『熊本地震復興競輪 開設66周年記念熊本競輪 「火の国杯争奪戦」in久留米(GIII)レポート』 2日目編

配信日:10月21日
 熊本地震復興競輪、開設66周年記念熊本競輪「火の国杯争奪戦」in久留米は2日目に突入。優秀「火の鳥賞」をメインに、2次予選で準決勝への勝ち上がりが争われた。その2次予選では武田豊樹がまさかの敗退を喫し、優勝戦線から離脱。優秀戦は脇本雄太の番手から香川雄介が追い込んで1着を手にしました。明日からシリーズは後半戦に入り、3日目は準決勝が行われます。
 久留米の本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは開催を通して先着入場に各種景品が当たる抽選券配布(先着200名様)、未確定車券抽選会(6R発売中)、熊本競輪情報協会武田一康会長による全レース解説(1R前)、専門解説者による予想会(中野浩一氏、内林久徳氏、山口幸二氏)が。23日(土)はふわふわ遊具、縁日コーナー、おもしろ自転車が登場。さらに、スピーチーズライブ(7R後)、選手会 トークショー&プレゼンツ(3R、5R、9R後)、中野浩一氏・井手らっきょトークショー(4R、8R後)、お掃除ユニット「熊本CLEAR’S」ライブ(10R後)など盛りだくさん。こちらもどうぞお楽しみに。
<6R>
服部克久選手
服部克久選手
 2次予選、最初に勝利したのは熊本が地元の服部克久(写真)だ。目標の中本匠栄が田中晴基に突っ張られ、南関勢に先制を許したが、服部は中団で脚をためると1センターから自力発進。好スピードで前団を飲み込むと、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「展開は違ったけど、中本君は『ダメだったら行って下さい』と言ってくれてたし気合が入ってた。突っ張られたけど、外で我慢してくれてたので。あとは僕も外がかぶるとどうしようもないので行きました。あとは(渡邉)晴智さんのところを乗り越えれば行けると。今日はラインと応援してくれたお客さんのおかげ。とりあえず準決に乗れたし、第1関門突破かな。あと2日ですね」
 渡邉晴智は梶應弘樹を止め、追い込んで2着に入る。
 「田中君がやる気満々だったね。でも服部君が強かったですよ。今日は何をしても2着ですね。俺に脚がなくて、出ていけなかった。でも、レースが見えているし、状態は悪くはないと思います」
 岡部芳幸が3着に入る。梶應の後ろにスイッチすると、しぶとく伸びて準決勝進出。
 「思っていた展開にはならなかったね。中本がフタをして前に行かなかったから、田中は駆けちゃうなと。(2コーナーで)真船(圭一郎)が下りてきたけど、梶應さんは今日誕生日だから力出すと思って(切り替えた)。そうしたらしっかり服部に付いて行ったからね。晴智が良い仕事をしてキツかったけど、梶應さんを抜けば(3着以内)と思ったけど、最後に五日市(誠)に抜かれたかと思った。今日は真船のおかげ。行こう行こうっていう気持ちが伝わってきた」
 「突っ張りはないかと思って」と話すのは中本匠栄
 「誘導(のペース)が上がったけど、押さえに行くのが遅すぎましたね。あれではダメですね。引いて中団に入ると田中さんが余裕を持っちゃうから、何とかして前のラインに脚を使わせようと外を踏んでました。服部さんは脚があるから、勝ち上がってくれてよかった」

<7R>
鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 上昇した箱田優樹を、鈴木竜士(写真)が赤板で突っ張って正攻法から逃げる。鈴木はよどみないペースで駆けていくと、巻き返した山下一輝は中団までが精一杯。鈴木のスピードは最後まで衰えず、大きく車間を斬った芦澤大輔の援護を受けてそのまま押し切った。
 「突っ張りは作戦の中に入ってなかったけど、箱田さんが押さえに来たとき、先行する素振りがなかったので突っ張っりました。前回から使っている新車は硬いので、サラ脚(から踏む)だとすごく感触が良い」
 芦澤大輔は目測を誤ったか、ゴール前で詰め寄るも交わせず。
 「(鈴木)竜士が突っ張ったから気持ちに応えたかった。竜士がけっこう踏んでいたので(車間は)感覚的にあのぐらいだと思って。竜士の踏める距離は分かってきたし、頼もしいです。前回よりは良くなっているし、少しずつ自信を付けていきたい」
 3着は江守昇。最終バックを絶体絶命の9番手で通過したが、箱田に勢いをもらうと、直線で中を強襲した。
 「9番手だったので落車覚悟で突っ込もうとしたら、ちょうど6番(堂村知哉)のところに隙間ができて突っ込めた。2次予選が勝負だったので、勝ち上がれてよかった」

