『第67回オールスター競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:8月13日

 今年は平塚競輪場で夢の競演。6日制のナイターシリーズで「第67回オールスター競輪(GI)」が、8月13日に熱戦の火ぶたが切って落とされる。昨年はオールスターで眞杉匠が初戴冠。新たなスターの誕生に沸いたが、今年は果たして。初めてファン投票1位に輝いた古性優作をはじめ、S級S班9人の全員がそろった。また、パリ五輪から帰国してタイトなスケジュールながらも太田海也、小原佑太が参戦とあっては見逃せない。ガールケイリンは単発だった昨年までと変わり、「女子オールスター競輪」として3日制になった。初日、2日目のポイントで勝ち上がりが争われる。また、地元の北井佑季も選ばれたトップナインによる「ドリームレース」、五輪戦士2人が出場する「ガールズドリームレース」は、初日に号砲が鳴らされる。選手たちはファンの声援を力に変えて、今年も夢の舞台は熱く盛り上がる。前検日の8月12日には、輪界を代表する選手たちが顔をそろえて、ナイターシリーズでの激戦に備えて入念な調整を行った。
 シリーズ開催中の毎日、オールスターオリジナルうちわを先着300人に配布。豪華な景品が当たる未確定車券抽選会、イルミネーション、オリジナルクラフトビールの販売、選手会神奈川支部ブース、ウィンディくんふわふわ、「KEIRIN 4D」体験、HPCJCブースなどがあります。また、8月13日のシリーズ初日には、「ぼる塾」、「スカチャン」のお笑いステージ、「リンカイ!」の声優トークショーなども予定されています。平塚競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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石井貴子選手
石井貴子選手
 前回の福井を3連勝の完全V。決勝では踏み合いを制して押し切った石井貴子(写真)が、6月のGI、パールカップ制覇以来の優勝で今シリーズに弾みをつけた。
 「前回はしっかりと自分で仕掛けるポイントで動けたかなと。なんとかやり切れて良かったです。(そのあとは)いつも通りですね。暑い日が多いのでダメージがたまらないように、気をつけながら普段通りにトレーニングをしてきました。レースを走らないとわからないけど、(コンディションは)問題なさそうな気がします」
 坂口楓華は、前回のガールズケイリンフェスティバル124着から1カ月近く空いたローテーション。今年はここまで14Vと優勝を量産していて、3月のガールズコレクションに次ぐビッグタイトルが欲しいところだろう。
 「(高松は)左の方に腰痛があったんで、休んで様子を見ました。原因がわかったんでゆっくりできた。(練習は)あんまり強度を上げてないので、本当の調子がいい時と比べるとまだ足りない感じがします。ただ、1カ月近く休ませてもらったのが大きい。ワクワクした気持ちで入ってきたので、レースを楽しめるかなと」

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成田和也選手
成田和也選手
 一次予選1は、同県の高橋晋也とのタッグ。前回の別府記念は8481着で最終日に白星を挙げた成田和也(写真)だが、納得の動きではなかったようだ。
 「(別府のあとの岸和田は)少し腰痛があったので、オールスターに向けて欠場させてもらいました。(別府は)動き自体はいまひとつだったかなって思います。多少、疲れが出たかなと。そのあとはしっかりと練習をしてきました。1週間くらいはやってきたんで大丈夫だと思います」
 前々回のサマーナイトフェスティバルでは794着と一息だった吉田有希は、続く別府記念を4152着で2連対。二次予選はロングまくりで、松浦悠士らを退けた。
 「(先行している)こっちの方が楽なんで。自分のスタイルで走っている方が楽ですし、乗れている感覚もある。でも、まだ脚は点数通りだと思います。スピード練習もやっているし、暑いなかでも練習メニューをこなせている。飯も食えているんで夏バテとかはないです。(一次予選1は)(高橋)晋也さんが仕上がっているんでなんとも言えないけど、戦いやすいメンバーではあると思います。僕はやることが決まっているんで、あとは仕掛けどころを逃さなければ」

