『第56回オールスター競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:9月14日
 第56回オールスター競輪は大会3日目を迎えた。「シャイニングスター賞」をメーンに、二次予選6個レースで勝ち上がりを争った。ファン投票1位の村上義弘や佐藤友和が敗退するなど波乱もあったが、準決勝進出者27名が決定した。明日は佳境の準決勝3番勝負。さらにガールズケイリンコレクションも争われるなど見どころ満載だ。
 明日4日目はキングオブコメディによるお笑いライブ、加藤ミリヤのミニライブ、さらに中野浩一トークショー、スピーチーズミニライブなど場内イベントは盛りだくさん。ぜひ京王閣競輪場でお楽しみください。
競輪場に縁日がやってきた
競輪場に縁日がやってきた
ご当地キャラクターとゆるーいひと時
ご当地キャラクターとゆるーいひと時
スピーチーズミニライブ
スピーチーズミニライブ
熱いレースに活気づくスタンド
熱いレースに活気づくスタンド
ガールズレーサーの競演
ガールズレーサーの競演
シャイニングスター賞 レース経過
 号砲で内の3車が飛び出すが、それを追い越した岡田征陽が正攻法。これで関東勢が前受け、周回を平原康多―岡田―長塚智広―神山雄一郎―新田祐大―成田和也―佐藤慎太郎―深谷知広―浅井康太の並びで重ねる。
 青板のバック過ぎから深谷が上昇を始める。一度は新田の外で止まる素振りも見せたが、そのまま車を進めると新田は3番手に続く。前受けの平原はホームでサッと下げると誘導後位には深谷が。今度は新田が誘導の外まで車を持ち出し、打鐘前から誘導員を下ろしたが、そこをすかさず平原が叩いて先行策に出る。新田が中団に下げると、8番手の深谷は4コーナーから巻き返す。これを岡田が1センターでけん制。これで空いた車間を詰めると、バックからそのまま番手まくりに出る。人気の新田はバックで前に浅井が入ったことで仕掛けのタイミングが遅れ不発に。番手まくりの岡田をとらえた長塚がシャイニングスター賞を制す。2着には岡田、3着には神山が入り関東勢で上位独占となった。


<1R>
三宅達也選手
三宅達也選手
 三宅達也(写真)が直線で外を強襲。シリーズ3走目にしてようやく勝ち星を挙げた。
 「前で(渡部)哲男君が頑張ってくれたおかげ。恵まれました。番手で気持ち的に楽でしたね。脚を使っていない分、余裕もありました。哲男君が内を付く感じだったし、外をいける感じだったので踏みました。勝てて本当にうれしい」
 伏兵の小野大介が2着に突っ込んだ。
 「今日のメンバーだと外を踏む選手が多いですからね。内しか狙っていなかった。落ち着いてゴールまで走れました。アタマまでいったと思ったんですけどね」

<2R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 松岡篤哉と稲毛健太の激しい主導権争いを藤田竜矢がまくるが、さらにその上を山賀雅仁(写真)が豪快にまくり切った。
 「早い段階からペースが上がって苦しかった。今日は展開ですね。流れが向いてくれました。ギアを上げて試してみたんですが、感じは悪くなかったです」
 単騎の野田源一が外を伸びて2着に食い込んだ。
 「流れが良かったです。本当は山賀君のタイミングで自分が仕掛けたかったんですけどね。かぶってしまいました。山賀君の後ろが離れていたのでチャンスができました」

<3R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 竹内雄作(写真)が力強い逃走劇で魅せた。打鐘前から村上直久を突っ張ると、3番手以下を大きく引き離す。長い距離をそのままハイペースで駆け抜けた。
 「前受けして、あとは力を出し切ることだけを考えていました。早めに来たら引くつもりだったけど、突っ張ったのはタイミングですね。重く感じたけど最後まで踏み切れました。ワンツーが決まって良かったです」
 北津留翼は後方から好回転でまくり上げたが、3着に入るのが精いっぱいだった。
 「あんな展開になるとは思わなかった。まくっていく感触は悪くなかったんですが、前までは遠かったです」

