『第66回オールスター競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:8月18日

 西武園競輪場で開催されている夢の競演「第66回オールスター競輪(GI)」は、8月17日に3日目が行われた。ファン投票で選ばれた上位7人による「ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ」ガールズドリームレースは、7年連続でファン投票1位に輝いた児玉碧衣が、逃げ切りで3度目のドリームを制した。また、一次予選2では、脇本雄太、新山響平のS級S班、GI初出場の太田海也らが白星を挙げた。シリーズも後半に突入、8月18日の4日目には。2走のポイント合計の上位選手による「シャイニングスター賞」をメインに、二次予選で勝ち上がりが争われる。
 シリーズ開催中の毎日、抽選でオリジナルグッズが当たるスピードくじを先着400人様に配布。グルメ屋台、縁日ブース。また、18日には、とにかく明るい安村のお笑いライブ、名輪会のレジェンドトークライブなどのイベントも予定されています。西武園競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

ガールズドリームレース出場選手特別紹介
ガールズドリームレース出場選手特別紹介

ガールズドリーム レース経過

 号砲が鳴ると、少し見合ったスタートから大外の太田りゆが出たが、それを見た山原さくらが先頭に入った。初手は山原、太田、佐藤水菜、小林優香、児玉碧衣、久米詩、柳原真緒の並びで一度は落ち着いたものの、青板で柳原が内から児玉後位まで上昇すると、併走を嫌った久米が佐藤の横に追い上げて、その動きに小林も続く。佐藤は引いて、山原、太田、久米、小林、佐藤、児玉、柳原の態勢。
 赤板からしだいに太田が車間を切って後方を警戒。ジャン前からは佐藤も車間を空け、2センターから児玉が仕掛け出すと、その動きを見て佐藤もスパート。最終ホームで佐藤が先頭に立つも、ペースに入れた隙を見逃さなかった児玉が1センターで叩き切る。児玉の後位は叩かれた佐藤と児玉を追走の柳原で併走。太田が児玉の仕掛けを追いかけながらまくりを打つも、児玉のかかりがいい。後位のモツれを尻目に児玉が4コーナー先頭の形からそのまま押し切ってV。直線で外を鋭くまくり迫った太田が2着。併走をこらえた佐藤は3着まで。

<1R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 赤板過ぎは内から根田空史、島川将貴、中野慎詞のダッシュ勝負。島川が切ったところを中野が押さえて出て主導権。3番手は島川が確保するが、大塚健一郎は付け切れず、4、5番手に南関勢で打鐘を通過する。中野が落ち着いていったんペースを落とすと、7番手の吉田拓矢が2センターから仕掛ける。中野は吉田を引きつけて、持ち前のダッシュで最終ホーム手前から合わせて逃げる。吉田は3番手に降りて、島川をキメにかかる。6番手の根田が2コーナー手前からまくるが、菅田壱道(写真)が外にけん制。空いた内を吉田が突くも、菅田が追い込んだ。
 「中野は北日本の大事な先行選手なので、沈められないししっかり残そうと。ブロックしてすぐ内も締めながらでした。(中野と)お互いにやることをやってのワンツーなので、これ以上はないですね。2場所前から使っているフレームがいい。脚もセッティングもすべてがかみ合っています」
 さすがのダッシュ力を披露した中野慎詞が、別線をシャットアウトして2着に粘り込んだ。
 「昨日(一次予選1)は早くからハイペースになって、もたなかった。今日(3日目)は出れるかな、出れなかったらとか考えていたけど、出れるだろうと思って行った。自分のペースで落ち着いて走れた。完ぺきな仕上がりではないですけど、世界選手権に上げていったし、引き続きの調子です。鉄のフレーム、レースの感じも取り戻していけるので、良くなっていければ。1着、1着というよりも、目の前のレースで自分の力を出してどこまで勝ち上がれるか。上で強い人と戦うことで、いい経験になるし刺激になる。楽しみです」

