『熊本競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:10月17日


 熊本競輪開設60周年記念「火の国杯争奪戦」は2日目を迎えた。17日は優秀競走「火の鳥賞」をメインに、2次予選が争われた。17日は落車のアクシデントが発生し、また、優勝候補の一角である成田和也も2次予選でまさかの敗退。最終レースで3着に入った山崎芳仁も体調不良を理由に途中欠場するなど、波乱の1日となりました。
 本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは開催を通して総額100万円キャッシュバックキャンペーンを実施。また、先着3000名様に粗品をプレゼント。また、クオカードが当たる抽選会も行われます。明日18日(月)はダンスショー(5R,9R後)が予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。


<5R>
稲村成浩選手
稲村成浩選手
   5レースを勝利したのは稲村成浩(写真)。レースは松川高大がホームからカマして先行。中団からまくった古屋琢晶に乗り、直線で鋭く突き抜けた。
 「初手で自分たちが前になったら引いてカマす作戦だったけど、前は松川だったでしょう。松川は引いてホームでカマしてくるから、無理して行っても踏み合いになってしまうんでね。古屋はうまく中団を取ってくれた。ハル(晴山裕之)も3番手でうまく車間をとってくれてたし、今日はラインのおかげです」
 2着に入ったのは松坂洋平。7番手と立ち遅れたものの、後方から猛スピードでまくって準決勝の権利を獲得した。
 「松川君にカマす感じで行かれてしまったんで、7番手になってしまいました。でも、そこからは落ち着いていけたし、踏んだ感じは悪くなかったですね」
 松川高大は二の脚を使い、3着に踏み止まった。
 「突っ張られたらおしまいだし、ジャンのところは思いっきり踏みました。そこから1回流せたけど、4番(古屋琢晶)は中団でも早めにくるだろうから、ずっと気になってしまって。キツかったですね」
 松本大地は番手絶好も6着大敗に「やってしまいました」と悔しがる。「絶好の展開だったし、持って行って、あとは追い込むだけと思ってたんだけどね。4番が思いっきり体重をかけてきたんで、負けてしまった。もう少し引きつけてから持っていけばよかったかも。松川は踏み直して自分でブロックしてたし、今日は松川に全てやらせてしまいました」


<6R>
田中誠選手
田中誠選手
   中村美千隆の番手がもつれ、落車のアクシデントが発生した。レースは田中誠がイン粘りを敢行し、山田裕仁と競り合いに。両者のつばぜり合いは2センターまでもつれたが、まくってきた丸山啓一と外併走の山田が接触すると両者が転倒。秦修司を巻き込んで3人が落車棄権した。勝ったのは中村の番手を奪った田中誠(写真)
 「粘るつもりはなかったけど、中村さんがゆっくり押さえてきたんで。あそこで引いても丸山さんと併走になるし、そうなると前は駆けないだろうし。山田さんには悪いけど、あの展開になったら粘るしかなかった」
 逃げた中村美千隆は2着に粘り込んだ。
 「よほど押さえるのが遅ければ粘ってくると思ってたけど、僕クラスの選手なら(田中は)中団に引くと思っていた。ジャンで誘導のペースが上がって、押さえるのに少し時間がかかってしまったし、前が下げる感じにも見えたんで。後ろに悪いことをしましたね」
 田中追走から足達重満が3着に入った。
 「流れ次第では粘る作戦もあったし、(押さえに来るのが)遅かったからね。前の併走で危ない雰囲気があったんで、落ち着いて(落車を)避けらました」


<7R>
菅原晃選手
菅原晃選手
   7レースも先行の番手がもつれる展開となり、イン粘りを敢行した阿竹智史が落車するアクシデントに。落車で隊形が崩れ、先行した菅原晃の3番手に入った山内大作が直線で追い込んで2連勝し、準決勝行きを決めた。
 「ホームで櫻井(紀幸)さんが追い上げたんで、それ目標にしてカマそうと思ってたんですけどね。仕掛けがワンテンポ遅れた分、落車を避けられましたね」
 後位のもつれを尻目に菅原晃(写真)がマイペースに持ち込み2着に粘った。
 「ホームで8番(櫻井)が追い上げてきたときに、その後ろに3番(山内)が見えた。緩めたらカマされるんで、流さずにそのまま駆けました。調子は良くはないけど、今日は思ったほど悪くはないですね」
 櫻井紀幸は思い切った追い上げ策が奏功。菅原の番手にスッポリはまり、3着で勝ち上がった。
 「普段だったら後方待機で終わってしまってたけど、ホームで誰か来いよって感じがしたんで、追い上げれば何とかなると思って行きました。うまく番手にはまってからは車間を空けないように必死だった。記念の準決はいつ以来だろう? 覚えてないし、自力でやってた頃かな」


