『熊本地震復興競輪 開設66周年記念熊本競輪 「火の国杯争奪戦」in久留米(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月19日
 熊本地震復興競輪・開設66周年記念熊本競輪「火の国杯争奪戦」が10月20日~23日の日程で行われる。4月14日および16日未明に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた熊本競輪場での開催が不可能となったため、今年は隣県の久留米競輪場を代替地に4日間熱戦を繰り広げます。今節は武田豊樹、村上義弘、神山雄一郎のS班3名をはじめ、リオ五輪に出場した脇本雄太、共同杯で初のビッグタイトルを獲得した竹内雄作など見所が多いシリーズ。また、地元の熊本勢は「底力」を合言葉に、リオ五輪帰りの中川誠一郎や、服部克久らが奮起します。
 なお、久留米の本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは開催を通して先着入場に各種景品が当たる抽選券配布(先着200名様)、未確定車券抽選会(6R発売中)、熊本競輪情報協会武田一康会長による全レース解説(1R前)、専門解説者による予想会(20,21日は佐々木昭彦氏、山口幸二氏/22,23日は中野浩一氏、内林久徳氏、山口幸二氏)が。また、20日(木)はスピーチーズライブ(8R後)が予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。
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鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 オープニングの1番車を任されたのは注目の若手・鈴木竜士(写真)だ。日々成長を続ける鈴木は今ではビッグ戦線でも活躍。明日は人気が集中しそうだ。
 「前回から使っている新フレームは練習ではあまり乗っていないけど、レースで走ってみてだいぶ感触が良くなってますね。最近は結果も出ているので自信も付いてきました。別府記念のときも初日1レースで1番車だった。そのときは1着だったので、明日も結果を出さないと」
 対戦するのは小川祐司。前回の10月弥彦は997着と大叩き。今回は以前に使っていたフレームを戻して変わり身なるか。
 「前回はフレームを変えて、セッティングもいじったら全く出なかった。バラバラで。成績も散々でした。セッティングや新しいことは11月に入ってからですね。前回ダメだったから、今回はとりあえず2場所前のフレームに戻しました」

<2R>
高橋和也選手
高橋和也選手
 このレースは高橋和也(写真)が一歩リードか。近況はコンスタントに決勝に乗り、安定度が増している。
 「前回から中5日だけど、練習はしっかりできたので大丈夫だと思います。久留米は去年の12月に金子(貴志)さんと決勝に乗ってるし、走り易いバンク。細切れ戦だけど、自分のところは3車なのでラインで決まるように」
 番手の岩本和也は9月平塚で落車したものの、前回の富山を準Vと乗れている。
 「2場所前、(9月)京王閣の最終日にセッティングを変えたらすごく感じが良くなりました。前回の地元戦のような走りができれば」
 点数では劣るものの、阿部力也もスピードに差はない。中部勢を相手に抵抗したい。
 「1番強いところが3車なんでね。絶好調ではないけど、一時よりは調子がだいぶ戻っているので。1番車だし、最適な位置を取って行くところを逃さないように」

<3R>
 自力を持つ伊藤信、中野彰人の近畿両者は、伊藤が前回りを志願。10月松戸、福井に続けて初戦白星通過を目指す。
 「セッティングをずっといじっていて、ようやく良い方に向かってきた感じです。セッティングと体も噛み合ってるし、1着も取れてますね。前々回(松戸)は優勝できたし調子は良いです。久留米は結構1着があるしイメージは良いですね。楽しみです」
 対戦するのは箱田優樹。9月函館を準Vするなど、こちらも近況は乗れている。
 「前回(10月)の小田原は風邪をひいてしまったので休みました。治ってからしっかり練習できたので大丈夫です。最近はまくりが多くなってるけど、別に意識してる訳ではないので。タイミングが来たら先行も考えてます」

<4R>
高木翔選手
高木翔選手
 このレースは当所ホームバンクの坂本健太郎に注目が集まる。前回の9月玉野G3は2日目に痛恨の4着失格。今回のホーム戦で結果を残し、悪い流れを断ち切りたい。
 「今回は(弟の)亮馬に自転車を借りて持ってきました。以前に乗ってたこともあるんで問題ないですよ。前回が終わってからは悔しくて練習しました。でも、やり過ぎて疲れが出てしまい、感覚が分からなくなって(苦笑)。途中から調整と回復にあてたから、どうなっているかは走ってみないと分からないですね」
 現在売り出し中の高木翔(写真)が相手。移動先である当所にて、積極レースでアピールだ。
 「久留米は走り慣れているので。6月も走ってるし、ここでのG3は2回目ですし。前回(10月富山982着)は悪かったですね。体調とかではないし、原因は自分でも分からないんですよ。33(バンク)だから難しいってとこもあったんですけど。今回はとりあえず初日をクリアしたいですね」

