『第65回オールスター競輪(GI)レポート』 2日目編

配信日:8月11日

 西武園競輪場で開催されている夢の競演「第65回オールスター競輪(GI)」は、8月10日に2日目が行われた。メインの「ガールズケイリンコレクション2022西武園ステージ」アルテミス賞では、小林莉子が6年連続6回目の出場で初めてアルテミス賞を制した。また、「オリオン賞」では、太田竜馬が1着で3日目の一次予選2に弾みをつけた。8月11日の3日目には、「ガールズケイリンコレクション2022西武園ステージ」ドリームレースが、ファン投票上位7選手により争われる。男子では4日目の「シャイニングスター賞」進出をかけて、一次予選2で迫力のバトルが展開される。
 開催中は、200セット(3日目はエコバッグ&うちわ)の先着プレゼント、グルメ屋台、納涼祭などのイベントが予定されています。なお、西武園競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

オリオン賞出場選手特別紹介
オリオン賞出場選手特別紹介
アルテミス賞出場選手特別紹介
アルテミス賞出場選手特別紹介
オリオン賞・アルテミス賞 表彰式
オリオン賞・アルテミス賞 表彰式

オリオン賞 レース経過

 ゆっくりしたスタートから守澤太志が誘導員を追う。新田祐大-守澤、山口拳矢-浅井康太、村上義弘、眞杉匠-宿口陽一、町田太我-太田竜馬の並びとなった。
 赤板前の4コーナーから町田-太田が踏み上げると、眞杉がけん制するが、町田は大外から一気に仕掛けて1センターで前に出た。中四国コンビの後ろはイン新田、アウト山口で並走となり、2コーナーから眞杉がスパート。気付いた町田がペースを上げると、番手の太田が眞杉マークの宿口を捌いたすきに真杉が町田の後ろに入り、最終ホームは町田、眞杉、太田、新田-守澤…で通過。最終2コーナーを立ち直ったところから眞杉が自力に転じると、すかさず太田も踏み込む。太田は圧巻のスピードで3コーナーで先頭に躍り出ると、2車身ほど離れて北勢が追う。太田は後続を全く寄せ付けずに押し切りオリオン賞覇者に輝いた。新田は太田との差を詰められず、ゴール前で守澤が新田を交わして2着に入り、新田は3着。

アルテミス賞 レース経過

 スタートは梶田舞、小林莉子、奥井迪が勢いよく出たが奥井が誘導員の後ろを占めた。初手は奥井、梶田、梅川風子、山原さくら、尾方真生、小林、高木佑真となる。
 赤板過ぎの2コーナーで尾方がゆっくりと踏み上げると、小林は続かずインに進路をとり、梅川の後ろに続く。ジャンで誘導員が退避し尾方が先頭の奥井に並びかけたが、奥井は抵抗せず尾方を前に出す。3コーナーから踏み上げていた山原は徐々にペースを上げ、最終ホーム過ぎの1コーナーで先頭に躍り出た。山原を追っていた梅川は最終2コーナーを立ち直ったところから一段と加速。最終バック線あたりで山原を飲み込んだ。梅川には小林がぴったりと続き、両者を追ってきた高木に踏み勝った奥井が3番手で直線へ。ゴール前で小林が梅川を交わしてアルテミス賞初V。梅川が2着で、奥井は3着。

<1R>

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 スタートでけん制になり、誘導を追いかけた犬伏湧也(写真)が脚を使わされて前団に構える。小森貴大が押さえて先頭に立ち、3番手に山岸佳太、根田空史が5番手。犬伏は7番手に下げて反撃のタイミングをうかがう。打鐘で根田が仕掛けて、その南関ラインを追った犬伏が襲い掛かる。根田が主導権を奪うが、スピードの違いで犬伏が最終2コーナー過ぎに出切る。小倉竜二、渡部哲男は付け切れず、離れながらも根田が追いかける。直線に入っても差は詰まらず、GI初出場の犬伏が白星でのスタートを切った。
 「(GI初勝利での)1着にいけたことはうれしいですけど、ラインで決まらなかった。組み立てを意識しないと。スタートでけん制が入って、(誘導を追いかけて)いかないといけない感じで脚を使ってしまいキツかった。ジャンくらいで態勢を整えていければ良かった。根田さんの動きに反応はできているけど内容が良くない」
 打鐘の4コーナーで主導権を握った根田空史は、力勝負で犬伏に屈したが果敢な仕掛けで2着に逃げ残った。
 「(周回中は)車番的に後ろになる確率が高かったが、けん制が入ったことで後ろ中団(6番手)を取れたことが大きかった。自分の持つ距離、1周半をタイミングを取っていけました。西武園なので前々に踏めれば着は取れると。あとは内藤(秀久)さんのおかげで番手に入れて2着。競輪ですね」

