『第58回オールスター競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:9月18日
 明日から松戸競輪場で「第58回オールスター競輪」が開幕する。前検日の今日はファン投票などで選出された135名のトップスターが、身体、車体検査を終了。明日から始まる5日間の長丁場へ準備を整えた。初日はファン投票ベストナインによる「ドリームレース」をメーンに一次予選が争われる。
 初日は1R発売中の開会式(バンク内)から始まり、したらじゅん子&井上茂徳トークショー(5R発売中)やものまねオールスターズのバンドー太郎(7R発売中)、若井おさむ(8R発売中)、天津木村(10R発売中)のお笑いライブなど様々なイベントが予定されています。明日からは5連休。白熱のレースをぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
近藤隆司選手
近藤隆司選手
 オープニングレースの1番車に抜てきされたのは近藤隆司(写真)だ。「朝早いのはあまり得意じゃない」と話すが、地元のトップバッターとして千葉勢にいい流れを作りたい。
 「期待されてるのは嬉しいですね。(1番車に)選んでもらったし頑張りたい。前回が終わってからはほとんど休まず練習してました。3日前に松戸に入ったときも感じがよかったですね。立川、函館より軽い感じがしたのをプラスに受け止めたい。どっかり構えて勝てるメンバーじゃないので考えながら走りたい」
 山田英明は前回の伊東F1で優勝。函館サマーナイトフェスティバルで777着の悪い流れを断ち切った。
 「富山記念では色々試したのがかみ合った。サマーナイトが悪くて、終わってからちょっと休んで練習をやり始めたら伊東の追加をもらいました。オールスターへ向けて追い込んで、疲れてる状態で優勝できたのが大きかったですね。今までは疲れてたら勝負にならなかったから。伊東の決勝インタビューでは『優勝します』と言って優勝できたんで、初日も勝ちます!と、言っておきます(笑)」
 桑原大志は高いレベルで成績が安定している。
 「展開ですね。流れがグッと来てます。でも(成績を)落とす能力も持ってるんで気を引き締めて。まずは前についていくことができないとダメなんで。去年、ここのサマーナイトで岩津(裕介)に離れてる。それからは勝ち負けより、そこを見直さないとと思った。初日も山田君にしっかりついていきたい」

<2R>
小埜正義選手
小埜正義選手
 小埜正義(写真)は地元ビッグに向けて準備万端。前検日はローラーで入念に感触を確かめていた。
 「前回の四日市が終わってから休みなく練習した。3日前に松戸に入ったときも疲れはあったけど、走路は軽い気がしました。そこから練習も軽めに落としていったし、疲れが抜けてれば戦えると思う。あとは僕次第です」
 柴崎淳は四日市、小田原と記念を連続優出するなど乗れているだけに、まずは初日を突破したい。
 「前回が終わってからは2、3日休んで、そこからは休まず練習した。前回は練習とレースがあまりマッチしてなかったけど、そこは久々の33バンクだったからかもしれないですね。でも33バンクが続くのはいい。まずは流れに逆らわず。細切れなんで、そこが第一ですね。セッティングは固まったというより気にならないんで、いい感じなんだと思います」
 合志正臣は8月佐世保F1から1カ月半ぶりの実戦となる。
 「佐世保の落車で右鎖骨を骨折。骨はつながってるけど、落車したらまた折れる部分みたいだし厳しいですね。自転車には早めから乗ってたけど、全開でモガいたのは1週間前。感じはやっぱりよくなかった。でも来月には地元記念もあるし、初日でどれだけ走れるか確かめたい」

<3R>
佐川翔吾選手
佐川翔吾選手
 佐川翔吾(写真)は今回がG1初挑戦。8月豊橋記念で優出、サマーナイトフェスティバルで345着などGレースでも存在感が増しているだけに、初の舞台でどれだけ活躍できるか。
 「前回、奈良は練習方法を変えて失敗した。疲れもありましたね。今回は戻して、いつもどおりにやってきた。戻ってる感じはあるんで、大丈夫だと思う。33バンクは嫌いじゃない。初めてのG1だけど勝ち上がれるように。中途半端にならないようにいきたいですね」
 松谷秀幸はここ3場所で優勝2回。3月ダービー以来、半年ぶりのビッグを前に調子を上げている。
 「調子は徐々によくなってますね。9月伊東でクランクとか試したけど、前回の2日目から元に戻しました。松戸も嫌いじゃないです」
 松岡貴久は「負け戦ですけどね」と言いながらも、青森記念3日目に久々に自力で勝ち星を挙げた。
 「最近は気持ちの入ってないレースが多かったんで、そこだけ。脚はまだまだなんで、今回は気持ちを入れてきました。メンバー的にもゴチャつきそうだし、変に構える必要はない。集中して走ります」