<8R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 熊本のエース中川誠一郎(写真)が後輩の頑張りに応えて白星をゲットした。前受けを選択した桐山敬太郎が、上昇してきた山形一気を赤板で突っ張ると、山形は引いて中団に収まる。各車が九州勢を警戒してスローペースになるなか、本郷雄三が2コーナーの山おろしを使って一気にスパートする。3番手の紫原政文が離れて2車で逃げるなか、中川は車間を空けて後ろを何度も警戒すると、別線はタイミングを取れず。最後は中川が余裕を持って追い込んだ。
 「今日は本郷君が頑張ってくれて。絶好だったんで。本郷君が仕掛けるときに雨で滑って後輪が飛んだけど何とか付いていけました。かかりも良かったんで、最終バックじゃ残るかなって思ってたんですけどね。昨日は重かったけど、今日は雨で軽く感じました」
 桐山敬太郎は中川の後ろを確保し、2着に流れ込んだ。
 「九州に前受けから全突っ張りされるのが怖くて。リスクはあるけど前受けしました。山形君だけは突っ張って、飛び付こうと思ってました。でもやっぱり踏み遅れましたね。(中川に見られていて)怖かったですね。本当は仕掛けなきゃいけないけど、最近はなかなか勝ち上がれていなかったので大事にいきました」
 山形がバックで内に潜り込み、その後ろから児玉慎一郎が直線外を伸びて3着に入る。
 「山形君とは相性がすごく良いから、安心して任せていました。内々へ踏んでコースも空いたし、何とか突っ込めました」

<9R>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 早坂秀悟(写真)が今日は見違えるような強さで圧勝。2次予選で立て直しに成功した。赤板で愛敬博之が前を押さえ、打鐘で小川祐司、さらに松岡健介が叩いて先頭に立つ。すると、前受けから引いた早坂が自慢のダッシュを生かして主導権。3番手の小笠原昭太が踏み出しで離れ、さらに中団以下を大きく引き離していくと、最後は番手の大槻寛徳を振り切った。
 「今日は相手がやられたら嫌なことをやろうと思ってたし、昨日の竹内(雄作)が良い手本になったから、同じレースをしようと思ってました。竹内が前半あれだけ飛ばしても残ってたんだから。昨日の反省を生かしたレースができました。久しぶりに良い着が取れましたね」
 大槻寛徳は2着確保が精一杯。早坂の強さに舌を巻く。
 「キツかった。ヤバいですね。走る前はどう残そうか考えてたけど、そんことはどうでもよかったですね(笑)。踏み出した瞬間行ってしまうと思ったし、三谷(将太)君の横だけ注意して。持ってくるからね。秀悟も久しぶりに良いレースをしたね」
 松岡健介は前の2人に詰め寄ったところがゴール線。自分だけは届いての3着となる。
 「早坂君はバックでペースに入れたから、そこで無理矢理でも追い付ければよかった。追い付けないと思って(無理をしなかった)。思ったよりも早坂君がツーテンポくらい早くきたので。打鐘でピッチを上げていてくれたら、ちょうど直線くらいで(早坂が)来てたのに。三谷君に申し訳ない」