<2R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 いったん3番手の小川真太郎に併せ込んだ菊地圭尚が切りに出るが、赤板2コーナー過ぎに松井宏佑が突っ張る。さらに橋本優己も仕掛けるが、松井が合わせて主導権をキープして最終周回。松井後位が併走になり、5番手の小川の後ろには竹内智彦が入る。2コーナーから小川がまくりを打つと、竹内は付いていけず、その後ろから原田研太朗(写真)が追いかける。3コーナー過ぎに小川のまくりに追いついた原田が追い込んで1着。
 「(小川が)引くかと思って見てて、あそこを空けてしまったのが失敗でした。自分が連係を外してしまったので、(小川)真太郎が踏んでからと。真太郎が横に出したんで、自分も出しました。全体的に(周りを)見られる余裕もあったんで、脚的には悪くないのかなと思います」
 中団からダッシュを利かせてまくった小川真太郎が2着。結果的に中四国ラインでの上位独占になった。
 「内が重くてキツかったけど、冷静に見られたので悪くないのかなと。あれで橋本君が行き切ったらついていこうと。ちょうどいいタイミングで(まくって)行くことができたし、松井君を乗り越えられたんで良かった。(前回の)小倉が終わてからは、(小松島)バンクが使えなかったりしたんで、久しぶりにモガけて気持ち良かった」

<3R>

山田庸平選手
山田庸平選手
 近畿勢が赤板1コーナーで押さえて出る。合わせてに動いた山田庸平(写真)は、近畿勢に切り込むように坂井洋を制して4番手を確保する。7番手になった坂井が打鐘から反撃。最終ホームで坂井が出切り、雨谷一樹が続くも鈴木竜士はからまれる。落ち着いてタイミングを取った山田は、2コーナーから踏み出す。逃げる坂井をあっさりととらえた山田が1着。
 「すんなり中団が取れた。ああいう感じにはならないと思っていたんですけど。踏み出しはいつもより良くなかった。でも、(最終)バックあたりのスピードは掛かっていったのかなと。風が強かったので、前がタレてきていたのもありましたけど」
 坂本健太郎は最終2センターの雨谷のブロックで山田には置いていかれるも、乗り越えて2着を確保した。
 「もう(山田)庸平がどこからまくるかだけでした。踏み出しは良かったんですけど、ジャンからホームにかけて坂井がスレスレを来たから気になって消耗していましたね。庸平が上をまくっていってたんで、どうしても先に下るから自分は雨谷のところで合っちゃうなって。庸平が強いので2着死守だけ考えていました」

<4R>

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 赤板前に誘導との車間を切った新山響平が、前受けから佐々木豪を突っ張る。中団は南関勢がキープして、佐々木は後方からの出直しを余儀なくされる。後続を引きつけた新山は、打鐘の2センター過ぎからスパート。新山のダッシュに3番手の神山雄一郎が付いていけない。3番手以下を大きくちぎった新山と武藤龍生(写真)のゴール勝負は、地元の武藤が交わして1着。
 「新山君は前から突っ張る感じだった。踏み出しとか空いちゃうくらいで、正直誰も来られないだろうと思った。自分はゆとりというか、1走目で集中できていた。地元だとイレ込むのが、うまく調整できている」
 別線に一度も先頭を譲ることなく突っ張り先行に出た新山響平が、ラインでのワンツーをこう振り返る。
 「松谷(秀幸)さんは先行タイプではないし、あとは佐々木君だけどうにかすればと。主導権を取るのが手っ取り早いなと思った。(佐々木が)早めにやめてくれて落ち着いて駆けられた。(前回まで成績が良くなかったが)とくに変えていないし、今日(1走目)も良くなかったのでセッティングとかいじりたい」

