『開設67周年記念熊本競輪 「火の国杯争奪戦」in久留米(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月21日

 熊本競輪開設67周年記念「火の国杯争奪戦」in久留米は佳境の3日目。今日、21日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。大会連覇の期待がかかる中川誠一郎は3連勝で決勝に進出。他にも深谷知広、古性優作に吉澤純平とGIファイナルにも匹敵する機動型が勝ち上がり、決勝戦はハイレベルなレースになりそうだ。なお最終日9Rには「S級ブロックセブン」も行われる。
 最終日もイベントは盛りだくさん。仮面ライダービルドショー(2R、9R発売中)やバルーンアートパフォーマーJOEのステージショー(4R、10R発売中)。選手会熊本支部の仲山桂選手によるスペシャルライブ(3R、7R発売中)も予定されています。明日、22日も本場で迫力あるレースをお楽しみください。

<10R>

古性優作選手
古性優作選手

南修二選手
南修二選手
 青板周回の2コーナーから上昇した古性優作(写真)は誘導後位に入ると、ホームで山岸佳太を受けて中団4番手を確保。最終2コーナーからまくると、武田豊樹のけん制を乗り越えて決勝進出一番乗りを決めた。
 「準決は自分でレースを作ることができた。余裕はありましたね。ライン3人で出切ることができれば、一番良かったけど。サドルがしっくりこないですね。まくりに出たときにまくれるかどうか不安だったので、微調整します」
 南修二(写真)は同郷の古性と呼吸を合わせてピタリと続いた。
 「(古性が)全てやってくれた。組み立てもまくるスピードも良かったと思う。武田さんのけん制も問題なかった。動けているので(状態は)大丈夫ですね」
 古性を止めることはできなかった武田豊樹だが、3番手の松崎貴久を飛ばして3着を確保した。
 「判断が難しいレースでしたね。山岸君は引き出すつもりで駆けたみたいだけど、自分は別線を止めるつもりでしたから。古性君のスピードが良くてけん制しても行かれてしまった。後ろに武藤君がいたので、タテへ踏ませてもらった」
 同県の大先輩を背に打鐘前から駆けた山岸佳太はレベルアップを誓う。
 「2日目とは違う古性君の凄さを思い知った。まだもっともっとレベルを上げなければいけない。竹内(雄作)さんや、深谷(知広)君は2周近く駆けても残れる脚がある。そこまでの脚をつけていかないとここから上では戦えない」

<11R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 岩本俊介が切った上を打鐘前2コーナーから叩いた松川高大はそのままペースを上げる。7番手からすかさず巻き返した吉澤純平は一度4番手外で休むと、ホーム手前から踏み上げて松川を飲み込んでしまう。出られた中川誠一郎(写真)は大槻寛徳を飛ばして番手にスイッチ。直線鋭く抜け出すと、3連勝で決勝進出を決めた。
 「気持ちが入っているけど、レース前から(松川の)雰囲気が伝わってきて、よけい負けられないなと思いました。吉澤君は勢いが良かったので出させて、4番手からまくろうと思ったけど、流して俺にフタする感じだったので引けなくなった。吉澤君は松川があれだけ踏んでるのを外併走から来たんでしょ? 強いですね」
 中川を好追した小倉竜二(写真)が2着。レース後は中川の走りを褒めちぎった。
 「誠一郎が前より器用になっているし、あんなにうまくいくんだね。吉澤が駆けていて対応が遅れて行かれたけど、内から飛び付いてましたね。(外から岩本が来ていて)コースがなくなると思ったのでそこはしっかり対応できました」
 後ろに切り替えられた中川、小倉に交わされたが吉澤純平は3着に粘って決勝進出を果たした。
 「中川さんが車間を空けて緩んだので、かかる前に仕掛けようと思いました。ただ、一発張られていたら終わっていましたね。連日、脚を使って勝ち上がれているので良いですね」
 岩本俊介は大外をまくり上げるも前団を捕らえ切れずに惜敗。
 「吉澤の持ち味の変幻自在でやりたいようにやられましたね。最後も小倉さんが見えたときに厳しいかなと思った。本当に悔しいです」

