『開設69周年記念熊本競輪 「火の国杯争奪戦」in久留米(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月26日

 久留米競輪場を舞台に開催されている、熊本競輪開設69周年記念「火の国杯争奪戦」は、10月26日に3日目を迎えた。メインの準決勝3個レースは、熊本の中川誠一郎、松浦悠士、門田凌が勝ち名乗り。S班の浅井康太や、熊本の中本匠栄も決勝進出を果たした。最終日は激戦を勝ち抜いた9人による決勝戦が行われる。また、6レースでは「S級ブロックセブン」が一発勝負で争われる。
 27日の最終日も、本場では先着300名様に熊本銘菓の「黒糖ドーナツ棒」と、場内利用券500円分が当たるスピードくじを配布。小学生以下のお子様、先着100名様にはお菓子をプレゼントします。また、現金1万円や熊本特産品が当たる「未確定車券抽選会」、熊本競輪情報協会会長の武田一康氏(1R発売前)や、中野浩一氏、佐々木昭彦氏らによるレース展望会も予定されています。さらに、「Mr.マリック」による超魔術ショー(7・11R発売中)や、「トキヲイキル」によるライブ(4・10R発売中)、「青龍太鼓」ステージショーも実施されます。地元・熊本のガールズ、橋本佳耶選手と田仲敦子選手のトークショー(5R発売中)も行われますので、ぜひ久留米競輪場でお楽しみください。

<10R>

門田凌選手
門田凌選手

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 赤板1センター過ぎに単騎の原口昌平が古性優作をすくってハナに立つ。そこを、岩本俊介が叩いて先制。3番手に門田凌(写真)が続き、原口が4番手に飛び付く。6番手の古性は最終2コーナーから仕掛けるが、5番手の柏野智典が合わせて踏み込む。絶好の位置を確保した門田はバックからまくり出すと、一気に岩本を抜き去って、1着で初めての記念優出を果たした。
 「今回からフレームを変えたのが大きいのかもしれないですね。練習での感触が良くて、連日、車の出が良いです。後ろの状況は全然、分からなかった。自信になる1着ですね。脚を使わずにあの位置を取れたのが大きい。記念の決勝は初めてです」
 8番手に置かれた柴崎淳(写真)は、最終バックからまくって2着に入った。
 「フレームを共同(通信社杯)や、オールスターで使っていたものに戻したけど、こっちの方が良いですね。立ち上がりがこっちの方が良い。前受けした時点で、後方になるとは思っていました。バック線を目がけて仕掛けたけど、前の状況は良くわかっていなかったです」
 最終ホームで門田と連係を外した柏野智典だったが、古性に合わせて踏み込んで3着でゴールした。
 「(門田と)2人で決勝に乗れる作戦を立てたけど、話していた以上に門田君は良いレースをしてくれた。柴崎君と古性君の2人を相手に先まくりで勝っているんだから大したものですね。自分も余裕があるし、レースが見えています」

<11R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手

中本匠栄選手
中本匠栄選手
 赤板1センターで中本匠栄を押さえた鈴木竜士を、石塚輪太郎が打鐘で叩いて主導権を握る。8番手になった松浦悠士(写真)は、2センターからスパート。最終1センターで石塚をとらえると、そのまま迫る後続を振り切って白星を挙げた。
 「小川真太郎君にアドバイスをもらって、準決だからホームで緩むからって話をされていました。今日(準決勝)は昨日(二次予選A)と同じ戦い方をして感触を確かめようと思っていたので、あえて8番手に下げて、最終ホームで仕掛けて行きました。自信を持って仕掛けられたし、上積みはありました」
 最終2コーナーから仕掛けた中本にバックでスイッチした浅井康太は、直線で松浦と中本の間を踏んで2着に入った。
 「中本君が止まったところで行けば良かったんですけど、最近自力でやってないぶん、ボロが出ました。番手戦が多くなって、コースは見えているので、番手選手としてのレースなら良いんですけど。レースの流れは見えていると思います」
 中本匠栄(写真)は最終2コーナーから仕掛けるが、バックで松浦の後ろに付き直して3着でゴール。地元記念で決勝進出を果たした。
 「まくりのタイミングとか、細かいところで反省点はありますね。仕掛けたけど、松浦君がバックで踏み直したので内に降りました。最後も浅井さんに来られたのがキツかったです。でも、勝ち上がれたので良しとします」

<12R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 前受けの上田尭弥は赤板手前から上昇してきた金子哲大を出したが、すぐに3番手から仕掛けて打鐘から先行態勢に入る。熊本ラインの後ろにいた桐山敬太郎は2センターから仕掛けて、最終1センターで上田をまくって先頭に。中川誠一郎(写真)はバックで神奈川コンビに切り替えると、2センターから踏み込んで3連勝で決勝にコマを進めた。
 「勝手に気持ちが入っちゃって、押さえるのがたいへんでした。(上田は)慌てずに、上手に走ってくれましたね。(自分は)切り替えて踏んだ時に、松谷(秀幸)さんにはらわれて止まりました。スムーズにゴールしたかったですけど、力んでしまいましたね。記念で4連勝は今までないので、この壁をこえないと」
 上田を叩いた桐山の番手から、松谷秀幸が伸びて2着に入った。
 「(2車でも果敢に仕掛けた桐山の)気持ちがうれしいですね。(初日から)3日間、最終バックを取っているから、絶対残してやろうと思ったんですけど…。後ろに中川さんがいるのは分かったし、3番(小川真太郎)も外から良い勢いで来ていたので。(桐山に)感謝しかないです」
 最終バックから仕掛けた小川真太郎(写真)は、直線で大外を伸びて3着に突っ込んだ。
 「難しい展開でみんなに、はめられました。(赤板で金子が)突っ張られたくないから、すごいスピードで行ったけど、さすがにあれには付いて行けなかったです。脚自体はすごい良いし、勝負できる仕上がりにはなっていると思います」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

湊聖二選手
湊聖二選手
 得点トップの湊聖二(写真)は9月岐阜記念で2勝をマークしたが、続く西武園FIでは準決勝で敗退。寬仁親王牌でも5425着と、今一息の結果に終わった。
 「(寬仁親王牌は)調子うんぬんより、みんなが強かったです。自分の力は出せましたけど、それ以上にみんなが。GIに調子を合わせて行ったつもりなのに、合わせ切れてなかったっていうところで、それをどうしたら良いのかとか練習方法を考えてきました。すぐに答えは出ないですけどね。ブロックセブンは初めてですけど、優勝を狙って頑張ります」
 前回の川崎FIは優出を逃した中井太祐だが、10月福井FIで準Vなど好調を維持している。
 「ずっと調子は良いです。(8月西武園の)落車も影響はなかったので。7車立てのレースはエボリューションもあるし、ブロックセブンでも走ったことがあります。練習みないな感じになりそうですね。しっかり考えて走ります。最近は1着が増えてきたけど、もともと1着が多くないんで、ここで取りたいですね」
 野田源一は地元の利を生かして別線を迎え撃つ。
 「バンクの特性は分かっているので、どう仕掛けるかですね。引いても6番手ですし、車番も1番車をもらったのでチャンスはあると思っています。ここまでは時間もあったし、練習はできました。少しずつ感じは良くなってきているので頑張りたいですね」