『第51回オールスター競輪(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:9月10日


 第51回オールスター競輪が明日11日から5日間に渡って開催される。暮れのグランプリに向けて残されたGIもあと2つ。一宮競輪場を舞台に、白熱のV争いが繰り広げられる。前検日の今日は全国各地から総勢162名のトップレーサーが集結。初日はファン投票上位9選手によるドリームレースをメインに行われる。
 開催中はファンサービス、イベントも盛りだくさん。初日は先着一般入場者2000名様にオリジナルタオルを進呈。場内ステージでは伊藤克信氏による予想会やLOVE9によるミニライブが予定されています。ぜひ、この機会に一宮競輪場へお越しください。


<1R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
   オープニングレースは北京五輪に出場した渡邉一成(写真)に注目が集まる。久々の実戦だけに、レース勘が心配される。
 「帰国してから練習はあまりできていないし、何とも言えませんね。有坂(直樹)さんに作戦を考えてもらうけど、先行するしかないかな。でも、長い距離を踏めるかどうか…。とにかく全力を出し切るレースをします」
 南修二も1カ月半ぶりの実戦となるが、渡邉とは対照的に明るい表情。
 「失格によるあっせん停止で休んでいましたが、たっぷり練習はできました。その前は落車の影響もあって、あまり練習できていなかったし、だいぶいい時の状態に近づいたと思います。GIだから何でもやって勝ちにいく競走をします」


<2R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   2レースの渡部哲男(写真)は8月の地元松山Sで完全V。続く前回の四日市記念でも危なげなく優出するなど、引き続き好調をキープしている。
 「最近はいいリズムで走れているし、体調も上がってきました。四日市の後も特別なことはしていないけど、しっかり練習はできました。一宮は比較的、相性のいいバンク。朝の早い時間のレースなので、しっかり準備して走りたい」
 連係する香川雄介は「1カ月近く空いたけど、ただ配分がなかっただけ。しっかり練習はできたし、体調は悪くないと思います。明日は哲男がいるからしっかり付いていくだけ」と気を引き締める。


<3R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   3レースの石毛克幸(写真)は今ひとつ波に乗れない状況が続いている。
 「先月は暑さで練習の疲れが一気に出て、ちょっと成績を落としてしまいましたね。でも、前回の花月園の後は少し涼しくなったし、体調もだいぶ良くなりました。いい状態でGIを迎えられたと思います。一宮は少し重たいイメージ。簡単には勝たせてもらえないので、作戦を明日までに良く考えて走ります」
 中村浩士は8月の地元松戸記念で完全V。前回のふるさと福井は未勝利に終わったが、最終日は激しい競り合いを凌いで2着に入った。
 「最終日の2着は大きかったですね。自信になりました。みんな練習仲間が強くて充実した練習ができています。福井の後も街道でしっかりメニューをこなしてきたし、いい状態で来れたと思います」


<4R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
  4レースの桐山敬太郎(写真)はふるさと福井の一次予選で番手をさばいて快勝。特別戦線でも通用する力を身に付けてきた。
 「今回も展開次第で飛び付いたりすることも頭のスミには入れておきます。福井の後は中村浩士さんや山崎芳仁さんのところへ出稽古に行ってきました。状態的には上がっていると思うので、いい成績が残せるように頑張ります」
 長塚智広はふるさと福井で2勝をマーク。レース勘は完全に戻っている。
 「復帰戦で2勝できたのは大きかったし、自信になりました。終わってからは後閑(信一)さんと合宿に行ったりして練習はバッチリです」


<5R>
後閑信一選手
後閑信一選手
  5レースの後閑信一(写真)は骨折の影響でまだ本調子ではないが、状態は少しずつ上がっている。
 「前回はまだ踏んでも体重が乗らない状態でした。準決勝もいい状態なら3着までに入れていた。終わってから平原(康多)とかを呼んで、バンクでもがいてきたし、前回よりはいいと思います。練習した成果がどれぐらい出てくれるかですね」
 藤田竜矢は4回転ギアを封印し、使い慣れた3・71のギアに戻して戦う。
 「4倍のギアを何回か試したけど、自分の脚質には合わないし、もう使わないと思います。ふるさと福井の前に風邪を引いてしまい、ここ2場所はダメだったけど、もう調子は戻りました。GIは初めてですが、いつもの競走スタイルで頑張ります」