<4R>
中村浩士選手
中村浩士選手
 打鐘で矢口啓一郎が濱田浩司を突っ張って先行。この4番手をキープした中村浩士(写真)が直線で外を鋭く伸び切った。
 「ホームで1回仕掛けたんですが、矢口君のダッシュが良くて1車ぐらいしか出なかったんですよ。下げたら紺野(哲也)さんに入れてもらえて脚を溜めることができました。最後は思ったよりも伸びたと思います。勝てて良かった」
 諸橋愛が関東ラインの3番手から中を割って2着に突っ込んだ。
 「矢口君が頑張ってくれたおかげです。スタートを取るのに脚を使ったし、最後はいっぱいでした。あれがなければ1着にいけたかもしれませんね」

<5R>
齊藤努選手
齊藤努選手
 赤板で原田研太朗が前に出ると打鐘に牛山貴広が内へ斬り込み原田の後位へと上昇。牛山は最終ホームで原田が内を空けた瞬間を逃さず、前へ踏み込み主導権を奪取。牛山の仕掛けにぴったり続いた齊藤努(写真)が追い込んで勝利した。
 「前の牛山君と、後ろの稲村(好将)君でしっかりしたラインを作れたのが大きい。多少疲れてはいるけど、2日目よりは軽かった。なんとか展開が向いて3着に入れればと思っていた。1着は予想外だったし、嬉しかった。思わず(ゴール直後に)手を挙げてしまいました。準決勝はもう一つ気持ちを入れて。決勝目指して頑張りたいです」
 先行した牛山貴広は2着で齊藤とワンツー決着。
 「理想は外を仕掛けて行くことですが、外から行くと突っ張られると思ったし、行けるとこまで内を行こうと思いました。小倉(竜二)さんと競る形になって、覚悟を決めたけど、前が空けたのでそのまま踏んで行きました。齊藤さんと走った時はあまり決まってなかったので、ワンツーで良かった」
 小倉竜二は外へ浮いた原田から関東両者へと切り替え3着に続いた。
 「2日目(特別選抜予選)の落車でフレームが壊れて、急遽メーカーに借りたフレームだったのでフワフワした感じでした。セッティングもまだ出てなくて、余裕がなく(原田)研太朗を入れてあげられなかった。もうちょっとセッティングを出したいですね」

<6R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 打鐘で小埜正義が先頭に立つと、吉本卓仁が小埜を叩いて先行態勢に。吉田敏洋はすかさず巻き返すと最終バックで井上昌己の内へと潜り込む。金子貴志は吉田を追わずに自ら外を踏み、直線で外を伸びた。
 「敏洋の踏み出しが良かったですね。内へ行ったのが分かって、その後はすぐに対処できた。自分の内には昌己がまだいたので、持ってこられることも考えながら4コーナーくらいで(吉田と)合流できればと思った。志智(俊夫)さんには申し訳なかったけど、2人で決まって良かったです」
 吉田敏洋(写真)は井上昌己をさばいて、直線を追い込み2着入線。
 「3コーナーだと井上さんに止められたり、合わせて出られたら終わってしまうし、咄嗟の判断で内でした。前を任せてもらってるんですが、金子さんならタテの脚があるし、万が一自分が内に詰まっても、自力で伸びて来てくれると信じてました。今回は(同県の)金子さんがいて、深谷(知広)がいてと、いい雰囲気の中で自分を高められています」
 南関ラインの3番手を回っていた萩原孝之が金子の後位へ切り替え、直線で外を伸び3着に食い込んだ。
 「最後は外しか考えてなくて、金子さんが自分の良い目標になりました。思った以上に伸びてくれた。GIの準決勝は初めてなので嬉しいですね。身体の反応はよく分からないけど体調は間違いなく良いですね」

