『第57回オールスター競輪(GI)レポート』 3日目編

配信日:9月13日
 前橋競輪場を舞台に開催されている「第57回オールスター競輪(G1)」は、13日にシリーズ3日目を迎えて盛り上がりも加速。前橋競輪場のスタンドは、1レースからスターたちの競演に大きく沸いた。強豪がそろったメーンの「シャイニングスター賞」では、深谷知広が落車するアクシデントもあったが、まくった金子貴志がドリームレースに続き白星。連勝で準決へと弾みをつけた。また、4日目には「ガールズケイリンコレクション 2014 前橋ステージ ドームクイーンカップ」が、一発勝負で行われる。ファン投票によって選出された7人のガールズが織り成す、ドームバンクでの迫力満点の戦いは必見だ。前日の13日に女子7選手が前橋競輪場に集結、翌日のドーム決戦に向けて入念な調整を行った。
 本場では開催中の毎日、地元競輪選手によるお出迎え、先着プレゼント。解説者による予想会などを行っています。また、14日の4日目には「日本エレキテル連合」のお笑いライブ、「相澤仁美」によるトークショー、「ガールズケイリン選手(明珍裕子選手、白井美早子選手)」の選手撮影会なども予定され、前橋競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
日替わり解説者予想会
日替わり解説者予想会
プレディア ミニライブ
プレディア ミニライブ
磯田旭選手、金子幸央選手トークショー
磯田旭選手、金子幸央選手トークショー
マジシャン ぺる&アリス マジックショー
マジシャン ぺる&アリス マジックショー
ガールズコレクション出場選手
ガールズコレクション出場選手
シャイニングスター賞 レース経過
 号砲で各車、多少出渋るが、岩津裕介が誘導員を追って出て行く。村上義弘-岩津で前受け、中団に菊地圭尚-神山雄一郎、深谷知広-金子貴志-浅井康太が入り、井上昌己-大塚健一郎が後攻めの並びで落ち着く。
 残り3周の青板から井上が上昇。前受けの村上はサッと車を下げる。今度は深谷が後方の出方を見ながらゆっくり踏み上げるが、そこを菊地が叩いて赤板で先頭に立つ。菊地のラインを追った村上はそのままスピードに乗せてスパート。打鐘前から主導権を握る。深谷もすかさず巻き返し、両者で激しい踏み合いに。深谷が浮いて苦しくなると金子は最終2コーナーから外をまくり上げる。懸命に粘る村上をゴール前で捕らえた金子が1着。逃げた村上が2着に残った。最終3コーナーで深谷を内から追い抜いた浅井が3着。このときに浅井と接触した深谷はバランスを崩して落車した。


<1R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 青板過ぎから根田空史と小岩哲也との激しい主導権争い。踏み勝った小岩だが、一瞬の隙を突いて根田が再度打鐘4コーナーで仕掛け、主導権を奪い返す。しかし、後続の田中晴基が離れ単騎の状態に。それでも根田は果敢に駆けるが、最終バック前から山崎芳仁(写真)のまくりが襲い掛かる。山崎は大ギアを生かしてグングンと加速、最終4コーナー過ぎにまくり切り勝利した。
 「モガき合いだったので、タイミング図って仕掛けました。セッティングもすべて元に戻したけど、昨日(2日目)までのセッティングじゃダメだっただろうね」
 2着には山崎をしっかりと追走した北野武史が続き、ラインでワンツー決着となった。
 「とにかくよかったです。日ごろの行いが良いからかな(笑)。でも、まさかあそこまで早くやりあうとは思ってなかった。明日以降も頑張ります」

<2R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
 赤板から黒川茂高が叩きに出ると、一度は突っ張りを試みた岩本俊介(写真)だったが中近ラインを受けて3番手。小埜正義との息が合わずに、番手の小埜が先に最終ホームからまくって出るが不発。岩本は2コーナーから踏み上げて、逃げる黒川をまくりでとらえて1着。3走目にしてやっと納得の結果に一息つく。
 「(黒川を)突っ張ろうとは思っていたんですけどね。あれ以上踏んじゃうと暴走になってしまうんで。暴走はしたんくないんで。今日(3日目)は本当に小埜さんと勝瀬(卓也)さんのおかげ。ここのために練習はしてきたし、脚の感じはいいんですよ。練習してきたのに、こんなはずじゃないっていうのもあったから。(勝てて)よかったです」
 千葉コンビの後ろを固めた勝瀬卓也は、前の小埜が不発で後退すると岩本マークに切り替え流れ込み。
 「小埜君が行って(別線に)入られそうになっちゃったけど、そのあとに岩本君が行ってくれた。助かりました。めまぐるしい流れだったけど、昨日よりは感じが良かったです」

