『第55回オールスター競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:9月13日
 第55回オールスター競輪が今日から開幕した。初日のメインはファン投票による「ドリームレース」。輪界のトップスター9名による競演に場内は酔いしれた。また、一次予選も手に汗握るレースが展開され、初日から熱い一日となりました。
 また、前橋本場では開催を盛り上げるべく、たくさんのイベント、ファンサービスが用意されております。まずは開催を通して、先着2000名様に前橋名菓、ハンカチをプレゼント。また、日替わりプレゼント(先着2000名にラッキーカードを配布し600名様)、お楽しみ抽選会、モーニング展望、山口健治氏と吉井秀仁氏によるメインレース予想会など、盛りだくさん。こちらもどうぞお楽しみに。

選手宣誓をする木暮選手
選手宣誓をする木暮選手
前橋銘菓の先着プレゼント
前橋銘菓の先着プレゼント
ドリームレース レース経過
 スタートは武田豊樹が取って、1番車の山口幸二がその後ろを確保。武田―長塚智広―深谷知広―浅井康太―山口―脇本雄太―村上義弘―成田和也―伏見俊昭の並びで周回を重ねる。
 残り3周の青板周回からレースは動きを見せる。脇本の仕掛けに備えた深谷が徐々に車間を空けて後方に目をやると、これに気づいた武田も誘導員との車間を空ける。しかし、それも構わず脇本が4コーナーから一気にスパート。合わせてホームから踏み込んだ深谷だが、脇本のスピードが良いと見るや踏み合いはせず中団を確保。これで人気の武田は8番手に置かれてしまう。残り1周半の打鐘、そしてホームに来ると村上が徐々に車間を空けはじめる。まず2コーナーから深谷が巻き返すが、最終コーナーで成田のけん制に遭い不発に。後方に置かれた武田も最後に選んだコースを山口に入られ万事休す。ドリームレースを制したのは村上。脇本の番手絶好から北日本勢の追撃を振り切って快勝。成田、伏見が並んだままで2、3着に続き、5着の山口幸二までが3日目のシャイニングスター賞に駒を進めた。

<1R>
望月永悟選手
望月永悟選手
 オープニングを制したのは望月永悟(写真)。鈴木裕の先行に乗り、番手無風の展開からキッチリ追い込んだ。
 「今日は飛び付かれてもおかしくないメンバーだったんで覚悟はしてたけど、裕が気を遣ってくれたし強かったね。数少ない1着を取らせてもらいました(笑)。」
 鈴木裕は3着に踏み止まり、二次予選進出を決めた。
 「初手は中団にいて蓋をされるよりは、後ろから脚を使ってでも押えた方が良いと思った。その方がラインで決まるでしょう。最後は脚が一杯で3着だけど、踏んだ感じは良かった。明日はゆっくり休みます」
 野田源一は4番手確保から2着で一次予選を突破した。
 「自分から前を斬ってキツい展開にしてしまった。でも、前があれだけ踏んでたから、4番手は取れるかと。ただ、脚はもう一杯だったから、まくれなかった。内から東口(善朋)君が来たのが見えたから、外を踏みました。結果的に良かったけど、まだ万全ではないですね」

<2R>
五十嵐力選手
五十嵐力選手
 2レースは桐山敬太郎がタイミング良くまくりを決め、ラインで上位独占に成功した。
 「33で前受けするのはキツいからどうなるかと思ったけど。でも、早め早めから皆動いてくるだろうし、残り1周半から大西(祐)君は仕掛けてくると思ったんで、しっかり付いて行こうとそこだけ注意してた。落ち着いて行けましたね。ここに向けてやってきたけど、前回(平塚S)失敗したんで、今日勝ててホッとしました」
 五十嵐力(写真)がキッチリとマークして2着を確保した。
 「桐山君が強かったし、あれは抜けないですね。僕は(ケガ明けなので)あまり良い感じではなかった。痛みはないけど、乗った感じに違和感がある」
 離れながらも、大木雅也が懸命に前を追い、辛うじて3着に入る。
 「あおりが凄すぎて踏み出しで口が空いてしまった。キツかったけど何とか3着に入れてよかった」

