『別府競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月4日

 別府競輪開設67周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は3日目。準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝は竹内雄作、古性優作に中村浩士が快勝。地元の大塚健一郎は2着で決勝進出を決めた。5日はいよいよ最終日。決勝戦、そして9RにはKEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)も行われる。
 最終日は新聞記者による予想トークバトル(6R、8R発売中)や金券や商品券が当たる未確定車券抽選会などのイベントが予定されています。見どころの多い最終日をぜひ別府競輪場でお楽しみください。

<10R>

竹内雄作選手
竹内雄作選手

木暮安由選手
木暮安由選手
 青板2コーナーから早々と上昇した松谷秀幸に対して、竹内雄作(写真)は7番手まで車を下げる。竹内は中団に入った鈴木竜士にしきりにけん制されるが、打鐘前2コーナーで鈴木がスピードを緩めた一瞬の隙を逃さず一気にスパート。残り1周半から先頭に立つと、力強く押し切った。
 「久々に決勝に乗れて嬉しいですね。ジャンのところで(鈴木に)合わされたと思ったけど、むこうがやめていたので自分が(仕掛けて)伸びていく形になりましたね。その後は自分でも良い感じに駆けられたと思うけど、余裕がなかったです」
 木暮安由(写真)にとっては目標の鈴木が外に浮く最悪の展開だったが、バックから外に持ち出すと、鈴木、齊藤竜也の間を強引に縫って2着に突っ込んだ。
 「危なかったけど、レースが見えていたし落ち着いていましたね。4コーナーで踏んで伸びているし、調子は良いです。調子が悪かったら外に膨らんでいるので」
 竹内に食い下がった坂口晃輔が3着で決勝進出を決めた。
 「打鐘のところで鈴木の動きを見ながら行くのか行かないのか見ていたら、(鈴木が)引いたので離れそうになりました。ただ、雄作も落ち着いていたので良い感じにドッキングはできました。松谷さんが自分の位置を狙っていたのは分かったので、警戒はしていたけど(竹内が)かかっていたので来れなかったですね。最後は9番(松谷)に行かれたと思ったけど、何とか(決勝に)乗れて良かったです」
 渡邊健を飛ばして竹内ライン3番手を確保した松谷秀幸は直線勝負で決勝進出を狙ったが4着まで。
 「なんで毎回(準決勝は)4着なんでしょうね…。かなり脚を使って位置は取ったけど、あそこまで行くなら(竹内の)番手まで行けばよかった。少し迷ってしまいましたね。位置取りで脚を使っていたし、脚がなかったです」

<11R>

古性優作選手
古性優作選手

橋本強選手
橋本強選手
 赤板過ぎにこじ開けるように強引に切って出た古性優作(写真)は、愛媛コンビを受けて3番手をキープする。小川祐司の先行態勢で打鐘を通過。後続を酔わせる絶妙なペースで小川が逃げて、最終ホームでも別線は動けない。1センターからまくった古性は、小川に合わされながらもなんとかとらえる。しかしながら、村上義弘は小川後位から切り替えた橋本強に踏み負けて4着。1着にも古性は厳しい表情で振り返る。
 「(小川の)掛かりが良かった。掛かる前に行けてたら良かったんですけど。ジャンの3コーナーくらいから(仕掛けるタイミングがあったけど)…。自分でもなんで行けないのかわからない。人の後ろに付いている感じだった。そこを行けば良かったんですけど、これじゃまったく喜べない。村上さん、山内(卓也)さんが付いてくれて、そこを叩けばラインで決まる可能性が高かった」
 小川の逃げを利した橋本強(写真)は、古性のまくりを止められずも村上に踏み勝ち決勝進出を果たした。
 「小川さんは仕上がりが良さそうなので、出たら落ち着いていってくれればと思っていた。小川さんはうまかったですね。古性君を止められれば良かったんですけど…。そこからは(村上のところで)へばりついていくしかないと思った。あとは気合ですね」
 9番手に置かれた田中晴基は、目標の鈴木裕が浮いて不発になると内よりのコースを進出。最終3コーナー過ぎに橋本の後ろに取りついて、3着に追い込んだ。
 「鈴木さんすみませんっていう感じでした。鈴木さんが行ったら、みんな外に行って、内がガラ空きだった。あとは(直線で)コースが空いてくれればと。そしたら空いてくれたんでツイてますね。自分が自力でやったら9着ですよ」
 古性にまくられシンガリに沈んだ小川祐司だが、レースを支配して存在感をアピールした。
 「(橋本)強が残った。結果、僕の後ろが残ったんで評価はしてもらえると思うけど。もっと(逃げる)距離を伸ばしていかないと。(最終)3コーナーまで持てばもっとちがっていた」