<3R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
 後方から一気にカマした早坂秀悟が、高久保雄介を最終ホーム過ぎで叩き、1次予選に続いて主導権。後続の岡部芳幸は離れて高久保が番手にスッポリハマる展開。軽快なスピードで駆ける早坂が最終四コーナーをトップで通過するが、中近勢を追走した諸橋愛(写真)が空いたインコースを鋭く突き抜けた。
 「恵まれました、ビクトリーロードでしたね。単騎でやってよかった。見せられたかな。いっぱいだったけど、前がタレてくれて意外と伸びました」
 果敢に駆けた早坂秀悟が2着に粘った。
 「自分はあれしかできないんで。後ろも見えていました。前回の(8月)前橋決勝で同じような展開だっし、その時は服部(克久)さんにまくられちゃったから、今日はやめないで踏んだ。高久保と先行争いに勝てば、後は阿竹(智史)さんのまくりだけ警戒すればと思っていました」

<4R>
藤田竜矢選手
藤田竜矢選手
 スタート直後に藤田竜矢(写真)の車体故障があって、再発走での仕切り直し。8番手からの大まくりで、豪快に前団を飲み込んだ藤田だが、「すげぇ迷惑を掛けた…」と苦笑い。周囲に頭を下げてバツが悪そうに、こう振り返る。
 「ハンドルがズレてしまった。それで(再発走後は)自分の自転車じゃない感じがしましたよ。自分の中じゃもっと進んでいいと思っている。でも、ああいう地脚勝負は自分は得意なんで」
 同じ川崎がホームバンクの神奈川トリオ。若い東龍之介が先導役を務めて果敢に風を切る。車間を空けた五十嵐力は、志村太賀に合わせての番手まくり。東の意気に応えたかったが、藤田のまくりに屈しての2着に肩を落とす。
 「(東は)掛かっていたけど、志村君が俺の後ろまで来ていた。どうしようかと思ったけど(番手から出ていった)。せっかく行ってくれたのに、自分が1着を取れなくて申し訳ない。きつかったし、(自分の番手まくりは)そんなに掛かっている感じもしなかった」

<5R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 相川永伍が赤板から先行すると、3番手をキープした川村晃司(写真)が最終ホームからロングまくりで埼京勢に襲い掛かる。番手の後閑信一のブロックで一度は止まるが、最終2コーナーで再度踏み上げる。抜群のスピードで加速する川村は、2センターで前団をまくり切ると、直線で迫ってきた原田研太朗の追撃を振り切って勝利した。
 「ホームで仕掛けたけど、スピードが合ってしまって苦しい展開でした。あそこで後閑さんが出て行ってたら終わってましたね。今日は出が悪かった。でも、2日間このクラスで1着取れているんで状態は悪くないと思います」
 離れた川村後位を追った原田研太朗が、2着に入り初めてG1の準決勝進出を決めた。
 「(スタートで)誘導を追ったのがきつかった。ホームで三谷(将太)さんが離れて、ツイてましたね。助かった。外併走で脚がいっぱいだったけどなんとか凌げてよかった。初めて準決に乗れてうれしいです。あと、後ろの友定(祐己)さんもいけてうれしい」
 友定祐己は原田に続いて3着入線。
 「(原田)研太朗が前に踏む気持ちがあったから結果的に(3着に)入った。研太朗サマサマですよ(笑)。(状態は)付いていけたから悪くはない」

<6R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 赤板過ぎに主導権を握った中部勢に、木暮安由が飛び付いてもつれる。隊列の短くなった前団を目がけて、打鐘で踏んだ飯野祐太が竹内を叩いて先行。飯野ラインを追いかけた中川誠一郎(写真)が、その上を驚愕のスピードでまくってひとり旅。従来のペルビスのバンクレコードを塗り替える、8秒8の上がりタイムを叩き出して快勝。
 「(1次予選よりも)今日の方が反応が良かった。今日は結構カチッとかみ合った感じがあった。(最終)ホームでしっかり飯野君のラインに切り替えられたし、自分でも余裕があったと思う」
 木暮に付けた小林大介だったが、木暮がいっぱいと見るや最終バックで自ら踏んで出る。直線では佐藤友和を小倉竜二が張り上げ、空いたコースを小林が伸びて3着。地元の大舞台で準決進出を果たした。
 「いつもだったら外を踏むんですけど、小倉さんが内に入ってもっていけば膨れるかもしれないって。レースは意外と落ち着いて見られていますね。木暮が頑張ってくれたから、自分もなんとか(準決に)乗ることができた」
 竹内を叩いて逃げた飯野祐太が、2着に粘り込んだ。
 「中川さんより前にいて仕掛けようと思ったら、自分が踏み遅れてしまった。それでもあそこしかないと思って、タイミング良く仕掛けて行けましたね。もう(まくりは)来ないと思ったけど、中川さんはすごいスピードだった。感じは悪くないと思います」

