『別府競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月29日
 別府競輪開設65周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は3日目。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた激しいサバイバルレースが繰り広げられた。浅井康太、井上昌己ら実力者が順当に決勝進出を決めたが、最終12レースでは深谷知広がまさかの敗退。大塚健一郎、大竹慎吾も共倒れに終わり、地元勢からのファイナリストはゼロとなってしまった。
 明日も引き続き、緒方浩一氏、山口幸二氏によるレース予想会(5R、10R発売中)や吉岡稔真氏、山口幸二氏によるトークショー(7R発売中)、スピーチーズライブ(6R発売中)などのイベントが予定されています。9RにはレインボーカップA級チャレンジファイナル、そして決勝戦と明日も見どころ盛りだくさんの別府競輪場へぜひご来場ください。
<10R>
井上昌己選手
井上昌己選手
川村晃司選手
川村晃司選手
 海老根恵太が赤板過ぎに一旦斬ると、今度は矢口啓一郎がその上を叩き、さらにその外を川村晃司が一気にカマして主導権を握る。川村がグングンとピッチを上げてマイペースに持ち込むと、別線はお手上げ状態に。中団からまくり上げた矢口啓一郎も車が進まず、最後はライン3人での直線勝負となり、外を鋭く伸びた井上昌己(写真)が3番手から突き抜けた。井上は「九州の先行屋にはいないくらいの凄いかかりだった。本当に強かったです」と川村の走りを大絶賛。「神山(雄一郎)さんが後ろにいたのがわかったので、内だけはしっかり締めてようと。ヒヤヒヤしたけどしっかりラインで決まったので良かったです」と満面の笑みで振り返った。
 川村晃司(写真)は圧巻の逃走劇を披露して別線を完封した。
 「想定通りの展開になったし、しっかり駆けられました。感じは前回よりも良いです。(九州勢が付いたのは)大きかったですね。単騎だと戦法も限られてましたから」
 番手で絶好だった松岡貴久は3着という結果に苦笑い。
 「川村さんが強かった。これが力ということですかね。それでも決勝には乗れたので、明日また頑張りたいです」
 3コーナーで井上昌己の後ろへ切り替えた神山雄一郎だったが、前の3人をとらえる事はできず、準決勝で敗退となった。
 「矢口君は頑張ってくれたけど、仕方ないですね。相手が強過ぎました」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
金子貴志選手
金子貴志選手
 小埜正義が赤板、打鐘と2回、前に出ようとアタックするが、そのたびに前受けの佐川翔吾は突っ張り主導権をキープする。佐川は別線の動きを確認し、さらにギアをトップに入れて逃げまくる。番手の浅井康太(写真)は車間を切って援護すると、ゴール前で抜け出した。
 「あんな所からいってくれるなんて思わなかったです。佐川君は4着ですか…。最後は金子(貴志)さんだと思って内を空けてしまった。失敗しましたね。状態はまだ万全ではないです」
 中近ライン3番手の金子貴志(写真)が浅井に続いて2着に流れ込んだ。
 「浅井の後輪しか見てなかったです。佐川君がグングン加速して、かかっていたし、ラインで決まったかなと思ったけど…。彼がすごかったですね。自分の調子も良いと思います」
 菊地圭尚マークの橋本強は直線をタテに踏むと、空いた内コースを伸びて3着に入った。
 「圭尚さんも行く態勢だったんで、自分もいつでもいける態勢で構えてました。圭尚さんが外にいったんですけど、自分としては外に踏めないので内に。そしたらコースが空きました。届いて良かったです」
 小埜正義は予想していた展開とはいかず、7着に終わった。
 「菊地さんも、原(誠宏)君も動かなかったし、予想していたのと違う展開。でも、出切れない僕が弱いだけですね。先行するのが状態を戻すのに一番良いんで、先行したかったですけど…」

<12R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
浦川尊明選手
浦川尊明選手
 野原雅也、鈴木裕ら別線の包囲網の前に深谷知広、そして地元コンビは総崩れ。野原の先行に対し、中団を確保した鈴木裕の番手から渡邉晴智(写真)が鋭く伸びた。
 「ライン3人で頑張った結果ですね。鈴木君が前々に攻めてくれて、それが心強かったです。鈴木君が内に行ったんで、最後は外を踏みました。大塚(健一郎)君も降りてきたり刺激のあるレースだったけど、そこを乗り越えられたし勉強にもなった。脚は問題ないと思います」
 南関3番手を回った浦川尊明(写真)が2着に突っ込んだ。
 「ホームでかなり脚を使ったんでそこがキツかったですね。最後は覚悟を決めてあの(渡邉と川木の間)コースを突っ込んだ。それがよかったですね」
 深谷をブロックし、内を来た鈴木の動きもしのいだ川木敬大が3着で嬉しい記念初優出を決めた。
 「全て雅也がやってくれた。前のおかげですね。深谷を止めたところはあまり覚えてないけど、最後鈴木君が内に入ってきたのは鮮明に覚えてる。『もうやめて~』って感じでしたから(苦笑)。これが記念初優出。よかったです」
 5着で優出を逃した鈴木裕は「今日はあれしかない。あそこで(野原を)叩いてKYするよりは、中団からまくれるかまくれないか。(2コーナーで)吸い込まれて内に差しちゃったのがもったいなかったです」。深谷知広は「しょうがないです」と言葉少なにレースを振り返った。

<最終日9R レインボーカップA級チャレンジファイナル>
岡本総選手
岡本総選手
西田将士選手
西田将士選手
 最終日、9レースは3着までがA級2班に特班するレインボーカップA級チャレンジファイナルが開催される。動けるタイプばかりがそろった細切れ戦だが、中心は点数上位の愛知コンビになりそうだ。番手を回る岡本総(写真)はこれが下岡優季と2度目の連係だ。
 「下岡君の番手は1回あります。初優勝が下岡君の番手だったんです。連係は2回目だけど、いつも一緒に練習してるんで。調子は変わらずいつもどおりですね」
 下岡優季は一発勝負、そして初の9車立てにも自信をのぞかせる。
 「自分のレースをすれば(岡本と)ワンツーいけると思うんで。今は調子がいいですね。2場所前の名古屋では体調を崩して渡辺(大剛)君にやられたのでリベンジします」
 九州ではただ一人の参戦となる西田将士(写真)は別府とゆかりのある選手。単騎の競走になったが、簡単には負けられない。
 「大学、社会人で6年ぐらい大分にいました。アマチュアの頃に1年半、別府で練習してたし、ここは第二の故郷ですね。まだチャレンジの優勝は2回。終盤も勝ちにいって2着ばっかり。(同期の野口)大誠みたいに飛び級とはいかなかったけど、一歩ずつですね。この雰囲気はなかなか味わえないんで頑張りたいです」
 中野智公が単騎戦を選択したため、岸川哲也も単騎でのレースとなった。
 「9車立ては初めてで分からない。そこはやってみないとですね。調整してきたので調子は悪くない。みんな自力があるんで、躊躇せず行ければ。来期につながるように、負けても悔いのないレースがしたいです」
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