<3R>
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 3レースは吉本卓仁(写真)が堂々の逃げ切り勝ち。叩きに来た上野真吾を突っ張ると、さらに新田祐大の反撃を封じて完勝した。
 「とりあえず一回前を斬らないとどうしようもなかったんで。合わせてというよりは、モガき合ってでも行かないとダメな展開だったんで。でも、バックはモニターを見ながら落ち着いていけましたね」
 園田匠は番手の仕事に徹して2着をキープ。
 「今日は卓仁が強かったし、僕は何もする必要がなかったね。でも、付いていて余裕があったし、最後も内から(稲村好将が)来たけど、余裕があったから腰砕けにならずに済みました」
 星島太が直線で中のコースを伸びて3着に食い込んだ。
 「良く伸びたね。でも、2センターで一回躊躇したんで。あれがなかったらもう少しいけたかな(笑)。もうお腹一杯です」

<4R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
 4レースは神山拓弥(写真)が中団から綺麗にバックまくりを決めて快勝した。
 「前受けは想定外でしたけどね。追い上げたりして脚を使ってキツかったけど、久しぶりに中団が取れましたね」
 最終ホームドン尻の状態から筒井敦史が踏み上げ大逆転。神山を追う形で2着に入る。
 「9番手になってしまったんで、ダメもとで開き直って踏んだら上手くいきましたね。バックからは7番(神山)を見ながら行けたし。練習の成果が出たかな。車の出が良かったし、セッティングも正解でした」

<5R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 オリンピック帰りの中川誠一郎(写真)が世界の脚を見せた。竹内雄作と飯野祐太でモガキ合う展開となり、最終ホームから単騎で一気の仕掛け。最後は後続を大きく引き離して1着を手にした。
 「今日は外を踏んで感触を確かめようと思ってました。飯野君はあれだけ突っ張って脚を使ってるし、あそこからだとペースで行くしかないだろうと思ったんで、藤原(憲征)君より先に踏んで一気に行くしかないと思った。脚力自体は上がっていると思ってたけど、僕は力を出し切れる展開に持っていけるかどうかなんで。今日はノーマークだったから決まったけど、マークされたときでもやれるようにならないと」
 まくられた飯野祐太だが、粘りを発揮し2着に踏み止まった。
 「今日は1番(竹内)だけ見てた感じ。前を取って突っ張って、どこまで行けるか。向こうも全力できたからキツかったけど、1車だったんでよかったですね」
 竹内雄作は「これで(飯野にやられたのは)4回目。もっと一気に押さえれば良かったけど、4コーナーのカントで外にふくれてしまって」と悔しがる。

<6R>
 6レースは阿竹智史を突っ張って池田勇人が先行。最終バックで稲川翔が迫ると、後閑信一が番手まくりを敢行して1着を手にした。
 「池田君は突っ張ってあれだけ行ってくれたし、タレてきてたんで踏ませてもらいました。1着だけど、池田君が落車してしまったんで…」
 地元の金子真也が続いて2着に流れ込んだ。
 「僕は前を任せてただけだったんで。後閑さんが強かったんで、口が空いてしまったけど、何とか2着に入れました」
 稲川翔は3着に入ったものの、組み立てを悔やむ。
 「3着でも積極的に行っての結果なら良いけど。すんなり中団が取れたし、良い位置すぎて見てしまいました。消極的でした。前回は途中欠場したけど、悪い所は分かったし、修正できてるんで大丈夫です」

<7R>
菅原晃選手
菅原晃選手
 7レースは早めからレースが動き、隊列が何度も入れ替わり稲毛健太が最終的に叩いて先行。その3番手を取った菅原晃(写真)がバックからまくって1着をゲットした。
 「今日は3番手か先行するかの作戦だったし、来たら一緒に踏む感じで合わせようと。上手くいきましたね。前回まくりが失敗したから、今日は凄く緊張しました。小野さんとワン・ツーが決まったんで最高の形ですね」
 小野俊之は後輩の頑張りを称える。
 「今日は晃を全面的に信頼してたからね。上手く組み立ててくれたんで、俺は何もする必要がなかったよ。強かった」