<7R>
菅原晃選手
菅原晃選手
 渡邉一成が脇本雄太、北津留翼の機動型との先行争いを突っ張って主導権を握る。菅原晃(写真)は、北津留の踏み出しで離れるが、冷静に最終2コーナー過ぎから自力に転じ、6番手から前団を飲み込んだ。
 「包まれるのがやばいと思った。あと、成清(貴之)さんがどこまで位置にこだわるかも。サラ脚だったので、引いてもチャンスあるかと思いました。準決勝も頑張ります」
 2着には離れるも懸命に菅原を追った三宅伸
 「ああなったからよかったけど…。でも大ギアでの成績はうれしいね。ちょっと離れたけど、前のおかげ」
 外に浮いた脇本が後退。稲川翔が渡邉後位に降りて伏見俊昭ともつれると、東口善朋は踏み遅れて伏見に割り込まれる。直線で追い込んで3着も、その表情は険しい。
 「ゴールまでの過程が悪い。前の2人は頑張っているのに、自分だけっていうのは心苦しいです。ピッチが早かったので、考える余裕はなかったけど…。とにかく一戦、一戦頑張ります」

<8R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 5番手にいた石井秀治(写真)が、打鐘から逃げる三谷竜生に襲い掛かる。懸命に合わせる三谷をじわじわと追い詰め、最終ホーム過ぎに主導権を奪った石井。関東勢に先着を許したものの3着。ドリームレーサーの意地で、準決へとコマを進めた。
 「とりあえず先行して確定板にのれたし、自分の仕事はできたと思います。海老根(恵太)さんと一緒に(準決に)乗れなかったのが残念ですが、また一緒の時に頑張ります」
 平原康多が最終1コーナーで、目標の天田裕輝に見切りをつけて自力を発動。万事休すかに思われた地元の天田だったが、平原のまくりに乗って直線で鮮やかに突き抜け逆転の勝利。
 「前々に攻めたレースの結果、内にかぶっちゃった。それは仕方ないですね。平原さんは自力があるし、まくり切っちゃうと思った。だから、自分が付いていけば望みもあるかなって。(最終)4コーナーは外の分で自分が伸びました。結果的にワンツーでよかった。地元で緊張はしていますけど、そのわりには冷静に走れている」
 自力でまくった平原康多も、天田とのワンツーに目を細める。
 「あそこまで天田が頑張ってくれたんで。そこからは自然と体が反応した。人の後ろなんで感じはわからないけど、(まくって)行き切れているんで…」

<9R>
藤木裕選手
藤木裕選手
 早めに動いた矢野昌彦が、難なく赤板から先行策。後方に置かれた人気の新田祐大だが、打鐘4コーナーから仕掛ける。しかし、それに合わせて3番手をキープした藤木裕(写真)が合わせてまくり出る。新田祐は稲垣裕之の強烈なブロックも乗り越え、藤木に迫るが、最後は藤木が力強く押し切った。
 「自力でも強い稲垣さんが付いてくれて、自分もそれなりのレースをしないといけないと思って走りました。ワンツーでよかった。3番手が取れたんで新田(祐)さんの仕掛けに合わせることができた。状態はわからないけど、気持ちが入ってる開催なんで準決も頑張ります」
 新田祐を止めにいった稲垣裕之は藤木に遅れるも、懸命に追走。最後は粘る新田祐を交わして2着。
 「藤木が頑張ってくれてたし、落ち着いて走ってくれたので、自分も落ち着いて走ることができました。なんとしてもワンツーを決めたかったので、結果的に決められてよかったです。2コーナーのところは、新田(祐)をブロックにいくと、新田康仁さんにすくわれるのはわかっていたけど、それでもなにか手を打たないといけないと思って」
 新田祐大はなんとか3着で準決へのキップを手にした。
 「稲垣さんのブロックはすごかったです。あとは気持ちだけで走りました。脚の状態は悪くないです」