<5R>
真船圭一郎選手
真船圭一郎選手
 点数上位の南関勢が本線か。先導役の吉川誠は好調を維持し、明日もフルパワーで1次予選突破を目指す。
 「五十嵐(力)さんとは何度も連係があるし、自分が前回りもあるので。ここに来る前に福岡で整体治療をしてきたし、体調はバッチリ。先行でもまくりでも、行けるところを見つけてしっかり走りたい」
 真船圭一郎(写真)は師匠が見守る前で良いレースを見せたい。
 「今回は師匠(岡部芳幸)と一緒なので、勝ち上がって同じレースを走りたいですね。(8月)豊橋(記念)の落車で擦過傷、打撲、むち打ちになったので、まだ体調はボチボチってところですね。まだちょっと首が痛いので。でも、走る分には大丈夫です」

<6R>
 近況1着を量産し、好調を維持する片折亮太が本命だ。同型の一ノ瀬匠との主導権争いを制し、ラインで上位独占を狙う。
 「最近は成績が良いけど、特に変えたりしたことはないんですよ。練習方法も変えてないし。流れが良いんですかね。成績が良くなって気持ち的にも良いですね。自信はいつもないけど(笑)。明日も上手くいけば良いけど、一ノ瀬君はどうくるか、山形(一気)君も強いので。とにかく積極的に。行けるところでしっかりと仕掛けます」
 その山形一気は前回の10月小松島を923着。表彰台入りしたものの、改めて気持ちを入れ直して当所入り。
 「前回の地元戦は決勝には乗ったけど、自分の中では感じが悪かった。だから帰ってから練習して、悪いところを修正してきました」

<7R>
本郷雄三選手
本郷雄三選手
 熊本が地元の本郷雄三(写真)が奮起の一戦だ。今期S級に復帰し、直近3場所で4勝と、ここにきて状態は上向き。強力な南関勢を相手にひと泡吹かせたい。
 「1着が取れてるし、だいぶ状態が良くなってきましたね。特別なことはやってないけど、ここに向けて練習してきたし、感触も良いですね。相手は強いけど、タイミングだけは逃さないように。それだけ心掛けていきます」
 その南関勢の先頭は田中晴基。前期から落車禍に泣かされているが、徐々に状態は上向いている。
 「落車が続いたけど怪我は大したことないので。調子はまあまあですね。無駄に走れているからなのか、レースで動けているし、良くなってますね。福井が終わってからも普通に練習してきました」
 新田康仁も怪我から完全復活まであと一息に迫る。
 「鎖骨のプレートを取ってから稼働域が広がりましたね。前回(10月別府)は外国人選手と連係して、オッズが1.4倍からスタートだった。そのプレッシャーから解放されるから、今回はリラックスしていけると思います(笑)」

<8R>
 実績上位の池田勇人が予選回りとなり、負けられない1戦。当所久留米では記念初優勝したゲンの良いバンクだ。
 「記念初優勝したのはだいぶ前(3年前)だし、そのあとも走ってるからイメージは薄れてるけどね。最近は練習はできているけど、レースで(復調の)きっかけをつかめていないので、ここで何とかしたいですね」
 対戦する山下一輝が主導権取りに挑む。
 「このあと帰ってから地区プロがあるから、直前は千メートル(タイムトライアル)と団(体追い)抜きの練習をメインにやってました。競技だけど、その練習でもプラスにはなると思うので状態は良いと思います。久留米は7月(621着)に走って良い感触だったので今回も頑張ります」
 愛敬博之も総力戦で初日突破を目指す。
 「(8月の)小田原で落車して、ここが復帰4場所目。前3場所は人の後ろが多かったけど、自力の番組で試したいので、倉野(隆太郎)君の前で。位置取りをしっかりと。最低でも中団は取りたいですね」

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中井俊亮選手
中井俊亮選手
 予選のメインは中井俊亮(写真)が中心となる。オールスター、共同杯とビッグを経験し、実力と実績を積み重ね、今ではトップクラスに成長。今節注目の1人だ。
 「小倉は2回優勝してるし、久留米も前回(4月413着)決勝に乗ってるので福岡は成績が良いですね。(前回の)青森が終わってからは日程が空いてたので練習ができました。状態も問題ないです。いつも通りに走ればいけると思う。出し切れるように頑張ります」
 堅調を維持する藤田大輔だが、前回の松戸に限っては886着と大敗。今回の追加参戦で流れを取り戻したい。
 「追加は1か月以上前から入ってたので大丈夫です。前回は33(バンク)だし、目標もあったりで上手くいかなかった。でも調子は引き続き良いので。予選のメイン(中井の当て馬)に入れられたけど、1着を取れるように頑張ります」