<5R>

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 赤板2コーナー過ぎに小松崎大地(写真)が、嘉永泰斗を押さえて先頭に立つ。打鐘で黒沢征治が巻き返すと、小松崎は関東勢を受けて3番手に入って最終ホームを通過する。6番手からまくった嘉永に合わせて、バックで小松崎がアクションを起こす。さらに番手から杉森輝大が踏み上げて出るが、4コーナーの斜行で佐藤慎太郎、黒沢が落車。1位入線の杉森は失格で、小松崎が繰り上がった。
 「(黒沢が来るのが)もうちょっと遅かったら出させない感じだった。ライン3人で決められるギリギリのところだと判断して、(黒沢ラインを)出させました。でも、思ったよりも3番手に入ってから脚がたまってなかった。嘉永君が来ているのが見えたんで、無理やり前に踏んだのを見られて杉森君に踏まれた。あれをやるならしっかりとまくり切らないと。しっかりと組み立てないと、ああいうこと(佐藤の落車)になってしまう。修正するところはたくさんある」
 北日本3番手の内藤宣彦が、落車をスレスレで避けて2着に入った。
 「自分の前が(佐藤)慎太郎だったんで考えることはないなと。慎太郎に付いていけばと。慎太郎は脚がたまっているはずなので、あとは突き抜けてくれればと。そうすれば俺もいい着が取れる。だから、慎太郎頑張れって。(落車を)避けるのが精いっぱいだった。慎太郎が落車したので、喜べないですね」

<6R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 中団の上田尭弥の外でタイミングを取った郡司浩平(写真)は、赤板2コーナー手前から踏み込んで飯野祐太を押さえる。郡司が主導権を握り、飯野は番手に飛び付いて、和田真久留と併走。隊列が短くなったところを上田が仕掛ける。先行態勢の郡司が上田を合わせて駆ける。飯野が和田に踏み勝つが、郡司との車間が空いて、そこに上田が入る。上田が直線で迫るも、郡司が振り切った。
 「先行を含めてなんでもするつもりで、簡単に後方にはならないようにって考えていました。最悪、位置を取って仕掛けようと。(飯野が番手に粘ったことは最終)ホームは見えていたんですけど、頭に入れてなかった。そこまで余裕もなくて、上田君しか見えていなかったですね。ちょっと配慮がたりなかった。踏み上げていってちょうどタイミングもあったので、先行態勢に入って最後まで踏めました。初日に走って感じをつかめましたし、今日(2走目)は自力を出して勝てたので、次につながると。不安はなくなりました」
 郡司後位のもつれもあって、番手にはまった上田尭弥は、最終2センターで外に持ち出すも郡司に半車輪差まで。
 「展開的にはベストだったんですけど、ワンテンポ遅れてしまってしまった。それがなければ出切っていたかなって思うんですけど。隊列が短くなって郡司さんがまだ踏んでいないのはわかったので、カマしていければ良かったんですけど。合わされてしまった。ハコが空いていたのでうまく入れた」

<7R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 近畿勢が赤板1コーナーで出ると、遅れたタイミングで金子幸央が3番手に追い上げる。石原颯は落ち着いて5番手で態勢を整える。打鐘を通過して3コーナーで石原が仕掛ける。岡崎智哉も合わせてペースを上げるが、岡崎の抵抗を最終1センターで石原がねじ伏せる。切り替えた稲垣裕之と筒井敦史で3番手がもつれるが、番手絶好の松浦悠士(写真)はギリギリまで後続を引きつけて石原をきっちり交わした。
 「自分もバンクが重くて(いざという時に)どうかなと思ったが、(石原が)出切ってくれた。(初日の)ドリーム(レース)の感触が良かったので、比べたら、んっていうのはあるけど、(3日目を)1日休んでどうかですね。気になったのは乗り方くらいで、フォームを確認するくらいで大丈夫かなと」
 松浦とのタッグが力になった石原颯は、落車の怪我からの長期欠場明けも積極策で2着。
 「仕掛けたタイミングに対して、タイム出てないのでイマイチ。松浦さんが後ろだったので、昨日(初日)より自信をもっていけた。緊張はあるけど、昨日よりいけているし、本数を走って積み上げていったものを戻していきたい」

