いわき平競輪場を舞台に開催された「第64回オールスター競輪(GI)」は、8月15日に最終日が行われた。ロングランシリーズを勝ち抜いた9人による決勝は、脇本雄太が主導権を握った。番手で願ってもない展開が訪れた古性優作が、脇本を差し切りV。GI初制覇を遂げて、優勝賞金4694万円(副賞含む)を獲得した。また、年末に静岡で行われる「KEIRINグランプリ2021(GP)」の出場権も手中にした。
『決勝競争出場選手特別紹介』
決勝戦 レース経過
新田祐大が号砲で飛び出して正攻法。初手の並びは新田-佐藤慎太郎-守澤太志-成田和也、中川誠一郎、脇本雄太-古性優作、平原康多、深谷知広の順で周回を重ねる。
最後方の深谷が赤板から踏み込んで先頭に立つと、追いかけた脇本が打鐘ですかさず叩いて先行策を取る。単騎の平原がすんなり3番手、追い上げた新田は4番手に収まる。軽快に逃げる脇本に対し、最終バック前から新田がまくり上げてジワジワと迫る。番手絶好となった古性が粘る脇本をゴール前でとらえ、GI初優勝を飾った。脇本が2着に逃げ粘り、北日本ライン3番手から大外を伸びた守澤が3着に入った。
最後方の深谷が赤板から踏み込んで先頭に立つと、追いかけた脇本が打鐘ですかさず叩いて先行策を取る。単騎の平原がすんなり3番手、追い上げた新田は4番手に収まる。軽快に逃げる脇本に対し、最終バック前から新田がまくり上げてジワジワと迫る。番手絶好となった古性が粘る脇本をゴール前でとらえ、GI初優勝を飾った。脇本が2着に逃げ粘り、北日本ライン3番手から大外を伸びた守澤が3着に入った。
<6R>
桑原大志選手
前受けの寺崎浩平を下げさせ、赤板2コーナーから太田竜馬が先行態勢に入る。渡邉雄太が中団に入り、寺崎は7番手に。寺崎は最終ホーム手前から反撃に出るが、好ペースで駆ける太田の前に不発。かぶった渡邉も動けず、中四国3人の争いとなったが、粘る太田を3番手から鋭く伸びた桑原大志(写真)が逆転して1着を奪った。
「太田君の頑張りに付きますね。2周行ってもらったので、いい思いをさせてもらいました。今回はいろんな人と話をさせてもらって、新田(祐大)君や脇本(雄太)君にも誰も知らないようなトレーニング方法を教えてもらったので帰ったら試してみようかなって思ってます。まだ沈むわけにはいかないので。自分の中ではそこまで感覚が良くないんですけど、自転車が出始めていますね」
赤板前から動き出して寺崎、渡邉を完封した太田竜馬のパワーは半端なかった。
「とりあえず押さえてからかなって思っていました。ずっと重たかったし流れる感じはしなかったですね。もうホームで一杯な感じでした。2着に残れるとは思わなかったですね。みんなも重たかったのかな。良くはなってきているので。でもまだもう一個レベルを上げないと。今は信頼してもらえるように積み重ねている段階なので」
「太田君の頑張りに付きますね。2周行ってもらったので、いい思いをさせてもらいました。今回はいろんな人と話をさせてもらって、新田(祐大)君や脇本(雄太)君にも誰も知らないようなトレーニング方法を教えてもらったので帰ったら試してみようかなって思ってます。まだ沈むわけにはいかないので。自分の中ではそこまで感覚が良くないんですけど、自転車が出始めていますね」
赤板前から動き出して寺崎、渡邉を完封した太田竜馬のパワーは半端なかった。
「とりあえず押さえてからかなって思っていました。ずっと重たかったし流れる感じはしなかったですね。もうホームで一杯な感じでした。2着に残れるとは思わなかったですね。みんなも重たかったのかな。良くはなってきているので。でもまだもう一個レベルを上げないと。今は信頼してもらえるように積み重ねている段階なので」
<7R>
宿口陽一選手