<8R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 8レースは新田康仁(写真)が圧巻のまくり勝ち。レースは田中誠がジャン前からカマして先行。菅田壱道がまくったその上を、新田が力でねじ伏せた。上がりタイムはバンクレコードタイの9秒1。
 「初手は前から2番目の作戦だった。(渡邉)晴智が一旦前に行って、誰かが付いてきた所を引いて2番目に。上手くいきました。そこからは緩んだらカマそうと思ってたけど前が踏んでたんで。4.08のギアはキレがある感じで良いですね。メンバー次第では考えるけど、とりあえずはこれが良いですね」
 先まくりに乗った齋藤登志信が2着に入り、菅田壱道は3着に入った。
 「永井さんが横で粘るかと思ったけど引いたんで。それなら前を斬る必要がなかった。展開に恵まれました」
 永井清史は展開を読み違え7着に終わる。
 「もう少し入れ替わりがあると思って下げたけど…。一本棒の8番手になってしまいました」

<9R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 川村晃司(写真)が、前受けした荒井崇博に抵抗を受けながらも押えて主導権を奪うと、市田佳寿浩の援護を盾に堂々と逃げ切った。
 「ここに来る前に良い感じで練習ができてたし、逃げ切れたので自信になりました。直前に腰痛も出たけど大丈夫ですね。作戦としては岩本(俊介)君を警戒して主導権を取ろうと思ってました。後ろは頼もしい市田さんだし、冷静に走れました」
 市田佳寿浩は岩本をブロックして番手の仕事をきっちり。川村を援護して2着に入る。
 「抜ければカッコ良かったけどね。でも、川村が強かったよ。G1で押さえ先行を選択できるくらい、直前はしっかり練習してたみたいだし、アイツは自信を持って走ってた」
 渡部哲男追走から、香川雄介が3着に入った。
 「哲男はあそこ(3番手)で勝負してれば面白かったけどね。僕は身体の反応は悪くないんで」

<10R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
 10レースは地元の2人がきっちり一次予選を突破した。レースは矢口が主導権を握って一本棒に持ち込むと、最後は兵藤一也(写真)が追い込んで1着。
 「矢口が強かったね。あの感じだったらあとは車間を空ければ前で決まるかと。矢口も3着に残ってくれたんでよかった」
 中団から濱田浩司が鋭く伸びて2着に入るも、自分だけ届くレースを悔やる。
 「矢口君が緩急を付ける上手い駆け方だったんで、出たら合わされると。自分だけで申し訳ないですね」
 矢口啓一郎は3着に止まりホッと胸をなで下ろす。
 「今日はすごく緊張した。距離が長かったですね。でも、一走して落ち着きました。明日は休みなんで、ゆっくり休みます」

<11R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 最終レースのドリームレースを制したのは村上義弘。脇本雄太の男気ある先行に乗り、車間を空けて追い込んだ。
 「脇本は強いんで、とりあえず前に出切ってからどうするか。2車だし内を気を付けながら行きました。脇本を残したかったけど、僕はギアが掛かってた(4.15)んで思ったよりも車が進んでしまった。もうワンテンポ置いてから踏めば良かったかな。今までドリームレースの1着には縁がなかったんで勝てて嬉しい。選んでもらう度に不甲斐ないレースだったから。次からも一戦一戦頑張ります」
 近畿ラインを追った成田和也が2着に入る。
 「前があんなにフカしては自分はまくりは出ない。最後は内外いかれると思った」
 3着は伏見俊昭が入り、脇本雄太(写真)はタイヤ差及ばず4着に。確定板は外れたものの、5着以内でシャイニングスター賞進出を決めた。
 「最近は前を取らされたりやり辛いレースが多かったけど、今日は後ろ攻めからすんなり本来のレースができた。僕はルールの範囲内でと思ってるんで、標識線を目掛けて思いっきり。山口(幸二)さんに後ろを見られてたし突っ張られるかと思ったけど、それでもしっかり行けたと思います。目標は自分も勝ち上がって村上さんも上がることだったんで、最低限のレースはできました。それにしても僕以外は皆SSだし緊張しましたね」