<8R>

古性優作選手
古性優作選手
 赤板1コーナーで先頭に立った取鳥雄吾がペースを握る。6番手に下げた寺崎浩平は、空けた車間を詰めながら打鐘手前から仕掛ける。合わせて3番手の佐々木悠葵を踏み上げる。好スピードで佐々木が主導権を奪うが、その上を寺崎が出切って風を切る。寺崎の抜群の加速力に続いた古性優作(写真)は、ゴール前で楽に追い込んだが、慎重なコメントでこう口を開く。
 「寺崎君にすべてお任せでした。(寺崎の)後ろに付いて、いままでで一番強かったです。正直、自分の状態があんまり良くない。(寺崎に)1車身くらいずつ空いて、本当にちぎれそうだった。(状態としては)今年のなかで一番苦しいですね。明日(走らない3日目)の過ごし方が大事になってくるかなと」
 一次予選1に続いて目の覚めるようなダッシュを披露した寺崎浩平の動きの良さが光った。
 「それ(前受けから引いてのカマシ、まくり)が一番自信のある戦法ですし、後ろが古性さんと松岡(健介)さんなので出切ってしまえば、なんとかなるかなと思いました。前がどうしようと、最低限でもあのタイミングでは行こうと。しっかりと行き切れたんで良かった。出切ってからの半周が良くて、最後の半周がキツかった。タイム的にも良くなかったので、もうちょっと修正をしたい」

<9R>

平原康多選手
平原康多選手
 6番手から踏み込んだ伊藤颯馬に合わせて、3番手の菊池岳仁も仕掛ける。打鐘では両者の踏み合い。園田匠をさばいた平原康多(写真)だったが、最終ホーム手前で主導権争いに負けた伊藤の番手割り込みを許してしまう。3番手で脚をためた平原は、3コーナーからのまくり追い込みで突き抜けた。
 「あそこ(打鐘)でそんなに焦らなくても、菊池君の力があれば巻き返せると思ったんですけど。伊藤君の切り込みがすごくて、(内を)付いていったら失格になるかもって、自分で判断して最悪あの位置かなと。後ろに武田(豊樹)さんがいたので、引き込まないとなっていうのがあった。あとは菊池君のタレ具合と、番手に入った伊藤君次第って感じでした。苦しいレースでしたけど、お客さんのためにもなんとかしないとなって感じでした」
 打鐘で外に浮いた園田匠は、平原後位に入り立て直して2着に流れ込んだ。
 「平原君に入られたので、とりあえず平原君の後ろを確保して伊藤君が下がってきてもいいようにと。連日、厳しい番組ですけど、なんとか(二次予選に)乗れるかなと。(一次予選は)ポイントレースなので最後まで差し脚をためてと思った。周りも見えているし、最低限は走れていますね」

<10R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 赤板前から6番手の眞杉匠が8番手の町田太我をけん制するが、町田が押さえて出て主導権を握る。すかさず眞杉も反撃に出て打鐘で叩き合いになるが、宿口陽一は遅れて太田竜馬(写真)に張られて外に浮く。町田が突っ張り切って最終周回へ。番手に入った眞杉が最終2コーナーからまくりを打つが、その後位からさらに太田がまくり上げる。自力に転じた太田が快勝。
 「眞杉君が来て(町田を)迎え入れようと思ったが、(町田は)前に踏んでいってしまった。そしたら眞杉君に間に入られてしまったので、宿口さんをさばこうと。内、外の様子を見ながら、眞杉君の動きを見ていた。新田(祐大)さんが内から入ってきたのも見えたので、(町田に)ゴメンと思いながら踏んでいきました。キツかったけど、1着なので(感触は)良いと思います」
 最終1センター過ぎから太田の内を進出した新田は、自力に転じた太田を追いかける。新田マークの守澤太志がゴール前で追い込んで2着。
 「新田君が前々に踏んで良い位置を取ってくれたおかげです。感覚は悪くないというか、バンクが重くてどうなのかなと。おそらくバンクのせいだと思うが、走っていてすごく重かった」
 赤板過ぎから別線にかぶり通しだった新田祐大は、太田のまくりを追いかける形で3着に入った。
 「誘導が退避する前の(眞杉と町田が)飛び込んで来るところの対応が甘かった。太田君が外を気にして踏んでいったので、眞杉君の上をまくっていく動きに必死で食い下がっていった。やっぱり足りてないというか、完ぺきではないなかで気持ちで乗り越えていけるとわかった」

