『熊本競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:6月17日


 熊本競輪場開設58周年記念「火の国杯争奪戦」は6月17日に無事全日程が終了。本日は9名のファイナリストによる決勝戦が行われた。勝ったのは地元エースの合志正臣。荒井崇博の巻き返しに乗ると、最後は直線を鋭く突き抜けて優勝をさらった。2004年11月の一宮以来、通算二度目の記念Vを見事地元で達成し、後半戦のG戦線に向けて弾みを付けた。

決勝戦 レース経過
 号砲で合志正臣が飛び出し、九州勢が前団。荒井崇博―合志―松本大地、中団に小嶋敬二―吉永好宏の即席コンビが入り、これに内藤宣彦が付けて様子見。平原康多―後閑信一―諸橋愛の関東トリオが後攻めで周回が進む。
 長走路だけに、動きが始まったのは打鐘から。平原が荒井を押さえると、荒井は中団まで車を下げる。すかさず小嶋が踏み上げて平原を叩くが、小嶋が緩めたところを平原が内を突いて小嶋を突っ張り、併走となりもつれた。すると、そこを荒井が叩いて主導権を奪う。平原は引けずに松本の内で粘り、小嶋も抜け出せず、荒井はペース駆けに持ち込んだ。三角から後閑がまくり上げたが、平原が松本を押し上げると、松本と後閑が接触し、後閑が落車。ゴール前で粘る荒井を合志が差し切って、嬉しい地元記念初制覇。2センターでポッカリ空いたコースを突っ込んだ諸橋が、粘る荒井を捕らえて2着。2車単、3連単共に高配当となった。


合志正臣選手
合志正臣選手
 合志正臣は決して万全では無い状態だった。それでも地元の意地、そして頼れる援軍の後押しをフルに生かし、初めて地元記念の栄冠を勝ち取った。
 「今日は作戦通りでした。2センターでも誰のまくりも来なかったし、あとは車間を空けて自分の踏めるタイミングでと。昨日荒井を抜いているイメージがあったから、ゴール線までには抜けるだろうと思ってました。今日は荒井と(松本)大地のおかげです。今回は宮杯を終えてから、特にここへ向けてという調整はしていなかったんです。とにかく先を見据えた競走が出来るようにと、その一心で練習していました。次は親王牌ですけど、予選スタートだししっかり気持ちを入れて頑張ります」

 合志の地元優勝の立役者は何といっても荒井崇博。任務を果たし、達成感ある表情で検車場に引きあげてきた。
 「小嶋さんが平原を叩いた時点で、迷い無く行こうと。予定どおりだったし、行くポイントはあそこしかなかった。バックまではあまり気にならなかったけど、四角で風がすごいやばかった。結果的に合志くんがしっかり勝ってくれたわけだし、良かったですよ」

 もう一人の地元選手、松本大地は平原康多に内で粘られる苦しい展開となり、惜しくも確定板行きを逃したが、「合志が勝ってくれて良かった。平原が粘ってくれたのが、かえって有利になったかも。俺の後ろに付いて、まくりを打ってくる方が嫌だしね」と盟友のアシストに成功し満足げ。

 2着入線の諸橋愛は強烈な差し脚でガラ空きのインコースを突いてきた。
 「コースが空いてから、ゴールまでがやたら遠かったですね。どこまで詰められるかと思ってました。何とか2着に入れたけど、前の二人が落車と失格だし、素直には喜べません」

 小嶋敬二は「最終ホームで平原が内にきてしまい、あれでびっくりしてしまって一気に行けなかった。荒井が仕掛けて、すんなり中団取って、まくり追い込みでと思ったんだけどなあ」

 平原康多が四角で松本大地をけん制したさい、そのあおりで外を踏んでいた後閑信一が落車してしまった。このプレーで平原は失格となり「組み立てが下手くそでした。荒井さんが流していたので内にいるしかなかった…」とひとこと。


ゴール




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