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早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 ここからはシリーズをリードする特選シード組によるレース。まずは竹内雄作、早坂秀悟と、いきなり強力な先行型同士の対決となった。竹内はグランプリ争いに向け、ますます1戦1戦が大事な勝負に。上位との差を詰めるべく、1円でも多く稼ぎたい。
 「賞金で(圏内には)入っていないので。入っていればソワソワすると思うんですけど、特に意識はないですね。親王牌の前、ウエイト中に腰を痛めてしまった。今もちょっと痛いし、かばって走っているうちに違う所も痛めてしまって。だから親王牌が終わってからは腰のケアをして。だから(体の状態の)貯金は作れてないですね。それが今回どう出るか」
 林巨人は絶好の目標を引き当て、今から気合が入る。
 「連係は何度かあるので。岐阜記念で3番手を回ったけど、番手は久しぶり。前はワンツーが決まっているイメージがあるけど、ホント久しぶりなので。でも、出切ってしまえば強いのは知っているので。狙われる位置だけど、しっかり守っていきます」
 早坂秀悟(写真)はここが再スタートとばかりに、気持ちを入れ替え挑む。
 「最近は自分らしい良いレースができていない。悪いレースばかりなので、自分が何で強くなれたのか、もう1度よく考えて。初心に戻って組み立てます。神山さんとはここの全日本選抜の初日に一緒。今回も付いてもらえるのでしっかり走ります」

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武田豊樹選手
武田豊樹選手
 服部克久と中川誠一郎の地元熊本コンビは、服部が志願して前回りに。前検日から気合がみなぎる。
 「今回熊本は人数が少ないけど、九州が一丸となって盛り上がれば。頑張るだけだけど、テーマの『底力』以上の力を出せるように。前回の追加(10月小松島)が終わってからはケアをしっかりして。大先輩の前で頑張ります」
 中川誠一郎は後輩を全面信頼し、白星スタートを決めたい。
 「ここに向けて練習してたら、親王牌ではオーバーワーク気味になって体が動かなかった。でも、経験上そのあとは良くなるので、今回は大丈夫だと思います。今回、何とか結果を残したいですね」
 武田豊樹(写真)は過去3度優勝するなど、当大会は抜群の相性を誇る。今回バンクは違えど意気込みは変わらず。全力で4度目のVを目指す。
 「久留米で場所は違うけど、選手として走れるのは嬉しいですよ。最近は感触は悪くないけど、今年は充実してたらもっと良い成績になってたでしょうね。番手戦が増えて、競輪の厳しさを感じてます。ただ、後輩が頑張ってくれているので、自分もどの位置でも全力で頑張るだけです」

<12R>
山中秀将選手
山中秀将選手
 脇本雄太を先頭に、近畿勢が強力なラインを形成。脇本は親王牌の疲れを見せず、元気良く検車入り。
 「前回の疲れはないと思いますよ。(五輪を終えて競輪の)フレームと体が馴染むのは、1か月や2か月そこらでできることではないので、そこは時間をかけていかないと。今回は久留米バンクだけど、熊本はダービーの準決勝で村上(義弘)さんと連係して、僕が死ぬ様なレースをした経験が。ただ駆けるだけではダメだと、あれが僕のなかではターニングポイントだったのを思い出しますね。今回は良いレースをして開催を盛り上げたい」
 村上義弘が脇本を強力援護する。
 「親王牌はそれぞれが自分の仕事をして、結果、稲垣(裕之)優勝してくれてよかった。これで近畿がまた新たなスタートを切れると思う。帰ってからは休んでから普段通り練習してきました。少し疲れが残っているけど、そこは全力で頑張るしかないので」
 近畿勢に挑むのは山中秀将(写真)。前回の10月富山をはじめ、ここ数場所で3回のVラッシュ。ここも得意のスピード勝負に持ち込みたい。
 「前回もそうだけど、こんなに優勝させてもらえるとは。明日は後ろに(渡邉)晴智さん、萩原(孝之)さんが付いてくれるし、ラインがしっかりしてるので、積極的に走りたい。前回は優勝したけど、そこまで状態は良くなかった。今回は富山より良い状態で入れたと思うけど、まずは1走して感触を確かめたい」
 永澤剛は強力な敵を前に、入念に作戦を練る。
 「最近練習はあまりできてないけど、レースを走り過ぎているぶん、それが練習になってますね。相手は強いですね。初手の位置取りを見てレースを組み立てたい。でも、細かい作戦はライン(の人に)に考えてもらいます」
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