<4R>
根田空史選手
根田空史選手
 8月青森で体調を崩した根田空史(写真)だが続く熊本F1、岐阜記念と場所ごとに調子を戻して地元ビッグ本番を迎えた。
 「青森で手足口病になって、その後1週間乗れなかった。体重も5キロ落ちたけど、今は戻りました。練習の感じも戻ったし、生活リズムも元に戻ったのがデカいですね。直前に松戸に入ったけど千葉より重い感じがした。でもタイムは出てるんで体調自体はいいと思う。勝ち上がって楽になりたいですね」
 8月は伊東F1で落車、続くサマーナイトで失格の憂き目に遭った木暮安由は小田原記念で2145着。「やっと完走できました」と笑顔を見せる。
 「落車の影響はもうないです。練習は普通にやってきた、感じもよかった。レースをやってみないと分からないけど、チャンスは来ると思うし、作っちゃいます!」

<5R>
古性優作選手
古性優作選手
 機動型がそろって激戦模様だが、先行力なら古性優作(写真)が一番だろう。ラインの長さを生かして果敢に攻める。
 「前回の岸和田はセッティングを探りながら走りました。終わってから日にちもあったし、練習はしっかりやってきました。状態は大丈夫です。親王牌は準決勝に乗れたので、今回もそこまでは最低でもいけるように。やることをしっかりやります」
 守澤太志は8月富山で待望のS級初優勝。前回の9月伊東は準Vと乗れている近況だ。
 「今年は2カ月が怪我で、1カ月はあっせん停止で3カ月ぐらい走れてないんで頑張りたいですね。ここ2場所はいい結果を残せて、手応えをつかめています。でも、まだG1に向けて仕上げるという強さでもないし、いつもどおり練習は普通にやってきました。前々に攻めていきます」

<6R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
 岩本俊介(写真)は久しぶりの当所参戦。記念Vの実績がある地元バンクで躍動する。
 「記念の優勝はもう4年前になりますね。練習は直前まで強めにやってきたので、ちょっと疲れはあるんですけど大丈夫でしょう。緊張はしますが、そんなにデリケートじゃないんで。今回は新フレームだけど、色が違うだけで、サイズもセッティングも一緒です。いつもどおり自力で頑張ります」
 北津留翼は相変わらず破壊力抜群の攻めを見せている。
 「練習はいつもどおりやってきたので、状態は変わらずですね。2車なんで初手はいい位置が取れそう。そこからうまい具合に先手を取りたいですね」
 菅原晃は落車の怪我から徐々に復調している。
 「怪我は大したことなかったし、前回の地元戦はフレームを換えて、感じが良かったです。終わってから風邪を引いたんで、もう少し時間はほしかったけど、大丈夫だと思います。走るのが楽しみですね」

<7R>
和田真久留選手
和田真久留選手
 和田真久留(写真)は小田原記念の準決勝で落車したが、ここに向けてきっちり立て直してきた。
 「小田原は最終日も走ろうと思えば走れたんですが、大事を取って欠場させてもらいました。怪我は擦過傷と打撲ですね。終わってから伊豆でナショナルチームの合宿があったので、そんなに休めなかったんですが、大丈夫だと思います。後ろが地元の中村(浩士)さんなんで心強い。後手を踏まないように積極的に仕掛けます」
 中村浩士は地元の大舞台へ抜かりなく仕上げてきた。
 「岐阜記念が終わってから松戸でみんなで1日練習して、千葉でスピード練習をしてきました。いい時間を過ごせたと思います。しっかり準備はしてきました。和田君に任せて頑張ります」

<8R>
小松崎大地選手
小松崎大地選手
 小松崎大地(写真)は8月小田原記念で決勝2着と好走。9月別府はオール連対で優勝と調子は右肩上がりだ。
 「小田原は松戸と同じ33だし、いろいろと収穫はありました。別府でしっかり勝ち切れたのは良かったし、きっかけになってくれればいいですね。ここに向けてしっかり準備はしてきたつもり。松戸は相性がいいけど後手を踏んだら厳しいと思う。稲村(成浩)さんも(3番手に)付いてくれるみたいなので先行基本に走ります。まずは目の前の一戦一戦をしっかり頑張るだけですね」
 和田圭は差し脚が冴え渡っている。小松崎の番手でチャンスは十分だろう。
 「最近の成績はいいですね。でも、前回の前橋が終わってから雨がずっと降っていて、そのなかで練習したら、ちょっと体調を崩してしまいました。もう治りかけているので大丈夫でしょう。小松崎さんにしっかり付いていきます」
 服部克久はF1シリーズでコンスタントにV争いを演じている。
 「最近は決勝には何とか乗れている。積極的に動くようになってから成績が上がってます。今回も33ですし、後ろも荒井(崇博)さんなんで、積極的に仕掛けます。初めてのオールスターを楽しみたいですね」