<2R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 林大悟が押さえて出て、そこを渡邉一成が打鐘過ぎに叩く。しかしながら、取鳥雄吾の反応も早く、渡邉は岡山コンビを受けて、取鳥の先行で最終周回。深谷知広は一本棒の8番手。バックを過ぎで3コーナーからようやく深谷が仕掛けるも、取鳥の掛かりがいい。番手の岩津裕介(写真)が、ゴール前できっちりと交わした。
 「(取鳥の)得意の展開というか、自分たちにとっては理想的な展開になりました。打鐘前の(取鳥が)主導権を握るところのスピードとかは、(取鳥)雄吾にしかできない抜群のスピードだった。あれなら(渡邉は)来ても(最終)2コーナーくらいからだろうと。そこで雄吾も踏み直してくれたんで仕事がしやすかった。(調子は)変わってないけど、いい感じでレースに入れているかなと」
 赤板2コーナーでの渡邉の動きに反応した取鳥雄吾は、スムーズに流れに乗って主導権取り。逃げて岩津とのワンツーに、自然とほおを緩める。
 「(渡邉)一成さんが叩きに行ってくれた時点で、ここは行かなきゃと。まだお腹に力が入らないところもあるけど、昨日(2日目)1日空いてたんで助かりました。流れが向けばやれるかなって。しっかりと仕掛けられたんで、岩津さんのおかげです」

<3R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 赤板1コーナーで先頭に立った嘉永泰斗を吉田有希が押さえて、さらにそこを寺崎浩平(写真)が打鐘4コーナーで叩いて駆ける。3番手に入った吉田は車間を空けて、5番手に嘉永。嘉永が最終2コーナーからまくって出て、吉田は詰めながら合わせる。嘉永には苦しい流れになり、リズム良く風を切った寺崎が後続を振り切った。
 「もう先行しか考えていなかった。落ち着いてジャンからいけたらと思っていました。今回は久しぶりのレースで、スピード域的にも冷静に判断して自分のタイミングで2走とも行けている。1走目は最後もたなかったんですけど、セッティングだったり乗り方だったりを見直して後半が良くなりました。意識的に踏み過ぎないように回して、最後までバタつかないように。このメンバーで逃げ切れたのは、自信になりますね」
 ゴール線で寺崎にピタリと並んだ村上博幸は、タイヤ差の2着も近畿ワンツーに納得の顔。
 「とりあえず前以外からっていう感じだった。前の動きは把握していたんですけど、一番のテーマは追走すること。ピッチが上がったんで、僕的にも苦しい展開になりました。しっかり追走することはできたんですけど、脚力的な問題で走る前から平常心じゃなかった。(最終)2センターはすごくキツかったので、横に並べる感じじゃなかった。けど、あそこまで迫れているので」

<4R>

宿口陽一選手
宿口陽一選手
 山口拳矢の上昇を阻んだ森田優弥は、南関コンビを受ける。青野将大が主導権を握って最終周回へ。5番手に松本貴治で、山口は8番手からの立て直しを余儀なくされる。3番手でタイミングを取った森田は、2コーナー手前から踏み込んで逃げる青野をまくりでとらえる。続いた宿口陽一(写真)が、早めの追い込みで1着。
 「山口君を突っ張ってキツいと思ったが、引いてすかさず行ってくれて強いなと思った。脚を使って苦しいと思ったが、森田君の気迫一本。青野君の番手が岩本(俊介)君だったけど、すんなりのみ込めて安心していた。真後ろの松本君にこられたら、行くしかないと。早いかもしれないけど、ちょっとシビアに。今回はセッティングと練習で自信をもっていたつもりが、1走目がダメで見直した。結果、森田君のおかげではあるけど、元のポジションに戻した」
 赤板過ぎに森田の突っ張りで浮いた山口拳矢は、打鐘4コーナー辺りで8番手に下げて態勢を整える。最終バックではまだ前との車間が空いた8番手も、そこから外をシャープに追い込んだ。
 「赤板のところは抵抗されると思ったけど、思ったよりも絶対出さないという感じで中途半端になった。余裕はあったので、(最終)ホームでいけたら良かったんですけど。後輪が飛びながらでしたが、意外と進んだ。1着まで届いたかなって、いうくらいいけた」

