『第66回オールスター競輪(GI)レポート』 2日目編

配信日:8月17日

 西武園競輪場で開催されている夢の競演「第66回オールスター競輪(GI)」は、8月16日に2日目が行われた。メインの「ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ」アルテミス賞では、2番手からまくった石井寛子が優勝。昨年3月の宇都宮以来、久々にビッグレースを制した。また、オリオン賞では、逃げた眞杉匠を目標に吉田拓矢が追い込んで1着。シリーズに弾みをつけた。8月17日のシリーズ3日目には、ファン投票で選ばれた上位7人による「ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ」ガールズドリームレースをメインに、一次予選2が行われる。
 シリーズ開催中の毎日、抽選でオリジナルグッズが当たるスピードくじを先着400人に配布。グルメ屋台、縁日ブース。また、17日には高木真備さん、野原美咲さんによるトークライブなどのイベントも予定されています。西武園競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

オリオン賞出場選手特別紹介
オリオン賞出場選手特別紹介
アルテミス賞出場選手特別紹介
アルテミス賞出場選手特別紹介

オリオン賞 レース経過

 号砲が鳴ると各車一斉に前に出たが、大外枠の町田太我が誘導員の後ろに付いた。初手は犬伏湧也-町田-清水裕友、山口拳矢-浅井康太、深谷知広、眞杉匠-吉田拓矢、嘉永泰斗の並び。
 青板周回のバックから眞杉-吉田が上昇を始めると嘉永も乗っていく。赤板で眞杉が犬伏に並びかけると犬伏は突っ張ったが、1コーナーで眞杉が前に出た。犬伏は眞杉-吉田、嘉永の後ろまで車を下げると、山口-浅井が嘉永の後ろに追い上げ、4番手以下が並走となってジャンが入る。後続の動きをうかがいながら駆けていた眞杉は、最終ホーム線で一気にペースを上げた。4番手は山口が取り切り、犬伏は6番手で最終ホームを通過。快調なペースで逃げる眞杉から吉田は3、4車身の車間を切って後続の仕掛けに備える。3コーナーで山口、2センターで犬伏が踏み込むもあまり車は出ない。絶好の番手回りとなった吉田が有利に抜け出しオリオン賞を制した。終始、栃茨勢を追っていた嘉永が2着。3着は中部両者で接戦となったが、山口が8分の1輪、浅井に先着した。

アルテミス賞 レース経過

 ゆっくりとしたスタートから奥井迪が誘導員を追う。初手は奥井、石井寛子、日野未来、梅川風子、小林莉子、荒川ひかり、石井貴子の並び。
 赤板で石井貴が上昇すると荒川も乗っていく。石井貴が梅川に並びかけると梅川は車を下げた。奥井、石井寛、日野、石井貴、荒川、梅川、小林の態勢でジャンが入る。誘導員が退避しても動きはなく、奥井はゆっくりとしたペースで駆けていたが、最終ホームで踏み込み、本格的に先行態勢に入った。1センターで梅川がスパートすると、2コーナーで石井貴も仕掛けた。梅川は小林を置き去りにするスピードで前団に迫るが、最終バック線で石井寛が2番手から梅川に合わせてまくる。2センターから石井寛と梅川でつばぜり合いとなったが、踏み勝った石井寛がアルテミス賞を制した。石井寛に追い上げマークする形になっていた石井貴がゴール前で梅川を交わして2着に入った。

<1R>

根田空史選手
根田空史選手
 谷口遼平を突っ張った林大悟を、山田雄大が打鐘3コーナー過ぎに叩く。3番手に山田が入り、谷口が5番手で最終ホームを通過する。谷口に合わせて林が2コーナーからまくって、前団の隊列が短くなる。そこを8番手の根田空史(写真)が、バックから襲い掛かる。まくった根田が、外を突き抜けた。
 「バックの向かい風がキツいので、脚をためてあきらめずに踏もうと。8番手でキツかったけど、最近のなかでは一番踏めていた。ここに来る前に中村(浩士)さん、岩本(俊介)さんと話して、セッティングを変えたりして感じが良かった。まくれているので正解だったのかなと。内容は良くないが、届いているし、状態はいい」
 直線の入口で逃げる山田をとらえた林をマークした井上昌己が、2着に追い込んだ。
 「体調は戻っていたので(暑さは)大丈夫でした。(林が)3番手になったし、それが大きかった。そこから仕掛けてくれた。レースはキツかったですね。あとは気持ちで頑張ります。今回から新車でスカスカしたので、ちょっといじります」