赤板過ぎに前受けの眞杉匠が山田英明を突っ張り、九州勢が中団に降りる。が、小川真太郎が追い上げて、4番手に入って打鐘を迎える。そのまま眞杉のペースでレースが流れて、最終2コーナー手前から小川がまくりを打つ。宿口陽一(写真)のけん制を乗り越えて小川がまくり切るが、阿竹智史は離れ気味。阿竹をさばいた宿口が切り替えて直線。ゴール前で宿口が、小川をとらえた。
「眞杉君の気持ちがすごく伝わってきた。連日の反省をふまえて、(小川のまくりを)引きつけながらもっていった。ただ、小川君のスピードが思ったより良かったんで、(切り替えて)眞杉君の気持ちに応えようと。(今シリーズは5戦4勝で)4走が番手で1走が自力だった。そのなかで課題が見つかったんで、今後につなげられるように」
脚を使いながらも中団を確保した小川真太郎は、抜群の加速力でまくりを放ち2着。
「眞杉君のペースで、(4番手を取ったあとは)ヒデさん(山田英明)に内に来られないようにっていうのがありました。前回のサマーナイトフェスティバルの最終日に同期の吉田拓矢君にセッティングを見てもらって、すごく踏み出しが良くなった。サマーナイトフェスティバルの最終日に1着が取れて、そのあとも自分なりにアレンジしていい感じでした。あとはもうちょっと長い距離が踏めるように」
「眞杉君の気持ちがすごく伝わってきた。連日の反省をふまえて、(小川のまくりを)引きつけながらもっていった。ただ、小川君のスピードが思ったより良かったんで、(切り替えて)眞杉君の気持ちに応えようと。(今シリーズは5戦4勝で)4走が番手で1走が自力だった。そのなかで課題が見つかったんで、今後につなげられるように」
脚を使いながらも中団を確保した小川真太郎は、抜群の加速力でまくりを放ち2着。
「眞杉君のペースで、(4番手を取ったあとは)ヒデさん(山田英明)に内に来られないようにっていうのがありました。前回のサマーナイトフェスティバルの最終日に同期の吉田拓矢君にセッティングを見てもらって、すごく踏み出しが良くなった。サマーナイトフェスティバルの最終日に1着が取れて、そのあとも自分なりにアレンジしていい感じでした。あとはもうちょっと長い距離が踏めるように」
<8R>
吉田拓矢選手
町田太我、清水裕友の中国コンビと黒沢征治、吉田拓矢(写真)の関東コンビの激突で注目された一戦。凱歌は関東コンビの方に上がった。町田がスタイルを崩さず赤板過ぎから先行勝負に出る。前受けの和田真久留が中団を取り切り、黒沢は7番手に下がってしまう。打鐘あたりから町田が一気に飛ばすと、前との車間が空いてさらに苦しくなったように見えた黒沢だが、詰めて最終ホーム入り口から怒涛の反撃。町田との車間を切って備えていたはずの清水が対応できないほどのスピードで外を通過した黒沢が2コーナーで先頭に。清水のブロックをしのいだ吉田が追う。ライン3番手の永澤剛まで続いて直線に入り、ゴール寸前で吉田が抜け出した。
「黒沢さんが勝てるように組み立ててもらえればって思っていました。すごかったですね。自分じゃあそこから行けなかったと思うし、そのくらい前がカカっていました。今まで(人の後ろに)付けた中で経験したことないようなスピードでした。今回はいいレースができなくて悔しかったですね。もっと強い気持ちを持って臨まないと勝てないなって思いました」
強烈まくりで前の6人を飲み込んだ黒沢征治の強さは本物。
「どの位置からでも町田君と勝負だなって思っていました。誘導も上がって和田さんも中団を狙っていそうな雰囲気だったので一回引いて巻き返そうと思いました。あそこ(最終ホーム)を逃したら絶対に行けないと思ったので、ダメでも行こうと思って仕掛けました。最後タレてきていたんですけど吉田君が後ろで良かったです」
「黒沢さんが勝てるように組み立ててもらえればって思っていました。すごかったですね。自分じゃあそこから行けなかったと思うし、そのくらい前がカカっていました。今まで(人の後ろに)付けた中で経験したことないようなスピードでした。今回はいいレースができなくて悔しかったですね。もっと強い気持ちを持って臨まないと勝てないなって思いました」
