『第52回オールスター競輪(GI)レポート』 4日目編
 
配信日:9月22日


 松山競輪場で開催中の「第52回 オールスター競輪」はいよいよ大詰めの4日目を迎えた。今日は準決勝A、Bの3個レースでファイナリスト8つの椅子を争った。地元のエース渡部哲男は準決勝B3着で惜しくも決勝進出を逃したが、ひと足先に決勝進出を決めた石丸寛之らS級S班7名が決勝進出。明日の決勝戦でシリーズ頂点を狙う。
 明日の専門解説者予想会(4レース発売中)には緒方浩一氏が登場。競輪トークショーやジャグリングショーなど場内イベントも多数予定されています。そして最大の注目は決勝戦。トップスターの火花散るバトルをぜひ松山競輪場でお楽しみください。

<5R>
高木隆弘選手
高木隆弘選手
   ライン三分の激しい戦いが繰り広げられた。主導権を握ったのは南関勢。中部、九州は後方に置かれて完敗した。勝ったのは高木隆弘(写真)。敢闘門に引き上げてくると、満面の笑みで喜びを語った。
  「気持ちよかった。ものすごいダッシュとスピードでしたよ。前の選手が頑張って、それを差して勝てるのが何よりですね。今日はカマシというよりまくりに行く感じの踏み方だった。俺のことを千切るつもりだったのかな(苦笑)」
  石橋慎太郎は苦しそうな表情で「脚が痛い! とにかくきつかった。今日は作戦通りでした。タイミングもばっちり。ギアを上げて正解でした」とレースを振り返った。


<6R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   吉田敏洋、木暮安由が壮絶なモガキ合い。そこをバックから一気に新田康仁(写真)がまくって前2走のうっ憤を晴らした。
  「久しぶりに気持ちよかったですね。前でやり合ってくれたので。今回、自信はあったのに初日は中途半端、昨日も番手から出るって頭を切り替えられずダメだったでしょ。これでスッキリしたので、また明日も頑張ります」
  2着には北津留翼マークから大塚健一郎が大外を強襲した。
  「翼の仕掛けを待って、とにかく(優秀へ上がれる)4着までにと思ってた。中を行ったりとかは考えず、外を踏んで感じを確かめたかったけど、よく伸びましたね。前のレースで(菅原)晃が良いレースをしてたので気合が入りました」


<7R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
   7レースは渡邉一成が先行態勢に入ると、前受けの浅井康太が渡邉の番手に粘って抵抗。渡辺後位の争いが長引くと、1センターから仕掛けた荒井崇博(写真)がまくりを決めて快勝。マークの小倉竜二とワンツーを決めた。
  「ああなれば行くだけでしょ。展開一本ですね。浅井は色々やってくるタイプだし、突っ張りやイン粘りは頭にありました。自分の踏み出しは普通。悪くはないし、今日の流れなら行けるでしょ」
  3着の浅井康太は「突っ張るつもりでしたけど、一成さんのスピードがすごくてワンテンポ遅れてしまった。だけど(渡邉マークの)竹内(智彦)さんが油断しているだろうし、番手まで行ってやれと身体がとっさに動きました。昨日、落車した割には身体は動いていると思う」とレースを振り返る。


<8R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   後ろ攻めの佐藤友和(写真)が先行すると、中団を山田裕仁と争った三宅達也が勢い余ってイン粘り。後続のモツれを尻目に佐藤がまんまと逃げ切った。
  「(三宅)伸さん、達也さんのタッグは強烈だし、達也さんに92のギアで駆けられたら苦戦する。今日は先行だけでしたね、ある程度は。後ろも見えてたし、すくわれないように内を締めてました。今回は調子も良いです」
  外併走をしのいだ佐藤慎太郎が2着に流れ込んだ。
  「バックでは抜けるかなと思ったけど、友和はセンターから伸びていった。友和の上がりが11秒1なら納得だけど、もう少し差し込みたかったね。イン粘りは想定してなかったけど、体は反応できました」