<6R>
伊藤正樹選手
伊藤正樹選手
   6レースには地元勢の先陣を切って伊藤正樹(写真)が登場する。
 「地元開催だし、気合の入り方が違いますよ。ここでは今年、優勝もしているし、バンクも熟知しているだけに戦いやすいけど、気は抜けない。初日から勝負ですからね」
 三宅達也は気分良く今開催に臨む。
 「前回、地元(玉野)で初めて優勝したんです。FⅠ戦だったけど、嬉しかったですね。ずっと勝ちたいと思っていましたから。気持ちも乗っているし、良い状態でここを迎えられました」
 山田敦也は落車や失格が重なるなど御難が続いていたが、前回の9月地元戦では122着と好走。少しずつ回復の兆しを見せている。
 「最近、ようやく流れが向いてきましたね。前回の開催が終わってから、そのまま函館で佐藤(友和)と2日間たっぷり乗り込みました。良い刺激になったし、ここに向けて万全の練習ができたと思います」


<7R>
新田康仁選手
新田康仁選手
  7レースの前田拓也は、前回の向日町記念では2322着と奮闘。日に日に調子を上げているイメージがある。
 「向日町が終わってからはここへ向けてって練習は特にしていないけど、GI戦だし気持ちの入り方は違いますよね。ポイント制だし、そこを意識しながら走りたい。これから中村(一将)とじっくり作戦を練ります」
 新田康仁(写真)は、今年ここまで大崩れが無く、戦績は高いレベルで安定している。特に高松宮杯決勝2着、そして四日市SNF制覇と、ビッグ戦線での集中力は素晴らしい。
 「福井のふるさとを終えてからは普段どおりの練習で。休養も取ったし、自分の思い描いた通りに仕上げられました。タイトルは欲しいけど、意識したら競走が変になっちゃうから、そこはあまり考えず、あくまで自然体でやります」
 紫原政文は野田源一に全てをゆだねる。
 「最近は流れが悪い。展開が向くのを待っているけど、これからも大きなレースが続くし、もうそんな悠長な事も言っていられないですね。今はとにかく勝ちを意識して走ります」


<8R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   8レースは地元コンビが人気を集めそう。吉田敏洋(写真)は「8月末には愛知と岐阜で、そして直前にはここでと、合宿をしっかりやってきた。根詰めすぎてオーバーワークが怖かったほど。今年はずっとここに照準を絞ってきただけに、気持ちの入り方は誰にも負けていないつもり」と強気なコメント。一丸安貴も「(地元)ホームで頑張らなくて、どこで頑張ればいいの、ってくらいの気持ち。やるしかないでしょう」とボルテージは高まっている。
 武井大介は、前回のふるさと福井で優参を果たすなど、戦績は上々だ。
 「ほど良く間隔も空いたし、しっかり練習してきました。ただ、地元バンクが改修中で使えなかったりと問題もあったけど、そのぶん別メニューをしっかりとこなせたし大丈夫でしょう」


<9R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   9レースからは静岡コンビをピックアップ。石橋慎太郎(写真)は3週間近く配分が空き、リフレッシュができた様子。
 「前回の四日市記念を終えてからは、何日か休んで疲れを取ってきました。それまで配分が結構続いていてキツかったんですよね。休んだぶん、練習でも身体の動きは良いです。明日、全力でもがいて実戦でその感触を確かめたい」
 村本大輔は「(前回)佐世保Sを走ったし、レース勘はキープできているつもり。練習も順調だったし、良い状態で本番を迎えられました。今は慎太郎がG戦線の常連になってきたし、地元勢も盛り上がっている。その勢いに乗れれば」