強烈まくりで前の6人を飲み込んだ黒沢征治の強さは本物。
「どの位置からでも町田君と勝負だなって思っていました。誘導も上がって和田さんも中団を狙っていそうな雰囲気だったので一回引いて巻き返そうと思いました。あそこ(最終ホーム)を逃したら絶対に行けないと思ったので、ダメでも行こうと思って仕掛けました。最後タレてきていたんですけど吉田君が後ろで良かったです」
<9R>
山口拳矢選手
関東コンビが先頭に立つが、山崎賢人が打鐘ですかさず巻き返す。最終ホーム過ぎに山崎が叩いて先行策。小倉竜二が出切り、単騎の山口拳矢(写真)も続くが、諸橋愛のブロックを再三にわたり受ける。それでも山口は諸橋を乗り越えて、3コーナーからまくり追い込む。山口が前の2人をとらえたところがゴール。
「(諸橋に絡まれたが)自分もまくる脚があったんで(山崎ラインに)吸い込まれた感じです。(1着は)単騎だったんで最低限ですね。(6日間の開催は)1週間拘束をされるのはキツいかと思ってたけど、終わってみればあっという間にだった。なるべく早く(GIの)準決の壁を突破できるようにしたい」
山崎のダッシュに危なげなく付け切った小倉竜二は、2着も安定感が光った。
「山崎君が出切った時に流したんで、突っかかってしまった。もうちょっとラインで出切るまで踏んでくれたら。そのあとも山崎君は余力を残して踏み直していた。それでワンツーかと思ったら、山口君が強かった。止められないところで来たし、これからも怖い存在ですね」
「(諸橋に絡まれたが)自分もまくる脚があったんで(山崎ラインに)吸い込まれた感じです。(1着は)単騎だったんで最低限ですね。(6日間の開催は)1週間拘束をされるのはキツいかと思ってたけど、終わってみればあっという間にだった。なるべく早く(GIの)準決の壁を突破できるようにしたい」
山崎のダッシュに危なげなく付け切った小倉竜二は、2着も安定感が光った。
「山崎君が出切った時に流したんで、突っかかってしまった。もうちょっとラインで出切るまで踏んでくれたら。そのあとも山崎君は余力を残して踏み直していた。それでワンツーかと思ったら、山口君が強かった。止められないところで来たし、これからも怖い存在ですね」
<10R>
松浦悠士選手
気持ちを切らさず松浦悠士(写真)が貫禄勝ち。後方から上昇の野原雅也に合わせて踏み上げた松浦はすんなり中団を確保。そのまま野原を逃がして冷静にまくりに構えると、後方の柴崎淳、松井宏佑に睨みを利かせてから2コーナーでまくって出て決着を付けた。
「今日はもうある程度、野原の力を信用してレースを組み立てました。松井君が叩き切ったら切り替えてって感じでしたけど、野原もしっかりしているんで。かなりカカっていましたけど、三谷(竜生)さんが踏む前に仕掛けようと。バックがちょっと追い風でホームが向かっている感じでゴール前はきつかったですね」
野原の番手を回った三谷の飛び付きを許さず、2着にも香川雄介がしっかり続いた。
「2コーナーからまくって行ったときに三谷君と合ってしまうかなって構えたんですけど、肩ひとつ前に出られたんで。連日、柴崎君に外から行かれてしまっているので今日も行かれちゃうかなって思ったんですけどね。行かれず2着でほっとしています」
「今日はもうある程度、野原の力を信用してレースを組み立てました。松井君が叩き切ったら切り替えてって感じでしたけど、野原もしっかりしているんで。かなりカカっていましたけど、三谷(竜生)さんが踏む前に仕掛けようと。バックがちょっと追い風でホームが向かっている感じでゴール前はきつかったですね」
野原の番手を回った三谷の飛び付きを許さず、2着にも香川雄介がしっかり続いた。
「2コーナーからまくって行ったときに三谷君と合ってしまうかなって構えたんですけど、肩ひとつ前に出られたんで。連日、柴崎君に外から行かれてしまっているので今日も行かれちゃうかなって思ったんですけどね。行かれず2着でほっとしています」