<2R>

和田真久留選手
和田真久留選手
 前受けの中野慎詞が、赤板過ぎに和田真久留(写真)を突っ張る。和田は3番手に収まり、5番手の山根将太が2コーナーから仕掛ける。中野も再度ペースを上げて、中野、山根の叩き合いで最終ホームを迎える。中野が主導権を死守するが、4番手の和田がバック過ぎからまくる。逃げる中野を和田がとらえて抜け出した。
 「中野君と別でやった以上、自力でしっかりと松坂(洋平)さんを連れ込むレースを心がけました。彼(中野)が前を取った時に、たぶん突っ張って見せるレースをしてくるんじゃないかと。そこの隙をうまくつければって思ってました。ジャンのダッシュがすごくて、吉田(有希)君は来られないんじゃないかと。(ラインで)ワンスリーなんでなんとかです。疲れている感じで入ったんで、初日が休みで良かった」
 後方で反撃のタイミングを逸した吉田有希は、神奈川勢を追いかけて直線で外を伸びて2着。
 「何か所も仕掛けられる場所があったけど、最近は気持ちで負けてしまうことが多い。(中野が)突っ張るとは思わなかった。山根さんが行ったところを吸い込まれながら、まくっていけば良かった。吉澤(純平)さん、中田(健太)さんに悪いことをしました。(練習での)手ごたえは良かったし、脚自体は悪くないと思うんですけど。あとは気持ちだと」

<3R>

山田庸平選手
山田庸平選手
 7番手の太田海也が、赤板1センターで岩本俊介を押さえて先頭に立つ。岩本は中団に下げて、打鐘手前から志田龍星が仕掛ける。が、山田庸平(写真)が志田を阻んで、太田がそのまま駆ける。最終ホーム手前で岩本と接触した志智俊夫が落車。落車のあおりもあり後方の菅田壱道は動けない。4番手の岩本は2センターから外に持ち出したが、番手の山田が余裕をもって抜け出した。
 「(太田が)しっかりと先行態勢に入る感じだったので任せていました。後ろに付いていて、余裕を感じる雰囲気だったので頼もしかったです。(別線が)後ろを取り合っていたので展開が向きました。感じはいつも通りです。太田君が強かったですね」
 直前はイギリスでの世界選手権。ナショナルチームでの活動が続いた太田海也は、3カ月以上ぶりの競輪だったが、別線を完封する先行策で2着に逃げ残った。
 「車番通りになるか、後ろ中団を想定していたんですけど。後ろからでも落ち着いて展開できたと思います。競技の方でも周りを見ることができ出してきている。それが競輪にも生きてきているのかなって思います。自分のなかではずっとペースで行けた。もっと欲を言えば、ラップタイムを良くすれば上でも戦えるのかなって思います」

<4R>

和田圭選手
和田圭選手
 赤板2コーナー手前で先頭に立った伊藤颯馬の上をすかさず松井宏佑が押さえて主導権を握る。踏み込んだ伊藤だったが、打鐘3コーナーで3番手に入る。5番手が山岸佳太と大川龍二でもつれて最終周回へ。8番手の畑段嵐士が2コーナー手前から仕掛けるが、逃げる松井の掛かりがいい。番手の和田圭(写真)空けた車間を詰めて、ゴール寸前で松井を交わした。
 「すごいスピードで、脚はたまらなかった。真後ろに(伊藤)颯馬君がいたので、車間を切って来たら詰めながら対応しようと。でも、松井君が掛かっていたので、こられない感じになっていましたね。たまたま抜けた。セッティングを変えて、前回、前々回からシックリきていないが、勝ち上がりはこれでいこうかな。(セッティングを)出してきたつもりなので、あとは守澤(太志)に聞いてみます」
 別線の機動タイプとの力の違いを見せた松井宏佑は、2車のラインでも臆することなく先行策で結果を残した。
 「(初手は)出たとこ勝負で前中団だったので、切って、切ってのところを出てでした。出たあとにペースを入れて、注意をしながら、来たラインを合わせてと。回した感じは悪くない。セッティングにかみ合わないところがあるので修正したい。あとは体を慎重にケアして上向けるように」

