『熊本競輪開設71周年記念in久留米(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月9日

 久留米競輪場で開催されている熊本競輪開設71周年記念「火の国杯争奪戦(GIII)」in久留米は、10月9日に3日目を迎えた。決勝進出をかけて、準決で熱戦が繰り広げられた。6人が準決にコマを進めた地元、熊本勢は、嘉永泰斗、瓜生崇智がワンツーで優出を果たした。シリーズもいよいよ大詰め、10月10日の最終日の決勝には、S級S班の3人をはじめとした強豪がそろい、激しいV争いが演じられる。
 なお、久留米競輪場では、1200人の入場制限を行ったうえで有観客を予定しています。今後の新型コロナウイルス感染症拡大状況などによっては、無観客に変更する場合もあります。検温、手指の消毒、マスク着用の徹底をいたしますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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谷口遼平選手
谷口遼平選手

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 前受けから四国勢を突っ張った林慶次郎がペースを緩めることなく駆けるが、赤板2コーナーから根田空史が襲い掛かる。打鐘の4コーナーで根田が機動力の違いで叩き切り、佐藤慎太郎、岸澤賢太。単騎の谷口遼平(写真)まで根田ラインに続く。久米康平のまくりに合わせて、谷口が最終バック手前から仕掛ける。けん制した佐藤の外を谷口が鮮やかに突き抜けた。
 「展開に恵まれました。九州の番手まくりだっていうのがあった。ただ、赤板前の感じだと根田さんは行ってしまうかなっていうのがあった。それで根田さん(ライン)に付いていった。めちゃめちゃハイペースでキツかったけど、かぶってしまいそうだったんで、そうなる前にと。伸びるところ(のコース)を走って伸びている。デキすぎですね」
 2着に佐藤慎太郎(写真)は九州勢にレースをさせなかった根田の先行選手としてのプライドを絶賛する。
 「根田が先行選手としてのプライドだったり、負けたくないっていう気持ちを出してくれた。すばらしいし、頼もしかった。(九州勢の)2段駆けだけは絶対に決めさせないっていう気迫が。自分は欲を言えば、根田を残せれば。(根田は)長い距離の先行になったんで、判断が難しかった」
 最終ホームで切り替えるも内に包まれた北津留翼は、3コーナー過ぎから岸澤をすくい3着に追い込んだ。
 「一番やっちゃいけないことをやっちゃいました。ジャンで口が空いて、折り合ってないところでコーナーの入り口で(根田に)来られて対応できなかった。力不足だし、やっちゃいけないミスをやってしまった。ミスなくいきたかったけど…。出し切らないといけないレースだったのに、踏めなかった。(中川)誠一郎さんに申し訳なかった」

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諸橋愛選手
諸橋愛選手

平原康多選手
平原康多選手
 上田尭弥の動きを確認しながら、中団から先に切って出た平原康多は、打鐘で九州ラインを受けて4番手をキープする。上田がそのままペースを上げて隊列は一本棒。平原が最終2コーナー手前からまくって、あっさりと前団をのみ込む。最後は番手の諸橋愛(写真)が差し切った。
 「(平原)康多が頑張ってくれた。自分は康多が脚を使っているぶん、抜けた感じ。ジャンのところでかなり脚を使っていたと思う。康多とは連係が長いから、付いていて感じ的に彼がどうなのかわかる。練習の成果が少し出てきている。今日(3日目)の方が疲れていて重かった。2日目の方が軽かった」
 さすがの立ち回りとプレッシャーで別線を動かした平原康多(写真)は、磯田旭まで連れ込みラインを上位独占に導いた。
 「門田(凌)君が来ていたので、かぶるのが一番良くないから横に来る前に一緒に出ていった。しっかりと自力を出して、動いてレースができていていい方だと思う。前回の感じならまくり切れていないかも。やることは全部できた」
 外の中四国勢にかぶり、内には九州勢。狭いコースをうまくすり抜けた磯田旭が、3着に流れ込んで決勝進出を果たした。
 「平原さんのおかげですね。前の人が強かった。自分の調子は普通です。悪くないと思います」

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嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 松岡辰泰が果敢に飛び出して主導権。若い熊本トリオがレースをつくると、中団は坂井洋と松浦悠士の併走で打鐘を迎える。後方の渡邉一成は、打鐘の4コーナーから反撃に出る。グングンと加速して渡邉が前団に迫ると、最終1センターで嘉永泰斗(写真)は番手まくりに出る。渡邉と体が重なり、3コーナーに突入。さらにその上を松浦がまくり上げる。コーナーで渡邉を合わせ切った嘉永が直線で抜け出した。
 「(最終)1コーナーで振ったんですけど、(渡邉の)スピードが違ったんでシビアに前に踏ませてもらった。前に出られてなかったんで、イケるかなっていうのがあった。その辺は余裕がありました。もう渡邉さん(を合わせるん)でいっぱいで、松浦さんは見えてなかった。4コーナーからは1着を取れるように必死に踏みました」
 嘉永に食らいついた瓜生崇智が、和田圭を張りながら追い込んで2着に入った。
 「前2人のおかげ。感無量です。最終バックで内に包まれてたんで、絶対に迷惑を掛けられないと思った。3番手だったんで、連結を外さないように。あとは(嘉永)泰斗が仕掛けていくところをと。前の2人に感謝です。(今シリーズは)番手、3番手を回らせてもらって、ラインの絆を勉強させてもらいました」
 打鐘過ぎ、そして嘉永が渡邉を合わせ切ったところと誤算が続いた松浦悠士(写真)は、最後のハンドル投げで辛くも3着。
 「松岡君が行くんだろうっていうのがあって、その4番手をしっかり取ろうと。(結果的に打鐘の)3コーナーくらいで詰まったんで、あのまま叩いてしまった方が良かった。そのあとも(渡邉)一成さんが越えたら、自分は上を行こうと。越えたように見えたんで仕掛けた。そしたら嘉永君が復活してきたんでまずいなと。レースの反省はありますね。ただ、一昨日(初日)に感じたことを修正できて、体の感じは抜群に良かった。感触は3日間で一番良かったです」