<12R>

中村浩士選手
中村浩士選手

大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 青板バックから上昇した山中秀将に対し、前受けの天田裕輝がホームで車を下げると山中の動きに続いた清水裕友が打鐘から主導権を握る。3番手は山中、松岡貴久で併走になったが、ホームで山中が下げて松岡が3番手を確保。松岡が2コーナーからまくり上げると岩津裕介がこれをブロック。その内に大塚健一郎が切り込んで清水後位まで番手を上げる。2センター、5番手から山中が巻き返すが大塚が内に切り込んだ際のあおりを受けて大きく外へ。これでポッカリ空いた中バンクを中村浩士(写真)が突き抜けた。
 「流れがいいですね。(決勝に)乗ってるというより乗らせてもらっている感じです。(下がってきた山中を)迎え入れるのがキツかった。もう間に合わないと思ったけど、うまくスピードをもらえましたね」
 岩津の内に切り込んだ大塚健一郎(写真)が2着。競輪祭の落車で万全とは言えない体調のなかでも決勝戦に勝ち上がった。
 「周りのおかげです。このデキで、まさか乗れるとは思わなかった。貴久もいつもどおりやってくれて、ここまでたどり着けました。最後のフォームもバラバラで情けないです(苦笑)」
 大塚にすくわれた岩津裕介だったが、立て直して3着に食い込んだ。
 「いい展開になって、自分も精一杯やったけど、相手も強いので。(松岡を)止められるかなっていうのも一瞬あったけど、じっとして(清水が)合わせ切ってたら決まってたかも。レースのなかでそこの判断ができなかった。でも、清水は頑張ってくれました」
 逃げた清水裕友は惜しくも4着で決勝進出を逃した。
 「落ち着いて駆けられたけど、これで残れないってことが今の力じゃないですか。先行するなら絶好の展開だった。でも、岩津さんが乗ってくれただけよかった。また頑張ります」

<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>

山本伸一選手
山本伸一選手

工藤文彦選手
工藤文彦選手
 最終日9RにはKEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)が行われる。石井秀治の欠場で誰にでもチャンスがありそうな一戦となったが、前回、競輪祭にも出場している山本伸一(写真)が機動力では上位の存在になる。
 「エボリューションは初めて。ここまでに2日ぐらいカーボンに乗ってきました。普段もたまに乗ってるし、違和感はないですね。(競輪祭は)成績的にあんまりだけど、脚は戻ってるんで。今はなんで結果が出ないのかを考えながらやっている。外枠だけど頑張ります」
 工藤文彦(写真)は最内の1番車。エボリューションも昨年12月の広島記念で経験している。
 「前回が終わったあとは競輪学校でアマチュアたちに訓示をした。頑張らないといけないなって気持ちになりました。練習は普通に。カーボンでも練習はしてきました。前回(のエボリューション)よりは絶対チャンスがあるし、あのときよりは速くなっていると思う」
 高間悠平が点数最上位の存在だ。11月大垣で記念初優出するなど競輪では好調だが、エボリューションは果たしてどうか。
 「エボリューションは初めてなんで、何とも言えないですけどね。先輩に聞いてそれを参考に走ります。地区プロが10月頭にあって、そこでカーボンに乗ったぐらい。勝負権のある位置にいたいですね」
 渡辺正光も今年の全プロで4km個人追い抜きを制すなど競技には強い。
 「車番的にもそこそこ真ん中は取れそうですね。あとは行けるところで行ってみようと思ってます。いつも練習でこれ(カーボンフレーム)に乗って大ギアをかけている。外国人がいないだけでもいいですね。とにかく思い切って走ろうと思う。普段やらない戦法をやろうかなと思います」