<11R>

小林莉子選手
小林莉子選手
 小林莉子(写真)は、周回中6番手。前の尾方真生が上昇を開始すると、そのまま続かずにトリッキーにインを進出。梅川風子の後ろに小林が入り、併走になった山原さくらが仕掛ける。ほかの選手を巧みに動かした小林は、5番手からまくった梅川が最終バックで出切るとそのまま追走。直線の入口で外に持ち出して、きっちりと梅川をとらえてアルテミス賞を制した。ガールズグランプリ初代チャンプが、ようやく2つ目のビッグタイトルをつかんだ。
 「やっと獲れました。コレクションでこんなに2着が多い選手もいないかもしれないですし、アルテミス賞も何回も挑戦させてもらってやっと獲れた。うれしいです。(周回中は)2番手、3番手にいたいっていうのがあったんですけど、(スタートを)失敗してどうしようかと。そしたら自力の選手がグルグル(と並びが)変わってたんで、これはジャンまではわからないなって。前には奥井さんがいると思ったし、それなら内にいって梅川さんの後ろで一発勝負だと。そこからは思ってたような展開だったので落ち着いていました。正直、キツかったけど、なんとか差し切れました。自力で活躍している選手が多くて、厳しいレースでした。でも、そのなかで獲れたのは自信になりました」
 最終ホームで尾方を叩き切った山原との車間を空けながら追いかけた梅川風子が、2コーナーからまくる。力で山原を仕留めたものの、直線ではわずかに失速した。
 「(仕掛けた山原を)追うかも悩んだけど、西武園っていうことで仕掛けを待つと出番がないかなと。それで迷いながら追いかけた。(小林)莉子ちゃんがどうのこうのよりも、最後まで自分がもつように走れなかった。そこは反省です。悔しいですね」
 3着に入った奥井迪は、尾方の早めの仕掛けが誤算だったようで、その後もスムーズに運ぶことができずに消化不良。
 「すごく中途半端でした。(尾方が)ジャンで来ると思ってなかった。1周前くらいかなと、甘かった。自分のなかでは2センターくらいから上げていって、できれば(尾方を)突っ張りたいなって。そのあとも山原さんに切り替えれば良かった。これを機会にちゃんと先行をしないとダメだなと。走りでも見せられなかった」

<3日目11R「ドリームレース」>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 6年連続で1位とファンから熱い支持を受ける児玉碧衣(写真)は、ガールズケイリンフェスティバル124着のあとは防府を完全V。
 「(ガールズケイリンフェスティバルで落車した)怪我は左の肩鎖関節の脱きゅうと擦過傷ぐらいです。いまはもう問題ない。前回の防府を走った時にも多少、力が入らないなと思ったことはあったんですけど。オールスター前に走れたことは、すごく大きかった。(6年連続でファン投票1位は)ビックリしてます。期待されている証拠だと思うので、しっかりこの舞台で優勝して恩返しができるように」
 ガールズケイリンフェスティバルを3連勝で優勝した佐藤水菜は、その後の競技大会のジャパントラックカップI、IIでケイリン、スプリントの2種目を制した。
 「ジャパントラックカップ(II)の最終戦のケイリンで3着になってしまった。自分のミスが大きく出たので、正直すごく悔しさが残ってます。悔しさが残っているのと、練習の感覚もあんまりベストとは思えてないなと。どうにか立て直したいなと。ドリームレースはいつも前検日とかを見てていいな、華やかだなという風に思っていたので、その舞台に立てるのはすごくうれしいです」
 成長著しい日野未来が、ドリームの強豪を相手にどんなレースを見せてくれるのか期待は膨らむ。
 「手応えは毎走、毎走良くなっていると思います。グランプリを走っている方々とか強い方の練習方法とか聞いたりして、それを真似してやってみたりとかしています。どんどんそれを積み重ねて良くなってきていると。(直前は)練習では今までで、一番いいベストタイムとかトップスピードが出てた。たぶん状態は、めっちゃいいと思います」