『開設69周年記念熊本競輪 「火の国杯争奪戦」in久留米(GIII)レポート』 2日目編

配信日:10月25日

 久留米競輪場で開催されている熊本競輪開設69周年記念「火の国杯争奪戦」は、10月25日に2日目を迎えた。AとBに分かれて争われた二次予選7個レースでは、熊本のエース・中川誠一郎や、新井秀明が1着。中本匠栄、上田尭弥、瓜生崇智も予選突破を果たした。3日目はファイナルへの切符をかけて、準決勝が行われる。
 本場では26日のシリーズ3日目も、イベントやファンサービスが盛りだくさん。開門時には、先着300名様に熊本銘菓の「月下の熊本城」と場内利用券500円分が当たる「スピードくじ」を配布。さらに、小学生以下のお子様先着100名様にお菓子をプレゼントします。また、仮面ライダーゼロワンショー(6・10R発売中)や、「紺野ぶるま」によるお笑いライブ(7・11R発売中)、バルーンアーティストの「CHISHA チシャ」によるステージショー(4・8R発売中)、現役競輪選手シンガーソングライターの「仲山桂選手」によるライブステージ(9R発売中)も予定されています。開催中の毎日、行われている「未確定車券抽選会」や、熊本競輪情報協会会長の武田一康氏による全レース展望会。中野浩一氏や後閑信一氏らが登場するレース展望会も引き続き実施されますので、ぜひ久留米競輪場でお楽しみください。

<6R>

近藤龍徳選手
近藤龍徳選手
 赤板の1コーナーで原口昌平がハナに立ち、3番手から6番手に単騎の4人が続く。前受けから7番手に下げた真船圭一郎は、打鐘の2センターから反撃。しかし、松坂英司が離れてしまい、番手に原口がはまる。それでも原口はすかさずバックからまくり出し、真船とモガき合いに。そこへ、2コーナー8番手からまくってきた近藤龍徳(写真)が襲い掛かり、直線で鋭く伸びて突き抜けた。
 「すごくない?ビックリ。何が起きたのか分からなかった(笑)。前回(千葉記念in松戸で)失格したから、しっかり練習してました。アップの時は重たくてヤバいぞって思ったけど、こういう時の方が良かったりするんですよね。まくりはめっちゃ気持ちいいですね」
 絶好の位置にはまった原口昌平だったが、早めに番手まくりに出て2着に入った。
 「(番手に)はまったけど、すぐ行こうと思って仕掛けました。なかなか出なかったですけどね。(真船を)なるべく出させたくないとは思っていたんですけど、踏むのがちょっと遅かったです。(記念の)準決勝は2回目。調子は悪くないです」

<7R>

新井秀明選手
新井秀明選手
 坂本修一、佐藤朋也の順で先頭に立ち、7番手に下げた上田尭弥は打鐘の2センターから反撃に出る。最終2コーナー手前で佐藤朋をとらえると、佐藤悦夫のけん制を乗り越えて上田に続いた新井秀明(写真)が、ゴール手前で鋭く伸びて白星を挙げた。
 「上田君が作戦通りに走ってくれて良かったです。彼の力を引き出せたと思う。からまれた時はヤバかったけど、2コーナーのくだりでうまくしのげました。勝ち上がりで勝てているので悪くないと思う」
 まくりを決めた上田尭弥が2着で、地元の熊本ワンツーが決まった。
 「作戦通り。前を取って下げて構えて打鐘2センターで仕掛けようと思っていた通りの戦いになりました。2着までに入れて良かったです。脚的には初日の方が良かったけど、踏み直しはできました。記念の準決勝は初めてです」

<8R>

鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 7番手から動こうとした箱田優樹より先に、中団の鈴木竜士(写真)が上昇。箱田は動けず車を下げる。一方で、前受けの瓜生崇智は鈴木の番手で粘って打鐘を迎える。主導権を握った鈴木が最終ホームから徐々にスピードを上げると、番手は離れながらも瓜生が踏み勝つ。それでも鈴木は最後まで力強く踏み切って白星を手にした。
 「1着で良かったです。(番手が)競りになるとは思わなかったですね。ジャンの2センターで後ろがもつれているのに気付きました。あとは、箱田さんの動きだけを見てと思って。逃げ切れているし、踏み直しはできたけど、末の粘りは良くないですね」
 番手を取り切った瓜生崇智が鈴木を追いかけて2着に入った。
 「一番強い鈴木さんがいたので、自力勝負してもまくれないし、今の僕ならあれが精一杯です。あそこが一番勝ち上がりに近いと思いました」