<12R>

浅井康太選手
浅井康太選手

深谷知広選手
深谷知広選手
 中団の小松崎大地にバンク上段まで上がられて身動きが取れなかった深谷知広だったが、打鐘前2コーナーの下りを使って加速すると一気に先頭に。これで番手絶好になった浅井康太(写真)は車間を切って後続をけん制すると、ゴール前できっちりと深谷をとらえた。
 「深谷はもう少し早くならもっと楽に出られたと思う。僕の状態もいいですね。レースも見えてる。調子が悪いと深谷しか見えなくなるんでね。去年、(熊本地震のチャリティーオークションに)自転車を出した3人で決勝に乗りたかったけどね。今年は自転車を出せてないけど、レースで恩返しができるように。決勝はいいメンバーなんでしっかり優勝できるようにしたい」
 別線の包囲網をかいくぐって主導権を握った深谷知広(写真)が2着に逃げ粘った。
 「僕を後ろに置いてって流れのなかで、タイミングを逃さず先行ができた。展開が向いたし、今日は悪くなかったですね。今のところ(脚的には)問題ないです」
 深谷に出られると、松谷秀幸の内をすくって中部ライン3番手に飛びついた小松崎大地は近藤龍徳を飛ばして3着に流れ込んだ。
 「バックを踏んで下げてもと思ったので、体が合ったところで勝負しました。流れのなかでの判断でしたね。ただせっかくのラインが…。決勝はまたしっかり走りたいですね」
 下がってきた近藤とからんだことも影響し、小松崎マークの和田圭は直線伸び切れず。惜しくも4着で決勝進出を逃した。
 「からまれてもからまれなくても4着でした。むしろ大地さんに離れなくてよかった。急に内に行ったのについて行けたので」

<最終日・9R S級ブロックセブン>

早坂秀悟選手
早坂秀悟選手

阿竹智史選手
阿竹智史選手
 「7車立てはエボリューションでしか経験がない」と話す早坂秀悟(写真)だが、たとえ後方に置かれても自慢のダッシュで前団を叩けそう。押し切って人気に応えるか。
 「7車立てなんで緊張しますね。阿竹さんもいるからなあ…。ここまでも(ナショナルチームの)みんなと一緒に。俺は行かないけど、みんなワールドカップに行くから、ちょっとずつ練習も減ってきて、今回はいつもより疲れはない状態ですね。7車ならどこから行っても? そんなことはない。谷口がバカ駆けしないこと。それを祈るだけです」
 近況好調な石川裕二が初となる早坂の番手回り。まずは踏み出しに集中する。
 「(ダッシュが)怖いなあ。でも、それが早坂のスタイルなんでしっかり付いて行って。最近は展開も向いてるけど、伸びてる感じがします。練習の感じも良いんで。点数が上がっていい緊張もできてるし、楽しいですね」
 阿竹智史(写真)も早坂と人気を2分する存在だ。
 「僕が一番点数を持ってるけど、早坂とは2点ぐらいしか変わらないし、7車だとみんな点数以上に強い気がしますね。練習は良いと思います。前回(寬仁親王牌)は(残り)3周ハイペースのレースに中団に入っても脚がたまってなかった。今回は距離長めにモガいて、そこの練習をしてきました」
 ベテラン西川親幸も単発レースではあるが、地元記念を盛り上げる。
 「1日出られるだけでも十分です。雰囲気だけでも味わえるしね。(9月松戸記念の)落車は大丈夫。そのあとちゃんとケアもしたので。1番車は位置を取らないといけないんで、荷が重いね」
 谷口遼平は思い切りのいい仕掛けで格上の機動型に挑戦する。
 「相手が強いんで、見せ場を作れるように。状態はちょっとずつ良くなってきたし、前回(四日市244着)もレースを作れたんで。積極的に頑張ります」