<7R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 打鐘で叩いた稲垣裕之が先行。番手の稲川翔(写真)はしきりに後方を確認しながら別線の仕掛けをけん制。後方から渡邉一成がまくってくると、冷静に渡邉の後位へ切り替え直線で渡邉を抜き返した。
 「稲垣さんが気持ちの入った先行をしてくれました。後ろに川村(晃司)さんがいるし、後は自分がなんとかしてと思ってました。1着を取らないとと思って、勝てたことは良かったんですが、もう少し全体を見て、ラインを活かせるような動きができないといけない。番手の競走はまだまだ難しいですね」
 渡邉一成は後方からまくって2着の結果も、レース内容には満足していない。
 「全然だめですね。結果が2着だっただけ。レース内容は最悪ですし、修正しないといけないことが多いです」
 岩津裕介は阿竹智史の仕掛けを追って最終バックで内の川村へ身体を当ててコースを確保。直線は稲川を追うように踏み込み、3着争いを制した。
 「阿竹君がしっかり仕掛けてくれたので、稲川君の後ろを追いかけるいい展開になりました。でも自分の中では伸びている感覚はなくて、直線が長かったから助かった感じです」
 先行した稲垣裕之は直線で末を欠いた。
 「自分の中では、最後はもう脚が一杯でした。力が残ってなかったし、翔が前に踏んで勝ってくれてホッとしてます」

<8R>
村上博幸選手
村上博幸選手
 脇本雄太が赤板から丸2周をハイペースで逃げて近畿勢のペース。番手の村上博幸(写真)が好展開をきっちりものにした。
 「南(修二)君に番手を回らせてもらったので、気合は入っていました。前と後ろのことを考えて走ろうと思ってました。脇本君は本調子じゃなかったですね。僕は番手で余裕がありました。今年前半は悪かったんですが、後半に入って良くなりました」
 合志正臣が直線でシャープに伸びて2着に入った。
 「(坂本)亮馬がいい位置を取ってくれました。早めのまくりじゃ厳しいし、遅めのまくり追い込みの方がチャンスがありますからね。いい仕掛けをしてくれました。車は出ていると思います」
 脇本雄太は直線で力尽きて4着。二次予選敗退が決まった。
 「焦ってましたね。新田(康仁)さんにすんなり駆けさせてもらえないと思っていたので、いつもよりツーテンポぐらい仕掛けが早くなりました。自分の力がなかったし、しょうがない」

<9R>
勝瀬卓也選手
勝瀬卓也選手
 赤板2センター辺りで松谷秀幸が一気に踏み込み、勝瀬卓也(写真)と2車で後続を置き去りにして先行態勢に。松谷の番手絶好を活かした勝瀬が冷静に追い込んで白星を手にした。
 「同県の後輩の頑張りがありがたいですね。今日のメンバーの中で一番積極的なのは松谷君だし、思い切って仕掛けてくれた。展開もあるけど、一番良いタイミングで踏んでくれました。残してあげたかったけど、2車だったし、後ろから迫って来てるのを感じて申し訳ないけど前に踏ませてもらいました。もう一つまた気合を入れて頑張りたいです」
 池田勇人は松谷の仕掛けに大きく車間が開いてしまったが、ジワジワと前との差を詰め、後閑信一と2着を分け合った。
 「タイトルホルダーがいて難しいレースでした。先行することがバレてるから、最近はなかなか逃がしてもらえないですね。松谷さんを警戒してなかった訳じゃないけど、油断はあったかも。危ない展開になったけど、逆に言えば松谷さんの仕掛けで、小嶋(敬二)さんや(佐藤)友和さんを後ろに置いたレースにすることができました。関東の3人では決まらなかったけど、後閑さんと準決に勝ち進めたのは良かったです」
 後閑信一は池田と2着同着。
 「前との車間が空いているのも分かったけど、今の勇人は強いから、付いて行けば何とかなると思ってました。後ろから見ていて勇人は落ち着きを感じましたね。友和の息が聞こえていたし、自分の思った伸びではなかったけど、なんとか勝ち上がれて良かった」
 松谷秀幸は大舞台でも積極的な先行スタイルを貫いた。
 「今の自分のレベルでペースで駆けても、あっさりまくられて終わってしまうので、最初から全開でした。最終4コーナーでいっぱいでした。これだけのメンバーで先行出来ているし、経験にはなっている。残り2走も先行したいですね」