<9R>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 赤板2コーナー手前で岩本俊介を押さえた川口公太朗を、津村洸次郎が打鐘で叩いて主導権。懸命に逃げる津村だったが、徐々にスピードが落ちていき、最終バックから松岡貴久が番手まくりを放つ。2センターで先頭に躍り出たが、バックから猛スピードでまくってきた岩本が豪快に松岡を飲み込んでゴールした。
 「川口が先に前を切ってくれれば、それを利用して切って、津村だけ合わせるつもりでいればいいかなって思ってたけど、そうはならなかったですね。浅井はうまいですね。僕が仕掛けたい時に振ってきたので。やりたいことがバレていたというか。(自分は)まくりになっちゃったのが申し訳なかったです」
 岩本マークの松谷秀幸(写真)が2着に続いた。
 「(岩本が)強いですね。ホームで行かなかった時は、大丈夫かなって思いましたけど、全然大丈夫でした。松岡が行って、浅井もいた上を行ってますからね。自分の感触は良いと思います」

<10R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 飯田憲司を突っ張った前受けの渡邉一成を、打鐘の3コーナーで小川真太郎(写真)が押さえる。そこを、4コーナー手前で石塚輪太郎が叩いて先制。最終バックを一本棒で通過すると、3番手を確保した小川は2センターから踏み込んで、直線で近畿コンビをとらえた。
 「村上さんがうまいですね。タイミングをずらされました。すぐに渡邉さんに来られていたらキツかったけど、来なかったので落ち着いて走れました。初日よりもマシだと思うけど、もう少しセッティングを煮詰めます」
 石塚マークの村上義弘は、内の濱田浩司を締めながら追い込んで2着でゴールした。
 「自分が思ったよりも濱田君が内に入ってくるのが早かったです。小川君を止めたと思ってあとは渡邉君のラインと思ったら、また小川君が伸びてきた。自分の脚がないだけですね。色々と微調整したい」

<11R>

古性優作選手
古性優作選手
 赤板2コーナー手前で古性優作(写真)を押さえてハナに立った金子哲大を、打鐘で志佐明が叩いて先行態勢に入る。8番手になった松浦悠士は最終ホームから仕掛けるが、2コーナーから金子が合わせてまくる。両者がモガき合ったまま直線へ入ると、大外を踏んだ古性が直線で鮮やかに突き抜けた。
 「後ろに2人付いてくれていたから、松浦よりも先に仕掛けていかないと。気付いていたけど、踏み遅れてしまいました。ジャンからホームにかけてのペダリングが楽に回せてないですね。昨日(初日)よりは、ちょっとマシです」
 松浦悠士は直線で金子に伸び負けて3着でゴールした。
 「金子さんに合わせられているし、イマイチですね。踏み出しが甘いし、踏み直しも甘い。最近の中では物足りない感じでした。セッティングを修正して昨日(初日)よりは良いですけど。でも、タイムは自分が思っているより出ていたし、自分の感覚よりも大丈夫なのかもしれない」

<12R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 打鐘の3コーナーで中本匠栄が柴崎淳を押さえる。中本ラインに乗っていた桐山敬太郎は4コーナー手前からスパートし、最終1センターで先頭に。しかし、中本が上野真吾をさばいて番手を奪取し、上野が3番手に降りる。冷静に4番手に車を下げた中川誠一郎(写真)は、前の上野が離れ始めると、3コーナーからまくり出し直線で迫ってきた柴崎を振り切って準決勝進出を決めた。
 「(中本は)気合いが入っていましたね。まさか粘るとは思わなかったですけど。(柴崎)淳が早めにくるのだけが怖かったので、来ないでくれって思っていました。でも、最後はすごい勢いできましたね」
 中川の仕掛けに乗った柴崎淳は、直線で大外を伸びて2着に入った。
 「初速でカカっていかんですね。徐々にカカって行く感じ。前の状況は、あんまり分かってなかったです。(併走になった)堀内(昇)を気にしすぎて、仕掛けるタイミングも分からなかったです」