<5R>

山田英明選手
山田英明選手
 3番手の太田竜馬に北井佑季がフタをして赤板を迎える。先頭の石塚輪太郎は、落ち着いて2コーナーで誘導を降ろしてペースを上げる。3番手の決着がつかないまま打鐘を通過して、石塚の先行策。北井は外併走から最終ホーム手前で踏み込む。村田雅一のブロックでスピードが鈍った北井だったが、バックでまくり切る。北井、佐藤慎太郎に山田英明(写真)が切り替えて続く。佐藤は伸びを欠いて、2センターから追い込んだ山田が北井をとらえて1着。
 「(石塚が前での)想定外の中団になりました。(太田は)あそこで引いてもないので、引くなって思って応援してました。園田(匠)さんは昨日(一次予選1)4着だったし、ポイント的にも(上位の着が必要)っていうのはわかってました。ラインで勝ち上がりたいっていうのがあったんで。自分としては、手ごたえがもうちょっと欲しいなっていうのがあります。踏んだ時の進みが滑らかなではない。もうちょっと進んで欲しいですね」
 外併走でタイミングを計った北井佑季が、最終ホーム手前から発進。仕掛けのポイントを反省して振り返る。
 「石塚さんが前の太田さんが、中団っていうのはあんまり考えてなかった。意外な並びでした。あのタイミングでは、出切れると思って踏んでいた。ただ、その前に(太田に)フタをしていて、タイミングが遅れたから石塚さんが踏んだんだと思う。修正点はあるし、一番出ないところで踏んでしまった。どのタイミングでもサラ脚では先行させてもらえないし、難しい展開になるとは思ってました」

<6R>

長島大介選手
長島大介選手
 松本秀之介が赤板1コーナーで押さえる。ワンテンポ置くように橋本壮史が、2コーナー過ぎに飛び出してそのまま駆ける。熊本コンビは中団で、古性優作は一本棒の6番手で最終ホームを迎える。2コーナー手前で松本が先まくりを打つと、合わせて長島大介(写真)が番手発進。古性はバックで中川誠一郎の内をすくって3コーナーで外を踏み上げる。木暮安由は遅れる。番手まくりの長島を松本が追いかける。直線で外を追い込む古性、松本を退けた長島が1着。
 「思っていた通りの展開になりました。松本君は見えていたんですけど、古性君は見えていなかった。でも、松本君が来るなら後ろも来ているだろうなって思ったので、踏ませてもらいました。感じはあまり良くない。1か月ぶりのレースでレース勘は大丈夫なんですけど、肉体的にですね」
 何回か仕掛けるポイントがあったように見えた古性優作ではあったが、結果的にはまくり気味に追い込んで2着。2走を終えて、自身をこうジャッジする。
 「ジャンの2センターで出たかったんですけど、行ける雰囲気はまったくなかったですね。前(のペース)というよりは、自分の調子なのかなって思います。一次予選なので力で乗り越えていかないといけないんですけど。東口(善朋)さんと椎木尾(拓哉)さんに申し訳なかったです。やっぱりめっちゃ物足りない。直前の練習も良くなかった。レース後、東口さんにいつもと違う乗り方のところを指摘されたので、自分なりに修正できれば」

<7R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 単騎の柴崎淳が切って、近畿コンビを受ける。前受けの新田祐大(写真)は4番手で、7番手の坂井洋を警戒しながらポジションをキープする。打鐘手前から南潤がペース上げて逃げる。脚をためた新田は、最終2コーナー手前から踏み出して、スピードの違いでまくり切る。3番手の佐藤和也は付け切れずも、渡部幸訓を引き込んで福島ワンツー。
 「オールスターの2走目は、昨日(1走目)の着も影響するレースになる。(別線は)そこも加味して戦ってくると思って挑んだ。力を出すタイミングを逃さないようにと。踏み始めたら行けるところまで行こうと。非常にいい状態で挑めている。一番理想の勝ち上がりになったので、(4日目の)シャイニングスター賞と準決につなげられるように」
 新田の加速に抜かりなく対応した渡部幸訓が、2着でポイントを加算した。
 「新田君の感性にお任せでした。あとは自分が離れないようにと。シューズのセッティングが出て、次の課題に取り込んだけど、そこも良かった。あのまくりに追走できたので、自分のデキはかなりいい」