<8R>
池田良選手
池田良選手
   松岡孔明が7番手から高回転のまくりを決め、逃げた永澤剛を力で粉砕。ラインで上位を独占した。
 「ホームで緩んだんで行けたけど、落ち着いてタイミングを取ってからいきました。自分としては踏み出しはそんなに良いとは思わなかったですね。ギアを上げたんだけど、ちょっと疲れが残る感じなんで、このあとゆっくり休んで準決に備えます」
 中塚記生は堅実なマークで2着を確保した。
 「7番手になったけど、松岡君は強いんで慌てなかったですよ。(爲田学に)持って来られるのは分かってるし、あとは止まらないように行ってくれるかだけだった。あのスピードに付いて行けたんだから上出来でしょう」
 池田良(写真)も懸命に前を追走して3着に。
 「9番手になったけど松岡さんが強いのは知ってるし、500バンクなんで3番手でも大丈夫だと思ってました。踏み出しでスピードが違ったし、行ってしまうと思いました」
 爲田学は執拗にブロックしたものの、松岡を止められず。
 「松岡のスピードが凄かったし、強かったね。(松岡ラインの)どこかに入れるかなと思ったけど、3番(池田)が見えた時点でダメだ4着だって思った。でも、自分ができることはやったんで仕方ない」


<9R>
堤洋選手
堤洋選手
   9レースは逃げた今井裕介と、巻き返した谷田泰平でやり合う展開に。両者の力勝負を後方で確認した堤洋(写真)が、落ち着いてまくりを決めて1着を手にした。
 「今日は早めからペースが上がるだろうし、中団に入られないようにしっかり走ろうと思っていた。たまたま良い展開になってくれたし、坂本(英一)さんのブロックで内が空くかもしれないから、様子を見てから仕掛けました。思った以上に踏んだ感じが良かったですね」
 山口幸二が外併走を凌いで2着に入った。
 「谷田と人気になってたし、できることなら2人で決めたかったけど、坂本さんのブロックで谷田は止まったし、俺のところにも(ブロックが)来たんで、よく凌いだ方だと思いますよ」
 江口晃正が外を鋭く伸びて3着に入る。
 「必死だったし、がむしゃらに踏んだら3着まで行きましたね。届いてよかったし嬉しいですね」


<10R>
園田鉄兵選手
園田鉄兵選手
   園田鉄兵(写真)が大金星を挙げた。最終ホームで中団を確保したかと思いきや、内をすくって逃げた岸澤賢太の番手を強奪すると、今度は佐藤朋也の巻き返しに合わせて番手まくりを敢行。最後は後続の追撃を振り切って先頭でゴールした。
 「9番(佐藤)を閉じ込めたかったけど、後ろに引いてしまったんで。そうしたら今度は前が駆けてしまったんで、思い切って(番手に)勝負にいきました。今日は自分らしいレースができたと思います」
 小川巧が2着に入り、2車単は14160円の高配当となった。
 「内が渋滞してたし、1人でも拾ってやろうと外を思いっきり必死で踏みました。すんなりの展開だったら無理だったかもしれないけど、園田がゴチャ付かせてくれたんで、その分何とか届いたね」
 戸邉裕将は3着に入って準決勝行きも、「番手を取られたし、後ろに迷惑をかけてしまった。(3着でも)素直には喜べないですね」と、嬉しさ半分。


<11R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   最終レースは松岡貴久が早めから主導権を奪う展開となり、中団を取った武田豊樹が力強くまくって「火の鳥賞」を制した。
 「後ろに山崎君がいて気になったけど渡邉君たちが付いてるんで早めに行きました。あの展開で山崎君に行かれなかったんで、それなりに手応えをつかんだ感じですね。連日、自信を持って走れてます」
 番手の渡邉晴智(写真)は2着キープが精一杯。武田の強さに舌を巻く。
 「併走してからの2着とかだったらそれなりの価値はあるけど、すんなりの2着だしね。武田君がいての2着だし、武田君がいなかったら2着に入れたかどうか…。今日はホントに武田君の強さに驚いたよ」
 合志正臣はブロックを試みたが、武田を止められず。
 「貴久はジャンから早めに駆けてたし、自分も踏まされてたんでね。武田さんのスピードが違うのは分かってたけど、うまく(ブロックして)引っ掛らなかった」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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