■■ 2日目 ■■


<2日目7R>
小林大介選手
小林大介選手
 明日2日目の番組が発表されました。残る二次予選は7レースから。まずは地元の小林大介(写真)が登場。地元G1に向けて仕上がりは万全で、自信を持って競輪場入り。
 「ずっとギアに悩んでいて、3.77とか色々と試したけど、直前に92で練習したらすごく感じが良くて、タイムも出たんです。実戦では初めてだけど、これで行こうと固まりました。仕上がりは結構良いと思います。前回(川崎)が20パーセントなら、今回は90くらい仕上がってます。前回は9着で途中欠場したけど、参考外って書いてもらって良いですよ(笑)。地元だし、決勝目指して頑張ります」
 小林の最大の相手は好調の三宅達也だ。直前の8月四日市Sもまくりで優勝。勢いそのままで挑む。
 「ずっとそうだけど、展開が良いんで。でも、体調も崩してないし、状態は悪くないのは確かなんでね。とにかく、後ろにだけは置かれないようにして、何でもやっていきます」
 近況は目立った活躍はないものの、松坂洋平も底力があり怖い存在だ。
 「前回は腰痛で調子が良くなかった。今回も練習ができたのは5日前から。急仕上げなんでちょっと不安がありますね」
 連係する林雄一は変わらずキレのある脚を維持している。
 「松坂は頑張ってくれるんでね。信頼してますよ。前回(川崎123着)は成績が良かったけど、調子としては今回の方が良いと思う。展開さえ向けばね。G1はなぜか成績が良いんで、今回も続いてくれればいいね」

<2日目8R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 8レースは好調の金子貴志(写真)に人気が集まるか。今回も恒例の高地トレーニングで仕上げてきた。
 「しらびそ高原へ3泊4日で。ずっと良い状態だけど、この状態がいつまで続いてくれるのかですね(笑)。前橋は好きなバンクだし頑張ります」
 小埜正義はこの夏は体重を大幅に落として減量に成功。キレのアップを目指す。
 「体重を量ってないから詳しくはわからないけど、7月に腸炎になったのをきっかけに、食事に気を付けるようになりました。でも、成果が出てきたかなと思ったときに川崎で落車してしまって。キツいですね。調子はまだまだかな」

<2日目9R>
木暮安由選手
木暮安由選手
 9レース最後の特選は木暮安由(写真)が出走。地元G1で気負うことなく、リラックスムードを装う。
 「やることはやってきたし、仕上がりは良いと思う。初日特選で有利だけど、今回は一次予選のつもりでしっかり走ります。ただ、気負っても良いことはないし、失敗するんで平常心でいきます」
 稲垣裕之はサマーナイトで落車したものの、2戦目で状態は回復傾向にあるようだ。
 「前回の広島は自分が思ってた以上にダメージが残ってましたね。でも、修正はできたと思うんで。前橋は1回のミスが命取りになるんで、勝負所でしっかり走れるように」
 大塚健一郎も前回の8月川崎Sで落車失格しているが、「ゆっくり休んだし、ケアもしっかりやってきたし大丈夫です」と気丈に振舞う。
 井上昌己は変わらず堅調を維持。直前は九州の仲間と汗を流し、気分もリフレッシュ。
 「普段は荒井(崇博)さんと練習してるけど、合志(正臣)さんと松川(高大)も加わり良い練習ができた。僕はオーバーワークだったけど、そのあと一週間空いて修正して間に合いました」

<2日目10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 2日目の最終レースはオリオン賞。ドリームレースに劣らぬ豪華メンバーで争われる。渡邉一成は富山記念を優勝するなど、ロンドン五輪でまた一皮むけた印象。モチベーションを高く保っている。
 「オリオン賞でも選ばれて嬉しいし、選んでくれたファンの方々のためにも、1着を目指して走るのが僕の使命なんで。レースとしては相手がこういうレースをしてくるだろうと思うのと逆の、予想ができないようなレースをしていきたい」
 小嶋敬二(写真)は岐阜記念での大怪我から復帰2戦目。前回大宮Sは優出したものの、まだまだ状態は未知数だ。
 「まだ思い切った練習ができてないし、状態としてはまだ6割から7割程度かな」
 山崎芳仁はF1戦ながらも8月立川Sを優勝すると、続く函館Sは準V。直前の大宮Sは優勝と勢いが出てきた。
 「今回は新車で一発いってみようと思ってます。決勝に乗ったダービーと全く同じ角度のもので。4日間、セッティングを調整しながら走ります」
↑ページTOPへ