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小原太樹選手
小原太樹選手
 小原太樹(写真)は、前回の大宮FIの決勝で落車の憂き目。松戸記念を欠場して、2週間以上空いたローテーションでの地元の大舞台。一次予選1は弟子の青野将大の番手で、息の合った連係を見せたい。
 「(落車の怪我は)左半身の打撲と擦過傷ですね。回復に専念するのに松戸を欠場して、わりと回復ができたかなと。調子が上がっているかなっていうのがあったんですけど、落車しちゃったんで1走してみないとですね。(地元っていうのを)とくに意識せずに、いつも通りいきたいなって思っています。青野君にすべて任せて、自分は迷惑を掛けないように」
 河端朋之はピスト6への参戦もあり、前回の岐阜FIの227着から2週間以上空いた。9車立ても6月の高松宮記念杯以来、久々になる。
 「7月の岐阜が終わってからピスト6を2本走りました。前回のピスト6が終わってから、ここまで約1週間ぐらいだったので練習しながら調整をしてきました。ピスト6は44連勝中みたいですけど、競輪とは別モノなので。脚は悪くないとは思いますけど。腰の痛みもでていなくて練習できているので、不安はなく走れると思います」

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稲川翔選手
稲川翔選手
 前回の福井記念を5323着。準決を除いて3度、脇本雄太の後ろを回った稲川翔(写真)は、脇本が完全Vにもかかわらず、ワンツーは一度もなく課題を残した。
 「(前回は)率直にこのままじゃダメだなって。(脇本と)連結を外してますし、どうにかしないとなって。(そのあとの豊橋FIを腰痛で欠場したので)治療しながら、後半は痛みも気にせずしっかりとモガけるようになった。なんとか自分のやりたいようなことが、比較的早くここに向けて計画通りにできた。あとはどれだけレースで出せるかですね」
 3月のウィナーズカップから9場所を消化した志田龍星は、5月の小田原FIを除いて8場所がグレードレース。4月の川崎記念以降、勝ち星は遠ざかっているが、9車立てでの組み立ては体に染みついている。
 「(3週間以上)配分が空いたんで、しっかり練習してきました。追加の依頼も結構、来たんですけど、全部断りました。このあとに富山記念もあるんで、いいタイミングだなと。練習の内容自体はいつも通りです。ビッグは走ってるけど、手応えはないです。すごいメンバーですし、力を出し切れるように」

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和田健太郎選手
和田健太郎選手
 前回の松戸記念を7133着。決勝は4車で結束した南関勢が分断されたものの、シンガリを固めた和田健太郎(写真)がラインでは最先着の3着。
 「毎年この時期は良くないけど、(前回は)暑いなかにしては地元ってこともあって調整がうまくいったかなって思います。(決勝は)岩本(俊介)がああいう形になって無理やり仕掛けてくれた。自分としては最低限度の着が取れたかと。(そのあとは)特段、変わったこともないし、体調も変わってない」
 東口善朋は、前回の岸和田FIを65着で最終日は欠場。リズムを崩しての大一番だが、ベテランだけに心配はないだろう。
 「岸和田は(最終日を)腰痛で休みましたけど、もう問題ないです。そこからあまり時間がなかったんで、とくべつなことはしてないです。けど、整えてきました。(岸和田は)セッティングを変えていったんですけど、自分が思ってたような進み方じゃなくて、まだ感覚がかみ合ってない感じだった。そこからまたいじってきたけど、GIのここでセッティングをジタバタ変えてもしょうがないんで微調整程度です。そこの感覚はまだかみ合ってないけど、気持ちでカバーします」

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小倉竜二選手
小倉竜二選手
 5月の函館記念、6月の高松宮記念杯と2度の落車に見舞われた小倉竜二(写真)は、満身創いのなかで7月の地元、小松島記念を8223着。続くサマーナイトフェスティバルもなんとかこなしたが、無理がたたってその影響は少なくなかった。
 「岸和田(高松宮記念杯)で骨折して、無理に2場所を走って、そのダメージが出た。全身ギックリが出て、(そのあとの熊本は)休みました。(サマーナイトフェスティバルは)気力で走って、着はそんなに良くなかったけど完走でした。(そのあとは)ケアを中心にやって、後半はバンクに乗って仕上げた。けど、暑さのせいか思ったよりスピードが出てなくて、疲れも残ったかなと」
 町田太我は、前回のサマーナイトフェスティバルを936着。その後は玉野FIを欠場して、3週間以上空いたローテーションで今シリーズを迎える。
 「サマーナイトフェスティバルが終わってから、副鼻腔炎の手術をしました。手術が終わって当日には帰れたんですど、1週間くらいはキツかったですね。少し休んでから練習してきました。平塚は1着を取れているし相性はいいと思います」