<5R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 前受けから畑段嵐士を突っ張った眞杉匠(写真)を、赤板2コーナーから山降ろしで仕掛けた山崎賢人が叩いて主導権。眞杉は山崎ライン3車を受けて4番手で間合いを取り、インを押し上げた畑段が眞杉後位の神山拓弥と最終ホームで併走になる。車間を詰める勢いでまくった眞杉は、橋本強のブロックで失速。立て直して再度、踏み込んで、神山が追いかける。押し切り図る山崎を直線半ばで眞杉がとらえた。
 「理想は中団でしたね。終始、重かった。(前だったので)突っ張り切って、中団で併走させられたらと思ったけど。それもできなくて不甲斐なかった。踏んだ感じは良かったけど、前とのタイミングが同じくらいだった。そのあとも(まくりを)橋本(強)さんに止められて、あれでだいぶ失速した。自分だけになってしまった。自分のレースで勝ててないんで、ちょっと(調子が)わからないです」
 仕掛けどころを逃すことなく主導権を握った山崎賢人は、眞杉のまくりには屈したが積極策で粘り込んだ。
 「踏んだ感じは悪くないけど、ちょっとバタバタしてますね。キツかったです。最後はいっぱいで重かったです。(世界選手権には行ってないので)時差ボケはないんで。しっかりと練習してきたんで体はいいと思います」

<6R>

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 大石剣士が犬伏湧也(写真)を警戒しながら外に併せ込むと、前で構えた伊藤颯馬は誘導を交わしてペースを上げる。大石が中団に入り、犬伏は7番手まで下げる。赤板2コーナーで大石が仕掛けるが、伊藤が突っ張りそのまま逃げる。犬伏は前団の様子をうかがい、打鐘4コーナーでスパート。犬伏の加速に後ろは離れる。山田庸平が外に張るがスピードの違いで乗り越えた犬伏が、最終2コーナーでまくり切って後続をちぎった。
 「(初手で)中団が一番いらなかったんで、一番嫌な位置になりましたね。大石君がそのまま叩いて出切ってくれれば、追い掛けていってと思ったんですけど突っ張られた。ひと呼吸入れて(最終)ホームからカマしていければいいかなって。前が掛かっていたので勢いは良くなかったですけど、山田さんのけん制は乗り越えられた。落ち着いて見えてました。ラインで決まらなかったのは申し訳なかったです。けど、出切ってからは流して、ゴールまで踏めたと思います」
 犬伏が1人でまくって、逃げた伊藤が離れながら追いかける。山田庸平はギリギリまで待ってから追い込んで2着。
 「(犬伏には)スピード的にも外を踏まれていたんで厳しいかなと。2番手、3番手で対処しようかなって思ったんですけど、なんとか(伊藤を)迎え入れることができました。今日(3日目)の方が余裕があって感覚的にも良かったですね」

<7R>

新山響平選手
新山響平選手
 佐藤友和がスタートで飛び出して、3車の北日本勢が前団に構える。新山響平(写真)は、伊藤旭を赤板過ぎに突っ張り主導権を譲らない。4番手が谷口遼平と伊藤の併走になり打鐘を迎える。緩んだ最終ホーム手前で外併走から伊藤が踏み上げるが、3番手の佐藤にさばかれ後退。再び4番手が重なってバックを通過する。後方の和田真久留は動けず、谷口がインを突く。快調に駆けた新山を脅かすまでに別線は至らず、新山がそのまま押し切った。
 「前を取れれば突っ張りでと。谷口君の位置がどこになるかで展開が変わるので、僕の(ラインの)後ろで良かった。脚を使わないで、ペースで行けた。来たらまた踏む準備をしていた。初日に脇本(雄太)さんを突っ張ったあとにまくられて2着までいかれたので悔しかった。脇本さんが(1回踏み)やめたあとのタイミングや、周りを確認できれば良かった。前検日にセッティングをいじったのが良かったです」
 味方ながらも新山のスピードに戦々恐々だった永澤剛は、流れ込みをこう振り返る。
 「走る前から緊張していた。初日(の新山のレース)を見たら、(自分は)ダッシュに難があるので、怖かったですね。なにもしていないし、連れていってもらった。(新山は)バイクでした。(離れると)お客さんにもラインにも迷惑を掛けてしまう。ラインのおかげで助かりました」

