戻ったので、あとは力をつければ」
 次走は6月12日から始まる高松宮記念杯(G1)。「いいときもあれば、悪いときもある。宮杯に向けて頑張ってきたし、いい兆しが見えてきたんでね。後半戦は頑張れそうです」。47周年前節を制し、62周年は準優勝と相性のいい別府で後閑の復活劇が幕を開けた。

 2着には小倉竜二。追い上げた小野俊之が木暮をキメながら内に切り込むと、外を回して後閑を追った。
 「(小野が)連係が外れて木暮とからんでたし、踏んでくのは外しかなかった。もっと強かったら抜けてるんだろうけど、後閑さんも踏み直し道中の波で一杯でしたね」

 菊地圭尚の記念初優勝はまたもお預けに。
 「ホームで後ろに後閑さんが見えた。(菅原を及川に追わせて)もう1回仕掛けてくれたらと思ったけど、菅原さんが後ろを見て流したところを来ましたね。後閑さん、さすがです」

 13年ぶりの地元記念制覇を狙う小野俊之にとっては苦しい展開になってしまった。
 「晃は行くと思ったけど、半信半疑だったんで。(出切った菅原が)待ってくれてるのは分かったけど、もう行けなかった。悔しい思いはしたけど、確実に体は上がってきてる」

 菅原晃は赤板過ぎの接触が響いた。
 「危なかったですね。あのまま行ければ中団か、(及川が内を空ければ)ハコもって作戦だったけど、1つ作戦が失敗したんで。あとは3コーナーまでと思って行ったんですけどね。なかなか決まらんですね…」


ゴール
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