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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 前回の地元、松戸記念では一度もラインの先頭で戦う機会がなかった岩本俊介(写真)が、久々の自力でGIの一次予選をスタートさせる。
 「(前回は)番手とか3番手だったんで自力での調子はつかめなかったけど、それなりに走れているのかなと。(前回の決勝は)最悪、自分で仕掛けないとって思っていたけど、ちょっとうまくいかなかった。練習の感じはまったく変えてない。しっかりと質と量を積めているんで、まったく問題ない」
 6月の高松宮記念杯のあとは4場所続けてFIシリーズをこなした野田源一。すべて決勝に進出して、優勝、準Vが一度に3着が2回と成績をまとめている。
 「高松宮記念杯では2回確定板には入れましたし、そのあとはFIですけどコンスタントに結果を出して点数は上げてこられたと思います。脚自体は悪くはないですけど、自分で位置を取ってしっかりまくれているかと言われればまだだと思う。流れに乗ってのまくり追い込みだったり、スピードをもらっての追い込みが多い。(一次予選1は)1番車ですし欲しい位置は取れると思うので考えて走りたい」

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南修二選手
南修二選手
 5月の日本選手権のあとは復帰場所の高松宮記念杯で優出の南修二(写真)だが、その後のFIシリーズ2場所を含めて、まだ勝ち星がない。
 「前回(玉野FIを453着)はあんまり良くなかったと思います。単純に脚力がなかった。(そのあとは)やりたいことができたんで、戦える状態には仕上げてきたつもりです」
 番手が離れて展開にも泣かされた二次予選は5着。前回の松戸記念では3日以降を欠場した寺崎浩平は、不安と期待が入り混じったように口を開く。
 「前回の松戸記念は(その前の)地元記念の疲れが出たのか、あまり良くなかったですね。帰ってから練習はしっかりとしてきました。でも、今回はフロントフォークが壊れてしまって、新しいフロントフォークを使うので不安もあるんですけど、うまくかみ合ってくれれば」

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和田真久留選手
和田真久留選手
 ホームバンクでGIを迎える和田真久留(写真)は、前回の平塚FIを114着。決勝は打鐘からの先行策で4着も、ラインでのワンツーをメイクした。その後は玉野FIを欠場して、再びホームバンクに戻ってきた。
 「(平塚の決勝は)地元3車でしたし、自分では勝てると思って踏んだんですけど。残れなかったのは残念でした。(そのあとも)なんとか体調を崩さず、怪我もせずに過ごせました。支部での合宿もやって、いい状態でこられました」
 松井宏佑は前回のサマーナイトフェスティバルを298着。2日目、最終日は大きい着順が並んだが、最終日は地元の岩本俊介の1着に貢献した。
 「(別府記念を腰痛で休んでいるが)状態は悪くはないと思います。川崎へ行ったり、平塚で合宿をしたりして仕上げてきました。地元のビッグですけど、勝ちにこだわりすぎることなく、しっかりと踏み込むべきところから迷わず踏み込んでいけるように」

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阿部将大選手
阿部将大選手
 阿部将大(写真)は、前回の地元、別府記念を4連勝の完全V。2走目からすべて番手だったが、その落ち着きはらった立ち回りはS級S班も脱帽するものだった。
 「(別府は)もちろん優勝を目指していたけど、まさか優勝できるとは。目標がいたけど、それでも連勝ができたんで良かった。(そのあとは)しっかりと練習ができたんで問題ない。最近、(練習で)バイク誘導を始めてからスピードがついたなって感じます」
 3場所前の奈良FIでV奪取の山岸佳太は、続く福井記念でもまずまずの戦績を残した。が、前回の松戸記念は、3日目以降の欠場を余儀なくされた。
 「前回の松戸は熱中症になってしまって欠場しました。帰ってからは少し休んでからしっかりと練習しました。今回は繰り上がりなので、ここに向けてというよりは共同通信社杯に向けてやっていこうと思っていた感じです。9車立てですし、立ち遅れないように。しっかりと力を出し切れるように頑張りたい」