<8R>

太田海也選手
太田海也選手
 赤板1センター過ぎに切った小松崎大地に、太田海也(写真)が襲い掛かる。太田、清水裕友で出切り、3番手の大川龍二は連結を外す。清水に山田雄大が続くと、それを察知した小松崎が打鐘3コーナーで3番手に飛び付く。北日本、関東勢で3、4番手が併走になり最終ホームを通過する。7番手の松岡辰泰は仕掛けられず、太田のペース。清水をタイヤ差で退けた太田が、逃げ切りでGI初勝利を飾った。
 「展開的に自分の方にいいように向いてくれた。ただ、ラインにいっぱい仕事をさせてしまった。もっとハイピッチにできたのかなっていうのがあります。今回はうまくハマったけど、もっともっと自分の判断力を磨いていかないと。昨日(一次予選1)山田庸平さんと連係させてもらって、ゴール前が弱いなって感じた。そこは意識しました。GI初勝利の実感はないけど、これを自信につなげられるように」
 前回の落車の影響が感覚的に少なからずあった清水裕友は、絶好の展開も太田を差せずの2着。
 「太田君が強かったですね。3番手は小松崎さんと山田君の併走はわかってたんで、内を空けずにいた。山田君が仕掛けて来た時にどうするかだったけど、なにもする必要がなかった、(太田は)ゴールまで伸びていったし、踏み直しがすごくて合わされました。(前回の)落車の影響はそこまでないけど、ズレがあるのかもしれない。今日(3日目)も抜きにいくタイミングが遅かった」

<9R>

和田圭選手
和田圭選手
 中団から小原佑太が、強烈なダッシュで赤板過ぎに飛び出す。中国勢が外に浮いて、隅田洋介が内に降りたところで松井宏佑と接触。打鐘手前で隅田、松井、郡司浩平の3人が落車に見舞われる。北日本勢がそのまま主導権で、4番手に山根将太、池田良、岡村潤の隊列。最終2コーナーからまくった山根は不発。逃げる小原が先頭で直線に入り、番手から差し脚を伸ばした和田圭(写真)が一次予選を連勝。
 「松井君と郡司君のラインが強烈なので、山根君ラインの出方次第でしたけど松井君を後方に置こうと思って進めていました。小原君も先行というよりインを切って出させてもっていう感じでしたけど、山根君が来るのが遅かったのでスイッチが入りましたね。(最終バック付近から)山根君がまくって来ているのは見えたんですけど、またそこでガチャンっていった。このメンバーで1着を取れたのはたまたまですね」
 先行の腹を固めて風を切った小原佑太は、結果的にアクシデントに巻き込まれず2着でポイントを加算。二次予選に進んだ。
 「山根君が(松井にフタをせず)そのままきてブン回して、隅田さんが番手発進かなって。そうなったら最終バックで(後方からまくってくる)松井君さんと踏み合ってどうなるかって思っていました。けど、山根君が遅かったので突っ張ってって(先行の)腹はくくっていました。誰が転んだのかは把握できていなかった。感覚はあまり良くない。ずっとカーボンに乗っていたので、ポジションだったり踏み方がマッチしていない感じです」