<10R>
山内卓也選手
山内卓也選手
   10レースには地元エースの山内卓也(写真)が登場。金子貴志という絶好の目標を得て、意気揚々だ。
 「金子さんとは、ここへ向けた直前合宿で一緒だったけど、抜群のデキでしたね。自分もギリギリまで練習をしていたから、仕上がりはバッチリです。展開が悪かったり、前が強すぎたりとかが無い限り、結果を出せると思う。勝つのは当然っていう強い意識で臨みたい」
 金子貴志も「合宿の成果がどれだけ競走で出せるか楽しみ。何としてもラインで勝ちたい」と意気込んでいる。
 金子と対戦する機動型両者にもそれぞれ思惑があるようだ。小橋秀幸が「富山記念で落車負傷してから、ずっと感覚が悪かったけど、8月に入ってようやく状態が戻ってきた。明日は金子さんと坂本君がやりあってくれればチャンスはありますね」と話せば、坂本亮馬は「自分は胸を借りるようなもの。今やれる精一杯の競走で頑張るだけです」と健闘を誓う。


<11R>
永井清史選手
永井清史選手
   11レースの永井清史(写真)は北京五輪から帰国後、実戦復帰の第一弾が今開催となった。一皮向けた競走が見られるものか?
 「競技から競輪への切り替えは難しいですよ。トレーニング、自転車のセッティング、バンクの形態と全て違うわけだし。どうにか切り替えてきたつもりだけど、実戦感覚まではなかなか…。明日以降はしっかり先行して、感覚や慣れといったものを取り戻していきたい」
 永井をマークする山口幸二は「世界の舞台であれだけ頑張ってきた永井が、競輪でどんな競走をしてくれるかが楽しみだよ」と期待を寄せる。
 松岡貴久は検車の順番を待っているさい、たまたま後ろに並んだ山口幸二から『永井に勝ったら、メダルを取ったようなもんやで~』と冗談を飛ばされ、思わず苦笑い。
 「他の人と違い最近の競走がわからないから、永井さんとだけは対戦したく無かったんですよ。まさか初日にぶつかるとは(苦笑)。でも僕も主導権は渡したくない。あっちが先行するというのなら、モガキ合いも覚悟していますよ」
 中井達郎はシビアな位置取りで立ち回り、活路を見出す。
 「若手二人が叩き合ってくれれば、こっちにも展開が向くかもしれない。ただ、永井のスピードはケタ違いですからねぇ…」


<12R>
平原康多選手
平原康多選手

   12レースはファン投票で選出された9名によるドリームレース。
 伏見俊昭は北京五輪後の第一戦とあって、やや慎重な面持ちだ。
 「帰国してからは何日かバタバタしていましたけど、練習はある程度やってきたつもりです。気持ちを切り替えて、こっち(競輪)で結果を出さないと。(優勝を)狙うというよりも自分らしい競走がどれだけできるかですね」
 山崎芳仁はここ2場所(別府記念、向日町記念)続けて途中欠場をしているが、コンディションはおおむね問題無いと話す。
 「向日町から帰ってきてからは、抜くところと力を入れるところと、しっかりとメリハリを付けて練習ができたし戦えると思う」
 平原康多(写真)は、前回、ふるさと福井の決勝では惜しくも2着。ただ福井では1312着と連戦存在感を示しており、尻上がりに状態を上げていくその姿には目を見張るものがあった。
 「8月初頭の高松記念での落車の影響で、身体とフレームともにボロボロになってしまった。だけど福井の直前に、以前使用していたフレームで3・77のギアを踏んだら、しっくりとかみ合ったんです。今回もその感触を大事にしたいから3・77で戦います。ただ4回転の魅力もあるし、準備はしています」
 神山雄一郎は700勝にリーチを掛けているが、3場所続けて1着が無い。記者から繰り返される同じ質問に、ただただ苦笑するしかない。
 「もう、この質問は聞き飽きたなぁ。別に焦りとかはないですけどね。前回(向日町記念決勝)の落車も大したこと無いし、ここで達成できるよう頑張ります」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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