<11R>
古性優作選手
古性優作(写真)が遂にGIタイトルを手にした。周回中は6番手に位置した脇本雄太は、最後方から仕掛けた深谷知広の動きに反応。追って上がって行くと、2コーナーで先頭に立つ深谷を叩いて打鐘から先行勝負に出る。初手から脇本-古性の近畿コンビを追っていた平原康多、すぐさま4番手に追い上げた新田祐大の反撃をシャットアウトした脇本をゴール寸前で古性が交わした。
「信じられない。影が反射していたのでゴールしてから1コーナーくらいまでわからなかった。平原さんが後ろにいたのが分かったのでしゃくられないように。新田さんが仕掛けてきてどうカバーするかでした。巧くいきましたけど、脇本さんが最後まで粘っていただけですね。脇本さんを差すことを目標にやっていた時期もありましたけど、差は開いていった。自力で先輩を連れて行く選手になれば戦いやすくなると心境の変化があってそれが、今回連係したときに結果として出たのかなって。1班なのにオリオン賞に選んでもらったファンのおかげで最高のスタートが切れて、その期待に応えられたのかなって」
2着も逃げ粘った脇本雄太で近畿ワンツー。今年初レース、オリンピックから中ゼロ日で臨んだGIの決勝の舞台でこれだけの走りをやってのけるとは、脇本やはり脇本だった。
「いつもの自分だったらあそこ(深谷が切ったところ)を見送って自分のタイミングで行っていたと思うけど、昨日(準決勝)のこともあったので立ち遅れるわけにはいかないってああいうレースになりました。不満はなくて、現状出切ることはやれたと思う。ライン2車での戦いで、古性との信頼関係がああいう戦い方を生んだと思う。こういう感動があるから日本の競輪はやめられない」
最終バックからまくった新田、3番手からの直線勝負に賭けた平原は伸び切れない。北日本3番手を回っていた守澤太志が外を踏んで3着に強襲した。
「新田が凄いレースをしてくれたんで。追い上げたところとかも凄かった。自分は慎太郎さんが内に踏んでくれたので外を伸びた感じですね。2分戦ですし、ああなるかなって。凄いレースでした。やっぱり新田君と脇本君が戻ってくるとレースが変わりますね」
「信じられない。影が反射していたのでゴールしてから1コーナーくらいまでわからなかった。平原さんが後ろにいたのが分かったのでしゃくられないように。新田さんが仕掛けてきてどうカバーするかでした。巧くいきましたけど、脇本さんが最後まで粘っていただけですね。脇本さんを差すことを目標にやっていた時期もありましたけど、差は開いていった。自力で先輩を連れて行く選手になれば戦いやすくなると心境の変化があってそれが、今回連係したときに結果として出たのかなって。1班なのにオリオン賞に選んでもらったファンのおかげで最高のスタートが切れて、その期待に応えられたのかなって」
2着も逃げ粘った脇本雄太で近畿ワンツー。今年初レース、オリンピックから中ゼロ日で臨んだGIの決勝の舞台でこれだけの走りをやってのけるとは、脇本やはり脇本だった。
「いつもの自分だったらあそこ(深谷が切ったところ)を見送って自分のタイミングで行っていたと思うけど、昨日(準決勝)のこともあったので立ち遅れるわけにはいかないってああいうレースになりました。不満はなくて、現状出切ることはやれたと思う。ライン2車での戦いで、古性との信頼関係がああいう戦い方を生んだと思う。こういう感動があるから日本の競輪はやめられない」
最終バックからまくった新田、3番手からの直線勝負に賭けた平原は伸び切れない。北日本3番手を回っていた守澤太志が外を踏んで3着に強襲した。
「新田が凄いレースをしてくれたんで。追い上げたところとかも凄かった。自分は慎太郎さんが内に踏んでくれたので外を伸びた感じですね。2分戦ですし、ああなるかなって。凄いレースでした。やっぱり新田君と脇本君が戻ってくるとレースが変わりますね」