<10R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)を7番手に置いて、町田太我は赤板1センターで先頭に立ち先行態勢を取る。高橋晋也が3番手、山岸佳太が5番手の一本棒で打鐘を通過する。町田もペースを上げるが、最終ホーム手前で脇本は仕掛ける。町田の掛かりも悪くないが、さすがの加速を見せた脇本が2センターで並びかける。あっという間に別線を置き去りにして、力の違いで脇本が1着。
 「後ろ中団だったので、引いてから勝負と。町田君の誘いに乗らないでおこうと。ピッチが早くなって対応が遅くなったけど、(最終ホーム手前の)そこを思いっきり行くだけだった。(スピードの乗りは)悪くないですね」
 脇本に付け切り直線勝負に持ち込んだ山田久徳は、半車身差が現状だと痛感する。
 「いつも通りに全部、(脇本に)任せていた。あんまり反省点もなく付いていけました。最後にもうちょっと詰められたらいいけど、それが脚の差。(状態は)人の後ろなのでよくわからないけど、レースはしっかりと走れている」

<11R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 周回中は5番手からレースを進めた児玉碧衣(写真)は、久米詩、小林優香が追い上げて赤板では6番手。前には佐藤水菜を見る形になったが、自分の走りに集中して仕掛けどころをうかがった。
 「これまで負けていたのは、サトミナ(佐藤水菜)を意識しすぎて、自分のレースをできなかったのが敗因だと思う。だから、ほかの人の動きより、行くべきところで行かないとって」
 打鐘3コーナーで児玉が踏み出すと、それに呼応して佐藤も動く。冷静に佐藤を送り出した児玉は、佐藤が出切った最終ホームで間髪を入れずにその上を仕掛けた。
 「いままでの自分だと、サトミナを意識してホームで休んでいた。3月のウィナーズカップで(佐藤に)遊ばれてしまったっていうのが、(脳裏に)あって自分でいかないとって。(ゴールして1着なのは)全然わからなかった。抜かれたと思って手を上げなかったけど、ガッツポーズをすれば良かったですね」
 迷わず自然体で踏み込んだ児玉は、最終2コーナー手前で出切る。後位が佐藤と児玉を追走した柳原真緒で併走。今度は満を持して地元の太田りゆが、まくりを打つ。直線で外を迫る太田を4分の1輪、振り切った児玉が3度目のドリームレース制覇を遂げた。
 「(昨年末のグランプリの落車で)怪我をしている時は辛かったし、トップで走るのは無理という不安もあった。けど、この調子に戻って、体の使い方とか成長するために必要だったことかなって。もちろん落車はない方がいいんですけど。そのおかげでパールカップ、(ここの)オールスターを獲れた。その時期はあるから、いまの姿があるのかも。ファンの投票でしか走れない舞台。ほかのレースと違って、投票してくれた方に恩返しをしたいと。良かったと思ってもらえるレース内容だったと思う。まだまだトップでいられる姿を見せられたかなと」
 5番手から前団を目標にするようにまくった太田りゆが、児玉を追い詰めるが届かずの2着。バースデー勝利はならずも、地元でファンの期待を裏切らない走りを見せた。
 「7番車だったので自分で前の方を取りに行かないと、誰も入れてくれなくて併走になるのが嫌だった。山原(さくら)さんが前に来てくれたので一番いい形になりました。思っていたよりも展開が早かったんですけど、落ち着いて勝ちに行こうと思っていた。自分のまくりを放てるタイミングになったら行こうと。いままで走ったビッグのなかで一番いいレースができたと思います。自分の得意なまくりを出そうと思っていたので、外々を踏んでいくのは予想していた。最後は差したかなって思うくらいの声援だった。地元でしたし誕生日で、たくさんの応援していただいた」
 柳原との併走で最後の直線でも行き場を失った佐藤水菜は、直線半ばで内を踏んで3着。
 「(世界選手権から帰ってきて)1週間近く自転車に乗らず、このレースに挑んだんですけど(状態的には)問題はなかったです。無理をせずに勝ち行こうと思って、自分の力を見誤った感じですね。児玉さんもうまかったですけど、柳原(真緒)さんも強い選手ですしミスがなかった。児玉さんが後ろに入ったのもわかりました。出切って流して番手に入ってと思ったんですけど、柳原さんも併走が強かったですし隙がなかった。最後は危なかったですけど、お互い負けられない位置だった」