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児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 児玉碧衣(写真)は、8年連続のファン投票1位。不動の人気を誇っている児玉は、4月のオールガールズクラシックでのGI制覇とコンディションを比較しながら、こうコメントする。
 「(川崎を)腰痛で欠場しました。(ここまでは)ケアを中心的にやってきて、そこから良くなったので刺激入れる練習をしてきました。(今年)一番のデキは久留米のGIかな。あれがピークだとしたら。練習の感じで言えば久留米と比べれば8割くらいかなって感じがしますね。(8年連続でファン投票1位は)本当に光栄ですし、去年、(ドリームを)優勝できてるので今年もいいイメージでしっかり優勝を狙って、自分に投票してくれたお客さんに恩返しができたらと思います」
 ここ2場所は未勝利の日野未来だが、動き自体は悲観することなく今シリーズに向けて仕上げてきた。プラスアルファも見込めそうで、まずはドリームで高ポイントを獲得したい。
 「(前回の川崎は)オールスター前だったんですけど、いつもと同じように自分の力を発揮できるように、自力でレースを組み立てた。結果的には差されてしまった3日間だったんですけど、いいレースはできてて感触も良かった。やりたいことはできたけど、粘り脚がちょっと足りないなというイメージはありました。(そのあとは)最近のなかでも、いままでで一番いい(調子の)上積みはありました。(練習は)トップスピードを強化する練習をしてきました。今シリーズは出し惜しみすることなく、自分の力を出し切って1年間の総決算として走りたいなと思っています」
 前回の高松を完全V。久米詩は手ごたえを感じながら、地元地区での大舞台を迎える。
 「(前回の高松は)ガールズケイリンフェスティバルから徐々に調子が上がっていって、前回もすごい脚の状態も良かった。(前回から上積みも)そうですね、ハイ。(ファン投票で出場が決まって)本当にこういう大きい舞台で走らせてもらう機会をいただけて、まず選ばれたときから感謝の気持ちをもって走りたい」

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古性優作選手
古性優作選手
 初のファン投票1位に輝いた古性優作(写真)は、前回の別府記念を6113着。準決、決勝は後輩の中釜章成に託しての番手回り。厳しい流れになった決勝をふまえても納得のデキとは言えなかったようだ。
 「(ファン投票1位は)めちゃくちゃうれしい。自分はリップサービスするタイプでもないですし、派手なレースができるわけでもない。自分の競輪を評価していただいて、すごくうれしいです。今年は情けない結果しか出せていないので、しっかりここから挽回していけるように。(前回は)初日良くなくて、3日目はまだ一番マシだったんですけど、最終日にまた良くなくなっちゃいましたね。高松宮記念杯に比べたら半分以下って感じだった。今回はなんとか良くなってて欲しい」
 清水裕友は、前回の松戸記念で今年3度目のGIII制覇。獲得賞金ランクでも4位につけて、苦手だった夏場も克服しつつあるのは別線にとっても大きな脅威になろう。
 「(前回は)わりと状態的には良かったなと思います。(暑さ対策は)去年からもそうなんですけど、いろいろ暑くなったことを考えながらですね。松戸はアップとかやったことがかみ合ったかなという感覚はあった。(優勝できて)負けてくるよりは気持ち的にはいいんで、そういう意味では苦手な夏場ですし、わりといい感触で入れるかなと思います。(そのあとは)2日ほど玉野競輪場に行かせてもらって、玉野の若手選手とか(取鳥)雄吾とか山口の若手とか一緒にモガいていい刺激を受けてきました」
 6月の高松宮記念杯でタイトルホルダーの仲間入りを果たした北井佑季が、S級S班以外ではただ一人ドリームに選出。地元ファンの期待も当然ながら膨らむ。
 「(前回の熊本FIの212着は)自分なりにしっかり力出すレースを3日間を通してできたかなと思います。(そのあとは)期間が比較的空いた分、ここに向けてしっかり練習できました。いい状態でこられているのかなと思います。(ホームバンクでのGIは)普段、練習で使ってるバンクで走りやすさもあるんで有利に働く部分は多いとは思うんですけど、普段と変わらずに自分のレースをしたい」