<9R>
永井清史選手
永井清史選手
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   2着権利の準決勝Bを制したのは永井清史(写真)だった。今日から3.92にギアを上げると、後続のモツれも助けて力強く逃げ切った。
  「今日は出し惜しみしないように、自分のもつところから駆けました。前半に先行が残ってるイメージがあったし、バックでビジョンを見る余裕もあった。今日92にしてスカスカ感がなくなった。これでGIの決勝は3回目。そろそろ(獲りたい)という気持ちはあります」
  永井ライン三番手の村上博幸が2着に食い込み、GIで2大会連続の決勝進出を決めた。
  「僕は三番手単独でよかった。踏んだ感じがけっこう良かったので、アタマまでと思ったけど、武井が振ってきたので焦りましたね。来る前の合宿でやり過ぎた感が心配だったけど、脚は軽いです。前回、GIの決勝に乗れてるので、今日は落ち着いて走れました」
  渡部哲男(写真)は2コーナーからまくり上げたが、惜しくも3着で決勝進出を逃す。
  「力を出し切ったので、この結果には納得してる。仕掛けたときにあおりを受けたし、バックでは3着も無理だと思ったけど、自分でも頑張ったと思います」
  武井大介は狙いどおり永井の番手を奪ったが、結果は4着。
  「スタートで渡部さんラインの後ろが取れて、これで最内で競れるなと思った。作戦成功だったけど、脚がなかったですね。ただ、やることはやって負けたので」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   海老根恵太を連れた山賀雅仁が先行態勢に入るが、ひと呼吸置いたところをすかさず平原康多(写真)がカマして出る。スピードに乗り切った平原は神山雄一郎の追撃をしのいで押し切った。
  「強いラインが二段駆けでしょ。だから今日は駆けさせるつもりはなかった。でも、逃げ切れるとは思ってなかったですね。最近はGIの準決勝を先行で突破できてるし、流れがいい。1カ月半ぶりの実戦でまだ力みがあるけど、日に日にリラックスできるようになってきました」
  2着の神山雄一郎(写真)は平原の瞬時の判断力に脱帽だ。
  「さすがですね。たとえ相手が番手まくりでも康多なら届く。でも、康多はラインを考えた走りをしてくれたし最高でした。仕掛けに離れなかったし、状態は良いですね。明日は3.79のギアでいきます」
  3着にはバックで山賀を捨てて自らまくり上げた海老根恵太が食い込んだ。
  「平原は1周カマシだし、ないかなと思ったけど何とか。村本(大輔)さんまで連れて行きたかったけど、なかなか車間が詰まらず焦りましたね。詰まってから行けるかなと思ったけど、踏まれて届かないかと思った。自分だけみたいな形になったし、今日は山賀と村本さんのおかげです」
  逃げた山賀雅仁は「力を出せなくて不完全燃焼だけど、思ったよりやれる感じはつかめた」と貴重な経験を振り返った。


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
合志正臣選手
合志正臣選手
   山崎芳仁、稲垣裕之を制して神山拓弥が果敢に先行。中団からまくった稲垣に合わせて武田豊樹(写真)が番手まくりを放つと、そのまま力強く押し切った。
  「番手まくりは決まらないことが多いし、出るタイミングなんかは決めずに走ってます。神山は落ち着いてますね。やっぱり神山家の血が流れてる。将来、楽しみですよ。まずはGIの決勝に乗ることが大事ですからね。寬仁親王牌では(平原、神山と)3人で一度失敗してる。必ず明日は失敗しない走りをしたい」
  武田に続いた稲村成浩は「前のおかげだけど、決勝に乗れてよかった。今日は昨日、(伏見俊昭の後ろで)ワン、スリーになっちゃった反省を生かして走れました」と笑顔でレースを振り返る。
  決勝進出、最後の椅子をゲットしたのは合志正臣(写真)。接触した神山が落車し、審議の対象となったが、セーフの判定を聞くとホッと胸をなでる。
  「失格と優出じゃ大きな差ですからね。ホームで神山ラインに切り替えようと思ったら、内から稲垣が来た。稲垣は行かなくても良かったのにね。番手まくりしたらそっちのラインに切り替えるつもりだったし冷静でした」
  山崎芳仁は内から来た稲垣、ホームから巻き返した村上義弘の動きで仕掛けのタイミングを逸した。
  「このスピードだから大丈夫と思ってたのでよく来たなと思ったけど、村上さんは僕の真後ろだったんですか。中団に入ったからあとは自分のタイミングでと思ってたら、村上さんに来られて行くところがなくなった」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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