『熊本競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月12日
 熊本競輪開設65周年記念「火の国杯争奪戦」は3日目。勝ち上がり戦も佳境の準決勝戦を迎えた。注目の準決勝3個レースは浅井康太、平原康多に武田豊樹のSS勢がそろって快勝した。その一方で残念だったのは地元勢。松岡貴久は6着、中川誠一郎も4着に敗れ、2年連続で地元勢からファイナリストを出せなかった。
 明日は最終日。本場では中野浩一氏、佐々木昭彦氏のトークショー(4R、8R終了後)や場内食堂利用券が当たるお楽しみ抽選会(先着500名様に抽選券を配布)、決勝戦終了後にはバンクウォークも予定されています。注目の決勝戦はぜひ熊本競輪場でお楽しみください。
<10R>
浅井康太選手
浅井康太選手
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
 後ろ攻めから吉田裕全が一度斬ると、浅井康太がその上を叩いた。しかし間髪入れずに小松崎大地がカマしていき最終ホームから主導権奪取。浅井が好位3番手に収まり吉田は6番手、地元の松岡貴久は8番手に置かれてしまう。ハイピッチで駆けた小松崎が逃げ切りを図ったが、浅井康太(写真)のまくり追い込みがゴール寸前で届きS班の意地を示した。
 「僕的にはベストの展開。ただ小松崎さんが楽に駆けてるなとは思った。前がかかっていて出が悪かったですね。小松崎さんが強かった。(小松崎のラインが)3車だったら自分だけだったでしょうね」
 小松崎に乗った渡邉晴智(写真)がきん差の2着争いを制した。
 「小松崎君が頑張ってくれた。後ろの状況はわかっていたけど…。もうちょい脚があれば車間空けられたかもしれません。みんな強いですね。自分の感じも悪くないので、決勝も頑張ります」
 浅井に必死に喰らい付いた坂口晃輔が3着で嬉しい初優参を決めた。
 「スタートで小松崎さんのラインの後ろを取れたのがまずは良かったですね。浅井さんからアドバイスもらってアカン所もわかった。いつもアドバイスもらうんですけど、劇的に変わるんですよね。最後は外だなと思って踏みました」
 ハイラップの逃げを打った小松崎大地だったが惜しくも優参を逃した。
 「いいタイミングで行けたし理想通りの展開。でも理想と現実は違いました(苦笑)」
 近藤龍徳は5着。初の記念優出はまたしてもお預けとなった。
 「(中を割って)先輩たちには当たれない。それでも届いたと思ったけど残念です。(記念決勝は)近くて遠いなあ…」
 松岡貴久は8番手に置かれて万事休す。
 「体が勝手に反応してくれればと思ったけど、そこまでのレベルには達してなかった。もうワンランク上げないと。もうちょいです」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 後ろ攻めの平原康多(写真)、阿部力也と順に斬り、後方から鈴木裕がカマし最終ホームで主導権。阿部と平原が鈴木ラインを追うと、中団は両者で併走に。外併走で苦しい展開となった平原だったが、3コーナーから再度踏み上げて勝利を手にした。
 「すごい苦しかったです。山賀(雅仁)さんのけん制で仕掛けるタイミングが取れなかった。中川(誠一郎)さんの音に合わせて3コーナーから無理やり仕掛けた感じ。勝ち上がれたけど、後ろを連れていけなかったのは残念ですね」
 鈴木マークの山賀雅仁(写真)は平原を止められずも、2着で決勝進出を決めた。
 「平原君と併走しているのはわかってました。鈴木君があそこまでいってくれて、欲を言えば1着で応えたかったけど。僕の力のなさで鈴木君が沈んでしまいましたからね。いつか恩返しできれば」
 池田良は目標の阿部にしっかり付け切ると、直線で追い込んで3着。
 「作戦は併走になっても引かないっていうことくらいですね。阿部君が前々にいってくれたおかげ。(自分は)もうちょっと伸びて欲しい所。でも、決勝に乗れただけよかった」
 地元の中川誠一郎はバック8番手から仕掛けたが、届かず準決勝敗退。
 「余裕はありました。でも、川木(敬大)さんが邪魔で仕掛けるタイミングが狂ってしまいましたね」

<12R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
林巨人選手
林巨人選手
 筒井裕哉を叩いた武田豊樹(写真)は愛知コンビのカマシを受けて3番手に。バックでは大きく車間が空いてしまったが、徐々に差を詰めると直線一気に前をとらえた。
 「もう少し遅かったら突っ張りも考えたけど、突っ張ると4車のラインに飲みこまれるかなっていうのもあった。魅せるレースもできるけど、今日は勝ち切ることをテーマにしたので。けっこう車間も空いちゃいましたね。初日、番手、2日目、番手で自力だったんでかなり緊張しました」
 松山桂輔の大ガマシに乗った林巨人(写真)が2着で決勝進出を決めた。
 「完璧なタイミングでしたね。武田さんもまだ距離が長いので徐々駆けかなと思ったし、そこを一発と思ってた。2人で8、9番手よりも行って武田さんが中団のほうが勝負になるなと思ったので。松ちゃんのおかげですね」
 武田マークの齋藤登志信が3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「外を行けば2着でしたね。武田君の(番手に)ジカは初めてで不安があったけど、付いてけば乗れるって気持ちはあった。2日目よりは修正できてます」
 バックで近畿3番手から切り替えた筒井敦史も直線外を伸びたが4着まで。
 「申し訳ないけど、あそこでバックを踏んだら、もう権利はない。最後はあそこが伸びると思ったけど力負けですね。でも、あれが精一杯でした」
 カマした松山桂輔は「最後までしっかり踏めてたけど、最後は力ですね」とレースを振り返った。
↑ページTOPへ