<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹を連れた池田勇人が、早めからペースを上げてレースを支配。3番手に飛び付いた松岡貴久は、十文字貴信を飛ばして武田後位を奪取。番手まくりを打った武田に流れ込んでの2着で、2次予選をクリアした。
 「集中して走れましたね。(武田の後ろを)取り切れて、続けたんで悪くない。でも、武田さんを抜けそうな感じはなかった」
 柴崎淳が好スピードでまくって来ると、逃げる池田の番手から武田豊樹(写真)はシビアに発進。そのまま押し切った。
 「(池田は)早い段階からですからね、あれは残らないと思った。前が頑張ってくれた結果です。自分は与えられた番組、その場所で勝てるように。先頭で走るのと番手に付くのでは、気持ちの入れ方も全然違う。その中でいろんな作業を(自分が)やらなければならない。なんでも立ち回れることが一番勝利に近い。その作業を一生懸命やるだけです」
 志智俊夫がソツなく立ち回り3着をキープ。
 「昨日の(1日の)休みが長かったけど、自分は落車明けだから良かったかもしれない。連続して走ったら、体がきつかった」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 メーンレース、「シャイニングスター賞」を制したのは金子貴志。レースは赤板2コーナーから村上義弘が前に出ると、深谷知広を突っ張る展開。壮絶な主導権争いは村上に軍配があがるが、最終バック前から深谷後位の金子がまくり出る。途中、深谷が落車するアクシデントにも見舞われたが、最後は金子がまくり切った。
 「(村上が)すごかったですね。それでも深谷があそこまで行ってくれたんで、なるべく外外を我慢してと思ってました。明日の準決は浅井(康太)にしっかり」
 先行策で魅せた村上義弘(写真)は、ゴール前まで抵抗するが2着。
 「(先行は)展開次第ですね。どこかで動けるところがあるだろうし、やっぱりみんな強いですね」
 菊地圭尚は岩津裕介をすくって村上の番手を奪うも、直線で伸びを欠いて4着。
 「落ち着きすぎました。見すぎてしまって判断ミスです。もっと早めに仕掛けないと。出た瞬間にホッとしてしまいました。準決はもっと気を引き締めて、気合入れて走ります」
 岩津裕介はレースを反省。
 「村上さんにとって、あれ(先行)は普通ですね。ちょっと1コーナーで絡む感じがあって、(村上が)バランスを崩す感じがあった。僕も読みきれなくて…。3コーナーで併走して危ない感じがあった」

【4日目9レース】
小林優香選手
小林優香選手
 ファン投票によって選ばれた「ガールズケイリンコレクション 2014 前橋ステージ ドームクイーンカップ」は、高速バンクの前橋での一発勝負。2場所の西武園で連勝が22で止まった小林優香(写真)だが、続く伊東を3連勝の完全V。崩れることなく新たな連勝街道を歩みはじめた小林が、力強い口調で抱負を語る。
 「連勝が止まってしまったけど、また一から勝てるように。伊東で気持ちをリセットできたことは大きいと思います。(気持ちを)切り替えて優勝できたし、いい気持ちでここに臨めました。ファン投票で5位に選んでもらって、その順位に負けないいいレースをしたい。いろんな動きを想定して練習もしてきた。一発勝負ってこともあって、自分はこれにかけてやってきました。脚の感じもサマーナイトフェスティバルよりもいい。いまはスピードにこだわっているので、自分らしいスピードのある走りがしたい」
 8月のサマーナイトフェスティバルでは、小林に流れ込んでの準Vだった石井寛子。コンディションには自信を持って、前橋に入ってきた。
 「(前回の)地元の京王閣が終わったら1回休んで、そこから1回追い込んできた。久しぶりに体が元気な状態なんで、それはいいですね。このメンバーは本当に読めないし、(レースに対応できる)テクニックがあってもなかなか…。33バンクだし厳しい。でも、お客さんに選んでいただいたので、勝ちにいきたいです」
 中村由香里は例によって冷静沈着。2場所前の落車の傷も癒え完調宣言。
 「(落車は)100%大丈夫です。前回の高松が終わってからウエートをやって、いつもと同じ重量にも耐えられた。高松を走ってから、イケるっていう感触もつかんだし。いつも通りの練習もすべてできたんで問題はない」
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