<10R>
高木隆弘選手
高木隆弘選手
 打鐘前から飛び出した藤木裕の後位で桐山敬太郎がイン粘りを敢行。桐山が村上義弘から番手を奪うと、その後ろから高木隆弘(写真)が中を割って突き抜けた。
 「うれしい。恵まれました。桐山が頑張ってくれました。全面的に信頼して任せていたけど、あれ以上のレースはないでしょう。最後は外にいって誰かに入れるよりは、内にいった方が2人で乗れる可能性が高いですからね。ワンツーが決まって良かったです」
 桐山敬太郎はSS班の村上に果敢に勝負を挑んだ。
 「今日は流れで何でもやるつもりでした。前受けになって、あとは様子を見ながらという感じでしたけど、粘ったのはタイミングですね。番手を取ってからは死守して、あとはどうにかという気持ちで必死でした。勝ち上がれて本当に良かったです。明日の準決勝も何でもやっていきます」

<11R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 4車で結束した関東勢の連係が実った。平原康多が打鐘過ぎに新田祐大を叩いて主導権。最終3コーナーから番手まくりを放った岡田征陽を長塚智広がゴール前できっちり捕らえた。
 「深谷(知広)君と新田(祐大)君は強いけど、関東4車でまとまって、いいレースができたと思います。岡田君の地元の気迫にはびびりました。勝てたのは自分の順番が来たからでしょう。明日も信頼できる牛山(貴広)君の番手で頑張ります」
 岡田征陽(写真)は番手まくりで関東ラインを上位独占に導いた。
 「康多君が好判断をしてくれました。無理やり行ってくれたし、気持ちが伝わってきて、申し訳ないけどタテに踏ませてもらいました。最後はいっぱいだったけど、関東の3人で確定板を独占できたので良かったと思います」
 関東ラインの4番手を固めた神山雄一郎が3着に流れ込んだ。
 「4番手の競走でしたし、このメンバーでこの並び順なら3着はベストに近い着順でしょう。打鐘から踏んでいったのでレースはキツかったですが、体調面は問題ないと思います」
 先行した平原康多は後続3車での決着に安堵の表情を見せた。
 「打鐘で新田(祐大)が突っ張ると思ったのでそこで脚力を使ってしまった。最後まで持ちませんでした。後ろの3人で決まったことが何よりです」
 浅井康太は目標の深谷が力尽き、自ら巻き返すも4着までが精一杯だった。
 「深谷君が2コーナーであおりを受けたけど、そこからもう一発前に踏んでいくと思って待ってしまった。即座に内を踏んでいればもっと良い着もあったかもしれないけど、深谷君の状態を判断するのに少し時間をロスしてしまいました」
 新田祐大は平原に叩かれ、その後は仕掛け所を見出せず。「見てもらった通りです」と言葉少なに引き上げた。

<4日目 9R ガールズケイリンコレクション>
山原さくら選手
山原さくら選手
中山麗敏選手
中山麗敏選手
 4日目の第9レースはファン投票の上位選手によるガールズケイリンコレクション京王閣ステージが一発勝負で行われる。
 山原さくら(写真)は自力の競走を主にデビュー以来6度の優勝実績。今回、初めての一発勝負に挑む。
 「初日、2日目のレースは見ていたので、その舞台に今自分が居るのが信じられません。お客さんの雰囲気も普段とは全く違って、実感はまだありません。万全の状態で来れたと思いますし、状況をしっかりと見て仕掛けたいですね」
 中山麗敏(写真)は自らの成長を実感。初めてのコレクション制覇を虎視眈々と狙っている。
 「練習の調子が良くてタイムも出てるんですよね。周りの動きとか、いろいろ考えることもあるけど、考えすぎも良くないのは分かっているので。思い切り行けたらいいと思ってますし、力を出し切って負けたら、仕方ないと割り切れる。中途半端だけはしないように。師匠(遠澤健二)にも悔し涙は見飽きたから嬉し涙を流してこいと言われてます。全力を出し切って優勝したいですね」
 中川諒子も特別レースで結果を欲している。
 「ガールズグランプリの出場権争いが10月一杯なんです。今は7番目くらいのギリギリなんですよね。ここで勝つことは、出場に向けて大きく一歩を踏み出せる。普段のシリーズ戦と違って7人が7人とも動けるので難しくはなるけど、力を出し惜しみしないように、投票してくださった方の票を無駄にしないように頑張りたいです」
 京王閣をホームバンクとする石井寛子は初めての特別レースが地元開催。気持ちを入れて勝利を目指す。
 「京王閣はずっとお世話になってるし大事なバンク。ここでのレースはいつも緊張しているけど、力を出し切って勝てるように頑張ります」
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