<10R>
高木翔選手
高木翔選手
 片折亮太が早めに押さえ、赤板前から先行態勢を築く。打鐘が入り、まだペースが落ち着いていると、中団の高橋和也が一気に巻き返していく。すると、これに合わせて武田豊樹が番手まくりを敢行。両者で激しいもがき合いとなった。武田が力勝負を制したが、ここから大波乱が待っていた。後方で脚をためていた高木翔(写真)が2コーナーからスパートすると、格上の武田を飲み込み大金星を挙げた。
 「前受けから突っ張ろうと思ったけど、全然でした(笑)。前がやり合ってくれたし、自分が1番脚を使っていなかったので。武田さんのところまで行けるかな?と思ったけど、乗り越えられてよかった。緊張したけど自信になりますね」
 大木雅也は高木ラインの3番手から大外を伸びて2着に入る。
 「高木君とは今年に入って5回ぐらい連係しているので(信頼していた)。展開1本で恵まれたけど、ギアを上げて自分の感触もだいぶ良くなってますね」
 明田春喜は高木追走から伸びを欠いて3着に。
 「高木君は落ち着き過ぎていたし、良いタイミングで行ってくれた。武田さんに外に持っていかれると思って内に差し込んだ分、最後は踏み遅れた。結果、ラインで決まってよかったです」
 高橋和也は攻めのレースを見せたが力及ばず。
 「片折君がかかる前に叩いていこうと思ったので、あのタイミングしかなかった。でも、武田さんに合わされてしまいました。難しいレースでした」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 近畿の絆を示し、村上義弘(写真)が久々の白星をゲットした。別線の包囲網を突破すべく、工藤文彦が押さえたところを、中井俊亮が一気の仕掛け。果敢に攻めた中井を、車間を空けてリードし直線で鋭く抜け出した。
 「中井とは初連係だから楽しみにしてました。最後も中井の実力なら残れると思ったんですけどね。どんどんかかっていく感じだったし、3人で決まるイメージだったけど。中井の頑張りに応えるためにも踏みました。1戦、1戦頑張ります」
 西岡正一が続いて2着に入る。
 「離れず付いていけたので、あとはしっかり内だけは締めておこうと思ってました。4コーナーからしっかりと踏めたし、狙ったコースを踏めた。初日より感触も良かったです」
 井上昌己が中団外併走を凌いで3着に入る。
 「中井君は絶対行くと思ったので、道中はそこからと考えていました。状態はそこまでだけど、何とか凌げているので。大きいですね」

<12R>
香川雄介選手
香川雄介選手
 優秀「火の鳥賞」は意外にも脇本雄太がすんなりの主導権となった。後ろ攻めの脇本は赤板過ぎから勢い良く押さえに行くと、竹内雄作はすぐに車を下げて7番手に収まる。打鐘が入り、脇本は徐々にピッチを上げる絶妙な駆け方で逃げて行き、最終ホームを1本棒で通過。すると、2センターから竹内がスパートするが、中団までが精一杯。先まくりを放った永澤剛も車は伸びず。これで前団で勝負あり。最後は番手の香川雄介(写真)が、ゴール寸前で差し切った。
 「竹内君は突っ張ると思ったけどね。押さえに行くのが遅かったから。出切ってから脇本君はずっとペースで駆けてたから、まさか自分が抜けるとは思わなかったね」
 脇本雄太はレースを完全に支配したが、惜しくも2着に。
 「竹内さんは前受けしたね。僕が早めに押さえに行って、(竹内が)引いてカマしたかったのかと。その形を作られないように組み立てました。今日サドルを変えて少し感じが良くなりましたね。でも、まだ完璧ではないので修正していきます」
 永澤の後ろから、神山雄一郎が外を鋭く3着。連日の伸びに好感触を得る。
 「(後ろから)凄いスピードで来たけど、永澤君は前に踏んでくれたしね。僕も踏んだ感じは良いですね」
 その永澤剛はまくり出るも、伸びを欠いて7着。
 「今日は中団しかないし、(脇本ラインを)追って脚を使いましたね。先行争いをしてくれればと思ってたけど。神山さんが付いてるから、どこかで仕掛けないとと思って出たけど、車が出なかった」
 シンガリに沈んだ竹内雄作は「(脇本を)合わせ切れなかったから力不足」と肩を落とす。
 「スタートでけん制が入ると思ったから前を取りました。踏み出しは良かったけど、そのあとスピードを維持できない。練習不足が出てますね。それは今はどうしようもないので、割り切っていくしかない。せめて気持ちで負けないように明日は頑張ります」
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