<8R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 周回中、4番手の渡邉雄太(写真)は赤板が勝負どころとにらんで、ダッシュを利かせて前受けの松浦悠士を切る。そこを思惑通りに中部3車が来て、渡邉は4番手を確保する。松浦悠士は、渡邉後位で和田健太郎との併走で打鐘を迎える。先行態勢の橋本が徐々にペースを上げて、皿屋豊は車間を空けて最終周回。渡邉も詰める勢いでスパート。皿屋は合わせ切れず、渡邉がまくりで後続をちぎった。
 「あそこ(赤板)で松浦さんに突っ張られたら、後ろに下がるしかない。全開で踏みました。そのあとは橋本君が流してたんでバックを踏んだ。(松浦と和田で)後ろが併走していたんで、来る人もいないかなと。自分のタイミングでと思ってました。昨日(一次予選1)も行くところ遅れて挟まれる感じになったんで、(ここは)早めに行きました。皿屋さんはバックを踏んでからだったんで、自分でスピードを上げながらだった。昨日が変なレースだったんで不安だったけど、(感じは)いいのかなと思います」
 5番手のインで詰まった松浦悠士は、外の和田を張って渡邉のまくりを離れながら追いかける。皿屋との踏み合いもあり、松浦は2着がやっと。
 「(赤板のところは)結構踏んだ。渡邉君に掛けながらと思ったら、抜け切っちゃって、前もバックを踏んでた。昨日(ドリームレース)のデキで不安もあって、前々にいった方がいいのかなっていうのがあったんですけど失敗でした。昨日のデキが最悪だったけど、だいぶ修正できた。この感じだったら(結果的に)引いても良かった。(ドリームレースでは)今節終わったなっていうくらいだったんで、なんとか戦える感じになったと思います」

<9R>

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 岩谷拓磨もダッシュを利かせるが、前受けの野口裕史が出させない。野口が突っ張ってペースが落ち着いたところを、菊池岳仁が仕掛ける。菊池が打鐘手前で先頭に立ち、地元コンビの追走。4番手の野口は、車間が空いて最終ホームを通過する。2コーナーまくりの野口は不発で、後方の岩谷はあおりを受けて前が遠い。逃げる菊池は直線でいっぱい。追い込む平原康多の後ろから、武藤龍生(写真)が交わしての地元ワンツー。
 「(野口と岩谷が)踏み合ったところを(菊池が)全開で行ってくれた。自分は3番手でできることをと思っていました。(最終バックで)野口さんが来たのが見えたので、外は平原さんにお任せして、自分は内をこられないように。あとは平原さんが踏んでから、踏もうと思っていました。でも、あんなに伸びるとは思っていなかったですね」
 逃げる菊池、後続と両方の間合いを取った平原康多が、直線で差し脚を伸ばすも2着。
 「(菊池が仕掛けた)あそこでちゅうちょしたら、7番手になっていた。(菊池は)赤板からジャンにかけて脚を使ったと思うんで、残り半周からはスピードが落ちてきていた。でも、菊池のおかげでワンツーが決まった。昨日(ドリームレース)は最悪の展開からコースを探して突っ込めていた」

<10R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 中四国ラインが前団に構える。眞杉匠は早めに犬伏湧也に併せ込んで、赤板過ぎのダッシュ勝負を制して先頭に立つ。単騎の嘉永泰斗が3番手に続いて、4番手は犬伏と山口拳矢の併走で打鐘を通過する。眞杉は最終ホームを目がけてスピードを上げる。結局、犬伏は引いて、4番手には山口が入る。番手の吉田拓矢(写真)は、逃げる眞杉との車間を大きく取って別線の反撃に備える。山口も3コーナーから踏み込むが、吉田が詰めてなかなか進まない。嘉永に踏み勝った吉田が1着。
 「(眞杉が)全部やってくれた。残したかったんですけど。(赤板は)危なかったですね。失格になるなよと思いながらだった。あとは押さえて自分のペースに入れてくれていた。2車だったので、車間を空けるしかできないと。後ろが嘉永で、(山口)拳矢もくるだろうと。タテでどんだけ残せるかなって。あれくらいしかできない。(自分の)感触はいいです」
 周回中から栃茨コンビの後ろにいた嘉永泰斗は、すんなり3番手を手に入れて、吉田との直線勝負で2着。
 「眞杉君と吉田さんの3番手からって思っていた。赤板で突っ張られたら、スイッチも考えていた。余裕はあったが吉田さんが車間を空けていて、拳矢さんも後ろで(仕掛けるのが)遅くなった。感触は悪くないです」
 最終ホームでは4番手を確保していた山口拳矢は、番手の吉田、3番手に単騎の嘉永がいては、なかなか仕掛けどころをつかめず3着。
 「犬伏君が前でいい並びになったと。(犬伏が)引いたのが見えて、そこは勝負だった。負けないようにキープするだけ。(最終)2コーナーから嘉永君も行こうとしたけど、整わずに遅くなったんだと思う。嘉永君を入れた分、遅かったですね。そこをシビアにいけば良かった。踏んだ感じは悪くない」