<9R>
鈴木裕選手
鈴木裕選手
 前回、青森記念はまさかの途中欠場となってしまった鈴木裕(写真)は気持ちも新たに地元G1に乗り込んできた。
 「調子は悪くなかったけど、前回はかみ合ってなかった。このまま4日間走ってもと思ったので、一度リセットしてここに向けてやってきました。青森では受け身に回るレースが多かったし、やっぱり受けるレースは性に合ってない。今回は挑戦者だし、こっちのほうが合ってるかな。直前、松戸に入った感じもよかったし、あとはやるだけです」
 寬仁親王牌を優勝してから2場所連続落車の園田匠は状態が気がかりだ。
 「前回(サマーナイト)からけっこう空いたけど、僕は走ったほうがいい。走って感触を確かめたり、セッティングも変えたりするんで空きすぎてもダメなんです。怪我の影響であまりモガけなかったし、まずは走ってみて。でもレースになれば気持ちが入るんで大丈夫だと思う。初日、上手に勝ち上がれたらトントンといけそうな気がします」

<10R>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 早坂秀悟(写真)は8月のあっ旋しない処置を挟んで、7月の福井、9月の青森と記念を連続優出。近況、乗れている早坂が2度目のオールスターで、単騎の選手が5人となった“超”細切れの初日一次予選のトリを務める。
 「青森記念が終わってから、ナショナルチームの合宿があった。自分は同じところ(CSC)で練習をしていた。そしたらそこにタイトルホルダーが続々と来てくれたんで、いい練習ができました。渡邉一成さんとはいつも一緒に練習をしてるし、成田(和也)さんとも結構やっている。あとは小嶋(敬二)さん、深谷(知広)も来た。(初日は)相手が強いけど、自分らしいレースができるように頑張ります。自分は人気になっても受けて立つっていうのじゃなくて、自分が挑戦者だと思ってやっている。もうちょっと落ち着いて走れたら、もっといいレースができるかなとは思います」
 前回の高松F1を827着。優出を果たしている石丸寛之だが、その手応えには納得のいかない表情。
 「走っていて感覚が、自分のイメージからかけ離れている。流れてくれる部分が全然ないし、キツい感じがある。フレームとも合っていないんですよね…。このバンクは嫌いじゃない。ただ大ギアの時は悪くなかったんだけど、3.92のギアだとまた別ですから。(33バンクは)長距離砲の方がやっぱりいい」

<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 昨年9月13日、前橋でのオールスター3日目での落車で鎖骨骨折の大怪我に見舞われた深谷知広(写真)が、2年連続でファン投票1位に輝き再びドリームレースの舞台に戻ってきた。しかしながら、優勝は昨年8月の豊橋記念から遠ざかり、賞金ランクも17位とグランプリ出場へは賞金上積みが絶対条件。
 「(ファン投票1位には)本当にビックリしました。電話でその話を聞いた時はまさかと思いました。活躍していない中で、選んでもらったんでしっかりと走りたい。(サマーナイトフェスティバルで優勝した近藤龍徳に)刺激をもらったし、負けてられないですから。自分も巻き返すことができるように、一戦、一戦いい走りをしたい。練習の中ではすごいいい感じだし、(落車の)怪我は絶対に治っていると思う。気持ちをしっかりと持っていきたい。ここは成績もいいし、(昨年優勝した)サマーナイトフェスティバルは最近の中でのベストレースだと思う」
 自転車を組み立てる村上義弘は、ファンの思いを背負いながら静かに口を開く。
 「僕ら選手はこういう(ファンの)期待があって頑張れるんでね。どんなレースでも頑張ることに変わりはないけど、(ファン投票によるオールスターは)違った性質があります。状態は一時期に比べたらいいと思います。ここに入る前にはほぼひとりで練習をやっていた。しっかりと自転車と向き合って生活しました。やれることはやってきました」
 練習中の落車で右手首を骨折しておよそ2カ月の欠場を余儀なくされた平原康多は、復帰場所の青森記念が5115着。決勝までコマを進めた現況に自信を深めた様子。
 「(青森は)2勝できるとは思わなかったし。決勝はあのメンバーであんだけ戦えて自信になりました。(青森記念で)日に日に自信が戻ってきた。準決では思ったところから仕掛けて、結果につながったんでそれも自信になった。決勝は力負けだけど、納得はしている。自分のラインが1、2、4、5着だったんでね」
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