『熊本競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月15日
 熊本競輪開設62周年記念「火の国杯争奪戦」は佳境の3日目。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後の勝ち上がり戦が繰り広げられた。9Rは敗者戦での地元勢1着ラッシュの流れを引き継いだ中川誠一郎が無傷で優出。合志正臣も3着で地元記念連覇に望みをつないだ。10Rは佐藤友和、11Rでは神山雄一郎が勝利。明日の決勝戦は武田豊樹、浅井康太ら豪華メンバーによってシリーズの頂点が争われる。
 明日も未確定車券抽選会やキッズ限定の携帯型ゲーム機が当たる抽選会。連日大盛況の武田一康氏による予想会などのイベントが予定されています。そして注目は決勝戦。迫力あるレースを、ぜひ本場でお楽しみください。
<9R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
合志正臣選手
合志正臣選手
 決勝進出一番乗りを決めたのは地元の中川誠一郎(写真)。吉本卓仁の先行に乗ると栗田雅也を張りながら抜け出し、無傷の3連勝で決勝進出を決めた。
 「後ろが合志さんだし絶対に決勝に乗らないといけないって番組でしたね。卓仁もすごい向かい風なのに先行してくれたし、ありがたいです。1着だけど(吉本を残せず)気持ちよくはない。決勝に乗せてもらった感じが強いけど、地元だし今回は甘えさせてもらいました。地元記念の決勝は初めてです」
 7番手から巻き返した浅井康太は13秒6の好ラップで2着に届いた。
 「2段駆けもありそうだし、相手が地元でも粘ることは考えてました。展開的な誤算はありましたけどね。昨日まで重かったけど、今日は軽かった。昨日も今日みたいなイメージで走ったけど、今日は楽でしたね」
 合志正臣(写真)は3着で大会連覇に望みをつないだ。
 「予定では抜くつもりだったけど(苦笑)。誠一郎とワンツーはならんかったね。浅井がすごいスピードだった。誠一郎が4コーナーから伸びていったから俺は(村上)博幸に食われずにすんだ。目立たず決勝まで来れてよかったです」
 バックの向かい風を切って逃げた吉本卓仁は末を欠いた。
 「得意パターンだし、すんなり出させてもらった。残れる先行はしたんですけどね。相手が浅井じゃなければ…」

<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
山田裕仁選手
山田裕仁選手
 後ろ攻めの脇本雄太が打鐘過ぎから一気のカマシ先行。ラインごとに隊列はバラけて一本棒になり、脇本ラインで決まったかに見えたが、8番手から豪快なまくりを決めた佐藤友和(写真)が鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「8番手になった分、何も考えずに行けましたね。今日は風も違うので、早めに仕掛けました。バックでは行けると思ったけど、(菊地と)2人で決まらなかったのが悔しい。向かい風でワッキー(脇本)は止まったのでスッと行けましたね」
 脇本の番手を回った山田裕仁(写真)が2着に。
 「キツかったな…。バック向かいで(脇本が)かわいそうだった。ホームで隊列がバラバラになったのが見えた。みんなギアがかかってるし、車間を詰めて来られたらヤバイかなと思ってました」
 3車横一線の3着争いは坂上樹大に軍配があがった。
 「4着だと思ってました。前2人は決まっても、俺は食われるだろうなと思ったけど恵まれました。4日間、恵まれてますね。ワッキーがあんなに行ってくれたから俺は(3着に)入れた。すごいっすね、ありがたいです」
 菊地圭尚は惜しくも4着で決勝進出を逃した。
 「いいところまで行ったけど、最後は木暮のあおりを受けちゃって…」
 上手く4番手を確保した木暮安由も「いいところを取ったけど、2コーナー過ぎてつっかかった。難しいですね」と首をひねった。

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 最終レースは武田豊樹(写真)が気迫の走り。最終ホームから松川高大を突っ張って主導権を握り、2日間溜まり続けたうっ憤を一気に晴らした。
 「2日間ダメで感触も悪かった。今日は自分との戦いでしたね。気合いを込めるように走ったけど、今日で生き返りました。メーンに入れてもらってるし、負けるわけにはいかなかった。神山さんの仕事を信じてるから逃げられるところもあるんですけどね。今日は満足してるけど、明日決めないとね」
 勝ったのは番手を回った神山雄一郎(写真)だったが、よほど厳しいレースだったのかレース直後は苦しそうに顔をゆがめた。
 「風が強くてキツかった。でもよかったです、1着で。今日は武田の気迫がすごかったし、それが伝わってきました」
 関東3番手で決勝進出を決めた海野敦男は笑顔が絶えない。
 「内を行くとこ何とか付いていけてよかった。ギアを上げてなかったらダメだったかも。(内から)抜け切れたときはホッとしました。これで5連続優出、流れが来てますね」
 新田祐大はまくり不発。「失敗ですね…。松川が斬ってからを考えすぎて、突っ張られたとき見てしまった。ダメでしたね」とガックリ肩を落とした。
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