<11R>

石井寛子選手
石井寛子選手
 石井貴子、荒川ひかりが4、5番手に追い上げて、梅川風子は6番手に下げる。打鐘を通過して誘導が退避すると、そのまま先頭に奥井迪が先行態勢を取る。2番手には石井寛子(写真)、日野未来が3番手で最終ホームを通過する。6番手の梅川が1センターから仕掛ける。梅川の踏み出しに、7番手の小林莉子は付いていけない。梅川に合わせて石井貴も踏み出し、2番手の石井寛もまくり上げる。逃げる奥井をサイドバイサイドで石井寛、梅川でまくり切り、直線で梅川を突き放した石井寛が優勝。石井寛にとっては久しぶりのビッグレースを制覇した。
 「走り終わって、(優勝が)信じられないって感じでした。(初手は)一番前はいらないなって思って、その後ろって思ってました。(奥井が先頭だったのは)本当に理想で、奥井さんが来てちょっとビックリしました。(そのまま先行した奥井の掛かりは)いつも男子選手と練習させてもらってるんですけど、同じかそれ以上でした。本当にキツかったです。今年の失敗レースで(周りに)言われたことが、なんで後ろを確認しないのって言われてました。反省を踏まえて後ろを確認しなきゃって思いながらでした。バックで踏み出して並んだ時に3人(自分と奥井、梅川)のなかで一番練習してきた人が勝つって思った。練習をいっぱいしてきたから大丈夫って思いながら走りました。自分を信じてとしか考えてなかったです。(アルテミス賞は)やっぱり自分の力では出れないレースなので、お客さんとともに優勝できたって思いがすごく、また頑張ろうって気持ちになりました。(昨年3月の宇都宮のコレクション以来のビッグレース制覇で)久しぶりなんです。それもあって本当にうれしくて、ウルってなりました」
 周回中は最後方にいた石井貴子は、いったん追い上げて4番手に入る。2コーナー手前から踏み出して、結果的に石井寛のまくりにスイッチする形で流れ込んだ。
 「初手は焦って7番手になって、中団にいないとなって。奥井選手がスタートを取って、梅川選手との間からレースを組み立てないとって。いろんなものが足りないなかで悩みましたけど、4番手ではいけないって、西武園はまくりが利きづらい。けど、最後まであきらめない気持ちで踏めるところまで行こうと」
 好スピードでまくった梅川風子だったが、石井寛に合わされて直線では失速。ゴール前は内から石井貴に交わされた。
 「(石井貴と荒川に追い上げられたのは)嫌でしたけど、(かぶってしまうよりも)力を出したいと思った。でも、ちょっと引くのが遅かったですね。奥井さんがジャンからペースをつくっていたので、(最終)ホームでは行くスピードではなかったですね。あとは自分のタイミングでいったんですけど、もうワンテンポ早ければ良かった。スピード的には悪くなかったんですけどね。脚の感じも悪くなかったけど、仕掛けた位置がちょっとって感じでした。もうちょっとしっかり、(ゴールまでを)逆算して仕掛ければ良かったです」

<3日目11Rガールズドリームレース>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 児玉碧衣(写真)は、7年連続のファン投票1位。今年はすでに6月のGI、パールカップを制して、グランプリの出場権を獲得している。3度目のドリームレース制覇でファンの期待に応えたい。
 「(ファン投票1位で)今年はとくに怪我からのスタートで、お客さんの記憶に残るインパクトあるレースをしていない。それでも投票してくれるお客さんがいる。今回はGIを獲ってるんでグランプリの賞金とかあまり関係ないんですけど、そういう意味では今回はリラックスして臨めるかもしれない。やっぱり選んでいただいたからには優勝して、投票して良かったなって恩返しすることが一番だと思う。(前回からは)変わらず練習してケアしながらって感じですね。(仕上がりは)練習ももちろんタイム良かったんですけど、昨日マッサージを受けに行った。そしたらいつもマッサージしてくれる方がいるんですけど、その方からすごく筋肉の反応がいいよって。いい時の筋肉に近いねっていう風に言われたので、そこは自信もって走れるのかなって思います」
 世界選手権でイギリスからの帰国から日にちがない佐藤水菜は、3カ月以上ぶりのガールズケイリン。タイトなスケジュールだが、ドリームレース連覇がかかっている。
 「ここ最近はガールズケイリンも全然走れてないなか、(ファン投票)2位って結果はすごくうれしい。本当に今年も出走本数が少ないなか、たくさんの方々が応援してくれている。(世界選手権は)間の悪いことが今回は重なってしまった。すごく良くない結果で終わってしまったんですけど、とりあえず日本のポイント的にはオリンピック枠を取れてる位置なので、このまま継続してしっかりと頑張っていきたいと思います。帰国してすぐは休んだ。乗ろうと思ったんですけど、台風の影響で雨だったので自転車には乗らずに、ここまできました」